はじめに
「放課後デイサービスって、どうやって選べばいいの?」
「どこも同じに見えて、違いが分からない…」
発達障害や特性のある子どもを育てていると、
放課後デイサービス選びはとても大きな悩みのひとつですよね。
実は、放課後デイサービスは
👉 事業所ごとに支援内容・考え方・雰囲気が大きく違います。
この記事では、
放課後デイサービスの基本から、後悔しない選び方、見学のポイント、失敗しやすい例まで
保護者目線で分かりやすく解説します。
目次
はじめに|放課後デイサービス選びで迷う理由
- 放課後デイサービスとは?まず知っておきたい基本知識
放課後デイサービスの対象年齢・利用条件
児童発達支援・学童との違い - 療育が「ない」放課後デイサービスもあることを知っておこう
- 放課後デイサービスは地域差があることも理解しておこう
- 放課後デイサービスの選び方【基本の5つのポイント】
- 見学で必ずチェックしたいポイント
- 放課後デイサービス選びでよくある失敗例
- 子どもに合わないと感じたときの対処法
- 放課後デイサービスは「家庭と一緒に育てる場所」
- まとめ|放課後デイサービス選びで一番大切なこと
1. 放課後デイサービスとは?まず知っておきたい基本知識

放課後デイサービスの対象年齢・利用条件
放課後デイサービスは、
小学校1年生〜高校3年生までの障害のある子どもが利用できる、障害福祉サービスです。
利用するには、
- 発達障害(ASD・ADHD など)
- 知的障害
- 身体障害
などがあり、市区町村から「受給者証」の交付を受ける必要があります。
👉 医師の診断がなくても、自治体の判断で利用できるケースもあります。
児童発達支援・学童との違い
よく比較されるのが、この2つです。
- 児童発達支援:主に未就学児(0〜6歳)
- 放課後デイサービス:就学後(小学生以上)
- 学童:障害の有無に関係なく預かり中心
放課後デイサービスは
「預かり」だけでなく、
療育・ソーシャルスキル・学習支援・運動療育など、
子どもの特性に合わせた支援が行われるのが大きな特徴です。
2. 療育が「ない」放課後デイサービスもあることを知っておこう
放課後デイサービスというと、
「どこも療育をしてくれる」と思われがちですが、実際には事業所によって方針は大きく異なります。
最近は特に、以下のように特色が分かれている傾向があります。
- 自由型:学校後のリラックスや居場所づくりを重視
- 運動特化型:体を動かす活動(サーキット・パルクールなど)が中心
- 療育重視型:個別支援計画に基づいた療育・SST・学習支援が中心
どれが良い・悪いということではなく、
子どもの年齢・特性・学校での疲れ具合によって、合う形は変わります。
「療育があると思って利用したら、実際は預かり中心だった」
というミスマッチを防ぐためにも、
見学時に「どんな支援を、どのくらいの頻度で行っているのか」を具体的に確認することが大切です。
3. 放課後デイサービスは地域差があることも理解しておこう
放課後デイサービスの内容や選択肢は、
自治体や地域によって大きな差があります。
事業所数が多く選択肢が豊富な地域もあれば、
通える範囲に数か所しかないケースもあります。
また、利用条件や待機状況、送迎範囲なども自治体ごとに異なります。
そのため、
「他の家庭ではこうだった」
「ネットではこう書いてあった」
という情報が、必ずしも自分の地域に当てはまるとは限りません。
困ったときは、
自治体の障害福祉課や相談支援専門員に相談しながら、
その地域でできる最善の選択を探していくことが大切です。
4. 放課後デイサービスの選び方【基本の5つのポイント】

① 子どもの特性と支援内容が合っているか
まず一番大切なのは、
「その子の困りごとに合った支援があるか」です。
例えば、
- 集団が苦手 → 少人数・個別支援が多いか
- 体を動かすのが好き → 運動療育があるか
- 学習につまずきがある → 学習支援があるか
👉 「良さそう」ではなく
👉 「わが子に合っているか」で見るのがポイントです。
② 個別支援計画は丁寧に作られているか
放課後デイサービスでは、
個別支援計画をもとに支援が行われます。
見学時には、
- 子どもの特性をきちんと聞いてくれるか
- 目標が具体的か
- 定期的な振り返りがあるか
をチェックしましょう。
「とりあえず預かります」という姿勢の事業所は要注意です。
③ スタッフの専門性・人数体制
支援の質は、スタッフ次第と言っても過言ではありません。
- 保育士・児童指導員・作業療法士などがいるか
- 子どもの人数に対してスタッフが足りているか
- 子どもへの声かけが丁寧か
👉 笑顔だけでなく、関わり方の中身を見るのが大切です。
④ 集団活動と個別支援のバランス
放課後デイサービスには、
- 集団活動中心
- 個別支援中心
- 両方バランスよく行う
など、さまざまな形があります。
「集団に慣れてほしい」
「まずは安心できる環境が必要」
今の子どもの段階に合っているかを意識しましょう。
⑤ 通いやすさ・送迎・利用時間
意外と見落としがちなのが、通いやすさです。
- 学校からの送迎があるか
- 利用時間は家庭の生活リズムに合っているか
- 長期休暇(夏休みなど)の対応は?
👉 無理なく続けられることも、選び方の大事なポイントです。
5. 見学で必ずチェックしたいポイント

子どもの様子をしっかり見てくれるか
見学時、
子ども本人をきちんと見てくれているかを確認しましょう。
- 名前を呼んでくれる
- 子どもの反応に合わせて声かけしている
- 無理に参加させていない
こうした細かな部分に、その事業所の姿勢が表れます。
保護者への説明は分かりやすいか
- 専門用語ばかり使っていないか
- 質問に丁寧に答えてくれるか
- 不安を否定せず受け止めてくれるか
👉 「ここなら相談できそう」と思えるかどうかは重要です。
子どもが「また行きたい」と感じているか
最終的に大切なのは、
子ども自身の気持ちです。
言葉にできなくても、
- 表情が明るい
- 帰りに荒れない
- 次回を嫌がらない
こうしたサインも、大事な判断材料になります。
6.【実体験】我が家が放課後デイサービス見学で気づいたこと

我が家も、放課後デイサービスを選ぶ際にいくつかの事業所を見学しました。
パンフレットやホームページではどこも良さそうに見えましたが、
実際に見学して初めて気づいたことがたくさんあります。
たとえば、
「療育あり」と書かれていても、
実際には自由遊びの時間がほとんどで、個別支援はほぼ行われていない事業所もありました。
一方で、子どもの特性や困りごとを丁寧に聞き取り、
「今は安心して過ごすことを優先しましょう」
「集団は少しずつで大丈夫ですよ」
と具体的な方針を説明してくれた事業所もありました。
見学を通して感じたのは、
「良い・悪い」ではなく、「わが子に合うかどうか」が何より大切だということです。
実際に足を運び、子どもの様子やスタッフの関わり方を見ることで、納得して選ぶことができました。
7. 放課後デイサービス選びでよくある失敗例
「人気だから」で選んでしまった
口コミや評判が良くても、
必ずしもわが子に合うとは限りません。
支援内容をよく確認せずに決めた
「療育あり」と書いてあっても、
- どんな療育なのか
- 個別なのか集団なのか
まで確認しないと、ミスマッチが起きやすくなります。
子どもの気持ちを後回しにしてしまった
親が「ここがいい」と思っても、
子どもが強いストレスを感じている場合もあります。
👉 無理に続けることで、
👉 放課後デイサービス自体が嫌いになってしまうことも。
8. 子どもに合わないと感じたときの対処法
すぐにやめる前にできること
- 困っている点を整理する
- 具体的な場面を伝える
- 支援内容の調整を相談する
それだけで改善するケースもあります。
事業所に相談するときの伝え方
「合わないです」ではなく、
- 家での様子
- 子どもの反応
- 気になっている点
を具体的に伝えると、建設的な話し合いができます。
変更・併用という選択肢もある
放課後デイサービスは、
- 事業所の変更
- 曜日ごとの併用
も可能です。
👉 「一度決めたら変えられない」わけではありません。
9. 放課後デイサービスは「家庭と一緒に育てる場所」
放課後デイサービスは、
丸投げする場所ではなく、家庭と一緒に子どもを支える場所です。
家庭・学校・事業所が連携することで、
- 子どもの安心感
- 成長のスピード
は大きく変わります。
10. よくある質問(FAQ)
放課後デイサービスは必ず療育がありますか?
事業所ごとに異なり、預かり中心のところもあります。
医師の診断がなくても利用できますか?
自治体判断で可能な場合もあります。
見学は何か所くらい行くべきですか?
可能であれば2〜3か所比較がおすすめです。
子どもが行きたがらない場合はどうすれば?
無理に続けず、理由を整理して相談しましょう。
途中で事業所を変えることはできますか?
可能です。変更や併用も制度上認められています。
学習支援はどこも同じですか?
内容・深さは大きく異なります。
スタッフの資格はどこを見ればいい?
配置基準と実際の人数・関わり方を見ましょう。
人気の事業所=良い事業所ですか?
必ずしもわが子に合うとは限りません。
見学時に子どもを連れて行くべき?
可能であれば一緒に行く方が判断材料になります。
放課後デイサービスはいつから利用できますか?
小学校入学後から利用可能です。
まとめ|放課後デイサービス選びで一番大切なこと
放課後デイサービスの選び方で一番大切なのは、
「子どもに合っているか」です。
- 正解はひとつではない
- 途中で見直してもいい
- 悩みながら選んでいい
そう思えるだけで、少し気持ちが楽になります。
焦らず、比べて、
親子ともに安心できる放課後デイサービスを見つけていきましょう。