はじめに
「原稿用紙の『。』や『、』を、マスのどこに書けばよいか分からない。」
「かぎかっこは、1マス使うの?」
「行の最後まで文字を書いたら、句点は次の行に書いてよい?」
「会話文の最後が『た。』になったら、閉じかぎはどこに書くの?」
そんなことはありませんか?
小学1年生の作文では、文章を考えるだけでなく、原稿用紙のマスの使い方も覚えなければなりません。
特に、
- 始めのかぎかっこ(「)
- 終わりのかぎかっこ(」)
- 句点(。)
- 読点(、)
は、縦書きと横書きで位置が変わります。
さらに、句読点や終わりのかぎだけを次の行の先頭に置かないなど、学校で一般的に教えられる書き方もあります。
我が家の小学1年生の長男も、原稿用紙に文章を書くとき、記号をマスのどこに置けばよいのか迷うことがありました。

句読点について、言葉で「縦書きでは右上」「横書きでは左下」と説明しても、実際のマスを前にすると分かりにくい様子でした。
かぎかっこは、さらに別の位置になるため混乱しやすくなります。
そこで、
- 正しい位置を色で示す
- 書く場所を丸で囲む
- ○と×を並べて比べる
- 縦書きと横書きを分ける
- 行末に来た場合を実際のマスで見せる
という方法で、原稿用紙の「」・。・、の位置が分かる視覚支援イラストを作りました。
この記事では、小学生が原稿用紙を使うときに迷いやすい記号の位置を、場面ごとに紹介します。
結論|記号ごとに「マスのどこへ書くか」を見る
最初に、基本的なポイントをまとめます。
- 始めのかぎ(「)と終わりのかぎ(」)は、それぞれ1マス使う
- 句点(。)と読点(、)も、原則としてそれぞれ1マス使う
- 縦書きの句読点は、マスの右上に書く
- 横書きの句読点は、マスの左下に書く
- 縦書きの始めのかぎ(「)は右下寄り、終わりのかぎ(」)は左上寄りに書く
- 横書きの始めのかぎ(「)は左上寄り、終わりのかぎ(」)は右下寄りに書く
- 句読点や終わりのかぎ(」)だけを、次の行の先頭には書かない
- 会話文末では、句点(。)と終わりのかぎ(」)を同じ1マスに書く方法がある
ただし、
学校、教科書、作文コンクールなどで指示がある場合は、その書き方を優先してください。
原稿用紙で使う記号の名前
子どもに説明するときは、記号の形だけでなく名前も一緒に伝えると整理しやすくなります。
| 記号 | 名前 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 「 | 始めのかぎ・開きかぎ | 会話や引用の始まり |
| 」 | 終わりのかぎ・閉じかぎ | 会話や引用の終わり |
| 。 | 句点 | 文の終わり |
| 、 | 読点 | 文の途中の区切り |
この記事では形が混乱しないように、「」だけで示さず、始めのかぎかっこ(「)・終わりのかぎかっこ(」)と書き分けます。
縦書きの「」・。・、はどこに書く?
縦書きでは、文章は上から下へ進み、行は右から左へ移ります。
縦書きの句点と読点
句点(。)と読点(、)は、マスの右上に小さく書きます。
文字の真上や中央ではなく、右上の位置です。

縦書きのかぎかっこ
光村図書の小学校国語教科書では、縦書きのかぎを次の位置に示しています。
- 始めのかぎ(「)は、マスの下半分の右寄り
- 終わりのかぎ(」)は、マスの上半分の左寄り
句読点の「右上」とは位置が異なります。
「始めは右下、終わりは左上」と分けて見るのがポイントです。



横書きの「」・。・、はどこに書く?
横書きでは、文章は左から右へ進み、行は上から下へ移ります。
横書きの句点と読点
句点(。)と読点(、)は、マスの左下に小さく書きます。
文字と同じようにマスの中央へ大きく書かず、左下へ寄せるのがポイントです。

横書きのかぎかっこ

- 始めのかぎかっこ(「)は、マスの左上側に置く
- 終わりのかぎかっこ(」)は、マスの右下側に置く
かぎかっこは、横書きでも始まりと終わりにそれぞれ1マスを使います。
行の最後に「。」や「、」が来たらどうする?
句点(。)や読点(、)だけを、次の行の最初のマスには書きません。
行末のマスが空いている場合
行の最後に空いているマスがあれば、句点や読点をそのマスに書きます。
最後のマスまで文字が入っている場合
最後のマスまで文字が入っている場合は、句読点だけを次の行へ移さず、最後の文字と同じマスに入れます。
学校や課題の指示によっては、句読点を最後のマスの外側へ添える場合もあります。
覚え方は、
「。と、は、次の行のはじめに一人で行かない」です。

行の最後に「。」と終わりのかぎ(」)が来たらどうする?
会話文の最後には、句点(。)と終わりのかぎ(」)が続くことがあります。
句点や終わりのかぎだけを、次の行の最初のマスには書きません。
かぎの中の最後の文字が行末に来た場合、記号の収め方には、次のような示し方があります。
- 句点(。)と終わりのかぎ(」)を、行末の文字と同じマスの下方に書く
- 句点(。)と終わりのかぎ(」)を、行末のマスの外側に添える
どちらか一方だけが絶対の正解というわけではありません。
学校や教科書で指定された方法がある場合は、その書き方に合わせます。
覚え方は、
「。」と終わりのかぎは、次の行のはじめに二人だけで行かない
です。
光村図書では、行末に来た終わりのかぎを、行末の文字と同じマスの下方または欄外に書く方法が紹介されています。
光村図書「会話文のかぎの正しい使い方は?」
会話文の最後が「た。」になったら?
例えば、次のような会話文を書いた場合です。
「きょうは、たのしかった。」
ここでは、最後の文字「た」の後に、句点(。)と終わりのかぎ(」)が続きます。
行末ではない場合
一般的な書き方は、
- 「た」:1マス
- 句点(。)と終わりのかぎ(」):次の1マスに一緒に書く
です。
つまり、句点と終わりのかぎで2マス使うのではなく、句点(。)と終わりのかぎかっこ(」)を同じ1マスに入れます。
記号が重なって見えないよう、マスの中でそれぞれの位置を少しずらして書きます。
「た」が行の最後のマスに入っている場合

「た」がすでに行の最後のマスに入っているときは、句点(。)や終わりのかぎ(」)だけを、次の行の先頭へ移しません。
この場合の記号の収め方は、教材や学校によって異なります。
例えば、
- 「た」と同じ最後のマスの下方に、句点(。)と終わりのかぎ(」)を書く
- 句点(。)や終わりのかぎ(」)を、最後のマスの下の欄外に添える
という示し方があります。
大切なのは、句点や終わりのかぎだけを、次の行の先頭へ移さないことです。
どの位置に収めるかは、学校や使用している教科書の見本に合わせます。
Z会の「原稿用紙の使い方」では、会話文の終わりの句点(。)と終わりのかぎ(」)を1つのマスに書く方法が紹介されています。
一方、光村図書は、原稿用紙でのかぎの扱いには公的に統一された決まりがないことを説明しています。
そのため、学校から書き方を指定されている場合は、担任の先生や使用している教科書の指示を優先すると安心です。

会話文を書くときの基本
記号の位置と一緒に、会話文の基本も確認しておきます。
会話文は新しい行から書く
会話文は、原則として行を変え、始めのかぎかっこ(「)から書きます。
会話文の始まりでは、通常の段落のように最初の1マスを空けず、行の最初のマスに始めのかぎかっこ(「)を書きます。
会話が2行以上になる場合
光村図書の小学校国語教科書では、会話文を見つけやすくするため、2行目以降の行頭を1マス下げる形を採用しています。
一方、中学校の教科書や一般の書籍では、2行目以降を行頭から書く表記も見られます。
小学生の作文では、学校や教科書の見本に合わせると安心です。
会話文の後は行を変える
会話文が終わり、その後に地の文が続くときは、一般的には行を変えて書きます。
視覚支援イラストの使い方
1.今迷っている場面のカードだけを見る
縦書き、横書き、行末、会話文末を一度に覚えようとすると混乱しやすくなります。
今取り組んでいる原稿用紙に合わせて、必要なカードだけを見せます。
2.実際のマスと同じ向きに置く
縦書きの作文には縦書きのカード、横書きの作文には横書きのカードを置きます。
向きをそろえることで、カードの位置をそのまま原稿用紙に移しやすくなります。
3.○の例から先に見る
最初から×の例を指摘すると、「間違えた」という気持ちが強くなる子もいます。
まず○の例を見せて、
「。」のお部屋はどこかな?
次の行のはじめに一人で行くかな?
と確認します。
4.書いた後ではなく、書く前に確認する
全部書き終わってから直すのではなく、記号を書く直前にカードを見ます。
「間違いを直すカード」ではなく、これから書く場所を確認するカードとして使うことで、修正への抵抗を減らしやすくなります。
間違いを指摘されると怒る子にはどう使う?
我が家では、学習の間違いに印を付けられることや、「違う」と言われることを強く嫌がることがあります。
そのようなときは、書いた記号へ×を付けず、
縦書きの「。」のお部屋は、右上と左下のどちらかな?
次の行の最初に「。」だけが来てもよいかな?
のように、カードを見ながら選べる質問にします。
書き直しを嫌がる場合は、すでに書いたものを無理に消さず、次に出てくる句読点からカードを使っても構いません。
一度ですべて覚えることより、迷ったときに自分で確認できる方法を持つことを大切にしています。
実際に使うときの工夫
最初は「。」だけに絞る
4種類の記号を一度に覚えにくい場合は、まず文末の句点(。)だけを練習します。
句点の場所が分かってから、読点やかぎかっこへ進みます。
透明なシートに重ねる
ラミネートや透明ファイルに入れたカードを原稿用紙の近くに置くと、何度でも確認できます。
合言葉を短くする
説明を長くせず、次のような短い合言葉にします。
- 句読点は、縦書きなら右上
- 句読点は、横書きなら左下
- 記号だけで次の行へ行かない
- 会話文の「。」と終わりのかぎは同じマス
最初の2つは、句点(。)と読点(、)の位置です。かぎかっこの位置とは分けて伝えます。
よくある質問
句点(。)や読点(、)は1マス使いますか?
はい。通常は、それぞれ1マスを使います。
ただし、行末でマスが残っていない場合は、最後の文字と同じマスに入れるか、指示に従って欄外へ添えます。
句点が行の最後に来たら、次の行に書きますか?
句点だけを次の行の先頭には書きません。
最後の文字と同じマスに書く方法が一般的です。
「。」と終わりのかぎ(」)は同じマスですか?
小学校の作文でよく使われる書き方では、会話文末の句点(。)と終わりのかぎ(」)を同じ1マスに書きます。
文の最後の「た」が行末に来たらどうしますか?
句点(。)や終わりのかぎ(」)だけを、次の行の先頭へ移しません。
「た」と同じ最後のマスの下方に書く方法や、欄外に添える方法があります。
学校や教科書から指定された書き方を優先してください。
縦書きと横書きで句読点の位置は違いますか?
違います。縦書きではマスの右上、横書きではマスの左下に書きます。
学校とこの記事の書き方が違う場合は?
学校や教科書の指示を優先してください。
原稿用紙の記号の扱いには、複数の書き方が見られます。
まとめ|記号だけを次の行の先頭に書かない
原稿用紙の「」・。・、で迷ったときは、次のポイントを確認します。
- 句点(。)と読点(、)は、原則として1マス使う
- 縦書きの句読点は右上
- 横書きの句読点は左下
- 縦書きの始めのかぎは右下寄り、終わりのかぎは左上寄り
- 始めのかぎ(「)と終わりのかぎ(」)も、それぞれ1マス使う
- 句読点や終わりのかぎだけを、次の行の先頭に書かない
- 会話文末の句点と終わりのかぎは、同じ1マスに書く
- 最後の文字が行末なら、記号を同じマスの下方または欄外に書く方法がある
文章の内容を考えながら、記号の位置まで思い出すのは、子どもにとって負担になることがあります。
覚えてから書かせるのではなく、迷ったときにカードを見て確認できるようにする。
視覚支援イラストが、子どもの「自分で書けた」につながる手がかりになればうれしいです。
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