はじめに
空間認知能力は、日常生活や学習、スポーツのパフォーマンスに欠かせないスキルです。
この能力は、子どもの成長期に特に重要で、私も息子が療育先で取り組んでいる様子を見て、その大切さを改めて実感しています。
療育で教えてもらった遊びを家庭にも取り入れることで、親子で一緒に楽しみながらトレーニングする時間が増え、自然と息子の能力も伸びているのを感じています。
例えば、私たちが取り組んでいる「ボール遊び」では、最初はボールを投げてキャッチすることすら難しかった息子も、今ではタイミングよく受け取れるようになり、自信をつけてきました。
また、「ジャグリング」の練習では、遊びながら集中力や手の動きをコントロールする力を養えます。
息子が初めてジャグリングに挑戦したとき、ボールを受け取るタイミングに四苦八苦していました。でも少しずつ慣れるにつれ、自信をつけていきました。
私自身も一緒に挑戦することで、親子の距離もぐっと縮まりました。
家で取り組むこれらのトレーニングは、特別な道具も必要なく、遊び感覚で続けられるので、無理なく習慣にすることができます。
何より、子どもが楽しんで取り組んでくれるのが嬉しいポイントです。
今回は、私が家庭で実際に息子と行っている6つの簡単な空間認知トレーニングをご紹介します。
親子で一緒に楽しみながら、認知能力を高めていきましょう。
目次
- はじめに
- 空間認知能力の重要性と療育での経験
- 家庭でのトレーニングの楽しさと効果
- ビジョントレーニング(注視・追視)
- 注視トレーニング
- 追視トレーニング
- ビジョントレーニングの効果と注意点
- ボール遊びで距離感を養う
- 大きなボールを使ったトレーニング
- 小さなボールを使ったトレーニング
- トレーニング時のポイント
- 親子で挑戦!ジャグリング
- ジャグリングの効果
- 家で始める簡単ジャグリング
- 間違い探しで空間認知能力を鍛える
- 間違い探しの効果と具体例
- 色判断ゲームで視覚認識力を高める
- 点描写トレーニングとは?トレーニングで細かい動きをサポート
- まとめ
- 遊び感覚で取り組むトレーニングの魅力
- 親子で楽しむ習慣作り
1. ビジョントレーニング(注視・追視)
ビジョントレあーニング(注視・追視)は、目の動きや視覚処理能力を鍛えるためのトレーニング方法です。
特に、視線を安定させたり、動く物体を目で追う能力を育てることは、空間認知能力や反応速度を向上させる重要なステップとなります。以下に、注視と追視のトレーニングを詳しく解説します。
1. 注視トレーニング
注視(じっと見る能力)は、特定の点や対象に視線を固定し続ける力を鍛えるトレーニングです。このスキルは、物体を正確にとらえたり、集中力を高めるために必要です。
方法:
- 固定注視
紙やボードに小さな点やマークを描き、それを一定時間見つめる練習です。- 初心者は5秒間から始め、慣れてきたら10秒、15秒と時間を延ばします。
- 点の位置を変えたり、背景の色を変えることで難易度を調整できます。
- 近遠注視
遠くの物と近くの物を交互に見つめる練習です。- 例えば、遠くの壁に貼ったポスターと、手に持ったカードを交互に見る練習を行います。
- ピントを調整する力が鍛えられるため、日常生活での視覚処理がスムーズになります。
- 視点移動トレーニング
2つ以上の固定点を用意し、視線を交互に移動させる練習です。- 点の間隔を広げたり、時間制限を設けると難易度が上がります。
2. 追視トレーニング
追視(動く物体を目で追う能力)は、動的な視覚情報を処理しながら、体の動きをコントロールするために重要です。
方法:
- ボール追視
ボールを左右や上下に動かし、それを目で追わせます。- 初めはゆっくり動かし、徐々に速くします。
- ボールの色や大きさを変えることで、集中力や適応力も鍛えられます。
- ペン追視
ペンやスティックをゆっくり動かし、先端を目で追う練習です。- 曲線やジグザグの動きを取り入れると、視線の柔軟性が向上します。
- トレーニング後、目が疲れる場合は休憩を挟みましょう。
- 光点追視
暗い部屋でレーザーポインターや懐中電灯の光を動かし、それを目で追うトレーニングです。- 目に直接光が当たらないよう注意しながら行います。
- 子どもが興味を持ちやすく、ゲーム感覚で取り組めます。
ビジョントレーニングの効果
- 視覚と体の連動性向上:目で見た情報を素早く体に伝えられるようになるため、スポーツや日常動作がスムーズに行えるようになり
ます。 - 集中力アップ:視線をコントロールできるようになることで、学習や遊びの場面での注意力が向上します。
- 反応速度向上:動く物体に対して素早く反応できるようになります。
注意点
- トレーニング中は、目に過度な負担をかけないよう、1回のセッションを10分以内に収めることをお勧めします。
- 毎日少しずつ継続することが大切です。週に3〜5回行うと効果が現れやすくなります。
- 視覚や発達に関して専門的な懸念がある場合は、療育センターや視覚の専門家に相談してください。
おすすめの実践ポイント
- トレーニングを遊びとして取り入れることで、子どものモチベーションを維持できます。
- 兄弟や家族と一緒に行うと、楽しく継続しやすくなります。
ビジョントレーニングは、視覚的な空間認知力を鍛えるだけでなく、親子のコミュニケーションの時間としても最適です!
2. ボール遊びで距離感を養う
ボール遊びは、空間認知能力のトレーニングとして非常に効果的で、シンプルで手軽ながらも多様なアプローチが可能です。
ボールの大きさによって鍛えられる能力が異なるため、それぞれの特性を活かした練習が大切です。
ボールを使うことで、子どもは自然と距離感を学びながら、手と目の協調性も鍛えることができます。
キャッチボールやボールを転がす遊びなど、シンプルで楽しみながら取り組める点も魅力です。
大きなボールを使ったトレーニング
大きなボールは視認性が高く、初心者でも扱いやすい特徴があります。特に、バランス感覚や距離感、タイミングを鍛えるには最適です。
具体的なトレーニング方法
- キャッチ&スロー
- 両手でボールをキャッチして投げ返すシンプルな動作。
- ボールの高さや速さを変えることで、反応速度やタイミングの精度を高めることができます。
- 小さい子どもには柔らかいビニールボールを使うと安心です。
- 転がし遊び
- 座った状態でボールを転がして相手に渡す練習。
- これにより、目と手の連動性や、相手との距離感を意識する力が身につきます。
- キックトレーニング
- ボールを蹴って指定された場所まで運ぶ練習。
- 足での操作を加えることで、全身の連動性や力加減の調整を学べます。
小さなボールを使ったトレーニング
小さなボールは、細かな動作や精密なコントロールを必要とするため、難易度が上がります。
この練習を通じて、より高度な空間認知能力を鍛えられます。
具体的なトレーニング方法
- 片手キャッチ
- 片手で小さなボールを投げてキャッチする練習。
- 最初は利き手で行い、慣れてきたら反対の手でも挑戦することで左右のバランスを鍛えます。
- 「ピンポン玉かごいれ」ゲーム
- ピンポン玉を床に転がし、カゴや箱に入れる遊び。
- 適度に難易度を調整するため、カゴの位置や距離を変えるのがおすすめです。
- 子どもの集中力や目と手の協調性を高める効果があります。
- スプーンリレー
- 小さなボールやピンポン玉をスプーンに乗せて運ぶゲーム。
- 手首の微調整やバランス感覚を育む練習として非常に有効です。
トレーニング時のポイント
- 安全性の確保
- 柔らかい素材のボールを使用し、怪我のリスクを避ける。
- 小さいボールは誤飲の危険性があるため、特に注意が必要です。
- 遊び感覚で取り組む
- 子どもが興味を持てるように、「○回成功したらご褒美!」などの目標を設定すると効果的です。
- 徐々に難易度を上げる
- 成功体験を積むことで、子どもの自己肯定感が高まり、次への挑戦意欲が増します。
ボール遊びは、楽しみながら空間認知能力を伸ばせる最適なアプローチです。家族で取り組めば、親子のコミュニケーションの場にもなり、良い思い出が増えるでしょう!
3. 親子で挑戦!ジャグリング:空間認知トレーニング効果と詳しい方法
ジャグリングは、視覚・動作・反応の連携を求められる高度なトレーニング方法です。
これにより、空間認知能力を始めとして、バランス感覚、集中力、さらにはストレス耐性も向上する多面的な効果があります。
以下で、初心者向けのアプローチやポイントを詳しく説明します。
ジャグリングの効果
- 空間認知能力の向上
- ボールの動きを予測し、空間での位置関係を正確に把握する能力が鍛えられます。
- 自分とボール、複数のボール同士の距離感を瞬時に捉える必要があるため、応用力も身につきます。
- 反応速度の向上
- ボールをキャッチするタイミングや投げる順番を素早く判断し行動に移すことで、反射神経が鍛えられます。
- 集中力の強化
- 一度に複数のことを考えながら動作するため、注意を集中させる力が必要になります。
- バランス感覚の向上
- ボールの高さや間隔を一定に保つために、身体全体の動きを微調整する力が養われます。
家で始める簡単ジャグリング
ジャグリングは、難しそうに見えますが、実際には初心者でも少しずつ始められる遊びです。
何より、失敗しても笑い合える時間が増え、親子の絆が深まること間違いなしです。
1つのボールを両手で交互に投げるところからスタートし、慣れてきたらボールの数を増やしていくと、子どもも無理なく取り組めます。
まずは柔らかいフェルトボールや小さなボールを用意し、落ちても安全な環境を整えましょう。
初心者向けのジャグリングの始め方
1. ボール2つで練習
- 基本姿勢
肩幅に足を広げ、リラックスして立つ。両手でボールを1つずつ持ちます。 - 交互投げの練習
- ボールを1つ、真上に軽く投げ上げる(目線より少し上の高さ)。
- そのボールが頂点に達したら、もう片方の手のボールを投げる。
- キャッチするタイミングに集中し、リズムを一定に保ちます。
※この練習に慣れるまで急がず繰り返しましょう。
2. ボール3つに挑戦
- 初期セット
両手に1つずつボールを持ち、残りの1つは最初に投げる手に持つ。 - 動作の流れ
- 最初のボールを真上に投げる。
- そのボールが頂点に達するタイミングで、次の手のボールを投げる。
- ボールを3つ使ってリズムを一定に保ちながら続けます。
※最初は短時間の成功を目指し、少しずつ時間を延ばしていきます。
コツと工夫
- 高さを一定に保つ
ボールを投げる高さを目線より少し上に統一することで、安定したリズムが生まれます。 - 最初は柔らかいボールを使用
ソフトな素材のボールを選ぶと、キャッチミスしても安全です。小さな袋状のジャグリングボールもおすすめです。 - 壁を利用する
壁の前に立ち、ボールが遠くに飛ばないようにすると練習がスムーズです。 - 短時間の練習を繰り返す
集中力を保つため、1回5〜10分程度の練習を数回に分けて行うのがおすすめです。
ジャグリングを家庭で楽しく取り入れる方法
- 親子で競争
「何回続けられるか」や「どちらが安定しているか」を競うゲーム形式にすることで、楽しさが倍増します。 - 音楽を活用
好きな曲に合わせてリズム良くジャグリングをすると、テンポ感覚が鍛えられ、練習も楽しくなります。 - 映像を撮影して確認
自分の動きを後から確認することで、改善点が分かりやすくなります。
発展トレーニング
- ボールの数を増やす
慣れてきたら4つ、5つと増やすことで、さらなるスキルアップが期待できます。 - 道具を変える
ボール以外にもリングやクラブ(棒状の道具)を使うことで、新しい挑戦ができます。 - 動きながらのジャグリング
片足立ちや移動しながらジャグリングを行うと、さらに高いバランス感覚が要求されます。
ジャグリングは、空間認知能力を鍛えるだけでなく、ゲーム感覚で取り組めるため、子どもたちにも大人気のトレーニング方法です。練習を通じて自信や達成感を得られるので、ぜひ楽しみながら挑戦してください!
4. 間違い探しで空間認知能力を鍛える方法
間違い探しは、子どもが楽しみながら、視覚的な注意力や空間認知能力を鍛えられるトレーニング方法です。
この活動では、2つの似た絵の違いを探すことで、物事の微細な違いを見つける能力が向上し、観察力や集中力が高まります。
また、子どもだけでなく大人にも効果的な脳トレーニングとして人気があります。
家庭でできる間違い探しは、印刷物だけでなく、日常の風景や物の配置を少し変えて挑戦することもできます。
間違い探しのトレーニング効果
- 空間認知能力の向上
- 図形の対称性やパターンのズレを見つけることで、視覚情報を正確に認識し整理する力を養います。
- 注意力と集中力の向上
- 細かな違いを見つけるには、じっくりと観察する集中力が必要です。特に視覚に関する選択的注意が鍛えられます。
- 問題解決能力の向上
- 「どこが違うのか?」を探るプロセスは、観察・仮説立て・検証といった論理的思考の基礎を学ぶことにも繋がります。
- 認知速度の向上
- 慣れてくると、絵全体を素早くスキャンして違いを探すスピードが向上し、反応力が磨かれます。
具体的な取り組み方
1. 簡単な間違い探しから始める
- 初めて取り組む場合は、違いの数が少なく明確なもの(5箇所程度)を選ぶと良いです。
例: 色が違う、形が欠けているなど分かりやすい変更点。
2. 難易度を徐々に上げる
- 徐々に難易度を上げ、違いが微妙で見つけにくいものや違いの数が多い絵に挑戦します。
例: 影の向きが異なる、背景の細かいパターンが変わっているなど。
3. 時間制限を設ける
- 制限時間を設けて間違いを探すことで、集中力と判断速度をさらに鍛えられます。
4. チームで協力する
- 家族や友達と一緒に取り組み、協力しながら探すと、コミュニケーション能力や協調性も育まれます。
具体的な遊び方の例
- ペーパー形式
本やプリントにある間違い探しを用意して、ペンで印をつけながら進める。市販の間違い探しブックを活用するのも良い方法です。 - デジタル形式
タブレットやスマートフォンの間違い探しアプリを使うと、手軽に多くの問題に挑戦できます。
アニメーションや音声付きのアプリは、特に子どもたちに人気があります。 - 手作り間違い探し
自分で2枚の絵を描き、どこかをわざと変えて問題を作ります。親子で作り合うのも楽しい活動になります。 - リアル間違い探し
実際の部屋や風景の中で間違い探しをする方法。
例えば、リビングの配置を少し変えて「どこが変わったか?」と子どもに尋ねる遊びを取り入れてみてください。
子どもが日常的に見ている環境の変化に気付くことで、視覚的な認知力が鍛えられ、観察力も高まります。
注意点と工夫
- 褒めることを忘れずに
子どもが間違いを見つけた時に「すごいね!」と褒めることで、達成感が生まれ、次への意欲が高まります。 - 子どもに合った難易度を選ぶ
あまりに難しいと挫折することがあるので、子どものレベルに合わせた問題を選びましょう。 - 時間や量を調整する
長時間取り組むと疲れやすいので、1回のセッションを短く区切り、休憩を挟むと良いです。
間違い探しで遊びながら学ぶアレンジアイデア
- テーマを決める
季節(春・夏・秋・冬)、イベント(ハロウィン、クリスマス)に関連するイラストを使うと、より興味を引きやすくなります。 - 難易度別にランキング
自分の得点を記録し、ランキング形式で目標を設定すると、成長を実感できます。 - 親子で役割交換
親が作った問題を子どもが解く、子どもが作った問題を親が解く、という形で役割を交代すると、楽しさが倍増します。
間違い探しは、短い時間でできるため、ちょっとしたスキマ時間にもぴったりのトレーニング方法です。
視覚的な楽しみを通じて、お子さんの空間認知能力や集中力を遊びながら伸ばしてみてください!
4. 色判断ゲームで視覚認識力を高める
色判断は、視覚的な空間認知能力や情報処理能力を高めるだけでなく、集中力、注意力、そして反応速度を鍛えるトレーニングとして効果的です。
特に、色を見分けるスキルは、日常生活のあらゆる場面で役立ちます。
例えば、信号の色を確認する、服をコーディネートする、片付けの際に分類をするなどの活動にも繋がります。
家庭にあるカラフルなアイテムを使って、簡単にゲーム感覚で楽しく遊べる方法を取り入れましょう。
色判断トレーニングの効果
- 視覚認識力の向上
色の違いを瞬時に判断する練習を繰り返すことで、視覚的な注意力と認識力が高まります。 - 反応速度の向上
瞬時に色を見分けるトレーニングを通じて、刺激に対する反射的な反応が素早くなります。 - 分類能力の発達
異なる色やパターンを分類するスキルが向上し、整理整頓や課題の分解が得意になります。 - 問題解決能力の向上
色に基づく判断を繰り返すことで、視覚情報を分析し、決定する能力が養われます。
具体的なトレーニング方法
1. ボールを使ったゲーム
- 準備
異なる色のボールを複数用意します。(例: 赤、青、黄色、緑のボール) - 遊び方
- 親が「赤いボールだけ集めて!」と指示を出し、子どもがその指示に従ってボールを集めます。
- 次第に複数色の指示に変え、例えば「赤と青のボールだけ集めて」と難易度を上げる。
- 効果
瞬時に色を判断するスキルや、聞いた情報を保持する作業記憶が鍛えられます。
2. 色カードの仕分け
- 準備
異なる色のカードや布切れ、小さなブロックを用意します。 - 遊び方
- カードをテーブルにランダムに広げ、特定の色だけを仕分けする。
- タイムを測って速さを競うとゲーム性が増します。
- 効果
視覚的情報を素早く認識し、整理する力を高めます。
3. 色スピードゲーム
- 準備
カラフルな図柄やカードが描かれたアプリやボードゲームを用意します。(例: 「ドブル」などのゲームがおすすめ) - 遊び方
- 表示された色に即座に反応し、正しい行動を取る。(例: カードを叩く、指を差す)
- 他の参加者とスピードを競う形にすると盛り上がります。
- 効果
反射神経と集中力を同時に鍛えることができます。
4. 色合わせパズル
- 準備
カラーパズルや、色の異なる部品を組み合わせる玩具を用意します。 - 遊び方
- 指定された色のパターンになるように部品を配置する。
- 制限時間を設けて取り組むとゲーム性がアップします。
- 効果
視覚的なパターン認識力や問題解決能力が伸びます。
5. 色判断クイズ
- 準備
カラフルな図柄やイラストを用意します。(例: リンゴの絵に異なる色を塗る) - 遊び方
- 「正しい色はどれ?」と選ばせたり、「リンゴは赤、バナナは黄色」といった色当てゲームを行います。
- 難易度を上げる場合、絵に異なる色をつけて「本当の色ではないものを探して!」と指示する方法も。
- 効果
色の概念と日常生活での色の役割を学ぶことができます。
注意点と工夫
- 子どものペースに合わせる
難易度は子どもの年齢や発達に応じて調整してください。焦らず楽しく取り組むことが大切です。 - 適切な声かけをする
成功した時は「すごい!よく見つけたね」と具体的に褒め、失敗した時も「惜しかったね!もう一回やってみよう」とポジティブに声をかけましょう。 - 色覚の特性に注意
子どもによっては色覚に特性がある場合があります。難しさを感じた場合は専門家に相談すると良いでしょう。 - 親子で楽しむ
競争型にするなど、親子で一緒に楽しむことで継続しやすくなります。
色判断トレーニングは、遊びながら視覚認知や情報処理のスキルを高める絶好の方法です。
日常のちょっとした時間を活用して、子どもの成長をサポートしましょう!
5. 点描写トレーニングとは?トレーニングで細かい動きをサポート
点描写トレーニングは、紙の上の点や線を視覚的に認識し、それをなぞったり結んだりする活動を通じて、
手と目の協調(視覚・運動協応) を養う方法です。
これは視覚的な空間認知と手先の動きを結びつける優れたトレーニングで、手先の器用さや空間認知能力、集中力を鍛えるのに効果的であり、幼児から児童まで幅広い年齢で活用できます。
親が一緒に取り組むことで、子どもも安心して集中できます。
点描写トレーニングの目的
- 視覚認知の強化
点の位置や間隔を目で追うことで、空間を正確に把握する力を育みます。 - 運動の精度向上
手指の微細な動きをコントロールし、ペンや鉛筆で正確に描けるようになるための練習になります。 - 集中力の向上
点を結ぶ作業には集中が必要であり、長時間のタスクに取り組む姿勢を養います。 - 学習スキルの基礎作り
書く動作の基本となる運筆力を高めることで、文字や絵の学習をスムーズにします。 - 達成感の向上
完成した図形や絵を見ることで「やり遂げた」という満足感を得られ、自己肯定感を高めます。
具体的なトレーニング方法
1.点と点をつなぐ遊び (簡単な方法)
紙にいくつかの点を打ち、それらを順番につなぐ遊びをしてみましょう。
簡単な図形を描いたり、複雑なパターンに挑戦したりすることで、子どもの視覚認知力と手先の運動能力が向上します。
2. 点つなぎ(ドット・トゥ・ドット)
- 準備
点が番号順やアルファベット順に並んでいるプリントを用意します。市販の「点つなぎ」ドリルや、簡単な手描きでもOK。 - 方法
- 点を順番に線で結んでいきます。
- 最初は単純な形(丸、三角)から始め、徐々に複雑な図形や動物の絵などに挑戦します。
- 効果
数字やアルファベットの認識と同時に、手と目の連携を高められます。
3. 点の上をなぞる
- 準備
点線で描かれた絵や文字をプリントした用紙を用意します。 - 方法
- 点を一つずつ正確にペンでなぞります。
- ペンの太さを変えたり、色鉛筆で楽しさを加えたりする工夫もできます。
- 効果
運筆力と集中力を養います。また、完成した絵が達成感につながります。
4. 点描写による創作
- 準備
無地の紙と複数の色ペンを用意します。 - 方法
- 子どもが自由に点を描き、その点を結んでオリジナルの絵を作る遊びです。
- 親がテーマを設定して(例: 星座、動物)点の配置を手伝うのも良いです。
- 効果
想像力を刺激しながら、手先の巧緻性を育てることができます。
5. 点の間隔を測るトレーニング
- 準備
点と点の間隔が異なるプリントを用意します。 - 方法
- 点を結ぶ際、同じ力加減で線を引くことを意識させます。
- 隣の点までの距離感を掴む練習ができます。
- 効果
空間の距離感を測る能力が養われ、運筆のバランス感覚が向上します。
レベルアップの工夫
- テンポを変える
点を結ぶスピードを早めたり遅くしたりして、柔軟に対応する力を養います。 - 点以外の要素を加える
点を結ぶだけでなく、完成した絵を色塗りして仕上げることで、遊びの幅を広げられます。 - 点の配置を難しくする
点の間隔を不規則にしたり、視覚的な迷路の中で正しい点を見つける要素を加えると、難易度がアップします。 - 親子で競争する
どちらが早く・正確に点を結べるか競争すると、ゲーム性が増して楽しめます。
日常生活への応用
- 文字を書く際の運筆力アップ
点描写の練習は、ひらがなやアルファベットなどの学習の基礎力向上に役立ちます。 - 図形認識や地図の読解
点を結ぶ練習は、図形や地図を理解する際の空間認知力をサポートします。 - 手先を使う作業の改善
手先を使う細かい作業や、絵を描く能力が向上します。
- 無理のない進め方
子どもの集中力や能力に合わせ、簡単なものから徐々にレベルを上げましょう。 - ポジティブな声かけ
「ここまでできたね!」「素敵な絵になったよ」と褒めて、やる気を引き出します。 - 休憩を取りながら進める
長時間のトレーニングは避け、短いセッションを何度か行うと効果的です。
点描写トレーニングは、楽しく取り組める活動でありながら、学習や日常生活に役立つスキルを育てます。ぜひ親子で楽しみながら取り組んでみてください!
まとめ
空間認知能力を鍛えることは、子どもの日常生活や学びを大きくサポートします。
私自身、息子と遊ぶ中でその効果を実感してきました。
今回ご紹介した「ビジョントレーニング」「ボール遊び」「ジャグリング」「間違い探し」「色判断」「点描写」の6つのトレーニングは、家庭で簡単に取り組めるものばかり。何より、子どもが楽しみながらできるのが魅力です!
親子で笑顔を交えながら遊び感覚で取り組むことで、子どもの認知力を無理なく自然に伸ばしていけます。また、こうした時間は、親子の絆を深める素晴らしい機会にもなります。
ぜひ、ご家庭でこれらの遊びを取り入れながら、お子さんの成長を楽しくサポートしてみてください。
さらに、こうした視覚的なサポートや家庭での工夫は、療育の場面でもとても役立ちます。遊びを通じてお子さんと楽しいひとときを過ごしながら、成長の手助けをしていきましょう!
療育での経験を基にしたさまざまなトレーニング内容やアイデアを、ブログに詳しく掲載していますので、ぜひこちらもご覧ください。
次回予告!
次回のテーマは、 「育児疲れや落ち込みから回復する7つの方法|他の子どもと比べてしまう時の対処法」 です。どうぞお楽しみに!