はじめに|ST・PTがいる児童発達支援を選んだ理由
息子が児童発達支援に通い始めて、気づけば1年が経ちました。
数ある児童発達支援事業所の中から、わが家が今の施設を選んだ大きな理由は、言語聴覚士(ST)や理学療法士(PT)といった専門職が在籍していたことです。
息子には、
- 吃音や発音の不安
- 言葉で説明することの苦手さ
- 体の使い方の不器用さ
- 姿勢の崩れやすさ
- 集団指示の聞き取りにくさ
- 新しい活動への不安
がありました。
幼稚園だけでも成長はしていましたが、息子に合った方法で、言葉や体の使い方を専門的に見てもらえる場所があると安心だと感じました。
この記事では、わが家が実際に児童発達支援で受けたST・PTの支援内容や、息子に見えた変化を体験談としてまとめます。
「児童発達支援のST・PTって何をするの?」
「専門職がいる事業所を選ぶ意味はある?」
「幼稚園との違いは?」
そんな方の参考になれば嬉しいです。
結論|ST・PTの支援は「できた!」を増やす専門的なサポートだった
最初に結論から言うと、わが家にとってST・PTの支援がある児童発達支援を選んだことは、とても大きな安心につながりました。
ST・PTの支援は、何かを無理やり直すものではありません。
息子の場合は、
- 言葉を出しやすくする
- 伝えたい気持ちを整理する
- 口や体の使い方を知る
- 姿勢や体幹を育てる
- 遊びながら苦手に挑戦する
- できた経験を増やす
という形で、少しずつ自信につながっていきました。
劇的に一気に変わったわけではありません。
でも、日々の支援の積み重ねで、
「やってみる」
「できた」
「楽しい」
が増えていったことは、親として本当に大きな変化でした。
児童発達支援と幼稚園の違いを感じた場面
息子は以前、幼稚園に行くことを嫌がる日がありました。
朝になると、
「行きたくない」
と涙ぐむこともあり、親としてもどう声をかければいいのか悩んでいました。
でも、児童発達支援では通い始めて間もない頃から、比較的スムーズに行けるようになりました。
スタッフの方に理由を聞いたとき、こんなふうに教えてもらいました。
「活動の前に、何をするかを一人ひとりに分かりやすく伝えるようにしています。見通しが持てると安心しやすい子も多いんです」
息子は「今日は何をするのか」が分かると安心するタイプです。
児童発達支援では、
- 活動前に流れを伝える
- 子どもに合わせて声をかける
- 不安そうな時は無理に急かさない
- できたことをすぐに褒める
という関わりが多く、息子にとって安心しやすい環境だったのだと思います。
幼稚園が悪いという意味ではありません。
幼稚園は集団生活の中で学ぶ場所。
児童発達支援は、困りごとに合わせて練習する場所。
役割が違うのだと感じました。
授業参観で感じた「支援の手厚さ」
幼稚園の参観と児童発達支援の参観では、見える景色が少し違いました。
幼稚園では、先生が多くの子どもたちをまとめています。
先生方は本当に一生懸命で、集団を動かす力にはいつも感謝しています。
ただ、息子のように全体指示を聞き逃しやすい子にとっては、
「今、何をする時間なのか」
「次に何をすればいいのか」
が分からず、戸惑う場面もありました。
一方、児童発達支援の参観では、スタッフが子ども一人ひとりに近い距離で関わっていました。
「次はこれをするよ」
「ここまでできたね」
「もう一回やってみよう」
と、個別に声をかけてもらえる場面が多くありました。
息子も、安心した表情で活動に参加していました。
児童発達支援の遊びには「支援のねらい」がある
児童発達支援で印象的だったのは、一見ただの遊びに見える活動にも、きちんと支援のねらいがあることです。
例えば「お買い物ゲーム」では、次のような力を使います。
| 活動 | 育ちやすい力 |
|---|---|
| 買うものを覚える | 記憶力 |
| 順番に行動する | 手順理解 |
| 店員役とやりとりする | コミュニケーション |
| 順番を待つ | 社会性 |
| お金を払う | 数の概念 |
| 最後までやりきる | 達成感 |
息子は遊びとして楽しんでいましたが、その中で自然に言葉・社会性・手順理解を練習できていました。
「楽しい」と「練習」が一緒になっているところが、児童発達支援の良さだと感じました。
STとは?言語聴覚士による支援

STとは、言語聴覚士のことです。
言葉、発音、聞こえ、飲み込み、コミュニケーションなどを専門的に支援する職種です。
息子の場合は、吃音や発音、言葉で説明する力に不安があったため、STの支援があることはとても心強く感じました。
STで受けた支援内容
息子が受けたSTの支援には、次のようなものがありました。
- 絵本の読み聞かせ
- 言葉あそび
- 吹きゴマなどのお口の遊び
- 語彙を増やす遊び
- やりとりの練習
- 気持ちや状況を言葉にする練習
- 吃音についての相談
「言葉の練習」と聞くと、机に向かって発音を直すようなイメージがあるかもしれません。
でも実際には、遊びの中で自然に言葉を引き出してくれる支援が多かったです。
息子も「練習させられている」という感じではなく、楽しみながら取り組めていました。
吃音がある息子にとって安心できたこと
息子には吃音があります。
調子の良い時期もあれば、言葉が出にくくてつらそうな時期もあります。
親としては、
「この声かけでいいのかな」
「焦らせていないかな」
「本人はどう感じているのかな」
と悩むことがありました。
そんな時、STに相談できる場所があることは、私にとって大きな安心でした。
吃音そのものをすぐに治すというより、
- 話しやすい環境を作る
- 急かさず聞く
- 本人の気持ちを大切にする
- 困った時に相談できる
という土台ができたことが大きかったです。
PTとは?理学療法士による支援

PTとは、理学療法士のことです。
姿勢、体幹、バランス、歩く・走る・ジャンプするなど、体の使い方を専門的に見てくれる職種です。
息子は体の使い方に不器用さがあり、ダンスや運動が苦手でした。
姿勢が崩れやすかったり、体の動かし方がぎこちなかったりする場面もありました。
そのため、PTの支援があることも、事業所選びの大きな決め手になりました。
PTで受けた支援内容
PTの支援では、遊びの中で体の使い方を練習していました。
例えば、
- バランスボール
- ジャンプ遊び
- サーキット運動
- ダンス
- 姿勢を保つ遊び
- 体幹を使う運動
- バランス感覚を育てる活動
などです。
息子にとって、運動は「できない」「難しい」と感じやすいものでした。
でも、児童発達支援では、楽しい遊びとして取り入れてくれるので、少しずつ挑戦できるようになりました。
ダンスや運動への苦手意識が変わった
以前の息子は、ダンスや体を使う活動が苦手でした。
幼稚園の行事でも、固まってしまったり、周りの動きについていけなかったりすることがありました。
でも、児童発達支援でダンスや運動遊びを続けるうちに、少しずつ変化が出てきました。
ある日、家で息子が児童発達支援でやっている「朝の会」のダンスを見せてくれたんです。
楽しそうに体を動かす姿を見て、胸がいっぱいになりました。
以前は避けていた活動を、今では笑顔で見せてくれる。
これは、親として本当に嬉しい変化でした。
多彩な支援プログラムで「できた」が増えた
ST・PTの専門支援だけでなく、施設ではさまざまな活動がありました。
例えば、
- 製作活動
- 知育あそび
- ルール遊び
- ごっこ遊び
- クッキング
- 椅子取りゲーム
- リトミック
- ビジョントレーニング
- おくちことば遊び
- 季節行事
などです。
息子はこうした活動を通して、「できた」「楽しい」という経験を積み重ねていきました。
小さな成功体験が増えると、子どもの表情が変わります。
以前は「できない」「難しい」と言うことが多かった息子も、少しずつ「やってみる」と言える場面が増えました。
児童発達支援に通って見えた息子の変化

小さな成功体験の積み重ねが、『やってみる』気持ちにつながりました。
1年通って感じた変化は、ひとつではありません。
大きな変化というより、小さな変化が積み重なった感覚です。
「やってみる」が増えた
以前は、新しい活動に不安が強く、
「できない」
「難しい」
と言うことが多くありました。
でも今は、スタッフの方の支えもあり、
「やってみる」
と挑戦できる場面が増えてきました。
友達との距離感が少しずつ育った
以前は、友達との距離が近すぎたり、関わり方が一方的になってしまうことがありました。
児童発達支援では、少人数の中でスタッフが間に入りながら、
- 順番を待つ
- 貸してと言う
- 相手を見る
- 距離を取る
- やりとりを楽しむ
練習ができました。
まだ課題はありますが、落ち着いて関われる場面が増えたと感じています。
手先や集中力にも変化があった
製作活動や知育遊びを通して、手先を使う経験も増えました。
最初は苦手意識があった活動も、少しずつ取り組めるようになり、集中して参加できる時間も増えてきました。
安心して楽しめる場所になった
何より大きいのは、息子にとって児童発達支援が「安心できる場所」になったことです。
スタッフからも、
「リラックスして楽しんでいます」
「今日はこんなことに挑戦できました」
と伝えてもらえることが増えました。
家庭以外に、安心して挑戦できる場所がある。
それは、親にとっても大きな支えになりました。
親にとっても安心できる場所だった
児童発達支援は、子どもだけの場所ではありません。
親にとっても、相談できる場所でした。
特に、
- 吃音のこと
- 言葉の発達のこと
- 体の使い方のこと
- 友達との関わり方
- 家での声かけ
- 幼稚園との違い
について、専門的な視点で話を聞けることは心強かったです。
子どもの困りごとを一人で抱え込まなくていい。
そう思えるだけで、親の気持ちも少し楽になりました。
長期休暇中も助かったこと
夏休みや冬休みなどの長期休暇中も、児童発達支援はわが家にとって大きな支えでした。
家にいる時間が長くなると、子どもも退屈しやすく、親も疲れやすくなります。
でも、児童発達支援に通うことで、
- 生活リズムが整う
- 楽しい活動に参加できる
- 友達やスタッフと関われる
- 親も少し休める
- 兄弟児との時間も取りやすい
というメリットがありました。
息子が楽しく通ってくれることで、私自身も少し余裕を持てる日が増えました。
親子それぞれにとって、無理なく過ごすための支えになっていたと思います。
ST・PTがいる事業所を選ぶときに確認したいこと
これから児童発達支援を探す方は、見学時に次の点を確認しておくと安心です。
- ST・PTは常勤か、曜日限定か
- 個別支援は毎回あるのか
- どのような内容を見てもらえるのか
- 保護者へのフィードバックはあるか
- 家庭でできる取り組みも教えてもらえるか
- 子どもの困りごとに合った支援があるか
- 幼稚園や保育園と連携できるか
「STがいる」「PTがいる」というだけでなく、実際にどんな形で関わってもらえるのかを聞いておくことが大切です。
よくある質問
児童発達支援のSTとは何ですか?
STは言語聴覚士のことです。言葉、発音、コミュニケーション、吃音、聞く力などに関する支援を行います。
児童発達支援のPTとは何ですか?
PTは理学療法士のことです。姿勢、体幹、バランス、歩く・走る・ジャンプなど、体の使い方に関する支援を行います。
ST・PTがいる事業所を選んだ方がいいですか?
言葉や運動面に具体的な困りごとがある場合は、専門職がいる事業所は心強いです。ただし、子どもとの相性や支援内容も大切です。
STの支援では何をしますか?
絵本、言葉あそび、お口の遊び、やりとり練習、発音や吃音の相談など、子どもに合わせた支援を行います。
PTの支援では何をしますか?
バランスボール、サーキット運動、ジャンプ、姿勢を保つ遊びなどを通して、体幹や体の使い方を育てます。
児童発達支援と幼稚園は何が違いますか?
幼稚園は集団生活や幼児教育が中心です。児童発達支援は、子どもの困りごとに合わせた支援や練習を行う場所です。
専門職の個別支援は毎回受けられますか?
事業所によって違います。常勤か曜日限定か、個別支援の頻度は見学時に確認するのがおすすめです。
吃音がある子も児童発達支援で相談できますか?
相談できる場合があります。言語聴覚士がいる事業所や、吃音に理解のある施設だと安心です。
児童発達支援に通うとすぐ変化がありますか?
すぐに大きく変わるとは限りません。小さな成功体験を積み重ねることで、少しずつ変化が見えてくることが多いです。
親へのフィードバックはありますか?
事業所によりますが、連絡帳や面談で活動内容や成長を共有してもらえることがあります。見学時に確認しておくと安心です。
まとめ|ST・PTの専門支援は、親子の安心につながった
児童発達支援に通い始めてからの1年を振り返ると、ST・PTの専門支援がある環境を選んでよかったと感じています。
言葉のこと。
吃音のこと。
体の使い方のこと。
姿勢や運動のこと。
親だけでは分からないことを、専門職の視点で見てもらえる安心感がありました。
そして何より、息子自身が「できた」「楽しい」「やってみる」を少しずつ増やしていけたことが大きかったです。
児童発達支援は、子どもを変えるための場所ではなく、子どもが自分らしく成長するための支えになる場所だと感じています。
これから利用を考えている方は、まずは見学や相談から始めてみてもいいと思います。
お子さんに合う支援の形が、少しずつ見えてくるかもしれません。