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ワーキングメモリを鍛える遊び5選!発達障害の子どもが楽しく学べるトレーニング

はじめに

発達特性を持つ子どもにとって、記憶や注意を保つことが難しいと感じる場面は少なくありません。
その背景には、「ワーキングメモリ(作業記憶)」の働きが深く関わっています。

ワーキングメモリとは、短期間に情報を保持・操作する力のことで、学習や日常生活に欠かせない重要な能力です。
しかし、発達障害のある子どもは、この機能が弱いため、集団行動やコミュニケーション、学習の場面で困難を感じることが多いのが現実です。

私の4歳の息子も、自閉スペクトラム症の影響でワーキングメモリの弱さを感じることが多く、
例えば以下のような困りごとがあります。

複数の指示を覚えられない → 途中で何をすべきか忘れてしまう
集団行動が苦手 → 運動会の練習で全体の指示についていけない
順番を守れない → 友達との遊びでトラブルになる

しかし、ワーキングメモリを鍛える遊びを取り入れることで、少しずつ変化が見られるようになりました。
本記事では、発達障害を持つ幼児でも楽しく取り組めるワーキングメモリのトレーニングを5つ紹介します。

目次

  1. ワーキングメモリとは?発達障害の幼児にとっての重要性
  2. 遊びながら鍛える!ワーキングメモリ向上に役立つ「神経衰弱」
  3. 物語遊びで言語性ワーキングメモリを鍛えるトレーニング
  4. 積み木遊びで視覚性ワーキングメモリを鍛えるトレーニング
  5. 遊びながら学ぶ!数概念を鍛えるワーキングメモリトレーニング
  6. まとめ

1. ワーキングメモリとは?発達障害の幼児にとっての重要性

ワーキングメモリとは?

ワーキングメモリ(作業記憶)とは、短期間で情報を保持しながら処理する力のことです。
学習や行動のコントロール、社会的スキルに深く関わります。

ワーキングメモリが必要な場面

ワーキングメモリは、以下のような日常生活や学習の場面で必要になります。

  • 情報の一時的な保持
    • 例:電話番号を一時的に覚える
    • 例:先生が出した指示を頭の中で覚えておく
  • 情報の操作と更新
    • 例:数学の計算手順を覚えながら問題を解く
    • 例:本を読みながら、前の内容と新しい情報を結びつける

ワーキングメモリが発達障害の幼児に与える影響

発達障害のある子どもはワーキングメモリが弱い傾向があり、以下のような困難を抱えやすいです。

  • 学習面の困難
    • 計算の途中で手順を忘れる
    • 文章の内容を覚えながら読めない
  • 行動のコントロールが難しい
    • 途中で何をするか忘れてしまい、指示通りに動けない
    • 友達と遊ぶときにルールを守れない
  • 社会的スキルの影響
    • 会話の流れを覚えられず、話が噛み合わない
    • 順番を待つのが苦手で、トラブルになりやすい

ワーキングメモリを鍛えることで、発達障害のある幼児の学習や日常生活が円滑になり、社会的スキルの向上にもつながることが示されています。
研究によると、特に学習障害やADHDを持つ子どもたちの学業成績や問題解決能力の向上に効果があるとされています。
(出典:J-Stage

2. 遊びながら鍛える!ワーキングメモリ向上に役立つ「神経衰弱」

神経衰弱は、ワーキングメモリのトレーニングに最適なカードゲームです。
ランダムに並べたカードの位置と内容を覚えながらペアを揃えていくこのゲームは、
発達障害の幼児でも楽しみながら記憶力や集中力を鍛えることができます。

神経衰弱のトレーニング効果

  • 記憶力の向上
    • カードの位置を覚えることで、視覚的なワーキングメモリ(視覚情報を短期間保持する力)が鍛えられる
  • 集中力の向上
    • 一度に2枚しかめくれないため、注意を維持する力が養われる
  • 反応速度の向上
    • 短時間でペアを見つけることで、素早い判断力が身につく

神経衰弱の応用トレーニング

  • 難易度調整
    • カードの枚数を増やす
    • 似た模様のカードを使い、より注意力を要求する
  • 時間制限ルールを追加
    • 制限時間内にペアを揃えるルールを設けることで、注意力と判断力を同時に鍛える

研究によれば、神経衰弱のような記憶ゲームは、発達障害のある子どものワーキングメモリの向上に役立つことが示されています。
遊びながら楽しくトレーニングを取り入れることで、学習や日常生活のスムーズな進行をサポートしていきましょう。

3. 物語遊びで言語性ワーキングメモリを鍛えるトレーニング

言語性ワーキングメモリとは、言葉に関する情報を一時的に保持し、処理する能力です。
これが強化されると、読解力や会話の流れの理解がスムーズになります。

物語遊びを活用したワーキングメモリ向上トレーニング

具体的な方法

  1. 物語の読み聞かせ
    子どもに短い物語を読み聞かせます。
  • 質問をする
    • 物語の内容について簡単な質問をし、話の流れを思い出しながら説明する練習をする。
    • 例:「主人公はどんな問題に直面した?」「最後はどうなった?」
  • 要約をさせる
    • 物語の要点をまとめることで、情報の整理と再構築力を養う。
    • 例:「このお話を3つのポイントで説明してみよう」

研究によると、ストーリーテリングを活用したワーキングメモリトレーニングは、発達障害の幼児の語彙力や読解力向上に有効であることが示されています。
(出典:kpu.ac.jp

4. 積み木遊びで視覚性ワーキングメモリを鍛えるトレーニング

視覚性ワーキングメモリとは、視覚的な情報を保持し、操作する能力のことです。
例えば、目の前にある物体を見て、それを頭の中で操作したり、空間的に再配置する際に使われます。
この能力は、図形の認識や空間把握、問題解決能力に関わります。

積み木を使ったワーキングメモリ強化トレーニング

  • 模倣トレーニング
    • 大人が積み木で作った構造を子どもに見せ、それを再現させる。
    • 視覚情報を記憶し、再構築する力を養う。
  • 反転トレーニング
    • 積み木の構造を見せた後、それを反転(左右反転)して作り直させる。
    • 空間認知能力を強化し、視覚的ワーキングメモリを高める。

研究では、積み木を活用したワーキングメモリトレーニングが、空間認知能力だけでなく、数学的思考問題解決能力の向上にも影響することが明らかになっています。
(出典:forエンジニア
特に、積み木を反転させる操作を取り入れることで、脳の右半球の活動が促進され、より高度な認知スキルが育まれます。

5. 遊びながら学ぶ!数概念を鍛えるワーキングメモリトレーニング

数感覚(ナンバーセンス)とは、数の大小や量の違いを直感的に理解する能力のことです。
これは、算数の基礎スキルとなる重要な力です。

数の概念を育てるワーキングメモリトレーニング

  • 数字カードゲーム
    • 数字が書かれたカードを使い、順番に並べたり、簡単な足し算を行う。
    • 数の概念とワーキングメモリを同時に鍛える。
  • 買い物ごっこ
    • おもちゃのお金を使って買い物遊びをする。
    • 商品の値段を覚えたり、計算することで、実践的に数感覚を育てる。

数感覚を鍛えるトレーニングは、数学能力や認知力全般の向上につながることが研究で示されています。
研究によると、幼児期に数の概念を学ぶことで、将来的な数学的スキルの向上にも良い影響を与えるとされています。
(出典:jstage.jst.go.jp

遊びを通じて、ワーキングメモリを鍛え、楽しく数の概念を学びましょう!

6. よくある質問

ワーキングメモリとは何ですか?

ワーキングメモリは、情報を短期間保持しながら操作する認知機能で、学習や行動において重要な役割を果たします。

ワーキングメモリを鍛えるにはどうすればいいですか?

神経衰弱や物語遊び、積み木などを通じて、日常生活の中で楽しくトレーニングできます。

ワーキングメモリはどの年齢から鍛えられますか?

子どもの発達に合わせて、早期から遊びを通じて鍛えることが可能です。

発達障害の子どもにワーキングメモリを鍛えることは重要ですか?

はい、ワーキングメモリを鍛えることで、学習やコミュニケーション、社会的なスキルが向上することが期待されます。

神経衰弱ゲームはどのようにワーキングメモリを鍛えますか?

視覚的な情報を記憶し、集中力や反応速度を高めることで、ワーキングメモリが強化されます。

物語遊びはどんな効果がありますか?

言語性ワーキングメモリを育み、読解力や会話の流れを理解する力が養われます。

積み木を使ったトレーニングはどのような効果がありますか?

視覚性ワーキングメモリや空間認知能力を強化し、数学的思考にもつながります。

遊びながらトレーニングをするメリットは何ですか?

楽しみながら学べるので、子どもが積極的に取り組みやすく、効果的に成長できます。

数の概念を学ぶことがワーキングメモリにどのように影響しますか?

数を扱う遊びで、数感覚やワーキングメモリが同時に育まれ、数学の基礎が築かれます。

ワーキングメモリを鍛えるトレーニングをどのくらいの頻度で行うべきですか?

毎日少しずつ、遊びの中で取り入れることで、無理なく効果を実感できます。

まとめ

ワーキングメモリを鍛えるために、特別な教材や難しいトレーニングは必要ありません。
日常生活の中で、楽しく遊びながら鍛えることができるのです。

例えば、

🎲 神経衰弱 → 記憶力と集中力を高める
📖 物語を一緒に作って話す遊び → 言語能力&ワーキングメモリを強化
🧩 積み木での模倣や反転遊び → 視覚的な記憶力&問題解決能力を伸ばす

これらの遊びを取り入れることで、発達障害を持つ子どもが自信を持ち、学習やコミュニケーションの力を高めることにつながります。

私も息子と一緒に取り組む中で、少しずつ「できた!」が増え、成長を実感しています。
焦らず、楽しみながら続けることが大切です。

💡 親子で楽しみながら、子どもの可能性を広げていきましょう!

📝 次回予告

次回は、ワーキングメモリと学習障害:学習における困難をどうサポートするか についてお話しします。
ぜひお楽しみに!

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  • この記事を書いた人

しょうがなすこさん

はじめまして!「しょうがなすこ」と申します。児童発達支援アドバイザーの資格を持つ2歳と4歳の男の子を育てるママで、現役保育士監修のもと、特性を持つお子さんとの育児についてブログで発信しています。このブログでは、同じような状況で悩む親御さんたちと共感し合い、困りごとを少しでも減らすヒントや、育児の楽しさを一緒に見つけられるような内容をお届けしています。 「ひとりじゃない」と感じられる温かい場になるように心を込めて書いていますので、ぜひ気軽に読んでみてください!

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