吃音

子どもの吃音に親ができること7選|家庭での声かけ・NG対応・相談先を解説【体験談あり】

吃音のある男の子の話を母親が急かさず聞く親子のイラスト

はじめに|子どもの吃音に、親はどう関わればいい?

「言葉がつまって、うまく話せない」
「同じ音を何度も繰り返している」
「話したいのに、言葉が出なくて苦しそう」

そんな子どもの姿を見ると、親として胸がぎゅっと苦しくなりますよね。

わが家の息子も、2歳半頃から吃音が見られるようになりました。
最初は少し言葉を繰り返す程度でしたが、3歳半頃には症状が強くなり、言葉がなかなか出てこない「ブロック」のような状態も見られるようになりました。

特につらかったのは、息子が泣きながら、

「ママ、喋れない……助けてよ」

と言った日です。

その言葉を聞いたとき、私は「この子の話したい気持ちを守りたい」と強く思いました。

この記事では、子どもの吃音に対して親が家庭でできるサポート方法を、我が家の体験談を交えながら紹介します。

※この記事は、医療的な診断や治療の代わりではありません。吃音が長く続く場合や本人がつらそうな場合は、言語聴覚士や専門機関へ相談してください。

吃音とは?子どもに見られる主な特徴

吃音とは、話すときに言葉がスムーズに出にくくなる状態のことです。
2〜6歳頃の幼児期に見られることが多いと言われています。

子どもの吃音には、主に次のような特徴があります。

種類例
繰り返し「ぼ、ぼ、ぼく」
引き伸ばし「ぼーーく」
難発・ブロック「……ぼく」のように言葉が出にくい

わが家の息子は、最初は「繰り返し」が目立ちました。
その後、3歳半頃には言葉が出てこないブロックのような症状も増えていきました。

吃音の原因は?親のせいではありません

吃音の原因は、まだ完全には分かっていません。

ただ、現在は、

  • 遺伝的な要因
  • 脳の言語処理の特性
  • 発達の過程
  • 緊張や環境の変化
  • 本人の気質

など、複数の要因が関係していると考えられています。

ここで大切なのは、吃音は親の育て方のせいではないということです。

「私の声かけが悪かったのかな」
「もっと早く気づいていれば」
「家での関わりが原因?」

と自分を責めてしまう親御さんもいると思います。

私もそうでした。

でも、吃音は本人の努力不足でも、親のせいでもありません。
だからこそ、原因探しに苦しみすぎるよりも、子どもが安心して話せる環境を作ることが大切だと感じています。

子どもの吃音に親ができること7選

1. 最後まで話を聞く

一番大切にしたのは、息子の話を最後まで聞くことでした。

言葉が詰まると、つい先回りして、

「〇〇って言いたいの?」
「こういうこと?」

と言いたくなることがあります。

でも、できるだけ最後まで待つようにしました。

言葉が出るまでの時間を、親が落ち着いて待つ。
それだけでも、子どもにとっては「話していいんだ」という安心感につながると感じました。

2. 急かさない

吃音が強い時期は、言葉が出るまでに時間がかかります。

忙しい朝や外出先では、親も焦ります。

でも、

「早く言って」
「何て言ったの?」
「もう一回言って」

と急かすと、子どもはさらに緊張してしまうことがあります。

わが家では、すぐに返事を求めず、息子のペースを待つように意識しました。

完璧にはできませんでした。
でも、「急かさないようにしよう」と意識するだけでも、親の対応は少し変わったと思います。

3. 言い直しをさせない

吃音が出ると、つい「もう一回言ってごらん」と言いたくなることがあります。

でも、話し方を何度も直されると、子どもは「自分の話し方はダメなんだ」と感じてしまうことがあります。

我が家では、言葉の正しさよりも、伝えようとしてくれた内容を受け止めるようにしました。

たとえば、

「マ、マ、マ、ママ、あのね」

と詰まりながら話しても、話し方ではなく中身に反応するようにしました。

「そうだったんだね」
「教えてくれてありがとう」

と返すことで、息子の「話したい気持ち」を守りたいと思っていました。

4. 親がゆっくり話す見本を見せる

「ゆっくり話して」と何度も言うより、親自身がゆっくり話すことを意識しました。

子どもに直接「ゆっくり」と指示すると、プレッシャーになることがあります。

でも、親が落ち着いた声でゆっくり話すと、家全体の会話のペースが少し穏やかになります。

わが家でも、私が早口になっているときほど、息子も焦って話そうとしていた気がします。

「ゆっくり話して」ではなく、
「こちらがゆっくり話す」

この方が、息子には合っていたように感じています。

5. 質問を減らして、コメントを増やす

子どもと会話しようと思うと、つい質問が多くなります。

「今日は何したの?」
「誰と遊んだの?」
「楽しかった?」

でも、吃音がある子にとって、質問に答えることがプレッシャーになる場合があります。

そこで我が家では、質問よりもコメントを増やすようにしました。

たとえば、

「今日は楽しそうな顔で帰ってきたね」
「その絵、色がきれいだね」
「ブロックで大きいの作ったんだね」

という感じです。

質問されるより、コメントされた方が、子どもは自分のタイミングで話しやすくなります。

6. 1対1でゆっくり話せる時間を作る

兄弟がいると、どうしても会話がにぎやかになります。

わが家でも、日常の中ではバタバタしていて、ゆっくり息子の話を聞けないこともありました。

でも、吃音が強い時期ほど、1対1で安心して話せる時間は大切だと感じました。

寝る前の数分。
お風呂の時間。
絵本を読んだあと。

長い時間でなくても大丈夫です。

「ママは今、あなたの話を聞いているよ」

という時間があるだけで、子どもは安心しやすいのだと思います。

7. 専門家に相談する

stuttering-speech-therapist-consultation-v2.png	吃音について男の子と母親が言語聴覚士に相談するイラスト

家庭での関わりも大切ですが、親だけで抱え込まないことも大切です。

わが家は、療育センターに相談し、言語聴覚士さんがいるクリニックを紹介してもらいました。

3歳半頃から、月に2〜4回ほど言語トレーニングに通うようになりました。

専門家に相談してよかったのは、

  • 今の状態を客観的に見てもらえる
  • 家庭での関わり方を相談できる
  • 親の不安を受け止めてもらえる
  • 園との連携もしやすくなる

という点です。

吃音は波があるので、親だけで見ていると不安になりやすいです。
専門家とつながっているだけで、気持ちがかなり楽になりました。

息子の吃音|医療機関にかかるまでの体験談

言葉が出にくく不安そうな男の子に母親が寄り添うイラスト

息子の吃音に気づいたのは、2歳半頃でした。

最初は、ほんの少し言葉を繰り返す程度でした。
でも、以前見たドラマで吃音について知っていた私は、「もしかして」と不安になりました。

もともと息子は、おしゃべりが大好きな子でした。

でも、3歳半頃になると吃音がはっきり目立つようになりました。

「マ、マ、マ、マ、マ……ママ」

と、10回以上繰り返して、やっと言葉になることもありました。

さらに、言葉がなかなか出てこないブロックのような症状も出てきました。

話し出すのに時間がかかり、表情が曇ることも増えました。

親としては、本当に見ていてつらかったです。

「ママ、喋れない……助けてよ」と泣いた日

ある日、幼稚園から帰った息子は、いつも以上に言葉が詰まっていました。

話したいのに、言葉が出ない。
何度も言い直して、途中で諦める。

本人のイライラが、全身から伝わってきました。

夜になって、息子は泣きながら言いました。

「ママ、喋れない……どうしても言葉が出ないんだ。助けてよ」

その言葉は、今でも忘れられません。

話したいのに話せない。
伝えたいのに伝えられない。

そのつらさを思うと、胸が締めつけられました。

その日をきっかけに、私は療育センターへ相談し、専門家につながることを決めました。

吃音には「波」がある|良くなったり悪くなったりする

言語トレーニングを始めてから、少しずつ変化はありました。

調子の良い日は、吃音がほとんど気にならないほどスムーズに話せることもありました。

でも、吃音には波があります。

良くなったと思ったら、また強く出る。
落ち着いていたのに、行事前や疲れている時期に目立つ。
突然、以前より強い波が来る。

わが家でも、トレーニングを始めて1年ほど経った頃、過去一番大きな吃音の波がありました。

約1か月ほど、言葉に詰まる姿が強く見られました。

そのときは正直、かなりショックでした。

でも、今振り返ると、吃音の波は「後戻り」ではなく、経過の一部だったのだと思います。

吃音の波が強いときに意識したこと

「今は波の時期」と考える

吃音が強くなると、親はどうしても不安になります。

「また悪くなった」
「このまま戻らなかったらどうしよう」

と考えてしまいます。

でも、「今は波の時期」と考えるようにすると、少し冷静になれました。

悪化と決めつけるのではなく、今の状態を受け止める。
それが親の焦りを減らすことにつながりました。

行事前後は予定を詰め込みすぎない

息子の場合、幼稚園の発表会や運動会の練習が続く時期に、吃音が強くなることがありました。

そのため、行事前後はできるだけ予定を詰め込みすぎないようにしました。

週末はゆっくり過ごす。
家で安心できる時間を増やす。
睡眠を優先する。

小さなことですが、子どもが落ち着ける環境を作ることは大切だと感じています。

専門家に状態を共有する

吃音の波が強いときは、言語聴覚士さんにも相談しました。

「最近また強く出ています」
「こういう場面で詰まりやすいです」

と共有することで、家庭での対応も確認できました。

専門家に話せる場があると、親の気持ちもかなり楽になります。

家庭でできる吃音への関わり方

リズム遊びを取り入れる

stuttering-rhythm-play-parent-child-v2.png	親子で手拍子をしながら言葉のリズム遊びをする男の子のイラスト

我が家では、手をたたきながら言葉を言ったり、歌のように話したりする遊びも取り入れました。

歌っているときは吃音が出にくいことがあるため、リズムに乗せることで言葉が出やすくなる場面もありました。

ただし、無理に「トレーニング」としてやると嫌がることもあります。

あくまで、遊びの中で楽しく取り入れるのがよかったです。

絵本の読み聞かせを続ける

絵本の読み聞かせも、我が家では大切な時間でした。

直接吃音が改善したかは分かりません。

でも、親子でゆっくり言葉に触れる時間になっていました。

特に、リズムのある絵本は、言葉の流れを楽しみやすいと感じました。

呼吸で落ち着く時間を作る

言葉に詰まって本人が焦っているときは、まず気持ちを落ち着けることも大切でした。

ただし、「深呼吸して」と毎回言うと、それ自体がプレッシャーになることもあります。

我が家では、子どもに直接指示するより、親が先にゆっくり息をするようにしていました。

「大丈夫、待ってるよ」

という雰囲気を作る方が、息子には合っていたように感じます。

これは気をつけたい|吃音へのNG対応

吃音のある子に対して、次のような対応はプレッシャーになることがあります。

  • 「ゆっくり話して」と何度も言う
  • 「落ち着いて」と繰り返す
  • 言い直しをさせる
  • 話し方を注意する
  • 先回りして言葉を取る
  • 話し終わる前に遮る
  • からかう
  • ほかの子と比べる

もちろん、親も完璧ではありません。

私も「ゆっくりね」と言ってしまったことはあります。

でも大切なのは、子どもに「話すことは怖い」と思わせないことだと感じています。

話し方を直すより、話したい気持ちを守る。
これが家庭でできる一番大切な支援だと思います。

吃音で相談できる場所

子どもの吃音が気になったときは、次のような場所に相談できます。

相談先内容
小児科最初の相談先として利用しやすい
発達クリニック発達特性や検査も含めて相談できる
言語聴覚士吃音・発音・言葉の専門家
療育センター地域の支援や相談先につながりやすい
発達支援センター自治体の相談窓口として利用できる
耳鼻咽喉科聞こえや発音の確認をしたい場合

どこに相談すればいいか分からない場合は、自治体の保健センターや発達相談窓口に問い合わせるのもおすすめです。

よくある質問

吃音は自然に治ることもありますか?

幼児期に始まった吃音は、自然に改善するケースもあります。
ただし個人差があるため、長く続く場合や本人がつらそうな場合は専門家への相談がおすすめです。

吃音の原因は親の接し方ですか?

親の接し方だけが原因ではありません。
吃音には、脳の言語処理や発達、遺伝的要因など複数の要因が関係すると考えられています。

「ゆっくり話して」と言ってもいいですか?

何度も言うとプレッシャーになることがあります。
子どもに言うより、親がゆっくり話す見本を見せる方がよい場合があります。

言い直しをさせた方がいいですか?

基本的には、無理に言い直しをさせない方が安心です。
話し方ではなく、話してくれた内容に反応することが大切です。

専門家に相談するタイミングは?

吃音が数か月続く、本人が話すのを嫌がる、ブロックが強い、親の不安が強い場合は相談してよいと思います。

幼稚園や学校の先生に伝えた方がいいですか?

伝えておくと安心です。
発表や音読、友達との関わりで配慮してもらいやすくなります。

吃音はストレスで悪化しますか?

ストレスや疲れ、行事前の緊張などで強く出ることがあります。
ただし、ストレスだけが原因というわけではありません。

リズム遊びや絵本は効果がありますか?

直接的に吃音を治すものではありませんが、言葉に楽しく触れる時間として役立つことがあります。
親子で安心して楽しめる形で取り入れるのがおすすめです。

言語聴覚士は何をしてくれますか?

子どもの話し方や言葉の状態を見ながら、家庭での関わり方や支援方法について相談に乗ってくれます。

親が一番大切にすることは何ですか?

子どもが安心して話せる環境を作ることです。
「話しても大丈夫」「最後まで聞いてもらえる」と感じられることが大切だと思います。

まとめ|吃音の子に親ができることは「安心して話せる環境」を作ること

吃音がある子どもを見ると、親はどうしても不安になります。

「治るのかな」
「学校で困らないかな」
「何かしてあげなきゃ」

と焦ってしまうこともあります。

でも、我が家の経験から感じるのは、親ができる一番大切なことは、子どもが安心して話せる環境を作ることです。

  • 最後まで聞く
  • 急かさない
  • 言い直しをさせない
  • 親がゆっくり話す
  • 質問を減らしてコメントを増やす
  • 1対1の時間を作る
  • 必要に応じて専門家に相談する

吃音には波があります。

良くなったと思ったら、また強く出ることもあります。
でも、それは必ずしも後戻りではありません。

焦らず、比べず、子どもの「話したい」という気持ちを大切にしながら、長い目で見守っていけたらいいなと思います。

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  • この記事を書いた人
しょうがなすこのプロフィールイラスト

しょうがなすこさん

はじめまして🌼「しょうがなすこ」と申します。 小学生と未就学児の兄弟を育てている母です。長男にはASD・ADHD・DCD・吃音があり、療育や学校生活、家庭での関わりを通して、さまざまな困りごとに向き合ってきました。 児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、実際の子育て経験をもとに、家庭・学校・療育で使える視覚支援カードや無料教材、子育ての工夫を発信しています。 「ことばだけでは伝わりにくい」「次に何をすればよいか分からない」「学習につまずいている」など、その子に合う「分かる方法」を一緒に見つけられる場所を目指しています。 子育ての困りごとが少しでも軽くなりますように。どうぞ気軽に読んでいってください☺️

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