はじめに|発語には「口を動かす力」も関係しています
「言葉がゆっくりで心配」
「発音がはっきりしない」
「口がポカンと開いていることが多い」
「食べこぼしや噛みにくさも気になる」
そんな悩みはありませんか?
発語や発音には、ことばの理解だけでなく、唇・舌・頬・あごを動かす力も関係しています。
家庭で取り入れやすい練習として、療育や言語訓練でも使われることがあるのが、
パタカラ体操 と あいうべ体操 です。
この記事では、子ども向けに無理なく取り入れる方法、わが家で感じた変化、嫌がるときの工夫をまとめます。
※この記事は家庭でできる遊び・練習の紹介です。発語や発音、食事面の心配が強い場合は、言語聴覚士・小児科・歯科・発達相談窓口などへ相談してください。
パタカラ体操とは?

パタカラ体操は、
「パ・タ・カ・ラ」
の音を出しながら、口まわりや舌を動かす体操です。
それぞれの音には、使う場所があります。
| 音 | 使う場所 | ねらい |
|---|---|---|
| パ | 唇 | 唇を閉じて開く力 |
| タ | 舌先 | 舌を上に動かす力 |
| カ | 舌の奥 | 舌の奥を動かす力 |
| ラ | 舌先 | 舌を細かく動かす力 |
「発音を完璧にする練習」というより、
口や舌を動かす経験を増やす体操 と考えると取り入れやすいです。
▶ 言葉が遅い子の発語を促す動作模倣遊び|家庭でできるまねっこ練習
パタカラ体操で期待できること
パタカラ体操では、次のような力を育てるきっかけになります。
- 唇を閉じる力
- 舌を動かす力
- 発音をはっきりさせる土台
- 食べるときの口の動き
- 口を閉じる意識
特に「パ」は唇の動きが見えやすいため、子どもにも分かりやすい音です。
パタカラ体操のやり方

最初はゆっくりで大丈夫です。
パ パ パ
タ タ タ
カ カ カ
ラ ラ ラ
慣れてきたら、
パタカラ
パタカラ
パタカラ
と続けます。
ポイントは、スピードよりも口をしっかり動かすことです。
子ども向けの声かけ例
「パッてお口を開けてみよう」
「タは舌を上にぺたっ」
「カは奥から出すよ」
「ラは舌をくるん」
難しい音があっても、無理に直しすぎなくて大丈夫です。
体験談|「カ」が難しかったけれど少しずつ形になった
わが家でも、療育で教えてもらったパタカラ体操に取り組みました。
最初、息子は「パ・タ・ラ」は比較的まねしやすかったのですが、
「カ」が難しく、「タ」に近い音になってしまうことがありました。
「カって言って!」と何度も言うと嫌がってしまうので、鏡を見ながら、
「今の口、いいね」
「奥から音が出たね」
「今日はここまででOK」
と、できた部分を拾うようにしました。
すぐに劇的な変化があったわけではありません。
でも、続けるうちに「パ」「タ」「ラ」は以前より聞き取りやすくなり、
「カ」も少しずつ形になってきたように感じました。
発音が少し伝わりやすくなると、本人も話すことへの抵抗が減ったように思います。
あいうべ体操とは?

あいうべ体操は、
「あ・い・う・べ」
の口の動きを大きく行う体操です。
| 音 | 動き |
|---|---|
| あ | 口を大きく開ける |
| い | 口を横に広げる |
| う | 唇をすぼめる |
| べ | 舌を前に出す |
口・唇・舌を大きく動かすため、子どもにも分かりやすく、遊びとして取り入れやすいです。
▶ 『だるまさんが』で言葉のリズムを育てる|吃音・発語が気になる子との読み聞かせ実践
あいうべ体操で期待できること
あいうべ体操では、次のような力を意識しやすくなります。
- 口を大きく開ける
- 唇をすぼめる
- 舌を前に出す
- 表情を動かす
- 口を閉じる意識を持つ
発語だけでなく、口ポカン・口呼吸・食べこぼしが気になる子の「口まわりの動き」にも目を向けやすくなります。
あいうべ体操のやり方

親子で鏡を見ながら、ゆっくり行います。
あー
いー
うー
べー
大人が少し大げさにやると、子どももまねしやすいです。
「べー」はふざけた感じで楽しめるので、わが家では一番盛り上がりました。
体験談|遊びにしたら続けやすかった
息子は最初、口を大きく開けるのがあまり得意ではありませんでした。
「あーして」と言っても、少ししか開かなかったり、すぐに飽きてしまったり。
でも、私が大げさに
「あー!いー!うー!べー!」
とやると、面白がってまねすることが増えました。
鏡を見ながらやると、自分の顔が変わるのも楽しかったようです。
続けるうちに、以前より口や表情を大きく動かすことが増え、発音も少し聞き取りやすくなってきたように感じました。
食事中の噛みこぼしも、少しずつ気になりにくくなった印象があります。
パタカラ体操とあいうべ体操の違い
| 体操 | 特徴 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| パタカラ体操 | 音を出しながら口と舌を動かす | 発音・舌の動き・口の使い方 |
| あいうべ体操 | 大きな口の形を作る | 口まわり全体・表情・舌の動き |
どちらが上というより、目的が少し違います。
発音の音を意識したいときはパタカラ。
口や舌を大きく動かしたいときはあいうべ。
このように使い分けると分かりやすいです。
子どもが嫌がるときの工夫
▶ 吃音の子に家庭でできる遊びと練習|親子で楽しく話しやすさを育てる方法
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1. 「練習」と言わない
「発音練習しよう」と言うと、構えてしまう子もいます。
わが家では、
「お口のたいそうしよう」
「変な顔ゲームしよう」
「ママと勝負しよう」
のように、遊びっぽく言う方が取り組みやすかったです。
2. 鏡を使う
鏡があると、自分の口の動きが見えます。
「今、すごく大きいお口だったね」
「舌が見えたね」
と、できたことを見つけやすくなります。
3. 1回で終わってもOKにする
毎日5分が理想でも、子どもにとっては長いこともあります。
最初は、
- パだけ
- あいうべ1回だけ
- 鏡を見るだけ
- 親のまねを少しするだけ
でも大丈夫です。
「またやろう」と思える終わり方の方が続きます。
日常生活に取り入れるコツ

おすすめは、毎日の流れにくっつけることです。
- 歯みがき前に1回
- お風呂の鏡で1回
- 寝る前に1回
- 絵本の前に1回
- ごはん前に「パッ」と口を動かす
特別な時間を作るより、生活の中に少しだけ入れる方が続きやすいです。
おすすめグッズ
家庭で続けるなら、親子で一緒に見られる卓上ミラーや、発音カードがあると遊びにしやすいです。
- 子ども用ミラー
- 割れにくい卓上ミラー
- 発音カード
- 口の体操・発語支援の本
- 絵カード
- まねっこ遊びの絵本
です。
よくある質問
パタカラ体操は何歳からできますか?
まねっこ遊びとしてなら、2〜3歳頃から取り入れられます。正確に言わせるより、口を動かす経験を大切にしましょう。
あいうべ体操は発語に効果がありますか?
直接「言葉が増える」と断定はできませんが、口や舌を動かす練習として、発語や発音の土台づくりに役立つことがあります。
毎日やった方がいいですか?
無理のない範囲で、短時間を継続するのがおすすめです。1回1〜3分でも十分です。
子どもが嫌がる場合は?
無理に続けなくて大丈夫です。鏡遊び、変顔遊び、絵本、歌などに変えてみましょう。
発音が変なときは直した方がいいですか?
強く直すより、大人が自然に正しい音を言い直す方が取り入れやすいです。
口ポカンにも関係ありますか?
口を閉じる力や舌の動きに目を向けるきっかけになります。ただし、鼻づまりや歯並びなどが関係する場合もあるため、気になるときは専門家に相談しましょう。
食べこぼしにも効果がありますか?
口や舌の動きを意識する練習にはなります。ただし、食べこぼしが強い場合は、発達・歯科・摂食面の相談も検討しましょう。
パタカラとあいうべ、どちらをやればいいですか?
発音を意識したいならパタカラ、口や舌を大きく動かしたいならあいうべがおすすめです。両方を短く取り入れてもOKです。
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まとめ|口の体操は「言わせる」より「楽しく動かす」が大切
パタカラ体操とあいうべ体操は、家庭で取り入れやすい口まわりの練習です。
大切なのは、
- 正確さより楽しく続ける
- 鏡を使って分かりやすくする
- できたところをほめる
- 短時間で終わる
- 子どものペースを大切にする
ことです。
わが家でも、最初はうまくできない音がありました。
それでも、遊びとして続ける中で、少しずつ口の動きや発音に変化を感じるようになりました。
「話す練習」ではなく、
親子で楽しむお口の体操
として、今日からできるところだけ取り入れてみてください。