「3歳には、どんな絵本を選べばいいの?」
「短い絵本は好きだけれど、物語になると最後まで聞かない」
「言葉や気持ちに触れられる絵本を、親子で楽しみたい」
そんな悩みはありませんか?
わが家には、ASD・ADHD・DCD・吃音のある小学生と、4歳の子どもがいます。
私は児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、家庭でも子どもの興味や理解しやすさに合わせた絵本選びを試してきました。
子どもたちは、対象年齢に合う本なら何でも楽しめたわけではありません。物語より音の繰り返しを好む時期もあれば、好きな乗り物や食べ物が出てくる本を何度も選ぶ時期もありました。
この記事では、わが家で読んで楽しんだ絵本を中心に、3歳頃におすすめの12冊を紹介します。
本の特徴だけでなく、親子での楽しみ方や、読み聞かせに集中しないときの工夫もまとめました。
※年齢は選ぶときの目安です。子どもの興味・理解しやすさ・楽しめる長さを優先してください。絵本を読むだけで、言葉や社会性の発達が保証されるわけではありません。
結論|3歳の絵本は「好きな題材」と「楽しめる長さ」で選ぼう
3歳頃は、短い物語を楽しむ子もいれば、繰り返しや探し絵を好む子もいます。
「3歳だから長い話を読まなければ」と考える必要はありません。
迷ったときは、好きな題材から選ぶと、一緒に楽しめる本を見つけやすくなります。
| 子どもの興味・様子 | 候補になる絵本 |
|---|---|
| 食べ物が好き | 『はらぺこあおむし』『おべんとうバス』 |
| 料理やおままごとが好き | 『しろくまちゃんのほっとけーき』 |
| 乗り物が好き | 『ピン・ポン・バス』 |
| 同じやり取りを楽しむ | 『ねずみくんのチョッキ』 |
| おばけやユーモアが好き | 『めがねうさぎ』 |
| 手を動かして参加したい | 『まるまるまるのほん』『ドアをあけたら』 |
| 友達とのやり取りに興味がある | 『そらまめくんのベッド』『どうぞのいす』 |
| トイレやお風呂に関心がある | 『ノンタン おしっこしーしー』『わにわにのおふろ』 |
一冊に決めきれない場合は、図書館で試し、繰り返し読みたがる本を購入する方法もあります。
3歳におすすめの絵本12選
1.『はらぺこあおむし』
エリック・カール/作、もりひさし/訳
あおむしがさまざまな食べ物を食べ、成長していく絵本です。色鮮やかな絵と、穴あきのしかけを楽しめます。
おすすめポイント
- 食べ物の絵を指差して参加できる
- 穴のあいたページに触れて楽しめる
- あおむしの変化を物語として味わえる
わが家では、食べ物のページを見ながら親子で話し、色使いも楽しみました。
数や曜日を覚えさせようとしなくても、「どれがおいしそう?」と好きな食べ物を選ぶだけで十分です。
通常版・ボードブック版などがあるため、子どもの扱いやすさに合わせて選んでください。
作品の内容や仕様は、偕成社の公式紹介でも確認できます。
2.『ねずみくんのチョッキ』
なかえよしを/作、上野紀子/絵
ねずみくんのチョッキを、動物たちが次々と着ていく物語です。同じやり取りが繰り返され、次の展開を楽しめます。
おすすめポイント
- 短い文章で物語を楽しめる
- 動物の大きさや表情に注目できる
- 繰り返しのやり取りに参加しやすい
わが家でも、チョッキや自分のお気に入りに関心を向けながら楽しみました。
「次は誰が着るのかな」と予想してもよいですが、答えを求める必要はありません。子どもが笑ったり、絵を眺めたりする時間を大切にしましょう。
3.『そらまめくんのベッド』
なかやみわ/作・絵
そらまめくんが大切にしている、ふわふわのベッドをめぐる物語です。仲間との関わりのなかで、気持ちが変化していきます。
おすすめポイント
- 大切なものへの気持ちを考えられる
- 仲間それぞれの違いを楽しめる
- 登場人物の行動や気持ちの変化に触れられる
わが家では、ベッドの描写にわくわくしながら、そらまめくんがどうするのかを楽しみました。
「友達には必ず貸さなければならない」と教えるための本にせず、貸したくない気持ちも含めて物語を味わってみてください。
4.『めがねうさぎ』
せなけいこ/作・絵
めがねをなくしたうさこが、夜の山でおばけと出会う絵本です。うさことおばけのやり取りに、ユーモアがあります。
おすすめポイント
- おばけが好きな子が入りやすい
- 登場人物のすれ違いを楽しめる
- 貼り絵の表情や動きを眺められる
わが家では、少し怖いけれど面白いところを楽しみ、繰り返し読む一冊になりました。
ただし、怖い場面の感じ方には個人差があります。怖がる場合は声量を抑え、途中でやめたり、別の本を選んだりして構いません。
5.『ピン・ポン・バス』
竹下文子/作、鈴木まもる/絵
バスがさまざまな場所を走り、乗客を乗せたり降ろしたりする絵本です。乗り物だけでなく、町の様子や人々の暮らしにも目を向けられます。
おすすめポイント
- バスや車が好きな子が楽しみやすい
- 乗客や周囲の風景を眺められる
- バスごっこへ遊びを広げられる
わが家では、バスの音や乗り降りの場面を楽しみました。
読んだあとに椅子を並べてバスを作り、運転手役と乗客役を交代する遊びにも広げられます。
物語を聞くことより、絵の中の車を探すことが中心になっても大丈夫です。

6.『しろくまちゃんのほっとけーき』
わかやまけん/絵、もりひさし・わだよしおみ/文
しろくまちゃんがお母さんとホットケーキを作る絵本です。材料を用意し、混ぜて焼き、食べるまでの流れを楽しめます。
おすすめポイント
- 食べ物や料理が好きな子が入りやすい
- 焼けていく様子と言葉の響きを楽しめる
- おままごとや料理へつなげられる
わが家では、ホットケーキが焼ける場面がお気に入りでした。
読んだあとに「一緒にホットケーキを作ろう」と子どもが話すこともあり、絵本から実際の料理へ楽しみが広がりました。
実際に作らなくても、おもちゃのフライパンで焼くまねをする、紙でホットケーキを作るなどのごっこ遊をしました。
7.『まるまるまるのほん』
エルヴェ・テュレ/作、谷川俊太郎/訳
丸を押したり、本を傾けたりしてからページをめくると、丸の数や位置が変わります。
自分の動作に絵本が応えてくれるような、不思議な体験を楽しめます。
おすすめポイント
- 聞くだけでなく動作で参加できる
- 色や数、配置の変化を楽しめる
- 次のページへの期待が生まれる
わが家では、丸の変化に驚きながら、親子で夢中になって楽しみました。
すべての指示どおりに操作しなくても構いません。押す動作が難しい場合は、大人が手本を見せたり、好きなページだけ開いたりして楽しめます。
8.『おべんとうバス』
真珠まりこ/作・絵
お弁当のおかずたちが、呼ばれると返事をしてバスへ乗り込んでいく絵本です。食べ物と乗り物を一緒に楽しめます。
おすすめポイント
- 短いやり取りが繰り返される
- 返事や指差しで参加できる
- お弁当作りのごっこ遊びへ広げられる
わが家では、おかずの名前を呼ぶやり取りを楽しみました。
子どもに返事を求めなくても、親が呼んで答える様子を見せるだけで構いません。
読み終わったら、おままごとの食べ物や紙で作ったおかずを箱へ入れ、オリジナルのお弁当を作る遊びもできます。
9.『ノンタン おしっこしーしー』
キヨノサチコ/作・絵
ノンタンや仲間たちのおしっこを、リズムのある言葉で描いた絵本です。トイレに関する言葉や場面へ、親しむきっかけになります。
おすすめポイント
- 身近な生活場面を楽しめる
- 繰り返しの言葉がある
- トイレについて親子で話しやすい
わが家では、トイレに関心を持つきっかけのひとつになりました。
ただし、読めばトイレへ行けるようになるわけではありません。
「ノンタンはできるのに」と比べたり、できないことを責めたりせず、まず絵本として楽しんでください。
10.『わにわにのおふろ』
小風さち/文、山口マオ/絵
わにわにがお風呂を楽しむ様子を、独特な音や動きとともに描いた絵本です。
おすすめポイント
- 音を表す言葉が楽しい
- わにわにの表情や動きを味わえる
- お風呂の身近な経験と結びつけられる
わが家では、わにわにの動きをまねしながら、お風呂の場面を楽しみました。
お風呂が苦手な子に読む場合も、入浴させるための説得材料にする必要はありません。
本人が楽しめるなら、ぬいぐるみをお風呂に入れるまねをするなど、ごっこ遊びから取り入れられます。
11.『ドアをあけたら』
しまだともみ/作・絵
ドアの窓から見える絵を手がかりに、次のページで誰が現れるのかを楽しむしかけ絵本です。
おすすめポイント
- ページをめくる動作で参加できる
- 予想と違う展開を楽しめる
- 短い時間でも読みやすい
わが家では、ドアを開けた先の意外な展開を楽しみ、繰り返し読むお気に入りになりました。
「誰だと思う?」と質問しなくても、子どもが自分で予想したり、驚いたりする時間を楽しめます。
穴あき部分やページを強く引っ張ると破れる場合があるため、扱い方も一緒に確認しましょう。
12.『どうぞのいす』
香山美子/作、柿本幸造/絵
うさぎが作った椅子をきっかけに、動物たちのやり取りがつながっていく物語です。
おすすめポイント
- 「どうぞ」のやり取りを味わえる
- 次の相手を思う行動に触れられる
- ぬいぐるみを使ったごっこ遊びへ広げられる
わが家でも、絵本や歌を楽しむなかで、「どうぞ」と物を渡す場面がありました。
ただし、絵本だけが行動の変化の理由とは断定できません。
「必ず譲ろう」と教えるのではなく、登場する動物たちが何を考えたのかを、親子で自由に楽しんでみてください。
3歳向け絵本を選ぶ5つのポイント
1.好きな題材を入口にする
乗り物・動物・食べ物など、子どもが普段から興味を持っているものを手がかりにします。
物語に関心がなくても、好きなバスや料理が登場すると、絵を見ることから参加できる場合があります。
2.今楽しめる文章量にする
3歳でも、長い話を聞くことが難しい子はいます。
最初は短い文章や繰り返しの多い本を選び、子どもが楽しめる長さから始めましょう。
対象年齢より簡単な本を選んでも問題ありません。
3.参加の仕方を選べる本にする
声を出す、指差す、ページをめくる、体を動かすなど、参加の仕方はさまざまです。
話すことを求めず、その子がやりやすい方法で楽しめる本を選びます。
4.怖さや音、絵の好みに配慮する
おばけが好きな子もいれば、怖い場面を避けたい子もいます。
鮮やかな絵を好む子も、情報量が少ない絵を好む子もいます。
「3歳に人気だから」ではなく、実際の反応を見て判断してください。
5.生活習慣を教えることだけを目的にしない
トイレ・お風呂・譲り合いを扱った本も、まずは物語として楽しみましょう。
「これを読んだからできるはず」と期待しすぎると、親子ともに負担になることがあります。
3歳が絵本に集中しないときの読み聞かせのコツ
1.最後まで読まなくてもよい
1ページだけ、好きな場面だけでも構いません。
最後まで聞くことより、絵本の時間を嫌な経験にしないことを大切にしましょう。
2.質問は子どもが楽しむ範囲にする
「次はどうなるかな?」と話すことが好きな子もいますが、質問を負担に感じる子もいます。
何も質問せず読む日があっても大丈夫です。
子どもが話し始めたら、物語を急いで進めず、少し耳を傾けてみてください。
3.声色を変えることを義務にしない
演じるような読み方を好む子もいれば、静かで一定の読み方を好む子もいます。
大げさに読まなくても、親子で楽しめれば十分です。
子どもの反応と、読む人の負担に合わせて調整してください。
4.子どもがめくるページから楽しむ
先のページへ進んだり、前へ戻ったりすることも、絵本の楽しみ方です。
順番どおりに読めなくても、そのページの絵を一緒に眺めて構いません。
5.絵本の世界をごっこ遊びへ広げる
ホットケーキを焼くまねをする、椅子を並べてバスを作る、ぬいぐるみに「どうぞ」と渡すなど、物語から遊びへ広げられます。
ただし、毎回遊びへ発展させる必要はありません。読み終わって、そのまま余韻を楽しむだけでも大丈夫です。
▶ 絵本の読み聞かせ7つのコツと、子どもに合わせた楽しみ方を見る
発達が気になる子と絵本を読むときの工夫
発達が気になる子の絵本選びも、診断名だけで決める必要はありません。
今の興味・理解しやすさ・苦手な刺激を手がかりに、次のような工夫ができます。
- 登場人物が少ない本を選ぶ
- 同じ本を繰り返し読む
- 文章を短くして、絵を中心に楽しむ
- 言葉で答えなくても、指差しや視線を受け止める
- 人物の気持ちを決めつけず、「悲しいのかもしれないね」と伝える
- 音や接触を苦手に感じる場合は、無理に動作をまねさせない
言葉を言わせることや、正しい感想を答えさせることを目的にする必要はありません。
絵本の読み聞かせは、療育や治療そのものではありません。発達について心配がある場合は、園や地域の相談窓口、小児科などへ相談してください。
よくある質問
3歳にはどのような絵本がおすすめですか?
短い物語、繰り返しのある本、好きな食べ物や乗り物が登場する本などが候補になります。
文章量よりも、子どもが今楽しめるかを優先しましょう。3歳でまだ文字が読めなくても大丈夫ですか?
読み聞かせを楽しむために、文字が読める必要はありません。
絵を見る、大人の声を聞く、自分でページをめくるなど、その子の方法で参加できます。
2歳向けの絵本を読んでもよいですか?
もちろん構いません。
短い絵本や繰り返しの多い本でも、本人が楽しめるなら、今のその子に合った一冊です。
同じ絵本ばかり読みたがっても大丈夫ですか?
問題ありません。
内容を知っている安心感や、好きな場面を待つ楽しさがあります。
新しい本を次々に用意する必要はありません。1日に何冊、何分読めばよいですか?
決まった冊数や時間はありません。
1ページだけの日があっても大丈夫です。
親子が無理なく楽しめるタイミングを選んでください。トイレやお風呂の絵本を読めば、生活習慣が身につきますか?
絵本を読むだけで、必ずできるようになるとはいえません。
場面を知ったり、興味を持ったりするきっかけのひとつとして考え、本人のペースで取り入れてください。
年齢や悩みから、ほかの絵本記事を探す
子どもが成長すると、興味のあるものや楽しめる物語も少しずつ変わります。
1歳~5歳の年齢別絵本に加えて、発語・感情・自己肯定感・友達関係・生活習慣・恐竜や生き物など、テーマ別の記事もまとめています。
年齢別に15冊をまとめて比較したい方はこちらをご覧ください。
▶ 【年齢別】1歳~5歳におすすめの絵本15選|選び方・読み聞かせのコツ
まとめ|3歳の絵本は、好きな物語から楽しもう
今回紹介した、3歳頃におすすめの絵本は次の12冊です。
- 『はらぺこあおむし』
- 『ねずみくんのチョッキ』
- 『そらまめくんのベッド』
- 『めがねうさぎ』
- 『ピン・ポン・バス』
- 『しろくまちゃんのほっとけーき』
- 『まるまるまるのほん』
- 『おべんとうバス』
- 『ノンタン おしっこしーしー』
- 『わにわにのおふろ』
- 『ドアをあけたら』
- 『どうぞのいす』
3歳の絵本選びでは、人気や知育効果だけでなく、子どもの好きな題材と楽しめる長さを大切にしましょう。
最後まで聞かない日や、同じページばかり開く日があっても大丈夫です。
物語を聞く、絵を見る、言葉の響きを楽しむ、ごっこ遊びへ広げるなど、親子に合った方法で「もう一回」と思える一冊を探してみてください。