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【絵本を自分で読まない】ひらがなが読めても一人読みしない理由と親の関わり方

「ひらがなは読めるのに、絵本を自分では読もうとしない」

「『読んで』と持ってくるけれど、そろそろ一人で読ませた方がよい?」

「一緒に読もうと誘っても、『ママが読んで』と言われる」

そんな悩みはありませんか?

わが家には、ASD・ADHD・DCD・吃音のある小学生と、4歳の子どもがいます。

私は児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、家庭でも子どもの興味や理解しやすさに合わせた読み聞かせを試してきました。

子どもがひらがなを一文字ずつ読めるようになると、「そろそろ絵本も自分で読めるのでは」と思うことがあります。

しかし、文字を読むことと、文章を続けて読みながら物語を理解することは同じではありません。

わが家でも、知っている文字は読めても、長い文章になると大人に読んでほしがることがありました。

この記事では、ひらがなが読めても絵本を一人で読まない理由と、読み聞かせから一人読みへ無理なく移る方法を紹介します。

※文字の読み方や学習の進み方には個人差があります。
読みづらさが強い場合や、学校生活で困りごとが続く場合は、担任・特別支援教育コーディネーター・小児科・地域の相談窓口なども利用してください。

結論|ひらがなが読めても、読み聞かせをやめる必要はない

ひらがなが読めるようになったからといって、絵本をすべて一人で読ませる必要はありません。

一文字ずつ読むとき、子どもは文字を音に変えることへ力を使います。

文章が長くなると、前に読んだ内容を覚えながら、言葉のまとまりや物語の流れを理解する必要もあります。

大人に読んでもらえば、文字を追う負担が減り、絵や物語そのものを楽しめます。

一人読みへの移行は、次のように少しずつ進められます。

今の様子試しやすい読み方
大人に全部読んでほしいまずはそのまま読み聞かせを続ける
決まった言葉だけ覚えている繰り返し部分だけ子どもに任せる
せりふを読みたがる大人と登場人物を分担する
短い文なら読める1ページまたは一文ずつ交代する
長い本に挑戦したい大人が本文を読み、題名や短い部分だけ任せる
一人で読み始める分からない文字だけ手伝い、見守る

「読み聞かせ」から「一人読み」へ、一度に切り替える必要はありません。

両方を行き来しながら、その子が本を楽しめる方法を選びましょう。

ひらがなが読めても絵本を自分で読まない7つの理由

1.一文字ずつ読むことに力を使っている

「ね・こ」のように一文字ずつ音にできても、「ねこ」という言葉のまとまりとして、すぐに読めるとは限りません。

文字を一つずつ確認している間に、文の最初の内容が分からなくなることもあります。

読める文字が増えたことと、文章を楽に読めることの間には段階があります。

2.文章を読みながら意味を考えることが難しい

一人で読むときは、文字を音にするだけでなく、言葉の意味や登場人物、出来事の順番も考えます。

声に出して読めても「何の話だった?」と聞かれると答えにくい場合は、読むことに力を使い、内容を味わう余裕が少なかったのかもしれません。

3.小さい「ゃ・ゅ・ょ」や「っ」、長音が難しい

ひらがなを覚えたばかりの頃は、次のような表記で迷うことがあります。

  • 「きゃ・きゅ・きょ」などの拗音
  • 「きって」などの促音
  • 「おとうさん」などの長音
  • 「は」を「わ」、「へ」を「え」と読む助詞

間違いを何度も直されると、読むこと自体を避けたくなる子もいます。

4.絵本の文字が小さい・文章が長い

読み聞かせで楽しめる絵本と、一人で読みやすい本は同じとは限りません。

好きな物語でも、文字が小さい、行が長い、漢字が多い、ページ内の情報量が多いと、一人読みでは負担になることがあります。

5.間違えることを嫌がっている

「違うよ」「そこはこう読むよ」と言われることを負担に感じ、読まない方を選ぶ子もいます。

慎重な子や、間違いを強く気にする子には、すべての誤りをその場で直さない方法もあります。

6.大人に読んでもらう時間が好き

一人で読めないのではなく、大人の声で物語を楽しみたい場合もあります。

一緒に座ることや、好きな場面を共有することも読み聞かせの大切な部分です。

米国小児科学会は、読み聞かせを早期の読み書きだけでなく、養育者と子どもの温かな関係を育む機会としても位置づけています。

7.本の題材に興味がない

文字数が少なくても、題材に関心がなければ自分から読みたいと思いにくいことがあります。

恐竜・昆虫・乗り物・料理・ゲームなど、その子が今好きなものを入口にして構いません。

物語だけでなく、図鑑、クイズ、漫画、地図、説明書なども「読む」経験になります。

「読める」と「一人で楽しめる」は同じではない

子どもの読む力は、単純に「読める・読めない」の二つに分けられません。

例えば、次の力が組み合わさっています。

  • 文字を見分ける
  • 文字を音に変える
  • 音を言葉のまとまりとして捉える
  • 言葉の意味を理解する
  • 文のつながりを覚える
  • 登場人物や出来事を整理する
  • 読み続ける
  • 読みたい気持ちを持つ

そのため、ひらがな表を読めても、物語を一人で読むことが難しいのは不自然ではありません。

読み聞かせでは、一人で読むには少し難しい本でも、内容や言葉を楽しめます。
読み聞かせ用の本には、子どもの一人読みの水準より豊かな内容の本も選べます。

読み聞かせから一人読みへ移る7つのステップ

絵本の短い部分を保護者と交代しながら読む子どものイラスト

順番どおりに進める必要はありません。子どもの様子に合わせ、戻ったり飛ばしたりして構いません。

1.大人が全部読む

まずは、子どもが好きな本を大人が読みます。

「自分で読める文字があるなら読んで」と毎回求めず、物語を楽しむ時間を残しましょう。

2.子どもが知っている言葉を一緒に言う

繰り返し出てくる言葉や掛け声を、大人と一緒に声に出します。

言わない日があっても問題ありません。

3.短いせりふだけ任せる

子どもが読みたがる場合は、「わあ!」「いってきます」など、短いせりふだけ任せます。

読む場所を大人が指で示すと分かりやすい子もいます。

4.一文ずつ交代する

大人が一文、子どもが一文というように交代します。

文章量が多い場合は、大人が多めに読み、子どもの担当を少なくして構いません。

5.大人が先に読み、子どもが後から読む

読み方が分からない文は、大人が先にゆっくり読み、子どもが希望すれば同じ文を読みます。

まねをさせる練習にせず、「一緒に読んでみる?」と選べる形にしましょう。

6.好きなページだけ一人で読む

一冊すべてではなく、好きなページだけ子どもに任せます。

表紙の題名、登場人物のせりふ、最後の一文だけでも構いません。

7.一人で読む時間を見守る

子どもが自分から読み始めたら、すぐに確認問題を出さず見守ります。

読めない文字を聞かれたら短く答え、読み終わった後も毎回感想を求める必要はありません。

一人読みを嫌がるときの親の関わり方

「読めるでしょう」と言わない

一文字ずつ読める姿を見ると、全部読めるように感じるかもしれません。

しかし、文章を続けて読む負担は別にあります。

「読めるはず」と求めるより、「今日はどこを読みたい?」と選べるようにします。

間違いをすべて止めて直さない

一文字読むたびに訂正されると、物語の流れが途切れます。

意味が大きく変わらず本人が読み続けている場合は、最後まで待つ方法もあります。

子どもが助けを求めたときや、同じところで困り続けるときに短く伝えましょう。

読んだ量を比べない

同じ年齢でも、一人で読める文章量には差があります。

きょうだいや友達と比較せず、「昨日よりたくさん読めた」ことを目標にしなくても構いません。

内容について試さない

読み終わった直後に、登場人物や出来事を次々と質問すると、テストのように感じる子もいます。

子どもが話したら聞き、大人が「この場面、面白かったね」と短く伝えるだけでも十分です。

▶ 絵本の読み聞かせで質問しすぎ?感想を聞かない方がよい?親子で楽しむ声かけ

読み聞かせを「卒業」にしない

一人で読める本が増えても、大人に読んでもらう時間を続けて構いません。

文部科学省の保護者調査でも、読み聞かせを小学校低学年以降まで続けた家庭が報告されており、終了時期は一様ではありません。

▶ 絵本の読み聞かせは何歳から何歳まで?年齢別の楽しみ方

一人読みの入口に選びやすい本の特徴

子どもが何度も読んでもらった本

内容や言葉を覚えている本は、初めての本より読み進めやすい場合があります。

暗記して話しているように見えても、本と言葉を結びつける楽しみ方の一つです。

短い文や繰り返しがある本

一文が短く、同じ言葉が繰り返される本は、読む場所を予想しやすくなります。

文字が大きく、行が追いやすい本

文字が絵の上に重なりすぎず、文の区切りが分かりやすい本を選びます。

好きな題材の本

好きなものを知りたい気持ちが、文字を読むきっかけになる場合があります。

物語に限らず、図鑑やクイズの答え、カードの説明などから始めても構いません。

一人で読み切れる短さの本

対象年齢より簡単な本を選んでも問題ありません。

「最後まで自分で読めた」という経験を作ることだけを目的にせず、本人が無理なく楽しめる長さを優先しましょう。

5歳・6歳・小学1年生の一人読みの考え方

5歳頃

ひらがなに関心を持ち始めても、一人読みを急ぐ必要はありません。

題名の一文字を探す、知っている文字を見つける、繰り返し部分を一緒に言うなど、遊びの中で文字に触れられます。

▶ 【5歳】おすすめ絵本13選|物語・言葉遊び・気持ちを楽しむ読み聞かせ

6歳頃

読める文字が増えても、長い物語は大人が読んだ方が楽しめる場合があります。

一人で読みやすい短い本と、大人に読んでもらう少し長い本を分けてもよいでしょう。

▶ 【6歳】おすすめ絵本・児童書11選|小学校・友達・考える力を楽しむ本

小学1年生頃

学校では音読や文字の学習が始まりますが、家庭の読書をすべて練習にする必要はありません。

学校の課題は必要な範囲で取り組み、自由に選ぶ本は大人が読み聞かせても構いません。

教科書で紹介された本にも、一人で読みやすい本だけでなく、読み聞かせで楽しめる長い物語や科学読み物があります。

▶ 【小1】国語の教科書で紹介された本22選|絵本・昔話・詩・科学読み物

家庭で本は楽しめても、学校の音読になると嫌がる子もいます。

声に出すことや読み間違いへの不安、行を見失うなど、音読特有の困りごとと対応はこちらで紹介しています。

▶ 【小1】音読の宿題を嫌がる子へ|読まない・間違いを直されると怒るときの対応

発達が気になる子と一人読みを進めるときの工夫

読む行だけが見える読み窓を使って絵本を読む子どもと保護者のイラスト

発達が気になる子の場合も、診断名だけで読み方を決める必要はありません。

今の読みやすさや苦手なことに合わせ、次のような工夫ができます。

  • 読む行以外を紙で隠す
  • 大人が指で読む場所を示す
  • 文節ごとに線を入れる
  • 文章を短く区切る
  • 拗音・促音・長音へ目印を付ける
  • 文字が大きい本を選ぶ
  • 一文ずつ交代する
  • 疲れたら大人が続きを読む
  • 読み間違いをすべてその場で直さない

音読中に姿勢が崩れる、文字を飛ばす、行を見失う場合も、やる気だけの問題とは限りません。

読む量や表示の仕方を調整し、困り方が続く場合は学校にも共有しましょう。

相談を考えてもよい様子

一人読みをしないことだけで、心配しすぎる必要はありません。

ただし、次のような困りごとが続き、本人がつらそうな場合は、担任や支援担当者などへ相談して構いません。

  • 文字を長期間覚えにくい
  • 似た文字を頻繁に混同する
  • 一文字ずつ読めても言葉につながりにくい
  • 行を何度も飛ばす、同じ行を繰り返す
  • 読むと極端に疲れる、強く嫌がる
  • 音読の宿題に非常に時間がかかる
  • 読んだ内容をほとんど捉えられない状態が続く
  • 学校でも読み書きの困りごとを指摘されている

家庭で困った場面、読みやすかった工夫、かかった時間などを伝えると、学校でも支援を考えやすくなります。

よくある質問

ひらがなが読めるのに、絵本を読まないのは甘えですか?

甘えと決めつける必要はありません。

一文字ずつ読むことと、文章を続けて読みながら理解することには違う負担があります。また、大人に読んでもらう時間が好きな場合もあります。

何歳から一人読みを始めるべきですか?

決まった開始年齢はありません。

文字への関心や読みやすさには個人差があります。題名や短いせりふなど、本人が読みたがる部分から始めましょう。

小学生になったら読み聞かせをやめるべきですか?

やめる必要はありません。

一人読みと読み聞かせを併用できます。長い物語は大人が読み、短い本は子どもが読む方法もあります。

読み間違いは、その都度直した方がよいですか?

すべてを直すと、物語の流れや読む意欲が途切れる場合があります。

意味が分からなくなる間違い、同じ場所で困っている場合、本人が助けを求めた場合などに短く伝える方法があります。

読んだ内容を質問した方がよいですか?

質問は必須ではありません。

内容を確かめる質問が続くと、試されているように感じる子もいます。子どもが自分から話したら聞き、大人の感想を短く伝えるだけでも構いません。

漫画や図鑑しか読まなくても大丈夫ですか?

子どもが楽しんでいるなら、読む入口になります。

物語絵本だけに限定せず、興味のある本から文字や情報に触れて構いません。

音読の宿題も、大人が読んでよいですか?

学校の課題には目的や決まりがあるため、まず担任へ確認してください。

負担が強い場合は、交代読み、読む範囲を短くする、大人が先に読むなどの方法が可能か相談しましょう。

同じ本を暗記して読んでいます。それでも一人読みですか?

暗記した言葉を一人で話していても、文字を読んでいるとは限りません。

ただし、本の内容と言葉を結びつけ、自分でページをめくって楽しむ大切な経験です。

「本当に文字を読めているか」と試すより、本人が本に親しんでいることを受け止めましょう。

年齢や悩みから、ほかの絵本記事を探す

一人読みへ移る前も、読み聞かせは子どもが望む間続けられます。

▶ 絵本の読み聞かせは何歳から何歳まで?年齢別の楽しみ方

読み聞かせ中に集中しない場合の工夫はこちらで紹介しています。

▶ 【読み聞かせのコツ7選】子どもが集中しない・すぐ飽きるときの楽しみ方

1歳~6歳の年齢別絵本や、発語・感情・自己肯定感・友達関係など、テーマ別の記事もまとめています。

▶ 年齢・悩み別|子どもの絵本記事まとめを見る

まとめ|一人読みを急がず「本を楽しむ時間」を残そう

ひらがなが読めても、すぐに絵本を一人で読めるとは限りません。

子どもは、文字を音に変えながら、言葉の意味や物語の流れも理解しようとしています。

一人読みを嫌がるときは、次のような方法があります。

  1. 読み聞かせを続ける
  2. 繰り返しの言葉だけ一緒に言う
  3. 短いせりふを任せる
  4. 一文ずつ交代する
  5. 大人が先に読んで支える
  6. 好きなページだけ読んでもらう
  7. 自分から読み始めたら見守る

一人で読んだ冊数や文字数を増やすことより、「この本をもう一度読みたい」と思えることを大切にしましょう。

大人に読んでもらう本と、自分で読む本があっても構いません。

読み聞かせと一人読みを行き来しながら、その子に合った読書の形を探してみてください。

参考資料

※文字の読み方や読書への移行には個人差があります。
本記事は一人読みを急がせるものではなく、家庭で試せる関わり方の例を紹介しています。

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  • この記事を書いた人

しょうがなすこさん

はじめまして🌼「しょうがなすこ」と申します。 小学生と未就学児の兄弟を育てている母です。長男にはASD・ADHD・DCD・吃音があり、療育や学校生活、家庭での関わりを通して、さまざまな困りごとに向き合ってきました。 児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、実際の子育て経験をもとに、家庭・学校・療育で使える視覚支援カードや無料教材、子育ての工夫を発信しています。 「ことばだけでは伝わりにくい」「次に何をすればよいか分からない」「学習につまずいている」など、その子に合う「分かる方法」を一緒に見つけられる場所を目指しています。 子育ての困りごとが少しでも軽くなりますように。どうぞ気軽に読んでいってください☺️

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