はじめに
「赤ちゃんがまねっこをするのは、いつから?」
「バイバイやパチパチは、何か月ごろからするの?」
「1歳になったのに、あまりまねをしないけれど大丈夫?」
赤ちゃんの成長を見ていると、模倣行動(まねっこ)が始まる時期が気になることがありますよね。
結論からいうと、赤ちゃんの模倣には、
「平均○か月から必ず始まる」
という一つの時期があるわけではありません。
人の顔や声に反応する、やり取りを楽しむ、ジェスチャーをまねる、物の使い方をまねるなど、模倣の種類によって見られる時期も異なります。
たとえば現在の発達マイルストーンでは、1歳ごろに「バイバイ」、15か月ごろにはほかの子の遊びをまねる姿、18か月ごろには掃除など大人の家事をまねる姿が例として挙げられています。
この記事では、
- 赤ちゃんの模倣行動とは
- まねっこはいつから始まるのか
- 月齢・年齢ごとの発達の目安
- バイバイ・パチパチはいつごろ?
- まねっこが少ないときの見方
- 家庭で楽しめる簡単なまねっこ遊び
について紹介します。
※発達には個人差があります。この記事の月齢・年齢は「この時期までに必ずできなければならない」という基準ではありません。
1.赤ちゃんの模倣行動とは?
模倣行動(まねっこ)とは、周りの人の表情・声・動き・しぐさなどを見たり聞いたりして、同じようにやってみることです。
赤ちゃんのまねっこと聞くと、
「バイバイ」
「パチパチ」
などを想像するかもしれません。
でも、赤ちゃんの発達はそれだけではありません。
大人の顔を見る、声のやり取りを楽しむ、一緒に遊ぶといった経験を重ねながら、少しずつジェスチャーや物を使ったまねっこへと広がっていきます。

2.赤ちゃんの模倣はいつから?平均何か月?月齢ごとの目安
「赤ちゃんの模倣は平均何か月から?」
と知りたくなりますが、模倣行動全体に「平均○か月」と一つの数字を当てはめるのは難しいです。
何を「模倣」とするかによっても時期が違うためです。
そこで、ここでは「まねっこにつながるやり取り」から、分かりやすいジェスチャーや生活動作の模倣までを順番に見ていきます。
生後6か月ごろ|人とのやり取りを楽しむ
このころになると、
- 顔を見て笑う
- 声を出してやり取りする
- 人の表情や声に反応する
- 一緒に遊ぶことを楽しむ
といった姿が見られます。
この時期は、「大人と同じ動きをそのまま再現するか」だけを見るよりも、人に注目したり、人とのやり取りを楽しんだりしているかを見るとよいでしょう。
生後9か月ごろ|人の動きへの興味が広がる
周囲の人がしていることへの興味がさらに広がってくる時期です。
大人の動きをじっと見たり、簡単なやり取り遊びを楽しんだりする姿も見られます。
ただし、9か月になったら「○○を必ずまねする」という意味ではありません。
赤ちゃんによって、興味を持つ人・物・遊びにも違いがあります。
1歳ごろ|バイバイなどのジェスチャー
1歳ごろになると、分かりやすいジェスチャーが見られる赤ちゃんも増えてきます。
CDCとAAPの1歳の発達マイルストーンには、
「バイバイと手を振る」
ことが含まれています。また、大人と一緒に手遊びのようなゲームを楽しむことも挙げられています。
たとえば、
- バイバイ
- パチパチ
- 手遊び
- 大人の簡単な動きをまねる
などです。
1歳3か月(15か月)ごろ|遊びのまねも
15か月ごろになると、ジェスチャーだけでなく、人がしている遊びを見て同じことをしてみる姿も出てきます。
CDCでは15か月の発達の目安として、
ほかの子がおもちゃを容器から取り出しているのを見て、同じように取り出す
といった模倣を挙げています。
また、興奮したときに拍手することも15か月の目安の一つです。
1歳半(18か月)ごろ|生活のまねが広がる
1歳半ごろになると、
大人が普段していることを自分でもやってみる
という姿がさらに分かりやすくなってきます。
CDCの18か月の発達マイルストーンでは、
ほうきで掃くなど、大人がしている家事をまねする
ことが認知面の目安として挙げられています。
家庭では、
- 掃除をするまね
- 電話をするまね
- コップやスプーンを使う
- 人形のお世話をする
- 大人の動作を遊びに取り入れる
などが見られることがあります。
3.バイバイ・パチパチはいつから?
赤ちゃんのまねっこで、特に気になりやすいのが
「バイバイ」と「パチパチ」
ではないでしょうか。
バイバイはいつから?
現在のCDC・AAPの発達マイルストーンでは、1歳ごろの目安の一つとして「バイバイと手を振る」が挙げられています。
ただし、
「1歳の誕生日までにできなければ発達が遅れている」
という意味ではありません。
発達の目安は、一つの行動だけで判断するものではないからです。
パチパチはいつから?
拍手についても個人差があります。
CDCでは15か月の社会・情緒面の発達マイルストーンとして、うれしいときなどに拍手することが挙げられています。
「バイバイはするけれどパチパチはしない」
「拍手は大好きだけれどバイバイはあまりしない」
というように、赤ちゃんによって得意なジェスチャーが違うこともあります。
4.「赤ちゃんがまねしない」ときはどう見る?
周りの赤ちゃんがバイバイやパチパチを始めると、
「うちの子は全然まねしない……」
と心配になることもあります。
そんなときは、一つの動作だけではなく、
- 人の顔を見ることがあるか
- 親子のやり取りを楽しんでいるか
- 声やことばへの反応はどうか
- 指さしなど、ほかのジェスチャーはどうか
- おもちゃや身近な物をどのように使っているか
- 以前できていたことができなくなっていないか
など、普段の発達全体を見ることが大切です。
CDCも発達マイルストーンを、子どもの遊び・学び・ことば・行動・運動などを見て発達を確認するためのものと位置づけており、標準化された発達スクリーニングの代わりになるものではないとしています。
5.1歳でバイバイ・パチパチをしないと発達障害?
バイバイやパチパチをしないという一つの行動だけで、発達障害かどうかを判断することはできません。
赤ちゃんの発達には個人差があります。
一方で、
- まねっこ以外にも発達について気になることがある
- 人とのやり取りやことばなど複数の面で心配がある
- 以前できていたことができなくなった
- 保護者が強く気になっている
という場合には、乳幼児健診やかかりつけの小児科などで相談してみる方法があります。
「まだ様子を見ていいのかな?」
と一人で判断し続ける必要はありません。
6.家庭でできる赤ちゃんのまねっこ遊び
特別な教材を用意しなくても、日常生活の中でまねっこは楽しめます。
バイバイ
お出かけするときなどに、
「バイバーイ」
と言いながら、大人がゆっくり手を振ります。
パチパチ
何かできたときに、
「できたね、パチパチ!」
と大人が楽しそうに拍手します。
バンザイ
「ばんざーい!」
と両手を上げます。
全身を使うので分かりやすい動きです。
いないいないばあ
顔を隠して、
「いないいない……ばあ!」
親子のやり取りそのものを楽しみます。
音まね
「ワンワン」
「ブーブー」
など、赤ちゃんが興味を持ちやすい音を一緒に楽しみます。
生活のまね
少し大きくなってきたら、
- コップで飲む
- スプーンを使う
- 電話をする
- 掃除をする
- 人形のお世話をする
など、生活の中の動作も遊びになります。
ポイントは、
「まねさせなきゃ」と何度も練習するより、一緒にやることを楽しむこと。
赤ちゃんが大人の顔を見た、手を少し動かした、声を返したなど、小さなやり取りも大切にしていきます。
7.模倣行動が気になるときの相談先
赤ちゃんの発達が気になる場合は、
- 市区町村の乳幼児健診
- 保健センターなどの乳幼児相談
- かかりつけの小児科
- 地域の発達相談窓口
などで相談できます。
特に「以前できていたことができなくなった」など発達の変化が気になる場合には、年齢の目安だけで自己判断せず、医療機関などに相談してください。
8.よくある質問
赤ちゃんの模倣行動は平均何か月からですか?
「模倣行動」には、表情・声・ジェスチャー・遊び・生活動作などさまざまな種類があるため、平均○か月と一つの数字で表すのは難しいです。
現在の発達マイルストーンでは、1歳でバイバイ、15か月でほかの子の遊びをまねる、18か月で大人の家事をまねるといった例があります。
10か月でまねっこをしなくても大丈夫?
10か月という月齢だけ、あるいは一つの模倣行動だけで発達全体を判断することはできません。
普段の人とのやり取り、ことばへの反応、遊び方なども含めて見ていきます。
1歳でバイバイしないのは遅いですか?
1歳の発達の目安にはバイバイが含まれていますが、一つの項目だけで発達の遅れを判断するものではありません。
心配が続く場合や、ほかにも気になることがある場合には、乳幼児健診やかかりつけ医などで相談してみてください。
赤ちゃんにまねっこを教えた方がいい?
「教え込む」というよりも、日常の中で親子一緒に楽しむのがおすすめです。
バイバイ、拍手、バンザイ、いないいないばあなど、短く分かりやすい動きから取り入れられます。
まとめ|赤ちゃんの模倣は「何か月から?」だけで判断しない
赤ちゃんの模倣行動は、
人とのやり取り → ジェスチャー → 遊びのまね → 生活動作のまね
というように、さまざまな形で広がっていきます。
現在の発達マイルストーンを見ると、
1歳ごろ:バイバイ
↓
15か月ごろ:ほかの子の遊びをまねる
↓
18か月ごろ:大人の家事をまねる
といった姿が一つの目安になります。
ただし、これは「その日までに必ずできる」という期限ではありません。
大切なのは、まねっこ一つだけではなく、赤ちゃんが普段どんなふうに人と関わり、遊び、成長しているかを見ることです。
そして、もっと幅広い年齢の模倣行動や、まねっこが苦手な子への関わり方については、
「【年齢別】子どもの模倣行動とは?いつから?発達の目安・遅いときの関わり方」
参考情報
本記事の月齢・年齢ごとの発達の目安は、こども家庭庁の「母子健康手帳」や乳幼児健診に関する情報などを参考にしています。
母子健康手帳では、1歳ごろの成長発達を確認する項目として、バイバイなどの身振りや、大人の簡単なことばへの理解などが示されています。
なお、赤ちゃんの発達には個人差があります。月齢・年齢ごとの姿は「この時期までに必ずできなければならない」という基準ではありません。一つの行動だけで判断せず、その子の成長を継続して見ていくことが大切です。