はじめに|療育が始まるまで、何をすればいい?
「療育をすすめられたけれど、開始まで時間がある」
「療育センターの初回相談まで待っている」
「児童発達支援の空きがなくて、すぐには通えない」
そんな時、親としては焦りますよね。
わが家も、3歳児健診で発達の気になる点を指摘され、療育につながるまでの間、
「今、家で何かできることはないのかな」
とずっと考えていました。
でも、療育が始まる前でも、家庭でできることはあります。
もちろん、専門的な療育を家庭で完全に再現する必要はありません。
大切なのは、子どもが少し過ごしやすくなるように、日常の中で小さな工夫を増やすことです。
この記事では、
- 療育待ちの間に家庭でできること
- 視覚支援の使い方
- 感覚過敏への配慮
- 感覚遊びの取り入れ方
- 声かけの工夫
- 困りごとメモの作り方
- 園との連携
- わが家で役立ったもの
を、体験談ベースでまとめます。
結論|療育待ちの間は「治す」より「困りごとを減らす」
療育待ちの間に家庭で意識したいのは、
子どもを変えようとすることではなく、困りごとを減らすこと
です。
たとえば、
- 次に何をするか分からない
- 切り替えが苦手
- 服の肌ざわりがつらい
- 汚れることが苦手
- 順番を待てない
- 気持ちを言葉にできない
- 癇癪が長引く
こうした困りごとは、子ども本人もつらいことがあります。
だから家庭では、
- 分かりやすくする
- 見通しを作る
- 感覚の負担を減らす
- できたことを増やす
- 親が観察して記録する
ことを大事にしました。
まずは困りごとをメモする

療育待ちの間に、最初にやってよかったのが困りごとメモです。
「困っています」と相談しても、具体的な場面がないと伝わりにくいことがあります。
わが家では、次のようにメモしました。
| メモすること | 例 |
|---|---|
| 困る場面 | 朝の支度、食事、外出、園の活動 |
| 子どもの様子 | 泣く、怒る、逃げる、固まる、手が出る |
| きっかけ | 服が濡れた、予定変更、順番待ち、人混み |
| 親の対応 | 声かけ、抱っこ、場所を変える、絵カード |
| うまくいった方法 | タイマー、短い指示、休憩、選択肢 |
メモしておくと、療育センターや児童発達支援の面談でも役立ちます。
何より、親自身が、
「この子はどんな時に困りやすいのか」
を整理しやすくなりました。
視覚支援で「次にすること」を見える化する

視覚支援カードやタイマーで見通しを作ると、療育が始まる前でも家庭で取り入れやすい支援になります。
療育待ちの間に家庭で取り入れやすいのが、視覚支援です。
言葉だけで説明しても伝わりにくい子には、絵や写真で見せると分かりやすくなることがあります。
朝の支度カード
朝の支度は、わが家でもかなり大変でした。
「着替えて、靴下履いて、水筒持って、靴履いて」
と一気に言っても、途中で止まったり遊び始めたりしていました。
そこで、
- 服を着る
- 靴下を履く
- トイレに行く
- 水筒を持つ
- 靴を履く
という流れをカードにしました。
「今どこまで終わったか」が見えるだけで、少し動きやすくなりました。
外出前の見通しカード
初めての場所や予定変更が苦手な子には、外出前に流れを見せるのもおすすめです。
たとえば、
- 車に乗る
- 病院に行く
- 先生と話す
- 終わったら帰る
のように、簡単で大丈夫です。
完璧なカードを作らなくても、手描きや写真でも十分使えます。
タイマーで切り替えを助ける
切り替えが苦手な子には、タイマーも役立ちました。
「もう終わりだよ」
と急に言われると、子どもはびっくりしてしまうことがあります。
でも、
「あと5分で終わり」
「タイマーが鳴ったらおしまい」
と見通しを作ると、少し受け入れやすくなることがありました。
わが家では、
- YouTubeを終わる時
- お風呂に入る前
- 外出前
- 遊びを切り上げる時
に使いました。
ただし、タイマーが鳴ったら必ずスムーズに切り替えられるわけではありません。
最初は怒ることもあります。
それでも繰り返すうちに、「終わりが近い」という感覚は少しずつ育っていきました。
感覚過敏には「慣らす」より先に環境調整
息子は、服の濡れや汚れ、肌ざわりへの不快感が強い時期がありました。
最初は、
「少しくらい我慢できないかな」
と思ってしまうこともありました。
でも、感覚過敏がある子にとっては、こちらが思う以上につらい場合があります。
そこで、まずは無理に慣らすより、環境を整えることを意識しました。
服の素材を見直す
- やわらかい素材
- タグが気になりにくいもの
- 縫い目が少ないもの
- 締めつけが少ないもの
を選ぶようにしました。
これだけでも、朝の着替えのストレスが少し減りました。
汚れ対策をする
食事中に服が汚れると不快になりやすかったので、大きめエプロンやクロスを使いました。
「汚れても大丈夫」
「すぐ拭ける」
「着替えもある」
という安心感があると、親も少し落ち着けます。
感覚遊びは「嫌がらないもの」から

感覚遊びは発達支援でよく出てきますが、苦手な子に無理やりさせる必要はありません。
わが家では、嫌がりにくいものから少しずつ試しました。
- 水風船
- やわらかい粘土
- さらさらした砂
- 米や豆を触る遊び
- スポンジ遊び
- ボールプール
- タオルで包む遊び
ポイントは、
触れたらすごい、見られただけでもOK
くらいの気持ちでいることです。
無理に触らせると、余計に嫌いになってしまうこともあります。
声かけは短く・具体的にする
療育待ちの間、声かけもかなり見直しました。
以前の私は、
「早くして」
「ちゃんとして」
「何回言ったら分かるの?」
と言ってしまうことがありました。
でも、こういう言葉は子どもには伝わりにくいんですよね。
そこで、声かけを短く具体的にしました。
| 以前の声かけ | 変えた声かけ |
|---|---|
| 早くして | 靴下を履こう |
| ちゃんとして | 椅子に座ろう |
| 片付けて | 車を箱に入れよう |
| 怒らないで | 嫌だったって言おう |
| 走らないで | 歩こう |
否定形よりも、「何をすればいいか」を伝える方が分かりやすいと感じました。
選択肢を2つにする
子どもが動かない時、選択肢を出すとスムーズになることがあります。
たとえば、
- 赤い服と青い服、どっちにする?
- 先にトイレと靴下、どっちにする?
- 歯みがきはママとする?自分でする?
- 絵本を読んでから寝る?お茶を飲んでから寝る?
選択肢が多すぎると迷うので、2つくらいがちょうどよかったです。
「自分で選べた」という感覚があると、子どもも少し動きやすくなります。
成功体験を増やす
療育待ちの間は、できないことに目が向きやすくなります。
でも、子どもに必要なのは、できないことを責められる経験ではなく、
「できた」
「分かった」
「またやってみたい」
という成功体験だと思います。
わが家では、ハードルを下げることを意識しました。
- 靴下が片方履けたらOK
- トイレに座れたらOK
- 5分待てたらOK
- 触れなくても見られたらOK
- ひとこと言えたらOK
小さくても成功です。
この積み重ねが、療育が始まった後にもつながりました。
園と情報共有する
幼稚園や保育園に通っている場合は、園での様子も確認しておくとよいです。
家庭では困っていても、園では頑張っていることがあります。
逆に、家では大丈夫でも園で困っていることもあります。
先生に聞く時は、こんな感じで十分です。
3歳児健診で発達面について相談することになりました。
家庭では切り替えや感覚面で困ることがあります。
園ではどんな様子か、気になることがあれば教えていただけると助かります。
園の様子を知ることで、療育センターや児童発達支援の相談でも説明しやすくなります。
療育待ちの間にやらなくていいこと
逆に、やらなくていいと思うこともあります。
無理に訓練しようとする
家庭は療育施設ではありません。
親が先生役を頑張りすぎると、親子ともに疲れてしまいます。
ネット検索をしすぎる
不安な時ほど検索したくなります。
でも、検索しすぎると余計に不安になることもあります。
信頼できる情報を少し見たら、あとは相談先につながる方が安心です。
他の子と比べる
同じ3歳でも、発達には差があります。
比べるほど苦しくなるので、「昨日のわが子」と比べるくらいで十分です。
わが家で役立ったもの
※この記事には広告・アフィリエイトリンクを含む場合があります。実際の体験をもとに、わが家で役立ったものや選び方を紹介しています。
療育待ちの間に役立ったものは、次のようなものです。
- 視覚支援カード
- タイマー
- ホワイトボード
- 絵カード
- 困りごとメモ用ノート
- やわらかい服
- 大きめエプロン
- 感覚遊びグッズ
- ニューブロック
- 積み木
- お絵描き道具
- 発達支援の本
特に、視覚支援カード・タイマー・困りごとメモは、家庭でも相談先でも使いやすかったです。
自作教材や無料カードを用意しておくと、親子で無理なく始めやすいです。
よくある質問
療育待ちの間、家庭で何をすればいいですか?
まずは困りごとをメモし、視覚支援や短い声かけ、タイマーなどで日常の困りごとを少し減らす工夫がおすすめです。専門的な療育を家庭で再現する必要はありません。
療育が始まるまで何もしないと遅れますか?
何もしないと遅れる、というわけではありません。家庭でできる小さな工夫をしながら、相談先につながっていけば大丈夫です。焦りすぎないことも大切です。
視覚支援カードはいつから使えますか?
言葉だけでは伝わりにくいと感じた時から使えます。年齢に関係なく、絵や写真で見せることで分かりやすくなる子もいます。
感覚遊びを嫌がる時はどうすればいいですか?
無理に触らせなくて大丈夫です。見るだけ、少し近づくだけ、道具越しに触るだけでも十分です。嫌がらない感触から少しずつ試すのがおすすめです。
家庭で療育のようなことを毎日する必要がありますか?
毎日しっかり取り組まなくても大丈夫です。日常の中で、短い声かけや見通し作りを少し取り入れるだけでも意味があります。
タイマーを使っても癇癪になります。意味はありますか?
最初は癇癪になることもあります。すぐに効果が出なくても、「終わりが近い」と見通しを持つ練習になります。無理のない範囲で続けるとよいです。
園には療育待ちであることを伝えた方がいいですか?
園で困りごとがある場合は、伝えておくと連携しやすいです。すべてを詳しく話す必要はありませんが、家庭で困っていることや相談中であることを共有すると安心です。
どんなグッズを用意するといいですか?
視覚支援カード、タイマー、ホワイトボード、困りごとメモ用ノート、感覚遊びグッズなどが使いやすいです。子どもの特性に合わせて少しずつ試すのがおすすめです。
親が疲れてしまった時はどうすればいいですか?
家庭で全部やろうとしなくて大丈夫です。保健師さん、療育センター、園、相談支援事業所など、頼れるところに相談してください。親の余裕も大切な支援です。
療育待ちの間に一番大切なことは何ですか?
子どもを無理に変えようとすることより、困りごとを整理し、親子が少し楽に過ごせる工夫を見つけることだと思います。
まとめ|療育待ちの間も、家庭でできる小さな支援はある
療育待ちの期間は、不安になりやすいです。
「このままでいいのかな」
「早く何かしないと」
「家でできることはないのかな」
私もそう思っていました。
でも、家庭でできることはあります。
大きなことをしなくても大丈夫です。
- 困りごとをメモする
- 視覚支援を使う
- タイマーで見通しを作る
- 感覚の負担を減らす
- 声かけを短くする
- 成功体験を増やす
- 園と情報共有する
こうした小さな工夫が、子どもの安心につながります。
療育は、始まってからがすべてではありません。
待っている間にも、親子でできることは少しずつあります。
焦らなくて大丈夫です。
完璧にやらなくて大丈夫です。
まずは、今日の困りごとをひとつメモするところから。
そこから、親子に合う支援が少しずつ見えてくると思います。
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