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【太田ステージとは】ASD療育での活用方法と評価の進め方

はじめに

太田ステージは、発達障害、特にASD(自閉スペクトラム症)の特性を段階的に理解するために重要な評価法です。
親や支援者にとって、子どもの成長を見守る上で貴重な指標となります。
本記事では、太田ステージの概要やその活用法について、私の経験も交えながら子どもの発達支援に役立つ情報をお届けします。

目次

  1. 太田ステージとは?
  2. 自閉スペクトラム症の特性と課題
  3. 太田ステージの評価方法と具体例
  4. 太田ステージの6つの段階
  5. 太田ステージを活用した療育のメリット
  6. 認知発達治療の3次元の目標
  7. よくある質問
  8. 太田ステージを通じて得た気づき
  9. まとめ

1. 太田ステージとは?

太田ステージは、ASDの子どもの発達段階を評価し、適切な支援方法を提供するツールです。
0歳から7—8歳の子どもを主な対象とし、それ以上の年齢にも対応可能です。

この評価法では、発達段階を6つのステージに分類し、それぞれの段階に応じた支援プランを作成します。
豊富な教具や遊びを通じて、子どもの意欲を引き出しながら学びを深めていく点が特徴です。

2. 自閉スペクトラム症の特性と課題

ASDの子どもたちは、高い記憶力などの能力を持つ一方で、以下のような課題に直面することがあります。

  • シンボル機能の困難: 目の前にないものを言葉や記号で表現する能力が弱い。
  • 比較や空間概念の理解の難しさ: 大小や上下などの関係性を把握することが苦手

これらの課題が、人とのコミュニケーションや日常生活における困難を引き起こすことがあります。

3. 太田ステージの評価方法と具体例

太田ステージの評価は、子どもの発達段階を細かく把握するための方法です。
具体的には「LDT-R(言語解読能力テスト改訂版)」を用いて行われ、シンボル機能(言葉や記号でモノを表現する能力)の発達度合いを測定します。
この評価は5~10分程度の短時間で行われるため、子どもにとって負担が少ないのが特徴です。

以下、太田ステージの6つの段階について、具体例を交えて説明します。

4. 太田ステージの6つの段階

Stage I

モノに名前があることを理解できていない段階
(健常児では1歳半くらいまでの段階)

具体例:

  • 評価内容:
    「ワンワンはどれ?」と犬の絵を指さすように促しても、答えられない。
  • 子どもの様子:
    質問の意図が分からず、別の方向を見たり、指さしが的外れになる。
  • 支援の例:
    子どもが興味を持つおもちゃを使って、名前を繰り返し教える
    (例:「これがワンワンだよ!」と犬のぬいぐるみを指す)。

ステージIの特徴と療育のねらい・課題

分類状態像療育のねらい具体的課題
認知・言語言葉への反応が乏しく、有意味語はない物に名前があることを認識させる- 絵本や写真を用い、物の名前を繰り返し教える
- 指差しや身振りを添えて指示を出す(例:ドアを閉めて/~を持ってきて)
コミュニケーション指差しが少なく、クレーン現象が主な手段要求を出す意欲を引き出す- 要求があった際に指差しやサインを教える
- サインを使った簡単な意思疎通を促す
遊び感覚刺激的な遊びが多く、おもちゃの機能に沿って遊ばない物やおもちゃへの関心を高める- おもちゃの特性に沿った遊び方を提案
- 感覚遊びを取り入れつつ、物の用途を理解させる
対人人への関心が乏しく、視線が合わない安定した対人関係を構築- スキンシップを伴う遊び(追いかけっこ、ボール遊び)
- 手遊びや歌で楽しい模倣体験を提供
- 兄弟や家族との関わりを増やす
異常行動感覚過敏、睡眠障害、情緒不安定、物並べなどの行動が見られる生活のリズムをつける- 規則正しい生活を心がけ、日々の生活の手順を繰り返す

日常生活における適応行動の支援

ねらい具体的課題
生活のリズムをつける- 決まった時間に起床・就寝する
- 生活の手順を一貫して繰り返す
基本的な生活習慣の形成と身辺処理のスキル獲得- 言葉かけと介助で身辺処理を促し、徐々に自立を促す
- 洋服や日用品を決まった場所に用意する
初歩的な家事スキルの習得- 家事の手伝いに興味を持たせる(例:配膳、片付け、ゴミ捨て)
親との安定した関係づくり- スキンシップの多い遊びを通じて絆を深める
(例:追いかけっこ、ボール遊び)
- 手遊びや歌を一緒に楽しむ

我が家が試みた支援とエピソード

支援方法:

  • 環境調整: 光や音を調整し、安心できる空間を作る。
  • 予測可能な生活: 朝のスケジュールを視覚的に示す。
  • 感覚遊び: 苦手な感覚を徐々に慣らすため、スライムや泥遊びを少量から試す。

エピソード:
息子が2歳の頃、服が汚れることを極端に嫌がり、食事中に汚れるたびにパニックを起こして着替えを要求しました。
防水エプロンを使うようにしたほか、感覚遊びとして筆を使った絵の具遊びを取り入れました。
初めは拒否していた息子も、少しずつ慣れ、自分から手形遊びを楽しむようになりました。


Stage II

モノに名前があることを分かりかけている段階
(健常児では1歳半~2歳くらいまでの段階)

具体例:

  • 評価内容:
    「リンゴはどれ?」と尋ねると、リンゴの絵を指差して答えられるようになる。
    たとえば、スーパーで「リンゴをカゴに入れてくれる?」とお願いしたとき、実物を探して持ってきてくれる場合もある。
    ただし、「リンゴは赤い果物」という特性や用途の理解にはまだ至らない。
  • 子どもの様子:
    身の回りのモノ(例:犬、ボール、リンゴ)の名前は覚え始めるが、用途による区別は苦手。
  • 支援の例:
    絵本を使いながら、「ボールは投げるもの」「リンゴは食べるもの」といったシンプルな用途を教える。

Stage IIの特徴と療育のねらい・課題

分類状態像療育のねらい具体的課題
認知・言語単語を使ったやりとりやオウム返しが見られる言葉と物の関連性を確実に理解させる- 実物や絵本を使い、日常でよく目にする物の名前を教える
- 絵カードを使って物の名前を反復して学ぶ
コミュニケーション指差しや身振り、単語など、複数の手段で要求を表現できる多様な表現手段を引き出し、要求を伝える力を伸ばす- 要求時に指差しや単語を促す
- 簡単なジェスチャーを繰り返し教える
遊びおもちゃを機能的に扱えるようになり、再現遊びやお気に入りの物での遊びが中心遊びを通して興味の幅を広げ、学びを深める- おもちゃの使い方を示しながら一緒に遊ぶ
- 再現遊びに簡単なストーリー性を加える(例:人形にご飯を食べさせる)
対人特定の人とのパターン的な関係が強い親や家族以外の人との関わりを促し、対人スキルを育てる- 要求時に父親や兄弟など、母親以外の人と関わるよう促す
- 地域の行事に参加し、集団でのやりとりを経験させる
異常行動物の位置や手順に強いこだわりがあり、儀式的な行動やパニックが見られる柔軟性を養い、生活のリズムを安定させる- 日課を明確にしてスムーズな切り替えを支援
- パニック時に安心できる環境を整える
(例:お気に入りのアイテムを持たせる

言語・情緒・対人関係の支援

ねらい具体的課題
物に名前があることの理解を深める- 実物や絵本を使って多様な物の名前を教える
- 簡単なイラストを描いて、模倣や興味を促す
興味や遊びの幅を広げる- 毎日のルーティンに絵本の読み聞かせを組み込む
- 新しいおもちゃを取り入れ、楽しさを共有する
言葉かけと行動を連動させる- 簡単な指示を添えて行動を促す
(例:「~持ってきて」「~を置いてきて」)
- 身振りや指差しを加え、わかりやすく伝える
家族や身近な人とのコミュニケーションを深める- 家族間のやり取りを増やし、遊びや会話の場面をつくる
- 母親以外の家族との役割を意識させる
(例:外出時に父親と手をつなぐ)
人との適切な関わり方を学ぶ- 地域のイベントや友人家族との交流の機会を増やし、人間関係に気付かせる

適応行動の支援

ねらい具体的課題
生活のパターンを確立する- 着替えや排泄、食事などの基本的な身辺処理を言葉かけで支援
- 嫌がる場合は歌やカウントダウンでリズムを作り、徐々に慣らす
家事スキルを養う- 配膳や洗濯物をたたむなど、簡単な家事を教え、成功体験を積ませる
日常の自立を促す- 日課を通じて、少しずつ自主性を引き出す
(例:おもちゃを片付ける、自分で準備をする)

我が家が試みた支援とエピソード

支援方法:

  • 視覚的な指示: イラストや写真を使って状況を説明する。
  • 小さな成功体験: 簡単な目標を設定し、達成したら褒める。
  • 繰り返し練習: 同じ行動を何度も体験させて安心感を与える。

エピソード:
息子は新しい遊び場で戸惑い、「何をしたらいいかわからない」と動けなくなることが多くありました。
そこで、遊びの順番を絵カードで見せて指示すると、少しずつ自信を持って行動できるようになりました。


Stage Ⅲ-1

モノの用途を理解できる段階
(健常児では2歳半くらいまでの段階)

具体例:

  • 評価内容:
    「ペンはどれ?」「ペンで何をする?」と聞くと、「これで絵を描く」と答えられるようになります。
    たとえば、お絵かきの時間に「ペンを取って」と頼むと、正しい道具を選んで渡してくれます。
    ただし、ペンの色や長さ、太さなどの比較をするのはまだ難しい段階です。
  • 子どもの様子:
    用途について質問されると、簡単な答えが出せる。
  • 支援の例:
    実際のモノを使った遊び(例:ペンと紙を渡して「絵を描いてみよう」と促す)で、用途を体感的に理解させる。

Stage III-1の特徴と療育のねらい・課題

領域特徴
認知・言語単語や表現を覚える段階。
コミュニケーション言葉の使用が限られており、会話としてのやりとりは成立しない。
遊び型通りの遊びや簡単なみたて遊びが中心。
対人自分の興味を優先し、関わりは一方的でパターン的。
異常行動日課や流れに強いこだわりを持つ
興味が狭い範囲に限定され、変化があるとパニックになることがある。
前期・後期の違い複数の指示が理解・実行できるかどうかが目安となる。

言語・情緒・対人スキルの目標と課題

ねらい課題
言葉の世界を豊かにする- 身近な物の名前を正しく伝える。
- 理解できる範囲で具体的な場面に合った言葉を教える。
文字や数、比較概念の基礎をつくる- トランプやひらがなカード、絵本など興味を引くツールを使いながら文字や数を学ぶ。
- 日常生活で出会う物を利用して数や量、色などの基礎を教える
(例: お菓子を数える、色分けする)。
- 絵と単語カードを対応させたり、壁に貼るなど視覚的な方法で文字や単語への理解を深める。
③ 挨拶や簡単な2語文のやりとり- 帰宅時や外出先で、簡単な質問をしながら会話を促進する。
- 要求時には「~ちょうだい」などの2~3語文を使えるよう練習する
④ 行動の調整と納得を促す- 翌日の予定や行動の流れを事前に説明し、不安を和らげる
⑤ 対人関係を広げる- 家族との団らんや外出を増やし、社会的な体験を積む機会を提供する。
- 家族ぐるみで友達との関係を築き、地域行事に参加して社会性を広げる。

適応行動スキルの目標と課題

ねらい課題
⑥ 自立的な行動を促進する- 身の回りのことを自分でできるよう支援する
(例: 着脱、食事の準備・後片付け)。
- 食事のマナーや基本的なルールを教える。
⑦ 初歩的な社会スキル・マナーを習得する- 簡単な挨拶(「おはよう」「ありがとう」など)を覚える。
- 家事の手伝いを取り入れる
(例: 調理、配膳、食器拭き、洗濯物干し、布団の上げ下ろし)。
- スーパーで買い物を手伝う、また公園や公共施設で基本的なマナーを学ぶ機会を設ける

具体的なアプローチ

  • 視覚サポート:
    絵カードやスケジュール表を使って、言葉や行動の理解を助ける。
  • 日常生活を教材に:
    買い物や家事を通じて、文字・数・色の認識や対人スキルを実践的に学ぶ。
  • 楽しい体験を共有:
    おもちゃやゲームを通じて遊びながら、言葉や社会的スキルの幅を広げる。

我が家が試みた支援とエピソード

支援方法:

  • 模倣遊び: 大人や友達の行動を真似する遊びを取り入れる。
  • 簡単なルール: 「順番を守る」など簡単なルールを遊びの中で教える。
  • 感情の言語化: 子どもの気持ちを代弁し、言葉で伝える練習をする。

エピソード:
友達のおもちゃをいきなり取ろうとしてトラブルが増えたため、「貸して」「ありがとう」といった簡単なやり取りを家庭でぬいぐるみを使って練習しました。


Stage Ⅲ-2

比較(大小、長短など)ができる段階
(健常児では3~4歳くらいまでの段階)

具体例:

  • 評価内容:
    「どっちのボールが大きい?」「どの棒が一番長い?」といった質問に答えられるようになります。
    たとえば、積み木遊びの中で「一番長い積み木を選んで」とお願いすると、正しく選べる場合もあります。
    この段階では、大きさや長さの概念を徐々に理解し始めます
  • 子どもの様子:
    「大きい」「小さい」の概念を理解し、簡単な比較ができるようになる。
  • 支援の例:
    積み木やブロックを使い、「この積み木は大きいね」「これは小さいね」と具体的に話す活動を行う。

特徴: 円の大小の比較ができるが、空間関係の理解が難しい段階

円の大小の比較ができるが、空間関係の理解が難しい段階とは?

円の大小の比較ができる
この段階の子どもは、目に見えるものの大きさ長さなどの「比較」には気づけるようになります。
例えば、2つの円を見て「こっちが大きい」と判断できるレベルです。
空間関係の理解が難しい
「空間関係」とは、物の位置や距離、方向を理解する能力を指します。
この段階の子どもは、物と物の間の配置や関係性を正確に把握するのが難しいです。
例えば、積み木で特定の形を再現したり、パズルを正しく組み立てるのに苦労することがあります。
イメージ:
大きさや長さの違いには気づくが、「どこに置けばいいか」「どうすればピッタリ合うか」のような位置関係を理解するのはまだ難しい状態。

Stage III-2 の特徴と療育のねらい・課題


領域
状態像
認知・言語3語文以上の表現が可能
文字どおりの解釈はできるが、文脈の理解がまだ不完全
部分的に記憶力が優れている。
コミュニケーション言葉を使ったやり取りが可能だが、会話の発展性が低い。
遊び象徴的な遊びができるが、役割を演じる「ごっこ遊び」は難しい。
対人関係対人関係の希薄さは改善するが、協調性の不足が見られる。
異常行動文字や数字への執着が強い。独特な質問を繰り返すことがある

文字どおりの解釈はできるが、文脈の理解がまだ不完全とは?

詳しい説明:
文字どおりの解釈ができる
この段階の子どもは、具体的でシンプルな言葉の意味をそのまま受け取ることができます。
例えば、「ボールを取ってきて」と言われれば、ボールを取りに行くことが可能です。
文脈の理解が不完全
文脈とは、言葉が置かれている状況や背景のことです。
この段階の子どもは、言葉の裏にある意味や状況を読み取るのが苦手です。
たとえば、「寒いから窓を閉めて」と言われたとき、「寒い」と「窓を閉める」行動が結びつかず、理解に時間がかかることがあります。
また、比喩や抽象的な表現(例:「手がふさがっている」=忙しい)はそのままの意味で解釈してしまいます。
イメージ:
シンプルな命令や具体的な言葉には対応できるが、言葉の背景にある意図を理解するのは難しい段階です。

状況子どもの反応
「この箱の中から一番大きいおもちゃを取って」正しく選べる(大小比較は可能)。
「おもちゃをテーブルの端っこに置いて」どこが「端」なのかわからず、指示に迷う
「これってどう思う?」「どう思う」という質問の意図が分からず、返答に困る。
「雨が降ってるから傘を持っていこうね」雨と傘を関連づける理解が難しい場合がある。

Stage III-2 の前期と後期

フェーズ特徴具体的な発展
前期比較の概念に気づき始める意思表示が可能になる。
後期頭の中で比較の理解が進む相対的な比較ができるようになり、選択を本人に任せられるようになる。

言語・情緒・対人関係

ねらい具体的な課題
① 自分で考えて行動する力を育む間接的な質問で考えさせる (例:「次に何をするの?」)
・絵本や映像の内容を説明して理解を深める。
疑問詞(誰、何、どこなど)の理解を促進する。
② 言葉や数の理解を日常に取り入れる食事の場面で数や量を伝え、配分や順序の意識を持たせる。
③ 体験や情報を言葉で伝える力を育てる学校や外出時の出来事を、質問や会話を通じて話す練習をする。
・連絡事項や質問への答えを文字で書く習慣をつける。
④ 予定の理解と行動調整を促すカレンダーやテレビ欄でスケジュール感を養う
行事前に具体的な説明をする
⑤ 子ども同士の交流を楽しめる環境作り友人を家に招く、または一緒に外出する機会を増やす
・地域の集まりや学童クラブに積極的に参加させる。

適応行動

ねらい具体的な課題
⑥ 社会的な自覚と家族の一員としての役割・家事を自主的に手伝う
(例: 食器洗い、洗濯物干し、調理補助)。
公共機関や買い物での基本的なマナーを教える
家族内で感謝の気持ちを表現する場面を増やす
⑦ 自発性と意思決定力を養う本人に選択の機会を与え、自分の意思を反映させる練習をする。

我が家が試みた支援とエピソード

支援方法:

  • 問題解決の練習: トラブル時に解決策を一緒に考える。
  • 役割分担: 家庭内で簡単な役割を与える。
  • 絵本で学ぶ: 他者との違いや共感をテーマにした絵本を読む。
  • 会話の練習:給食の内容を質問する


エピソード:

以前、息子は友達に急に近づきすぎてトラブルになることがありましたが、家庭で「何してるの?」や「一緒に遊ぼう」と声をかける練習を繰り返し行っています。まだ恥ずかしさや、断られたときの不安感からか、「一緒に遊ぼう」と自分から誘うのは難しい場面もありますが、療育先では他の子どもたちと積極的に遊ぶ姿が見られるようになっています。
また、誘いを断られたときの感情を受け止める練習も行っています。「また別の子に声をかけてみようね」といった励ましや、代わりにできる行動を一緒に考えることで、不安を減らし、次の行動へと繋がりやすくなります。
こうした経験を通じて、息子の自己肯定感は少しずつ高まっています。
さらに、地域イベントにも積極的に参加し、人と関わる機会を増やしていきたいと考えています。

Stage Ⅳ

空間関係(上下・左右など)が理解できる段階
(健常児では7~8歳くらいまでの段階)

具体例:

  • 評価内容:
    「リンゴは箱の上にありますか?それとも中にありますか?」と尋ねると、正確に答えられるようになります。
    たとえば、「おもちゃの車はどこにある?」と聞くと、「テーブルの下」と答えたり、実際にその場所を指し示したりします。
    この段階では、空間認識や位置関係の理解が深まります
  • 子どもの様子:
    自分の体や周囲のモノの位置関係を把握する力がつき、迷路遊びなどを楽しめるようになる
  • 支援の例:
    絵本やパズルを使って「これはどこにある?」と上下や左右の位置関係を意識させる遊びをする。

我が家の支援方法とエピソード

支援方法:

  • 自己評価の習慣: 簡単な振り返りを取り入れ、成功体験を増やす。
  • 自立を促す: 自分で準備や片付けをする機会を与える。
  • 地域参加: 地域のイベントや活動に参加して社会性を育む。

エピソード:
運動会の練習でフォーメーションが覚えられず困っていました。
そこで家庭で簡単な図を描き、位置を視覚的に確認する練習を取り入れました。
例えば、家の床にマスキングテープで印をつけて「ここがスタート、次はここに移動しよう」と一緒に練習しました。
この方法で徐々に位置関係を理解できるようになり、本番では自信を持って取り組むことができました。
これにより少しずつ自信をつけることができました。


Stage Ⅴ以上

太田ステージの枠を超えた発達段階

  • 評価内容:
    学校教育に必要な高度な認知スキルが求められる段階です。
    たとえば、文章問題で「5本のペンのうち、3本は赤いペンです。残りは何色でしょう?」と問われたとき、文意を理解して答えを導き出せるようになります。
    また、積み木や図形を使った課題では、物理的な関係性を考える力も発揮します。
  • 子どもの様子:
    太田ステージでは対応しきれない課題が増えてくるため、別の療育アプローチが必要となる。
  • 支援の例:
    学習支援や専門的なカウンセリングを取り入れ、個々の課題に応じた指導を行う。

我が家の今後の支援方法

支援方法:

  • 継続的な挑戦: 新しい環境や活動にチャレンジさせる。
  • 他者支援の体験: 年下の子を手伝うなど、役割モデルを与える。
  • 多様な経験: 様々な人との交流や活動を通じて成長を促す。

5. 太田ステージを活用した療育のメリット

太田ステージを活用することで、以下のようなメリットがあります。

  1. 発達段階が明確化: 子どものシンボル機能や認知能力の現状が把握できる。
  2. 行動の意味が理解できる: 子どもの行動を適切に解釈しやすくなる
  3. 支援方法の指針が得られる: 何に取り組むべきかが具体化
  4. 療育の効果を検証できる: 支援方法の効果を見直すための指標となる。
  5. 短時間で簡単に評価可能: 忙しい保護者や療育者にとっても負担が少ない。

6. 認知発達治療の3次元の目標

太田ステージに基づく療育は、以下の3つの次元で子どもの発達を促します。

第1次元: 認知・情緒の発達

  • 目標: 自分で行動をコントロールできる力を育てる。
  • 方法: 子ども一人ひとりに合った課題を選び、楽しい体験を通じて意欲を引き出す

第2次元: 生活技能の向上

  • 目標: 自立生活に必要なスキルを習得。
  • 方法: 強みを活かしながら、多様な場面に適応する力を育む

第3次元: 問題行動の改善

  • 目標: 問題行動や不適応な行動の頻度を減少。
  • 方法: 子どもや保護者と相談しながら適切なチャレンジを設計。

7. よくある質問

1. 療育を始めるタイミングってどう決めればいいの?

子どもの成長や日常生活での困りごとが増えたタイミングがきっかけになることが多いです。
我が家の場合は、3歳児検診や幼稚園で指摘されたことをきっかけに検討しました。
一人で悩まず、専門家や自治体の相談窓口を活用してみてください。

2. 療育ってどんなことをするの?

個別での発達支援や集団活動を通して、子どもの特性に応じたスキルを伸ばします。
例えば、遊びながら社会性やコミュニケーション能力を育む活動があります。
専門家から家庭での工夫を教わる機会もあります。

3. 親として何を準備すればいいの?

子どもの特性や日常の様子を記録しておくと、療育の場で役立ちます。
また、親自身も子どもの特性を理解するための知識を学ぶことが大切です。

4. 療育に通うと子どもはすぐに変わるの?

劇的な変化は期待せず、子どものペースで少しずつ成長していくのを見守ることが大切です。
私自身も、子どもだけでなく、自分の心構えが変わるのを実感しました。

5. 旦那や家族が療育に反対しています。どう説得すればいいですか?

具体的な例や専門家の意見を共有し、子どものためになることを話し合うのが効果的です。
我が家では、時間をかけて必要性を説明し、少しずつ理解を深めてもらいました。

6. 幼稚園に療育のことを伝えるべき?

子どものサポートを共有するために、最終的には信頼できる先生には伝えることをおすすめします。
我が家でも、先生との連携で息子の生活がスムーズになりました。

7. 子どもが集団行動を嫌がる場合、どう対応したらいい?

無理強いせず、少人数の場や個別での練習から始めるのが良いです。
専門家のアドバイスを受けて、子どもに合った方法を試してみてください。

8. 発達検査を受けるべきタイミングは?

日常生活や幼稚園で困りごとが増えた際に検討すると良いです。
検査結果は子どもの特性を理解し、適切な支援を受けるためのヒントになります。

9. 子どもが触覚過敏で着替えや遊びを嫌がります。どうすればいい?

子どもが快適に過ごせる素材や工夫を取り入れるのがおすすめです。
我が家では縫い目の少ない服や特定の素材を選ぶことで、息子が安心して過ごせるようになりました。

10. 親として孤立を感じるとき、どう乗り越えたらいい?

同じ経験を持つ親のコミュニティや療育センターの親向け勉強会に参加するのがおすすめです。
共感し合える仲間とつながることで、気持ちが軽くなります。

11. 太田ステージとは何ですか?

太田ステージは、自閉スペクトラム症(ASD)など発達障害の特性を段階的に評価するための方法です。
具体的には、社会性やコミュニケーション能力などの発達の進行状況を測定し、それに基づいて適切な支援策を検討します。

12. 太田ステージを利用するメリットは?

子どもの特性をより正確に理解できるため、療育や教育の方向性を明確にする手助けとなります。
また、進捗を可視化できるため、親や支援者にとっても安心材料となります。

13. 誰が利用できますか?

主に医療機関や療育センターで専門家が実施します。
保護者が直接活用するものではありませんが、評価結果を元に家庭でも役立つアドバイスが得られます。

8. 太田ステージを通じて得た気づき

太田ステージは、子どもの成長を段階的に理解し、その子に合った支援方法を考えるうえで非常に有効な理論です。
私たちはこのモデルを活用し、息子の特性に応じた支援を試行錯誤しながら取り組んできました。
その結果、小さな成功体験を積み重ねることができ、少しずつ前進を感じることができました。

発達障害のある子どもの成長は、確かにゆっくりとした歩みですが、その一歩一歩が確実な前進であることを実感しています。
私たち親にとっても、太田ステージを指針にすることで、子どもとの向き合い方に自信を持つことができました。
この経験を通して、支援の方法を柔軟に見直しながら、息子の成長を大切に見守り続けたいと思っています。

まとめ

太田ステージは、子どもの成長段階を的確に把握し、それぞれのステージに応じた適切な支援を提供するための効果的な方法です。
この評価法を活用することで、子ども一人ひとりに合ったサポートを提供し、より良い成長環境を整えることが可能です。
初めての方は、専門家に相談しながらステージの特徴を学び、評価を実践してみることをお勧めします。

また、家庭での小さな工夫を通じて、子どもが安心して成長できる環境を整えることも大切です。
例えば、視覚支援ツールや簡単な声かけを取り入れるだけでも、大きな変化が見られることがあります。
この記事が、発達障害のあるお子さんを育てるご家庭での支援に役立つことを願っています。

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  • この記事を書いた人

しょうがなすこさん

はじめまして!「しょうがなすこ」と申します。児童発達支援アドバイザーの資格を持つ2歳と4歳の男の子を育てるママで、現役保育士監修のもと、特性を持つお子さんとの育児についてブログで発信しています。このブログでは、同じような状況で悩む親御さんたちと共感し合い、困りごとを少しでも減らすヒントや、育児の楽しさを一緒に見つけられるような内容をお届けしています。 「ひとりじゃない」と感じられる温かい場になるように心を込めて書いていますので、ぜひ気軽に読んでみてください!

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