はじめに
5歳の息子が道路に飛び出しそうになり、思わず激怒してしまいました。
3歳の次男を抱っこし、療育先の息子を迎えに行った帰り道でのこと。
先生が「危ないよ」と声をかけると、息子はあえて道路に飛び出そうとしました。
「わざと?」「あまのじゃくでも絶対あかんやろ?」と思ってしまう行動でしたが、
調べてみると理由がありました。
慌てて洋服を引っ張り、事故にはなりませんでしたが、心臓が飛び出るかと思う瞬間でした💦
「どうしてこんな行動をとったの?」と不安になり、調べて学んだことをまとめます。
目次
- どうして5歳の子が「わざと」危険な行動をとるの?🧠
危険行動が起きやすい理由(4つの要因)
└①「禁止される=試したくなる」現象
└② 切り替えがうまくいかない
└③ 身体コントロールが未熟
└④ 大人の反応で安心を確認 - なぜ「禁止されると試したくなる」のか?
「禁止される=試したくなる」現象の仕組み - 改善の基本原則(禁止語を減らして誘導へ)
- 実践的な改善方法(5つのアプローチ)
└① 行動を置き換える
└② 先に状況を知らせる(予告)
└③ 選択肢を与える
└④ 短期の注意集中
└⑤ ご褒美・承認で正しい行動を強化 - 家庭で使える安全ルーティン
- 具体的な声かけ&動作の例(道路シーン)
- 体験談の考察|息子の行動の理由
5歳の危険行動を防ぐための声かけや行動のコツ - よくある質問
- まとめ|今日の学び
1. どうして5歳の子が「わざと」危険な行動をとるの?🧠5歳が道路に飛び出す理由
まず知っておきたいのは、幼児期や発達特性のある子どもは、
「わざと困らせたい」わけではないことが多いということです。
こうした行動の背景には、次のような要因があります。
危険行動が起きやすい理由(4つの要因)

①「禁止される=試したくなる」現象
- 幼児の脳は衝動抑制が未発達で、禁止されると逆に興味を引かれる
- 強い言葉(「危ない!」「ダメ!」)は反射的に行動を誘発する
- ASD・ADHD傾向の子には特に見られやすい
②切り替えがうまくいかない
- 療育の活動から帰るタイミングで、気持ちの切り替えが難しい
- 急な声かけや状況変化で不安やモヤモヤが増える
③身体コントロールが未熟
- 力加減・方向転換・危険予測などの身体制御が発達途中
- 「飛び出そうとした」というより、体が反射的に動いた可能性がある
④大人の反応で安心を確認
- 不安な子どもは、大人の反応を見て「自分は守られている?」と確認する行動をすることがある
2. なぜ「禁止されると試したくなる」のか?
「禁止される=試したくなる」現象・幼児の危険行動が起きる仕組み

幼児期の脳はまだ衝動抑制機能が未発達
→ 「やってはいけない」と分かっても、行動を止める力が弱い
禁止=刺激的な情報
→ 「やってはいけないこと」ほど目がいき、興味や好奇心を刺激
発達特性による「衝動性・注意の切り替えの弱さ」
→ 注意が逸れやすく、禁止の言葉に反応してしまう
3. 改善の基本原則

禁止の言葉を減らし、行動を誘導する方法に切り替えるのがポイントです。
- 「〜しないで」は避ける
- 「〜しようね/〜できる?」などの肯定的指示に変える
- 選択肢やルールを具体的に提示する
4. 実践的な改善方法(5つのアプローチ)

① 行動を置き換える
- 危険な行動を否定する代わりに、安全な行動に置き換える
- NG:「道路に出ちゃだめ!」
- OK:「歩道を歩こうね」「手をつないで歩こう」
② 先に状況を知らせる(予告)
- 事前にルールや行動を伝えておくと衝動を抑えやすい
- 例:「これから道路を渡るよ。手をつないで歩こう」
- 繰り返すことで、子どもは「危ないときはこうする」と学習
③ 選択肢を与える
- 禁止だけだと反発が強くなる場合、選べる安心感を与える
- 例:「道路に行きたくなったら、走るのと歩くのどっちにする?」
→ 実際は「手をつないで歩く」しか安全ではないが、選択肢のように提示して主体性を感じさせる
- 例:「道路に行きたくなったら、走るのと歩くのどっちにする?」
④ 短期の注意集中
- 「やっちゃダメ!」で反射的に動く場合、事前に手をつなぐ/身体をガイドする
- 身体を制御しながら言葉で誘導する
⑤ ご褒美・承認で正しい行動を強化
- 危険回避や手をつないで歩けたら、すぐに褒める
- 注意よりも成功体験を強調することが逆反応を減らす鍵
5. 家庭でのルーティン活用
- 日常的に「予告→行動→褒める」を繰り返すと学習効果が高い
- 例:療育帰りの動線を固定
- 車道や横断歩道の前で「手をつなごう」
- 渡るときは「右手はママの手」
- 渡りきったら「安全に渡れたね、えらい!」
💡 ポイントまとめ
| ポイント | 方法 |
|---|---|
| 禁止語を減らす | 「〜しないで」→「〜しようね」に変換 |
| 行動を置き換える | 危険行動→安全行動に誘導 |
| 先に予告する | 「これから道路を渡るよ」と前もって伝える |
| 選択肢で主体性 | 「どっちにする?」で安心感を与える |
| 成功体験で強化 | 行動直後に具体的に褒める |
6. 安全行動をとれるようにするための具体的セリフ&動作例
5歳の息子が道路など危険な場面で 衝動的に飛び出さず、
安全行動をとれるようにするための具体的セリフ&動作例 を作ります。
🚦道路での安全ルーティン例(5歳向け)
①出発前の予告
- 目的:行動の先読みをさせ、衝動を減らす
- 声かけ例:
- 「これから歩道を歩くよ。手をつなごうね」
- 「ママの右手を持って、左手はカバンにするよ」
- ポイント:短く具体的に。指示は肯定形で。
②道路の前
- 目的:危険行動を置き換え、落ち着かせる
- 声かけ例:
- 「道路には行かないで、歩道を歩こう」
- 「走りたくなったら、手をつないで歩くよ」
- 動作サポート:
- 手をしっかりつなぐ
- 軽く身体を歩く方向に誘導する
③横断時
- 目的:安全行動を体で覚えさせる
- 声かけ例:
- 「右手はママ、左手はカバンだよ」
- 「車が来る前に止まって確認しよう」
- 動作サポート:
- 歩く前に一旦立ち止まらせる
- 足元を意識させながら進む
④渡りきった後
- 目的:正しい行動を強化
- 声かけ例:
- 「手をつないで渡れたね、えらい!」
- 「ちゃんと待てたね、すごいね!」
- ポイント:
- 行動直後に褒める
- 抽象的な褒めよりも具体的に褒める
⑤日常ルーティン化
- 同じ道で毎回繰り返す
- 「予告→手つなぎ→確認→褒める」の流れを固定
- 安全行動が習慣化しやすくなる
💡 コツ
- 禁止語「ダメ」「危ない」は最小限に
- 選択肢を与えて主体性を感じさせる
- 例:「手をつないで歩く?それとも走る?」→実際は手をつなぐ方を選ばせる
- 感情も言葉で受け止める
- 例:「道路に行きたかったんだね、ドキドキしたんだね」
7. 体験談:考察「禁止される=試したくなる」現象だったと思われる

この現象は、幼児期の衝動性や発達特性と深く関係しています。
改善のポイントは 禁止の言葉を減らし、安全行動に誘導すること です。
🔹実践的な方法
- 行動を置き換える
- NG:「道路に出ちゃだめ!」
- OK:「歩道を歩こうね」「手をつないで歩こう」
- 先に状況を知らせる
- 例:「これから道路を渡るよ。手をつなごうね」
- 選択肢を与える
- 例:「走る?それとも歩く?」(実際は安全な方を選ばせる)
- 短期の注意集中
- 手をつなぐ、体を軽く誘導しながら安全行動へ導く
- 成功体験で強化
- 行動直後に褒める
- 例:「手をつないで渡れたね、えらい!」
5歳の危険行動を防ぐための声かけや行動のコツ🚦
- 禁止語を最小限にする:「ダメ」「危ない」は減らす
- 肯定的な指示で置き換える:「〜しようね」「〜できる?」
- 具体的な行動を伝える:「右手はママ、左手はカバン」
- 予告→行動→褒めるをルーティン化すると習慣化しやすい
- 感情を受け止める言葉を添える:「ドキドキしたね」「行きたかったんだね」
8. よくある質問
うちの子も急に道路へ向かいます。やっぱり「わざと」でしょうか?
多くの場合わざとではなく、衝動性・不安・好奇心によるものです。
「危ない!」と言うと逆に走り出します。どうしたらいい?
禁止語より「歩道を歩こうね」と具体的な誘導が効果的です。
発達特性がある子は危険行動が多い?
衝動のコントロール・注意の切り替えが難しいため起きやすい傾向があります。
飛び出しを防ぐ一番効果的な方法は?
手つなぎ+予告(先にルールを伝える)+褒める、の3点セットです。
何度言っても改善しない場合はどうすれば?
繰り返しの学習が必要。
短い言葉で同じルーティンを続けると定着します。「選択肢」を与える意味は?
主体性が生まれ、反発(逆反応)が減るためです。
兄弟がいる場合の対策は?
下の子を抱っこしていても、上の子には「右手はママ」と安全行動を固定します。
絶対に言ってはいけない声かけは?
「走らないで!」など否定語だけの指示。
危険行動をイメージさせてしまいます。事前予告は毎回必要?
はい。予告は衝動を減らす「予防薬」のようなものです。
習慣化すると効果が出ます。すぐに褒めるのが大切なのはなぜ?
行動直後でないと脳が「安全行動=いいこと」と結びつかないためです。
まとめ
今回の体験で分かったことは、5歳の息子が危険な行動をとったのは わざとではなく、
衝動や不安、身体コントロールの未熟さが原因 であること。
ポイントは、
- 禁止語を減らして安全行動を具体的に伝える
- 予告や選択肢で安心感を与える
- 行動直後に褒めて成功体験を強化する
これらを繰り返すことで、衝動的な飛び出しや危険行動を少しずつ減らすことができます。
✅ 今日の学び
「危ない!」と反射的に怒る前に、行動を置き換え、予告して褒める。
こうすることで、子どもも安心して安全行動ができるようになります✨
📢次回予告
お楽しみに!
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