はじめに
💭「体操服の短パンを履くときに、前がズレてしまう」
💭「ボクサーパンツのウエストが、履くたびにくるくる丸まってしまう」
――そんな 「ちょっとした着替えの困りごと」に、心当たりはありませんか?

実は、「着替えの困りごと」は、「発達性協調運動症(DCD)」のお子さんによく見られる特徴のひとつです。
「不注意」や「やる気の問題」ではなく、次のような発達のアンバランスが関係しています。
🧠 体の位置感覚(ボディスキーマ)
✋ 手の使い方・力加減(協調運動)
👀 前後や向きを捉える力(視空間認知)

これらのバランスがまだ整っていないと、
ズボンが回ってしまったり、パンツのウエストがくるくるしたりといった困りごとが起きやすくなります。
本記事では、
✅ ズボンが回ってしまう原因と対策
✅ パンツのウエストがくるくる丸まる理由と練習方法
✅ 家庭でできる支援教材「ウエストピン練習シート」
をわかりやすくご紹介します✨
毎朝の着替えが少しでもラクに、笑顔でスタートできるヒントをお届けします🌸
目次
はじめに:ズボンが回る・パンツがくるくるする困りごと
- ズボンが回る原因(センターがずれる)
【発達性協調運動症(DCD)の子に多い理由】 - ズボンの回り対策:家庭でできる支援
- 体操服の短パンが回る場合の改善方法
- パンツのウエストがくるくる丸まる原因(DCD特性)
- パンツがくるくる丸まる!家庭でできる改善ステップ
- 家庭で使える「ウエストピン練習シート」
- 服の選び方と環境調整
- 家庭でのルーティン・声かけのコツ
- まとめ:焦らず積み重ねる「見える化トレーニング」
1. ズボンが回る(センターがずれる)原因
【発達性協調運動症(DCD)の子に多い理由】
1️⃣ 前後・向きの認識があいまい
→ タグを見逃す・「前」がどこか分からない
→ 履く途中で持ち替えてしまい、方向がズレる
2️⃣ ウエストを持つ位置がズレる
→ 左右のバランスが崩れ、引き上げ時に回転してしまう
3️⃣ 姿勢が不安定
→ 立ったまま履くと体のねじれがズボンに伝わる
4️⃣ ズレへの気づきが弱い
→ 履いたあとに違和感があっても気づけない、直せない
2. ズボンの「回り」対策(家庭でできる支援)

✅「前」を分かりやすくする
- タグやシールで「前」を色分け(赤・青)
- アイロンプリントで「★」や「🚗」など好きなマークを
- ウエストの内側にマーカー線
- 裏返しチェックを一緒に練習
👕 → 見た瞬間に「これが前!」と分かるようにしておくことが大事。
✋持ち方のトレーニング
- 両手で前ウエストを持つ(親指は内側・残りの指は外)
- 「持ち替えない」「途中で回さない」を意識
🔹練習手順:
- 机の上にズボンを置く
- 前後を確認(タグを見る)
- 両手でウエストの前をつまむ
- 足を通して上げる
🪑座って履く練習
立って履くとバランスが崩れやすいので、まずは座位で練習。
- 座ったまま太ももまで上げる
- 立ってウエストを整える
- 鏡で「おへそと前の線」をチェック
🪞履いた後の「センターチェック」
- 鏡の前で「おへその下に前の線が来ているか」確認
- 視覚的に整えることで「ずれている感覚」が育つ
💬 声かけ例:
「おへその下に線あるかな?」
「ずれてたら、くるっと直そうね」
🧠ボディスキーマ(自分の体の位置を感じる力)を育てる遊び
- 「まえうしろクイズ」:目をつぶって「前はどっち?」
- 「服の前後あて」:いろんな服で前を探す
- 「まえまえゲーム」:マークのある方を前にする遊び
遊びながら「前」を意識する感覚を身につけましょう。
✋ 指先強化あそび

- 洗濯ばさみ・ピンチはさみ遊び
- マジックテープはがし
- 紙を丸めてつぶす
👉 こうした遊びが「ウエストをつかむ感覚」「指先の力加減」を高めます。
🌟まとめ
| 課題 | 対策 |
|---|---|
| ズボンが回ってセンターがずれる | 見た目で「前」を明確化・持ち方を固定 |
| 履くときに回ってしまう | イスに座って履く+両手をバランスよく |
| 履いた後の確認ができない | 鏡チェックと「おへそセンター」習慣 |
| 感覚的に分かりにくい | ボディスキーマを育てる遊び+成功体験を積む |
3.【体操服の短パンが回ってしまう(センターが合わない)】🩳

🔎 原因
- パンツと同様に、前後の認識・空間認知が苦手
- ゴムが均等に伸ばせず、片手が先に引っ張ることでねじれる
- 履く順番・姿勢にばらつきがある
4. 体操服のズボンが回ってしまう改善策・練習方法🧩
✅ 1. 前後が分かる目印をつける
- 前側に⭐️ワッペン、後ろにタグや🔵シール
- 幼稚園・学校指定でも、タグの位置を利用して「タグはうしろ」を習慣化
✅ 2. 履く姿勢を安定させる
- 立ったままだとズレやすいので、最初は座って履く練習
- ズボンのウエスト部分を両手で持ち、前後を確認してから足を入れる
- 立ち上がる前に、⭐️が前にあるかチェック
✅ 3. 「ズボンピン練習シート」を活用
- 紙の輪(ズボン)を用意して、前・後・左右に色をつける
- 指で「両手で左右を持つ」「前を前に向ける」動きを練習
👉 実際のズボンに置き換える前のイメージ練習になります。
✅ 4. お着替えのスモールステップ
- まずは「前後の向き」を確認
- 次に「ねじれていないか」をチェック
- 最後に立ってセンターを合わせる(前タグが真ん中にあるか)
✅ 5. 言葉のサポート

- 「前は⭐️」「タグはうしろ」など、声かけをセットに
- 見通しと安心感を与えることで焦りを減らします
🧸家庭でのサポート例
| タイミング | サポート内容 |
|---|---|
| 朝の支度 | 鏡の前で「タグ・マーク確認」 |
| 着替え練習 | 座って履く+「センターチェック」声かけ |
| 振り返り | 「今日はまっすぐ履けたね!」と褒めて定着 |
| 項目 | 対策 |
|---|---|
| くるくる回る | 太めゴム・目印・座って履く練習 |
| 前後がずれる | ⭐️印・タグ位置確認・センター合わせ |
| 指先の不器用さ | 洗濯ばさみ遊び・ピン練習シート |
| 習慣化 | 「前は⭐️」声かけ+鏡チェック |
4. パンツのウエストがくるくる丸まる原因(DCDに多い)🩲

これは、DCD(発達性協調運動症)の子どもによく見られる着替えの困りごとです。
単なる「雑」や「焦り」ではなく、以下のような発達特性が関係しています。
1️⃣ 両手の動きのバランスがずれる
→ 左右の引っ張り方が均等でなく、片手だけ強く引いてしまう
→ 結果として、ウエスト部分が「ねじれ」や「丸まり」を起こす
2️⃣ 布地を均等に持てない
→ 指先の不器用さや力加減の難しさにより、持つ位置がズレる
→ 均等に引き上げられず、布がくるくると丸まる
3️⃣ 前後・上下の感覚があいまい(空間認知の課題)
→ 「前はどっち?」「どちらが上?」の理解が不十分
→ ウエストをねじって持っても気づきにくい
4️⃣ 手順の混乱・確認不足
→ 「ウエストを持つ→足を通す→上げる」の順番が曖昧
→ ねじれたまま履いてしまい、気づかないまま完了してしまう
5️⃣ 感覚のフィードバックが弱い
→ 丸まったときの「違和感」に気づきにくい、または直し方が分からない
→ 触覚過敏や鈍感さが影響していることも
6️⃣ 注意の分散・焦り
→ 朝の支度などで「急いで履く」ことで、動作への意識が向かない
→ 感覚確認を省略してしまい、くるくるのままになってしまう
💡ポイント
これは「不器用だから」ではなく、
🧠 空間認知・運動計画・感覚統合の課題が重なって起きているサインです。
焦らず「順序」「感覚」「バランス」を「見える化」して練習することが大切です。
5. パンツがくるくる丸まる!家庭でできる改善ステップ🧠
【1】動作の見える化(順序の定着)
視覚支援カードで「3ステップ」を明確に:
1️⃣ 前後を確認(タグ)
2️⃣ 両手でウエストを持つ
3️⃣ くるくるチェック → 両足を通す
💬 声かけ:「くるくるないかな?」「ピンと伸ばしてみよう」
【2】持ち方・力加減の練習
「ピンと伸ばすゲーム」で左右バランスを体感。
🎲 ゲーム例:
- 「ピン対決」:どっちがまっすぐ持てるか競争
- 「ねじねじチェック」:ねじれている方を見つけるクイズ
- 「マスキングテープでねじれ防止」:テープがくしゃくしゃにならなければOK!
【3】姿勢を安定させる
イスに座って履くことで、余計な力が入らず安定。
バランス遊びも取り入れて、体幹を育てましょう。
6. 家庭で使える「ウエストピン練習シート」
DCDの子どもが苦手とする「両手のバランス・力加減」を見える化して練習する教材です。
🎯目的
- 両手で同じ場所・同じ力でつかむ感覚を育てる
- 「ねじれない動き」を視覚で理解する
- 実際の着替え動作にスムーズに移行する
🧠使い方(A4サイズを印刷)
🔵 👖 🔵
① 両手で🔵をつまむ
② 左右をピンと伸ばす
③ くるくるがないかチェック!
④ 上にスライドして履く練習
💡シートの上にズボンを重ねて「ピン!」と引く感覚を練習。
7. 服の選び方(センターがずれない・くるくるしない服)

✅ センターがずれにくい服を選ぶポイント
- センターライン入りのズボン
… ステッチやプリントで「前」が分かるデザインがおすすめ。 - ウエストの前後差がはっきりしているもの
… 紐・ボタン・ポケットが前にあると「どちらが前か」が一目でわかる。 - タグが中央にあるもの
… 内側中央のタグで、毎回迷わず「前」を確認できる。
💡 「前」が一目でわかる服は、着替えの成功体験を増やし、自信につながります。
✅ ウエストがくるくる丸まらない服を選ぶポイント
- 幅広ゴム(2.5〜3cm以上)
… 細いゴムは左右バランスが崩れやすく、片手で強く引くと丸まりの原因に。 - 素材は「ややしっかりめ」
… 薄すぎるとねじれやすく、厚すぎると履きにくい。適度な厚みが理想。 - 柔らかく滑りにくいウエスト縫い目
… 表面に少し摩擦のある素材が、くるくるを防止。 - ねじれ防止構造のゴムを採用したパンツ
… 一体型ゴムや「くるくる防止ゴム」を使った商品もおすすめ。
💡 素材と構造を見直すだけで、履き心地が安定し、ストレスがぐっと減ります。
👀 視覚支援をプラスして「迷わない」工夫を
- ウエストに⭐や🎨色マークをつけて「前」を見える化
- タグやマークを活用して「前後の認識」をサポート
🌟 まとめ:服選びのチェックリスト
- ☑ 幅広ゴム(2.5〜3cm)
- ☑ ややしっかり素材
- ☑ 前後タグ or マーク付き
- ☑ センターラインやデザインで前が分かる
- ☑ ねじれ防止構造のウエスト
👕 「着替えやすい服」を選ぶことが、成功体験を増やし、自信と意欲を育てます。
6. 家庭で使える「ウエストピン」練習

家庭での声かけ・習慣化
| タイミング | サポート内容 |
|---|---|
| 朝の着替え前 | 「前後チェック」+「ピン練習」 |
| 着替え中 | 「両手で同じ力」「くるくるない?」と声かけ |
| 着替え後 | 「今日もピンとまっすぐ!」と褒めて定着 |
💡ポイント
服の形や素材だけでなく、家庭での「確認・声かけ」を組み合わせると、
丸まりにくく、スムーズな着替え習慣につながります。
👉 1~2週間繰り返すと、手順と力加減が定着していきます。
8. よくある質問と答え
ズボンが回るのはDCDの子だけですか?
DCDによく見られますが、運動や空間認知の未発達でも起こります。
座って履かせる練習はいつまで続けるべきですか?
子どもが安定して立って履けるようになるまでが目安です。
タグやマークは市販品でも代用できますか?
可能です。視覚的に「前」と分かれば、シールやワッペンでもOKです。
ウエストがくるくるするのは力の入れすぎですか?
不器用さや空間認知の課題が影響していることが多く、「力加減の問題」だけではありません。
ゲーム形式の練習は効果がありますか?
楽しみながら繰り返すことで、手の使い方や前後認識が定着しやすくなります。
服選びで工夫すべき点は?
ウエスト幅広・前後差が分かりやすい・タグが見える服が適しています。
ピン練習シートはどのくらいの頻度でやるといいですか?
朝の着替え前・練習中・着替え後の3ステップで毎日1〜2週間ほど繰り返すと定着します。
感覚過敏がある場合はどう対応する?
布地やタグを柔らかくしたり、刺激の少ない素材で練習すると取り組みやすいです。
一人でできるようになるまでどのくらいかかりますか?
子どもによりますが、数週間〜数か月かけて段階的に身につけるケースが多いです。
保育園や学校でも対応できますか?
タグやマーク、座って履く方法を伝えると、園でも取り入れやすくなります。
🌟まとめ
「ズボンが回る」「パンツがくるくるする」――これは不注意ではなく、発達特性のサインです。
焦らず、ひとつずつ「できた!」を積み重ねることが、スムーズな着替えへの第一歩👟✨
👀 見える化(センターマーク・色マーク)
✋ 手の動きをサポートするピン練習
🪞 鏡チェックで成功体験を積み重ねる
家庭でのちょっとした工夫で、朝の支度がぐんとスムーズになります☀️
親子で楽しみながら取り組む「視覚支援トレーニング」で、
毎日の着替えを もっとラクに・もっと笑顔に していきましょう💖
🧩 困りごと・原因・対策 早見表
| 困りごと | 主な原因 | 対策のヒント |
|---|---|---|
| ズボンが回ってセンターずれ | 前後の認識が難しい 持ち方の偏り 姿勢の不安定さ | 見える化(タグ・マーク)+座って履く+センターチェック |
| ウエストがくるくる | 左右の力加減のアンバランス | ピン練習シート ピンゲーム 幅広ゴムを使用 |
| 感覚的に分かりにくい | フィードバックが弱い | 鏡チェック 視覚支援 成功体験を積む |
| 履くときに丸まる | 両手のバランスが崩れる 強弱の偏り | 順序の明確化 手の使い方練習 安定した座位で履く |
📢次回予告
お楽しみに✨