はじめに|「あ」が書けなくても焦らなくて大丈夫
「ひらがなの練習を始めたけれど、うまく書けない」
「お手本を見せても、子どもが『できない!』と嫌がってしまう」
「4歳・5歳でひらがなが書けないのは遅いの?」
初めての文字練習では、このような悩みがよくあります。
ひらがな表は「あ・い・う・え・お」の五十音順に並んでいるのが一般的です。しかし、五十音順は文字を覚えるには便利でも、子どもにとって書きやすい順番とは限りません。
特に「あ」は、曲線・交差・はらいを含む複雑な文字です。
最初の「あ」でつまずき、
「書けない」
「もうやりたくない」
「ひらがなは苦手」
と感じてしまう子もいます。
そこで今回、文字の形に注目して練習できるオリジナル教材、**「かたちでみつける ひらがな46|もじステップ表」**を作りました。
この無料プリントは、「この文字から始めなければならない」という順番を決めるものではありません。
子どもが書きやすそうな文字や、興味を持った文字を見つけ、最初の「書けた!」につなげるための一覧表です。
無料プリント「ひらがな46|もじステップ表」の内容
今回ダウンロードできるPDFは、次の2ページです。
1ページ目|かたちでみつける「ひらがな46」
46文字を、五十音順ではなく形の特徴から4つのグループに分けています。
- すーっと進む形
- 曲がる・折れる形
- 丸みのある形
- 交差・結びのある形
一般的な五十音表とは違う視点で、子どもが「これなら書けそう」と感じる文字を探せます。
2ページ目|運筆ウォームアップ
文字を書く前に、鉛筆を動かす練習ができるページです。
- 横線
- 縦線
- 山型の線
- 波線
- 丸
- 交差する線
「まだ文字を書くのは難しい」という子は、最初からひらがなを書かなくても構いません。
線や丸をなぞるだけでも、鉛筆を動かす経験になります。
プリントの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用紙サイズ | A4・全2ページ |
| 対象の目安 | 4歳・5歳・6歳ごろ〜小学1年生 |
| 料金 | 無料 |
| 内容 | ひらがな46文字一覧・運筆練習 |
| おすすめ | 文字練習を嫌がる子、不器用さが気になる子、入学準備 |
※対象年齢は目安です。子どもの興味や発達に合わせてご利用ください。
ひらがな46・もじステップ表|無料PDFはこちら
下のボタンから、ひらがな練習プリントを無料でダウンロードできます。
A4サイズ・全2ページ/登録不要・無料
印刷するときは、用紙サイズを「A4」に設定し、「原寸」または「用紙に合わせる」を選択してください。
PDFを開きにくい場合は、下に掲載している画像を長押しして端末へ保存できます。ご家庭のプリンターやコンビニのマルチコピー機でも印刷できます。
※本教材は、文字の形に着目して当サイトが独自に制作したオリジナルプリントです。ヨコミネ式および関連団体が作成・監修した公式教材ではありません。


なぜ五十音順ではなく「文字の形」で分けたの?

無料のひらがな教材には、五十音順のなぞり書きや1文字ずつ練習するプリントが多くあります。xn--fdk3a7ctb5192box5b.com
五十音順は、文字を覚えたり辞書の順番に親しんだりするうえでは、とても便利です。
一方で、文字を書くために必要な動きは、それぞれ異なります。
「あ」と「い」では、必要な鉛筆の動かし方が同じではありません。
- 真っすぐな線
- 斜めの線
- 急に曲がる線
- 大きな曲線
- 小さな丸
- 線の交差
- 結びの動き
こうした形の違いによって、子どもが感じる難しさも変わります。
ただし、「直線の文字なら全員が簡単」「一画なら必ず書きやすい」とは限りません。斜め線や方向転換が苦手な子もいるため、書きやすさには個人差があります。できるびより
そのため、このプリントでは難易度を固定していません。
「簡単な順番」ではなく、子どもに合う入口を探すためのグループ分けとして使ってください。
4つのグループから「書けそうな文字」を探そう
1.すーっと進む形
真っすぐな線や、比較的長く動かす線に注目したグループです。
運筆練習の縦線・横線と組み合わせて使えます。
まずは、線を正確に書くことよりも、
「上から下へ動かせた」
「止まらずに線が引けた」
という経験を認めてあげましょう。
2.曲がる・折れる形
途中で方向が変わる文字を集めたグループです。
方向転換が難しい場合は、鉛筆を持つ前に指で大きく形をなぞる方法がおすすめです。
空中に大きく書いたり、ホワイトボードを使ったりすると、手首や腕を動かしやすくなります。
3.丸みのある形
丸やカーブを含む文字に注目したグループです。
曲線が苦手な子は、最初から小さなマスに書かせなくても大丈夫です。
- 大きな紙に丸を書く
- お皿の縁を指でなぞる
- 粘土で丸を作る
- ホワイトボードに大きく書く
このような遊びから始められます。
4.交差・結びのある形
線が交わったり、複雑に曲がったりする文字を集めています。
「あ」「め」「ぬ」などは、似た形が含まれるため、子どもが混乱することもあります。
まだ難しそうなら無理に進めず、書ける文字を増やしてから戻ってきましょう。
後回しにすることは、逃げることではありません。
先に成功体験を積むことで、難しい文字に挑戦する余裕が生まれます。
【体験談】「あ」が書けず、ひらがな練習を嫌がった息子
息子が4歳のころ、お絵描きで人の顔を描いても、口のニッコリとした曲線がうまく描けませんでした。
見本を見せて、
「こうやって曲げるんだよ」
と伝えても、口はいつも一本の真っすぐな線。
もちろん、ひらがなを書くことも難しい状態でした。
年中になると、幼稚園でお友達同士のお手紙ごっこが流行り始めました。息子も文字に興味を持つようになったため、家庭でひらがなの練習を始めることにしました。
ところが、一般的な五十音順で「あ」から練習すると、
「できない!」
「もう書かない!」
と、すぐに嫌がってしまいました。
特に難しそうだったのが、
- あ
- お
- め
- ぬ
などの、曲線や複雑な動きを含む文字です。
大人から見ると「なぞれば書けそう」と思う文字でも、当時の息子には、線を曲げながら位置を調整すること自体が難しかったのだと思います。
そこで、「あ」から順番に覚える方法をいったんやめました。
まずは、本人が書きやすそうな形や、知っている文字から選ばせることにしたのです。
すると少しずつ、
「これは書けた」
「もう一回やる」
「次はこの字にする」
という言葉が増えていきました。
最初に「書けた」という感覚を味わえたことで、以前は避けていた曲線の文字にも、自分から挑戦するようになりました。
数か月後には、あれほど難しかった「あ」も書けるようになりました。

もちろん、文字が書けるようになった理由は、プリントだけではありません。
本人の成長、幼稚園でのお手紙遊び、繰り返し文字を目にしたことなど、さまざまな経験が重なった結果だと思います。
それでも、苦手な「あ」を最初に強制せず、できそうな文字から始めたことは、息子が文字への苦手意識を強めないために役立ったと感じています。
無料プリントの使い方|5つのステップ

ステップ1.運筆から始める
ひらがなを書く前に、2ページ目の運筆ウォームアップを使います。
すべて取り組む必要はありません。
好きな線を1〜2本なぞるだけでも十分です。
ステップ2.書けそうな文字を子どもに選んでもらう
大人が順番を決めず、
「今日はどの文字にする?」
「書いてみたい文字はある?」
と聞いてみましょう。
自分の名前や、好きな動物・乗り物に含まれる文字から始めても構いません。
ステップ3.大きく書いてから小さくする
小さなマスに書くのが難しい場合は、大きな紙やホワイトボードを使います。
1.指でなぞる
2.空中に書く
3.大きく書く
4.小さな枠に書く
このように段階を分けると取り組みやすくなります。
ステップ4.1日1文字でも終わってよい
「今日は1文字だけ」で終わっても問題ありません。
たくさん書くことより、「またやりたい」と思えるところで終えることを優先します。
ステップ5.できた文字に印をつける
書けた文字に、
- 好きな色を塗る
- シールを貼る
- 丸をつける
などの印を残します。
「こんなに書ける文字が増えた」と目で確認できるため、達成感につながります。
子どもがひらがな練習を嫌がるときの工夫
なぞり書きを嫌がる場合
紙の練習をいったん休み、次の遊びに変えてみましょう。
- 指で砂や小麦粉に書く
- お風呂の曇った鏡に書く
- 粘土で文字の形を作る
- 水筆で書く
- マグネットの文字を並べる
書字練習にこだわらず、文字の形に親しむことから始めます。
鉛筆を持つと疲れる場合
幼児には、濃くて軽い力でも線が出やすい鉛筆が使いやすいことがあります。
三角軸の鉛筆や太めの鉛筆、補助グリップも選択肢です。
ただし、持ち方を細かく直し続けると、書くこと自体を嫌がる場合があります。まずは無理なく線を引けることを優先しましょう。
間違いを怖がる場合
消しゴムで何度も消すより、
「この線、上から下まで書けたね」
「最後まで挑戦できたね」
と、できた部分を具体的に伝えます。
ホワイトボードなら簡単に消せるため、失敗を気にする子にも向いています。
お手本を見ても書けない場合
完成した文字だけでなく、最初の一画を見せてみましょう。
「ここからスタート」
「次は下に進むよ」
と、一度に一つの動きだけを伝えると理解しやすくなります。
無料プリントで試してから道具を選ぼう
最初から高価な教材をそろえる必要はありません。
まずは無料プリントを使い、子どもがどのような練習なら取り組みやすいか確認するのがおすすめです。
続けられそうなら、次の道具を検討できます。
- 4B・6Bなどの濃い幼児用鉛筆
- 三角軸鉛筆
- 鉛筆補助グリップ
- 大きなマスのひらがなノート
- ミニホワイトボード
- 水で書けるお習字シート
- 子どもの段階に合うひらがなドリル
選ぶときは、「人気だから」ではなく、子どもの困り方に合わせることが大切です。
| 子どもの様子 | 選びたい道具 |
|---|---|
| 筆圧が弱い | 濃く柔らかい鉛筆 |
| 鉛筆が安定しない | 太め・三角軸の鉛筆 |
| 間違いを怖がる | ホワイトボード |
| 小さい文字が難しい | 大きなマスのノート |
| 紙の練習を嫌がる | 水書き・砂文字・粘土 |
| 反復練習が好き | なぞり書きドリル |
ひらがなの「読み」と「書き」は分けて考える
ひらがなを読めても、同じ文字を書けるとは限りません。
読むときは文字を見分ける力が中心ですが、書くときには、
- お手本を見る
- 形を覚える
- 書き始める位置を決める
- 鉛筆を適切な方向へ動かす
- 枠内に収める
といった複数の力を同時に使います。
そのため、
「読めるのに書けない」
「文字は分かっているのに形が崩れる」
という姿があっても、理解していないとは限りません。
読む練習は絵本や文字カード、書く練習は運筆や大きな文字というように、分けて進めても大丈夫です。
ひらがな練習で避けたいこと
「もう4歳だから」と急がせる
文字に興味を持つ時期や、書く動作が安定する時期には個人差があります。
年齢だけを理由に急がせる必要はありません。
できない文字だけを繰り返させる
苦手な文字ばかり練習すると、「できない」という経験が増えてしまいます。
できる文字と難しい文字を交互に取り入れましょう。
ほかの子と比べる
「○○ちゃんはもう書けるよ」という声かけは、子どもの自信を失わせることがあります。
比べるなら、以前の本人と比べます。
「前より線が長くなったね」
「昨日より丸く書けたね」
という伝え方がおすすめです。
一度に全部覚えさせる
46文字を短期間で完成させる必要はありません。
自分の名前だけ、好きな言葉だけという始め方でも十分です。
よくある質問
何歳から使えますか?
4〜6歳ごろを目安にしていますが、年齢よりも文字への興味を基準にしてください。線をなぞることが難しい場合は、運筆ページだけでも使えます。
4歳でひらがなが書けなくても大丈夫ですか?
書く力には個人差があります。4歳で書けないからといって、すぐに遅れと判断する必要はありません。まずは線・丸・好きな文字から始めてみましょう。
どの文字から始めればいいですか?
決まった文字はありません。自分の名前、好きな食べ物、動物、乗り物など、子どもが興味を持つ文字から始めるのがおすすめです。
「あ」から練習しなくてもいいですか?
問題ありません。五十音順は覚える順番として便利ですが、書く順番として守らなければならないものではありません。
書きやすい文字はどれですか?
子どもによって異なります。直線が得意な子もいれば、丸を描くのが好きな子もいます。このプリントを見ながら、本人が「書けそう」と感じる文字を探してください。
なぞり書きだけでも効果はありますか?
鉛筆を動かす経験にはなります。ただし、なぞるだけで書けるようになるとは限りません。指なぞり、大きく書く練習、見写しなども組み合わせてください。
毎日何分練習すればいいですか?
最初は3〜5分程度でも十分です。時間より、嫌になる前に終わることを意識しましょう。
左利きでも使えますか?
使えます。紙を少し右側へ傾け、手でお手本が隠れにくい位置に置くと書きやすくなる場合があります。
同じ文字を何回書かせればいいですか?
回数を固定する必要はありません。1回で終わっても構いません。本人が「もう一回」と思える範囲で取り組みましょう。
不器用さが強い場合はどうすればいいですか?
大きな紙、太い鉛筆、ホワイトボードなどを使い、小さな動きを求めすぎないようにします。文字以外の生活動作にも強い困りごとがある場合は、園の先生や地域の発達相談窓口などに相談してください。
プリントをブログやSNSで配布してもいいですか?
個人や家庭、園・支援現場での利用条件を明記した「利用規約」を別途設けるのがおすすめです。PDFそのものの再配布・販売・改変配布は不可とし、紹介時はこの記事へリンクしてもらう形にすると、著作物とアクセスを守れます。
まとめ|最初の目標は「全部書く」ではなく「書けた!」
ひらがなの練習は、必ずしも「あ」から始める必要はありません。
大切なのは、子どもが取り組みやすい形を見つけ、
「線が引けた」
「この文字は書けた」
「もう一回やってみたい」
という小さな成功を積み重ねることです。
今回の無料プリントでは、ひらがな46文字を形の特徴から4つに分けました。
- すーっと進む形
- 曲がる・折れる形
- 丸みのある形
- 交差・結びのある形
これは、全員に共通する難易度表ではありません。
子どもが自分に合う文字を探すための「入口」として活用してください。
全部できなくても大丈夫。
今日書けそうな一文字から、親子でゆっくり始めてみてくださいね。