はじめに
テレビ東京ドラマ「リーガルビート-逆転の法廷-」第1話を視聴しました。
私は吃音のある子どもを育てています。
そのため、このドラマは放送前からとても楽しみにしていました。
今回は、当事者家族の視点で、第1話を見て感じたことを率直に書いてみたいと思います。
※この記事は、第1話の感想です。
ストーリーの大きなネタバレはありません。
主人公の吃音が息子と重なった
私は、家族と一緒ではなく、一人でじっくり見たかったので、Prime Videoで第1話を視聴しました。
見始めてすぐに感じたのは、
主人公の吃音の様子が、息子とよく似ているということでした。
鈴鹿央士さんは、話し方だけをまねたのではなく、吃音についてたくさん学び、
丁寧に役づくりをされたのだろうと感じるほど、自然な演技でした。
コンビニのシーンで胸が締め付けられた
特に印象に残ったのが、コンビニでホットスナックの商品名が言えず、購入をあきらめてしまう場面です。
そのシーンを見たとき、胸が締め付けられるような気持ちになりました。
ドラマの中でも、このシーンは特に印象に残りました。
実は息子も、日常生活の中で言いたいことが言えず、
「もういい……」
とあきらめてしまう姿を何度も見てきました。
また、言葉が出るまで必死に頑張っている様子も、これまで何度も見てきました。
吃音がない人なら当たり前にできる何気ない会話や買い物が、本人にとっては大きな負担になることもあります。
そう思うと、このシーンは他人事とは思えず、とても切なくなりました。
「息子が大人になったときも、同じような場面で困ることがあるのかもしれない。」そんなことを考えてしまいました。

「言いやすい言葉」を選んでしまう現実
以前、息子とは別に、吃音のある知人からこんな話を聞いたことがあります。
授業中、先生に当てられたとき、本当は「A」が正解だと分かっていても、
「A」という言葉が出にくそうだと感じると、
あえて言いやすい「B」と答えてしまうようなことがよくあるそうです。
普段はあまり吃音が目立たなくても、とっさの一言や緊張する場面では、言葉が詰まってしまうことがあるとも話していました。
人からは見えにくい困りごとだからこそ、その大変さはなかなか理解されにくいのかもしれません。
ドラマの主人公を見ながら、その話を思い出しました。
周りの反応で傷つくこともあれば、救われることもある
第1話では、主人公が吃音によって周囲から笑われたり、心ない反応を受けたりする場面がありました。
見ていて、とても胸が苦しくなりました。
吃音のある人にとって、話すこと自体に、大きな勇気が必要な場面もあります。
だからこそ、その勇気を踏みにじるような嘲笑や何気ない一言は、大きな傷になってしまうことがあります。
一方で、とても印象的だったのが、小雪さん演じる雪村所長と、稲垣吾郎さん演じる星弁護士の存在です。
主人公の話し方ではなく、「伝えようとしていること」にしっかり耳を傾け、
自然に接している姿がとても温かく感じられました。

吃音を特別扱いするのではなく、一人の人として向き合う。
その姿勢に、私は何度もうれしい気持ちになりました。
現実でも、吃音のある人が笑われたり、急かされたりすることは残念ながらあります。
だからこそ、一人でも理解してくれる人、一緒に歩んでくれる人と出会えることは、とても大きな支えになります。
このドラマを通して、吃音のある人の気持ちだけでなく、
「どんな接し方が安心につながるのか」も、多くの人に伝わっていけばいいなと思いました。

ラップの演出には共感した
ドラマの中では、ラップで話すという演出もありました。
これはドラマならではの表現だと思いましたが、「歌になると話しやすい」という点には共感しました。
吃音のある人の中には、歌になると普段より話しやすく感じる人もいます。
息子も、普段の会話より歌を歌っているときの方が、スムーズに言葉が出ているように感じることがあります。
もちろん、吃音の現れ方には個人差がありますが、この演出には「なるほど」と思いました。

当事者家族だからこそ心に残った第1話
第1話は、リーガルドラマとして楽しめただけでなく、
吃音のある人が日常で感じている困りごとや思いを、改めて考えさせられる内容でした。
これから主人公がどのように弁護士として成長していくのか。
そして、吃音とどのように向き合っていくのか。
当事者家族の一人として、これからも毎週楽しみに見続けたいと思います。
吃音のある方やそのご家族はもちろん、吃音を知らない方にも、このドラマを通して少しでも理解が広がれば嬉しいです。
もしこの記事を読んだあとにドラマを見る方がいたら、
主人公の「話し方」ではなく、「伝えようとしていること」にぜひ耳を傾けてみてください。
きっと、このドラマの見え方が少し変わると思います。