はじめに
絵本はただの読み物ではなく、子どもたちの心と頭を育てる「遊び道具」のような存在です。
ジョン・バーニンガムの『ねえ、どれがいい?』は、その中でもひときわユニークで、親子で楽しみながら学べる絵本です。
この本は、日常では考えられないシチュエーションや問いかけを通じて、子どもの想像力や意思決定力を引き出してくれます。
「もしも君の家が大雪に埋まってしまったら?」なんて問いかけに、子どもたちはどんな答えを出すのでしょう?
そんな発想力を刺激する一冊をご紹介します。
1. 絵本の魅力と特徴
対象年齢
3〜6歳の幼児向け。
親子で読むのはもちろん、兄弟や友だちと一緒に楽しむのもおすすめです。
テーマ
選択・自己表現・想像力。
日常では体験できないユニークなシチュエーションを通じて、楽しく学べます。
あらすじ
『ねえ、どれがいい?』は、ページごとにユーモラスで奇想天外な質問が次々と展開される絵本です。
例えば、
『泥んこになるのがいい?それともジャムだらけになるのがいい?』
『へびに巻かれる、サカナに飲まれるの、ワニに食べられる、サイのしたじき、どれがいい?』
など、現実では考えられない選択肢が並びます。
子どもたちは、毎回真剣に考えたり、笑いながら自分なりの答えを出していきます。
このプロセスを通じて、選ぶ力や発想力を自然に身につけられる魅力的な一冊です。
3. 療育の観点から見る絵本の効果
1. 意思決定力を育てる
質問形式の物語は、子どもに「自分ならどうする?」と考えさせます。
選択肢を比較しながら意思決定する力が養われます。
2. 想像力の発揮
非日常的な設定やユーモラスな質問が、子どもの想像力をかき立てます。
新しいシナリオを考える力が自然と身につきます。
3. 共感力と感情の理解
兄弟や友だちと一緒に読むことで、「どうしてそう思ったの?」と話し合いが生まれ、他者の視点や感情を理解する力が育まれます。
4. 親子の絆を深める
親子で読み進める中で、アイコンタクトや対話が生まれ、コミュニケーションの機会が増えます。
「一緒に考える」という時間が、子どもに安心感を与えます。
感想と活用のヒント
- 感想
子どもがページをめくるたびに笑顔になり、毎回新しい選択肢を考える姿に驚かされました。
家族で話し合うと、誰が何を選ぶかで盛り上がります。
同じ本なのに、読むたびに新しい発見があるのも素晴らしいポイントです。 - 家庭での活用のヒント
子どもと一緒に、想像を膨らませて答えを考えるだけでなく、
「どうしてそれを選んだの?」と問いかけることで、思考の深まりをサポートできます。 - 療育や教育の場での活用
クラスやグループで「みんなはどれを選ぶ?」と話し合う活動に使うことで、他者の意見を聞く力や共感力を育むツールになります。 - 創造性を伸ばすアイデア
絵本に登場する質問をヒントに、親子で新しい選択肢を考え、オリジナルストーリーを作るのもおすすめです。
まとめ
『ねえ、どれがいい?』は、ただ読むだけでなく、対話を生む絵本です。
子どもの答えや考えを引き出すことで、新たな発見や成長を実感できるはずです。
この絵本を通じて、親子で過ごす時間がさらに特別なものになるでしょう。
一緒に笑ったり悩んだりする中で、子どもたちが感じる喜びや学びは、きっと未来への大きな力となります。
ぜひ、一度手に取ってみてください。
あなたの家族にとって、新しい「お気に入りの一冊」になること間違いなしです。