はじめに|吃音の練習は「楽しく・安心して」が大切
「言葉がうまく出ない」
「同じ音を何度も繰り返す」
「話したいのに、最初の言葉が詰まってしまう」
子どもの吃音が気になると、親としてはとても心配になりますよね。
私自身も、息子の吃音が強かった時期に、
「家庭で何かできることはないかな」
「少しでも話しやすくしてあげたい」
と何度も考えてきました。
▶ 幼児吃音は治る?2歳半〜6歳までの経過と親ができる対応【実体験】
ただし、吃音は「練習すれば必ず治る」というものではありません。
無理に言い直させたり、話し方を直そうとしすぎたりすると、かえって子どもが話すことにプレッシャーを感じてしまうこともあります。
だからこそ大切なのは、トレーニングというより、親子で楽しく遊びながら“話しやすい土台”を育てることです。
この記事では、わが家で実際に取り入れてきた方法をもとに、
- 家庭でできる吃音への関わり方
- 親子でできる言葉遊び
- 呼吸やリズムを使った遊び
- 気をつけたいNG対応
- おすすめグッズや相談先
をまとめます。
※この記事は医療的な診断や治療の代わりではありません。吃音が長く続く場合や、本人が困っている場合は、言語聴覚士や専門機関への相談がおすすめです。
吃音の子に家庭でできることは「治す練習」より安心づくり
まず最初に伝えたいのは、家庭での関わりは「吃音を消すため」だけのものではないということです。
もちろん、話すリズムや呼吸を整える遊びが、話しやすさにつながることはあります。
でも、それ以上に大切なのは、
- 話しても大丈夫
- 詰まっても待ってもらえる
- 最後まで聞いてもらえる
- 自分の言葉を受け止めてもらえる
という安心感です。
わが家でも、息子の吃音が強かった時期は、親の私が焦ってしまうこともありました。
でも、言語聴覚士さんに相談しながら、「話し方を直す」よりも「安心して話せる環境を作る」ことを意識するようになりました。
そこから少しずつ、親子の会話が楽になっていったように感じます。
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1. 親がゆっくり話す見本を見せる

子どもに「ゆっくり話して」と何度も言うより、親自身がゆっくり話す方が伝わりやすいです。
たとえば、
「今日は、幼稚園で、何して遊んだの?」
と質問攻めにするより、
「今日は、楽しかったんだね」
「ブロックで遊んだんだね」
と、ゆっくり短く返すイメージです。
子どもは親の話し方をよく見ています。
親が落ち着いたペースで話すことで、家庭全体の会話のスピードも少し穏やかになります。
わが家で意識したこと
息子が言葉に詰まったとき、最初の頃はつい「ゆっくりでいいよ」と言っていました。
でも、それを何度も言うと、本人にとっては「今、うまく話せていないんだ」と感じることもあるかもしれません。
そこで、私は自分の話すスピードを少し落とすようにしました。
「そっか」
「それで?」
「うん、聞いてるよ」
と、短い言葉で待つようにしたら、息子も少し安心して話せる場面が増えたように感じます。
2. リズム遊びで言葉の流れを作る

吃音がある子の中には、歌やリズムに乗ると話しやすくなる子もいます。
家庭では、難しい練習にしなくても大丈夫です。
おすすめは、
- 手拍子しながら言葉を言う
- 絵本をリズムよく読む
- 歌に合わせて言葉をまねする
- 「だるまさんが」など繰り返しの多い絵本を読む
といった遊びです。
たとえば、
「だ・る・ま・さ・ん・が」
と手拍子しながら読むだけでも、言葉のリズムを感じやすくなります。
▶ 『だるまさんが』で言葉のリズムを育てよう|吃音改善と療育に効果的な絵本活用法
体験談
息子も、普通に話すと詰まりやすい時期でも、歌やリズムのある言葉はスムーズに出ることがありました。
特に絵本の繰り返しフレーズは、本人も安心して声を出しやすかったです。
「読む練習」ではなく、親子で笑いながら真似するくらいがちょうどよかったです。
3. シャボン玉でゆっくり息を吐く遊び

シャボン玉は、吃音の子に限らず、呼吸を意識する遊びとして取り入れやすいです。
大きなシャボン玉を作るには、強く吹くよりも、ゆっくり長く息を吐く必要があります。
これが、自然と
- 息を吸う
- ゆっくり吐く
- 力を抜く
- 呼吸を整える
練習になります。
やり方
- 最初は大人が見本を見せる
- 「ふーっと長くね」と短く声かけ
- 大きくできたら一緒に喜ぶ
- できなくても責めない
ポイントは、発声練習としてやらせないことです。
あくまで「楽しい遊び」として取り入れるのがおすすめです。
4. 吹き戻し・ラッパ・ハーモニカで息のコントロール遊び

吹き戻し、ラッパ、ハーモニカなども、息を使う遊びとして取り入れやすいです。
ただし、音が大きいものが苦手な子もいるので、無理に使う必要はありません。
おすすめは、
- 吹き戻し
- 小さなラッパ
- ハーモニカ
- 笛
- 風車
などです。
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期待できること
- 息を吐く感覚が分かる
- 口まわりを使う経験になる
- 遊びながら呼吸を意識できる
- 親子で楽しく取り組める
息の遊びは、直接「吃音を治す」ものではありません。
でも、話す前の体の緊張をゆるめたり、呼吸への意識を育てたりするきっかけにはなります。
5. 絵カード・言葉カードで「言いたい」を引き出す

吃音が強い時期は、子どもが話すこと自体を避けることがあります。
そんなときは、言葉だけでなく、絵カードや写真カードを使うのもおすすめです。
たとえば、
- 食べ物カード
- 動物カード
- 乗り物カード
- 気持ちカード
- 家族写真
- 今日の出来事の写真
などを見ながら、
「これ、好きだね」
「これは赤いね」
「犬がいるね」
と大人がコメントします。
質問攻めにしないのがポイントです。
「これは何?」ばかりだと、答えなければいけないプレッシャーになります。
最初は大人がコメントして、子どもが言いたくなったら言う、くらいで大丈夫です。
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6. ボール遊びで会話の順番を練習する
ボールを転がしながら話す遊びもおすすめです。
たとえば、
親「すきな食べ物は?」
子ども「カレー」
親「ママもカレー好き」
のように、ボールを転がすたびに一言ずつ話します。
言葉だけでやりとりするより、ボールの動きがあることで、
- 順番が分かりやすい
- 会話のテンポがゆっくりになる
- 待つ時間が自然にできる
というメリットがあります。
吃音がある子にとって、「話す順番が来る」と緊張することもあります。
その場合は、子どもが話さずにボールを返すだけでもOKです。
「参加できた」ことを大切にします。
7. スムーズに話せたことより「伝えられたこと」をほめる
吃音の子に対して、
「今、上手に言えたね」
「今日は詰まらなかったね」
と話し方そのものをほめると、子どもによってはプレッシャーになることがあります。
おすすめは、話し方ではなく、内容や伝えようとした気持ちをほめることです。
声かけ例
「教えてくれてありがとう」
「それ、伝えたかったんだね」
「最後まで話してくれてうれしいよ」
「ママ、ちゃんと分かったよ」
こうした声かけは、子どもの「話したい」という気持ちを守りやすいです。
わが家でも、息子が詰まりながら話したときは、話し方ではなく、内容に反応するように意識しました。
吃音の子におすすめの遊び・グッズ
家庭で取り入れやすいものをまとめます。
| 遊び・グッズ | 目的 | ポイント |
|---|---|---|
| シャボン玉 | ゆっくり息を吐く | 遊び感覚でできる |
| 吹き戻し | 息の強弱を感じる | 短時間でOK |
| 風車 | 息のコントロール | 視覚的に分かりやすい |
| ハーモニカ | 息と音のつながり | 音が苦手な子は無理しない |
| 絵カード | 言葉のきっかけ作り | 質問よりコメント多め |
| 絵本 | リズム・語彙 | 繰り返し表現のある本がおすすめ |
| ボール | 会話の順番 | 話さず参加でもOK |
息を使う遊びも取り入れやすい
シャボン玉以外にも、息を使って遊べるグッズは家庭で取り入れやすいです。
ただし、これらは「吃音を治す道具」ではなく、息をゆっくり吐く・力加減を感じる・親子で楽しく遊ぶためのものとして使うのがおすすめです。
風船ふくらまし

風船をふくらませる遊びは、息を深く吸って、口から吐く経験につながります。
慣れないうちは小さな風船から始め、無理に大きくふくらませようとしなくて大丈夫です。
ハーモニカ
ハーモニカは、息を吹く・吸うことで音が出るため、呼吸のリズムを感じやすい遊びです。
「上手に演奏する」よりも、音が出たことを楽しむくらいで十分です。
ボール吹きおもち

息でボールを浮かせたり動かしたりするおもちゃは、一定の息を出す感覚を遊びながら体験できます。
集中して取り組みやすい子には、短時間の遊びとして取り入れやすいです。
やりすぎ注意|吃音の子に避けたい関わり
家庭で何かしてあげたいと思うほど、つい頑張りすぎてしまいます。
でも、吃音の子にとっては、次のような関わりが負担になることがあります。
- 何度も言い直しをさせる
- 「ゆっくり話して」と毎回言う
- 「落ち着いて」と繰り返す
- 話し終わる前に先回りして言う
- 人前で練習させる
- できたかどうかを毎回評価する
もちろん、親も人間なので、つい言ってしまうことはあります。
私も何度もありました。
大切なのは、完璧な対応をすることではなく、子どもが安心して話せる時間を少しずつ増やしていくことだと思います。
専門家に相談した方がいいタイミング
家庭での関わりに加えて、気になる場合は早めに相談して大丈夫です。
相談の目安は、
- 吃音が3〜6か月以上続いている
- 本人が話すことを嫌がる
- 言葉が出ずに苦しそう
- 園や学校生活で困っている
- 親の不安が強い
- ブロック症状が強い
- 家族に吃音のある人がいる
などです。
相談先としては、
- 小児科
- 発達クリニック
- 言語聴覚士
- 療育センター
- 発達支援センター
- 保健センター
があります。
わが家も、専門家に相談できたことで、親の不安がかなり軽くなりました。
▶ 発達検査は必要?吃音・幼稚園での困りごとから決断した理由とは
よくある質問
吃音は家庭での練習で治りますか?
家庭での関わりが話しやすさにつながることはありますが、必ず治るとは言い切れません。
無理に治そうとするより、安心して話せる環境を作ることが大切です。
毎日練習した方がいいですか?
短時間で大丈夫です。
1日5分でも、親子で楽しくできる範囲がおすすめです。嫌がる日は休んでOKです。
「ゆっくり話して」と言ってもいいですか?
たまに伝える程度なら問題ないこともありますが、何度も言うとプレッシャーになる場合があります。
親がゆっくり話す見本を見せる方がおすすめです。
シャボン玉や吹き戻しは吃音に効果がありますか?
直接吃音を治すものではありません。
ただし、息をゆっくり吐く感覚やリラックスにつながる遊びとして取り入れやすいです。
子どもが話すのを嫌がるときは?
無理に話させなくて大丈夫です。
指差し、カード、うなずきなど、言葉以外の伝え方も認めてあげると安心しやすいです。
兄弟と一緒にできますか?
できます。
ただし、吃音のある子だけが「練習させられている」と感じないように、家族みんなの遊びとして取り入れるのがおすすめです。
外で吃音が出ると恥ずかしがります。どうしたらいい?
「大丈夫、伝わっているよ」と安心できる声かけをしましょう。
人前で言い直しをさせるより、気持ちを受け止めることを優先します。
言語聴覚士には相談した方がいいですか?
気になる場合は相談してよいと思います。
家庭での関わり方を具体的に教えてもらえることもあり、親の安心にもつながります。
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まとめ|吃音の練習は「話しやすさ」と「自信」を育てる時間に
吃音がある子への家庭での関わりは、無理に治すためのトレーニングではありません。
大切なのは、
- 急かさず聞く
- 親がゆっくり話す
- リズムや絵本で楽しく言葉に触れる
- シャボン玉や吹き戻しで呼吸を遊びにする
- 話し方ではなく、伝えようとした気持ちを受け止める
ことです。
わが家でも、息子の吃音に悩んだ時期がありました。
でも、親子で遊びながら関わる時間は、息子にとっても私にとっても「言葉を責めない時間」になっていたと思います。
吃音には波があります。
よくなる日もあれば、また強く出る日もあります。
それでも、子どもの「話したい」という気持ちを守りながら、家庭でできることを少しずつ続けていけたら十分です。
焦らず、比べず、親子で楽しく。
今日できる小さな関わりから始めてみてください。