はじめに|「行けば楽しめるのに」毎朝の涙が止まらない
3歳の次男は、幼稚園の2年目。
園では笑顔で過ごせるのに、登園前になると不安が爆発してしまいます。
制服を着せようとすると「行きたくない!」と泣き出し、靴を履くころには涙と鼻水でぐちゃぐちゃ…。
行けば先生にも友達にも笑顔で手を振るのに、朝は毎回1時間泣き続ける日もあります。
そんな日々を繰り返すうちに、私自身も「どうして泣くの?」「いつまで続くの?」と不安になることがありました。
でも調べていくうちに分かったのは、幼児の“強い不安”は珍しくないということ。
そして、親の関わり方次第で少しずつ安心できるようになるということです。
この記事では、
「不安症とは何か」「どんなサインがあるのか」「家庭でできるサポート」について、体験を交えながらお伝えします。
目次
はじめに|「行けば楽しめるのに」毎朝の涙が止まらない
- 幼児の「不安」と「不安症」の違いとは?
- 幼児の不安症サイン|こんな行動・症状に気づいたら
- なぜ幼児は不安を抱えやすいのか
- 家庭でできる「安心サポート」5つのコツ
- 我が家のケース|「泣く朝」を抜け出しつつある小さな一歩
- 専門家のサポートを考えるタイミング
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:不安とともに成長していく子どもたちへ
第1章:幼児の「不安」と「不安症」の違いとは?
幼児期の不安は、成長の一部としてよく見られるものです。
たとえば、
- ママやパパと離れるのが不安(分離不安)
- 初めての場所や人が怖い(社交不安)
- 大きな音や暗闇を怖がる(恐怖)
といった反応は、発達の過程で自然に現れます。
一方で、「不安症(不安障害)」とは、
その不安が長期間続いたり、生活に支障をきたしたりする状態を指します。
💡 不安症の代表的なタイプ
- 分離不安症:親と離れると強い不安やパニックを起こす
- 全般性不安障害:さまざまなことを常に心配してしまう
- 社交不安障害:人前に出ることや注目されることに強い恐怖を感じる
第2章:幼児の不安症サイン|こんな行動・症状に気づいたら
不安が強い子どもは、言葉で伝えられない分、体や行動でサインを出すことがあります。
👀 よく見られるサイン
- 朝になると腹痛や頭痛を訴える
- 登園前に泣き続ける・拒否する
- 夜眠れない、夜泣きが増える
- 新しいことへの抵抗が強い
- いつも親のそばを離れたがらない
- 吐き気・動悸・呼吸の浅さが出ることも
こうした状態が数週間以上続く場合は、「一時的な不安」ではなく、「不安症」としてサポートが必要なケースもあります。
第3章:なぜ幼児は不安を抱えやすいのか
不安の背景には、いくつかの要因が重なっていることが多いです。
不安はひとつの原因だけで起きるわけではなく、環境・気質・人間関係などの要素が重なって生まれることが多いです。
🧠 ① 生まれ持った気質
「慎重」「敏感」「初めてのことが苦手」といった気質的な不安の強さは、生まれつきの性格に近い部分があります。
🌦 ② 環境の変化
進級、担任の先生の交代、引っ越し、弟や妹の誕生など、
生活の中で変化があると、子どもは安心感を失いやすくなります。
💬③ 園でのトラブルや人間関係のストレス
友達とのトラブルや、「先生に怒られた」「うまく話せなかった」といった小さな出来事も、
幼児にとっては大きな不安の引き金になります。
🧩 ④ 発達特性との関係
発達障害(ASD、ADHDなど)のある子は、予測できない状況や感覚刺激への不安を強く感じやすいこともあります。
💞 ⑤ 親の不安が伝わることも
朝のバタバタで「早くして!」と焦る気持ちは、子どもにも伝わります。
親の心の余裕が、子どもの安心に直結するのです。
第4章:家庭でできる「安心サポート」5つのコツ
私が次男の不安と向き合っていく中で、少しずつ効果を感じた方法を紹介します。
① 共感を言葉にする
「怖いよね」「ママも初めてのときはドキドキしたよ」
子どもの不安を否定せず、その気持ちを受け止める言葉をかけましょう。
② 朝のルーティンを「見える化」
ホワイトボードに「①お着替え→②朝ごはん→③出発」と書いておくと、
“何が起きるか予測できる”安心感が生まれます。
③ スモールステップで慣らす
たとえば「玄関まで出る」「門まで行ってみる」など、
少しずつ目標を分けて成功体験を積むのがポイントです。
④ 安心グッズを持たせる
お気に入りのハンカチや小さなマスコットなど、安心の象徴を持つことで気持ちが落ち着く子も多いです。
⑤ 親自身が落ち着く
「また泣くかな」と思うと、どうしても焦ってしまいますよね。
深呼吸をして、穏やかな声で対応するだけでも、子どもの不安がやわらぎます。
第5章:我が家のケース|「泣く朝」を抜け出しつつある小さな一歩
🔹 泣いても大丈夫。涙の中に「前進」はある
登園前に1時間泣いていた次男も、今では「少ししか泣かない日」が増えてきました。
最初は「門まで一緒に」「園の入り口まで手をつなぐ」といった小さなステップから始めました。
泣いても無理に引き離さず、「今日も行けたね」とできた部分を認めてほめることを意識。
すると少しずつ、「ママ、今日は泣かないで行けるかも」と自信を口にするように。
不安がゼロにならなくても、「安心して泣ける関係」があることが、何よりの支えになっていきました。
第6章:専門家のサポートを考えるタイミング
もし次のような状態が長く続くときは、専門機関に相談してみましょう。
- 不安や体調不良が数週間以上続く
- 登園・通園・通院など日常生活に支障がある
- 不安で食事・睡眠・遊びができない
🏥 相談できる場所
- 小児科(まず相談先としておすすめ)
- 発達相談センター・療育センター
- 小児精神科・児童心理外来
- カウンセリング・認知行動療法などの支援
「病気だから通院」ではなく、安心のために話を聴いてもらうことから始めてOKです。
本記事は筆者の体験をもとにした一般的な情報です。
症状や状態に不安がある場合は、専門機関にご相談ください。
第7章:よくある質問(FAQ)
幼児の不安症は自然に治りますか?
成長とともに落ち着くケースもありますが、長期間続く場合は専門家のサポートが効果的です。
登園前に毎日泣くのは不安症ですか?
一概には言えません。
数週間以上続く・体調不良を伴う場合は相談をおすすめします。親ができる声かけのポイントは?
「怖いよね」「ママもそうだったよ」と共感を言葉にすることが安心につながります。
どうして朝だけ不安が強くなるの?
「親と離れる」状況が近づくことで不安が高まりやすくなります。
無理に登園させてもいいの?
強制よりも、少しずつ慣れるスモールステップの方が長期的には安定します。
不安症と分離不安は違うの?
分離不安は成長段階の自然な反応。
不安症は生活に支障が出るほど続く状態を指します。発達障害との関係はありますか?
ASDやADHDなど発達特性を持つ子は、変化への不安を強く感じやすい傾向があります。
不安症の治療には何をするの?
カウンセリングや認知行動療法などが中心。薬は慎重に使われます。
家でできるリラックス法は?
深呼吸、アロマ、安心グッズなどで「落ち着ける空間」を作るのが効果的です。
きょうだいがいると不安が悪化することは?
環境の変化や注目の分散で一時的に不安が強くなることがありますが、徐々に落ち着きます。
まとめ:不安とともに成長していく子どもたちへ
不安症のある子は、慎重で思いやりのある性格を持っていることも多いです。
不安を感じやすいぶん、人の気持ちに敏感で、優しさを育みやすい子でもあります。
焦らず、比べず、「今日はここまでできたね」と小さな一歩を認めること。
それが、自己肯定感と安心感を同時に育てる鍵です。
📢次回予告
「幼児の不安症に効く声かけ|登園前の涙をやわらげる7つの言葉」
どうぞお楽しみに。
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