DCD

なわとびが苦手な子の練習方法|飛べない理由と家庭でできる段階別ステップ【発達支援】

なわとびが苦手な子がジャンプから段階的に練習する親子のイラスト

はじめに|なわとびができないのは「やる気がない」からではない

「なわとびができない」
「ジャンプのタイミングが合わない」
「なわを回すと足が止まってしまう」
「何度やっても引っかかって、すぐ嫌になってしまう」

そんな悩みはありませんか?

なわとびは、ただジャンプするだけの運動に見えますが、実はとても複雑です。

  • なわを回す
  • なわを見る
  • タイミングを待つ
  • 両足で跳ぶ
  • 着地する
  • また次の動きにつなげる

これらを一度に行うため、運動が苦手な子やDCD傾向のある子にとっては、かなり難しい運動になります。

わが家でも、いきなりなわとびを持たせても全然うまくいきませんでした。
跳ぶ前になわに引っかかったり、ジャンプのタイミングがずれたりして、本人も「できない」と嫌になってしまうことがありました。

そこで、なわとびそのものを練習する前に、ジャンプだけ・タイミングだけ・道具の工夫に分けて取り組むようにしました。

この記事では、なわとびが苦手な子に向けて、家庭でできる段階別の練習方法を紹介します。

▶ DCDの子どもへの支援方法|家庭と療育でできる運動・手先の工夫

この記事でわかること

  • なわとびが苦手な理由
  • いきなり跳ばせない方がいい理由
  • ジャンプから始める練習ステップ
  • フラフープを使ったタイミング練習
  • DCD傾向のある子への工夫
  • なわとび練習に使いやすい道具

1. なわとびが苦手な子はなぜ飛べない?

なわとびが難しい理由は、「ジャンプができない」だけではありません。

なわとびには、次のような力が同時に必要です。

  • 両足でジャンプする力
  • なわを回す腕の動き
  • なわが来るタイミングを見る力
  • 跳ぶタイミングを合わせる力
  • 体のバランスを保つ力
  • 失敗してももう一度挑戦する気持ち

つまり、なわとびは 全身の協調運動 です。

特に、発達性協調運動症(DCD)傾向がある子や、運動が苦手な子は、手と足を同時に動かすことが難しい場合があります。

「なわを回して、来たら跳ぶ」という動きは、大人が思っている以上に高度です。

そのため、最初から「前跳びをしよう」とすると、失敗経験が増えやすくなります。

2. なわとび練習は「ジャンプ」から始める

なわとびの前に床の線を使って両足ジャンプを練習する子どものイラスト

なわとびが苦手な子に、いきなりなわを持たせる必要はありません。

まずは、なわなしでジャンプする経験を増やすことが大切です。

ステップ1|その場ジャンプ

最初は、その場でぴょんと跳ぶだけでOKです。

声かけは、

「1回だけジャンプしてみよう」
「ママと一緒に、せーの!」
「高く跳ばなくて大丈夫だよ」

くらいで十分です。

最初から連続で跳ばせるより、1回できたら成功にすると取り組みやすくなります。

ステップ2|線をまたぐジャンプ

床にマスキングテープを貼り、その線をジャンプします。

  • 線の前に立つ
  • 両足でジャンプする
  • 線を越えたら成功

というシンプルな練習です。

両足ジャンプが難しい場合は、片足ずつまたいでも大丈夫です。

「線路を越えるよ」
「川をジャンプするよ」

など、遊びにすると楽しく続けやすくなります。

ステップ3|リズムジャンプ

慣れてきたら、

「ジャンプ、ストップ」
「ジャンプ、ジャンプ、ストップ」

のように、リズムをつけてみます。

なわとびでは、一定のリズムで跳ぶ力が必要になります。
でも、最初からなわを使うと難しいので、まずは体だけでリズムを覚えるのがおすすめです。

▶ 【就学準備】ジャンプ・バランスが苦手な子へ|家庭でできる運動スキル練習7選【体験談】

3. フラフープなわとびでタイミングをつかむ

フラフープを使ってなわとびのタイミングを練習する親子のイラスト

ジャンプに慣れてきたら、次はタイミングの練習です。

ここで使いやすいのが、フラフープです。

フラフープは、なわよりも動きが大きく見えやすく、絡まりにくいので、なわとび前の練習に向いています。

フラフープなわとびのやり方

  1. 大人がフラフープを持つ
  2. 子どもの前からゆっくり回す
  3. フラフープが足元に来たらジャンプする
  4. 1回できたら成功

最初は、フラフープを回さずに床に置いて、その中をジャンプするだけでもOKです。

フラフープを使うメリット

  • なわより絡まりにくい
  • 動きが見えやすい
  • 回るスピードを大人が調整できる
  • 「来たら跳ぶ」が分かりやすい
  • 成功体験を作りやすい

なわとびが苦手な子は、「いつ跳べばいいのか」が分かりにくいことがあります。

フラフープを使うと、見る・待つ・跳ぶの流れを分けて練習できます。

▶ 【家庭療育】サーキット遊びのやり方|発達が気になる子の運動・感覚統合・就学準備に

4. なわとび本番は「1回跳べたら成功」でいい

ジャンプとタイミングに慣れてきたら、いよいよなわとびに進みます。

ただし、最初から連続跳びを目指さなくて大丈夫です。

まずは、

  • なわを前に置く
  • 後ろから前に回す
  • 足元に来たらまたぐ
  • 余裕があればジャンプする

くらいで十分です。

最初の目標は「1回」

最初の目標は、1回跳ぶことです。

1回跳べたら、その日は終わりでもいいくらいです。

「1回できたね!」
「今、なわを越えられたね!」
「前よりタイミングが合ってたね」

と、できたところを具体的に伝えます。

回数を増やすより、「できた」という気持ちを残す方が大切です。

5. なわとびが苦手な子に使いやすい道具

持ち手が握りやすいなわとびで1回跳ぶ練習をする子どもと見守る母親のイラスト

道具を変えるだけで、なわとびの難しさが下がることがあります。

持ち手が長めのなわとび

持ち手が短いと、手首の操作が難しくなります。

運動が苦手な子には、持ち手が長めで握りやすいものがおすすめです。

太め・重めのなわ

軽すぎるなわは、どこにあるか分かりにくく、タイミングが取りづらいことがあります。

少し重さのあるなわの方が、回ってくる感覚が分かりやすい子もいます。

グリップ補助

持ち手が細くて握りにくい場合は、

  • グリップテープ
  • 厚紙
  • スポンジ素材

などで太くすると、手元が安定しやすくなります。

※安全のため、補助した部分が外れないようにしっかり確認してください。

6. 年齢別|なわとび練習の目安

3歳|ジャンプを楽しむ時期

3歳は、なわとびを跳ぶことよりも、ジャンプを楽しむ時期です。

おすすめは、

  • その場ジャンプ
  • 線を越えるジャンプ
  • フラフープの中に入る
  • クッションをまたぐ

などです。

両足ジャンプができなくても大丈夫です。

4歳|タイミングに触れる時期

4歳は、「見て待つ」「合図で跳ぶ」経験を増やす時期です。

おすすめは、

  • フラフープなわとび
  • 大人の「せーの」でジャンプ
  • 床に置いたなわをまたぐ
  • 1回ジャンプで終わる練習

です。

連続跳びは、まだ目標にしなくて大丈夫です。

▶ キャッチボールが苦手な子へ

5歳|なわとびの形に慣れる時期

5歳頃から、なわを回して跳ぶ形に少しずつ近づけます。

ただし、年長でも跳べない子はいます。

大切なのは、

  • なわを怖がらない
  • 1回でも越えられる
  • 失敗してもまたやってみる

という経験です。

6歳|就学準備として取り組む時期

小学校では、体育や休み時間になわとびをする機会があります。

でも、入学前に必ず連続跳びができる必要はありません。

  • 順番を待つ
  • 友達の様子を見る
  • 自分の番で挑戦する
  • できなくても参加する

こうした経験も、立派な就学準備になります。

7. DCD傾向のある子へのなわとびアレンジ

DCD傾向のある子は、手足を同時に動かすことや、動きの順序を組み立てることが苦手な場合があります。

そのため、普通の練習方法に合わせるより、動きを分けて練習する方が合いやすいです。

動きを分ける

いきなり全部をやらずに、

  • ジャンプだけ
  • なわを回すだけ
  • なわをまたぐだけ
  • 見て待つだけ

に分けます。

「全部できたら成功」ではなく、「今日はジャンプだけできたら成功」にすると、子どもも取り組みやすくなります。

成功の基準を下げる

なわとびは、跳べた回数だけで評価しない方がいいです。

たとえば、

  • なわを持てた
  • 立ち位置に来られた
  • 1回ジャンプした
  • なわを見られた
  • 途中で怒らず終われた

これも全部、成功です。

DCD傾向がある子は、失敗経験が積み重なりやすいので、小さな成功を見つけることが大切です。

8. わが家の体験談|なわとびの前にジャンプだけ練習した

わが家でも、最初からなわとびを練習しようとすると、うまくいきませんでした。

なわを回すことに意識が向くと、足が止まってしまう。
ジャンプしようとすると、なわを見る余裕がない。
引っかかると嫌になって、すぐにやめたくなる。

そんな様子がありました。

そこで、なわを使う前に、まずはジャンプだけにしました。

床の線を越える。
クッションをまたぐ。
フラフープの中に入る。
「1回だけ跳んだら終わり」にする。

そうすると、本人も少しずつ「できた」と感じやすくなりました。

なわとびそのものが急に上手になったわけではありません。
でも、「なわとび=嫌なもの」ではなく、「ちょっと挑戦できるもの」に変わっていったことが大きかったです。

親としても、回数を数えるより、今どの段階にいるのかを見るようになって、気持ちがラクになりました。

▶ 運動が苦手な幼児に効く!家庭でできるバランス感覚あそび5選

9. よくあるつまずきと家庭での工夫

つまずき家庭でできる工夫
跳ぶ前に怖がるなわなしジャンプから始める
タイミングが合わないフラフープで「来たら跳ぶ」を練習
なわを回せない回すだけの練習に分ける
手足がバラバラになるジャンプだけ・回すだけに分解する
すぐ嫌がる1回できたら終了にする
引っかかって怒る「引っかかっても成功」に基準を下げる
持ち手が握りにくい太め・長めのグリップにする

10. おすすめグッズ

  • 子ども用なわとび
  • 持ち手が長いなわとび
  • グリップが太めのなわとび
  • フラフープ
  • 室内運動マット
  • マスキングテープ
  • バランスストーン
  • トランポリン
  • やわらかいボール

11. よくある質問

なわとびは何歳から練習すればいいですか?

3歳頃から、なわなしのジャンプ遊びとして始めるのがおすすめです。
なわを使って跳ぶ練習は、ジャンプやタイミングに少し慣れてからで大丈夫です。

4歳でなわとびができないのは遅いですか?

遅くありません。
4歳は、ジャンプやタイミングを経験している途中の時期です。フラフープや床に置いたなわを使った遊びで十分です。

両足ジャンプができない場合はどうしたらいいですか?

片足ずつまたぐ、線を越える、クッションをまたぐなど、簡単な動きから始めましょう。
両足ジャンプは少しずつ育てていけば大丈夫です。

なわを回すのが難しい場合は?

まずは、なわを回すだけの練習に分けます。
跳ばずに「後ろから前へ回す」だけでも、なわとびに必要な動きの練習になります。

フラフープなわとびは効果がありますか?

あります。
なわより動きが見えやすく、タイミングをつかみやすいので、なわとび前の練習に向いています。

DCD傾向がある子でもなわとびはできますか?

段階を分ければ取り組めます。
ただし、無理に連続跳びを目指す必要はありません。子どもの段階に合わせた練習が大切です。

▶ 子どもの不器用さはDCDかも?発達性協調運動症の特徴と家庭でできる支援【体験談あり】

就学前になわとびができないと困りますか?

必須ではありません。
小学校で取り組む機会はありますが、入学前は「ジャンプする」「順番を待つ」「挑戦する」経験を積めれば十分です。

家庭での練習時間はどれくらいがいいですか?

1〜3分程度で大丈夫です。
短く終えて、「またやりたい」と思えるくらいが続けやすいです。

なわとびを嫌がる場合はどうすればいいですか?

いったん、なわとびから離れても大丈夫です。
ジャンプ遊び、フラフープ遊び、風船遊びなど、似た力を育てる遊びから再スタートしましょう。

どんななわとびを選べばいいですか?

持ち手が握りやすく、長さを調整できるものがおすすめです。
軽すぎるなわより、少し重さがあって動きが分かりやすいものが合う子もいます。

まとめ|なわとびは「飛べる・飛べない」より段階が大切

なわとびは、才能だけで決まる運動ではありません。

跳べない子には、跳べない理由があります。

  • ジャンプがまだ安定していない
  • タイミングが分かりにくい
  • なわを回す動きが難しい
  • 手足を同時に動かすのが苦手
  • 失敗経験が重なって嫌になっている

そんなときは、いきなり前跳びを目指さなくて大丈夫です。

まずは、

  1. ジャンプする
  2. 線を越える
  3. フラフープでタイミングをつかむ
  4. なわを回す
  5. 1回だけ跳ぶ

というように、段階を分けて進めていきましょう。

「できない」ではなく、
「今はこの段階なんだ」と見るだけで、親も子もずっとラクになります。

なわとびは、回数よりも成功体験。
小さな「できた」を積み重ねながら、家庭で楽しく取り組んでいきましょう。

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しょうがなすこのプロフィールイラスト

しょうがなすこさん

はじめまして🌼「しょうがなすこ」と申します。 小学生と未就学児の兄弟を育てている母です。長男にはASD・ADHD・DCD・吃音があり、療育や学校生活、家庭での関わりを通して、さまざまな困りごとに向き合ってきました。 児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、実際の子育て経験をもとに、家庭・学校・療育で使える視覚支援カードや無料教材、子育ての工夫を発信しています。 「ことばだけでは伝わりにくい」「次に何をすればよいか分からない」「学習につまずいている」など、その子に合う「分かる方法」を一緒に見つけられる場所を目指しています。 子育ての困りごとが少しでも軽くなりますように。どうぞ気軽に読んでいってください☺️

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