はじめに|「うちの子、少し違うかも」と思い始めた頃
「うちの子、少し他の子と違うのかな」
そう思いながらも、
「男の子だし、こんなものかな」
「性格の問題かもしれない」
「そのうち落ち着くかもしれない」
と、自分の中で何度も打ち消していました。
わが家が息子の発達と本格的に向き合うきっかけになったのは、3歳児健診でした。
健診で発達の気になる点を指摘され、心理士さんとの面談をすすめられたことが、療育につながる大きな一歩になりました。
この記事では、
- 3歳頃に気になっていた発達障害の兆候
- 3歳児健診で実際にあったこと
- 指摘された時の親の気持ち
- 療育につながるまでの流れ
- 療育を始めて感じた変化
を、体験談としてまとめます。
同じように「3歳児健診で指摘された」「療育をすすめられて不安」と感じている方の参考になればうれしいです。
3歳頃に気になっていた発達障害の兆候
息子が3歳を過ぎた頃、日常生活の中で「少し困るな」と感じる場面が増えてきました。
もちろん、3歳はまだ発達の個人差が大きい時期です。
ただ、わが家の場合は、
- 感覚の敏感さ
- 友達との距離感
- 力加減の難しさ
- 準備や片付けの苦手さ
- 指示の通りにくさ
- 癇癪の強さ
が少しずつ目立つようになっていました。
当時はまだ「発達障害かも」とはっきり思っていたわけではありません。
でも、今振り返ると、これらが息子の発達特性に気づくサインだったのだと思います。
触覚過敏|服の汚れや肌ざわりがつらかった

最初に気になったのは、触覚過敏のような様子でした。
たとえば、
- 食事中に服が少し汚れると泣く
- 泥遊びやスライム遊びを強く嫌がる
- 服の縫い目や靴下のチクチクを嫌がる
- 濡れるとすぐに着替えたがる
- 砂場で水がかかるとパニックになる
ということがありました。
特に印象に残っているのは、砂場で水がかかった時のことです。
ほんの少し服が濡れただけなのに、突然泣き出して、服を脱ぎたがったことがありました。
その時は、
「どうしてここまで嫌がるの?」
「わがままなのかな?」
「私の対応が悪いのかな?」
と戸惑いました。
でも後から、感覚過敏がある子にとっては、服が濡れる感覚や肌に触れる違和感が、想像以上に強いストレスになることを知りました。
触覚過敏に家庭で試したこと
家庭では、できることから少しずつ環境を整えました。
無理なく着られる服を選ぶ
まずは、服選びを見直しました。
- 縫い目が少ないもの
- 肌ざわりがやわらかいもの
- タグが気になりにくいもの
- 締めつけが少ないもの
を選ぶようにしました。
「これくらい我慢して」ではなく、本人が快適に過ごせる服を選ぶだけで、朝の不機嫌や着替えのストレスが少し減りました。
食事中の汚れ対策をする
食事中は、大きめのエプロンやクロスを使って、服が汚れにくいようにしました。
汚れないように完璧にするというより、
「汚れてもすぐ対応できる」
「本人が不快になりにくい」
状態を作ることを意識しました。
触覚遊びは嫌がらないものから
泥やスライムのような強い感触は無理にさせませんでした。
水風船、やわらかい粘土、さらさらした砂など、本人が受け入れやすいものから少しずつ。
「触りなさい」ではなく、
「見るだけでもOK」
「少し触れたらOK」
くらいの気持ちで取り組みました。
友達との距離感や力加減が難しかった
もうひとつ大きな困りごとは、友達との関わり方でした。
息子は人と関わりたい気持ちはありました。
でも、
- 友達との距離が近すぎる
- 急に近づいて驚かせてしまう
- 力加減が分からず強く押してしまう
- 楽しくなると止まれない
- 相手の反応に気づきにくい
ということがありました。
「遊びたいだけ」なのに、結果的に相手をびっくりさせたり、泣かせてしまったりすることもありました。
親としては、申し訳なさと不安でいっぱいでした。
家庭でできる社会的スキルの練習
家庭では、遊びの中で距離感や力加減を練習しました。
距離感を学ぶ遊び
鬼ごっこやボール遊びの中で、
「近すぎるとびっくりするよ」
「ここくらい離れると話しやすいね」
と、実際に体を動かしながら伝えるようにしました。
言葉だけで説明しても分かりにくいので、体験しながら覚える方が息子には合っていました。
力加減の練習
柔らかいボールを使って、
- そっと投げる
- 強く投げる
- 優しく渡す
- 手を添える
などを遊びながら練習しました。
「優しくして」と言うだけでは伝わりにくいので、
「赤ちゃんに渡すくらい」
「ふわっと」
「コロコロで渡そう」
のように、イメージしやすい言葉を使うようにしました。
準備や片付けが進まない
朝の準備や外出前も、よく困っていました。
「服を着て、靴下を履いて、帽子を持って、靴を履いてね」
と伝えても、結局何も進まない。
途中で遊び始める。
何をすればいいのか分からなくなる。
こちらも焦って怒ってしまう。
そんな毎日でした。
今思えば、複数の指示を順番に処理することが苦手だったのだと思います。
当時はそれが分からず、
「なんで何回言ってもできないの?」
と思ってしまっていました。
視覚支援で少しずつ変わったこと
療育につながってから、視覚支援という考え方を知りました。
やることを言葉だけで伝えるのではなく、イラストやチェックリストで見えるようにする方法です。
たとえば、
- 服を着る
- 靴下を履く
- 帽子をかぶる
- 水筒を持つ
- 靴を履く
という流れを、絵カードやチェックリストにしました。
すると、息子にとって「次に何をするか」が分かりやすくなりました。
もちろん、すぐに全部できるようになったわけではありません。
でも、
「何をすればいいか分からない」
状態が少し減り、本人の不安も減ったように感じました。
3歳児健診が転機になった
そして迎えた3歳児健診。
わが家にとって、この日は大きな転機になりました。
3歳児健診は、身長・体重・視力・聴力・歯科などを見るだけでなく、言葉や社会性、運動面、親の困りごとなども確認されます。
事前の問診票にも、生活リズムや言葉の様子、育児の悩みを書く欄がありました。
正直、書きながらも迷いました。
「これって書くほどのこと?」
「大げさに思われないかな?」
「でも困っているのは事実だし……」
そんな気持ちでした。
3歳児健診当日の息子の様子

3歳児健診での指摘は不安も大きかったですが、わが家にとって療育につながる大切なきっかけになりました。
当日、家を出る時は元気でした。
でも会場に着くと、見慣れない場所、人の多さ、待ち時間に戸惑ったのか、だんだん落ち着かなくなりました。
実際には、
- 会場に入ってから泣き続ける
- 椅子に座って待てない
- 待合室で立ち歩く
- 指示にうまく応じられない
- 簡単なやりとりが成立しにくい
- 順番待ちで癇癪を起こす
という状態でした。
私も必死でなだめましたが、周りの目も気になり、かなり疲れました。
「どうしてうちだけこんなに大変なんだろう」
そんな気持ちがありました。
保健師さんから指摘されたこと
面談では、保健師さんが健診中の息子の様子を見ながら、気になった点を丁寧に確認してくれました。
たとえば、
- 集中が続きにくい様子がある
- 発音が少しあいまいに聞こえる
- ペンを取ろうとする、紙を丸めるなど衝動的に見える行動がある
- 指示が入りにくい場面がある
といった様子について、
「今日の様子では、こういう場面が見られましたが、普段のお家や園ではどうですか?」
という感じで聞かれました。
責められたわけではありません。
でも、親としてはドキッとしました。
自分でも「少し気になるな」と思っていたことを、健診の場で改めて言葉にされたことで、
「あ、やっぱり気になるところなんだ」
と感じたのを覚えています。
その後、
「発達の面で少し気になるところがあるので、心理士さんともお話ししてみませんか?」
と提案されました。
頭では「相談した方がいい」と分かっていても、心はかなり揺れました。
「やっぱりそうなんだ」
「うちの子、何かあるのかな」
「療育って言われたらどうしよう」
不安と戸惑いでいっぱいでした。
心理士さんとの面談
心理士さんとのやり取りでは、簡単な発達確認のようなものがありました。
でも息子は、テーブルの下に潜り込んでしまいました。
落ち着いて座ることも、指示に応じることも、その場では難しかったです。
心理士さんからは、
- 言葉の発達がゆっくり
- 感情や行動のコントロールが難しい
- 社会性にサポートが必要そう
という話がありました。
そして、
「療育を検討してみませんか?」
と提案されました。
その時、療育センターや医療機関の資料を受け取りました。
私は、不安と戸惑いのまま会場を後にしました。
3歳児健診で指摘されやすい発達のサイン
3歳児健診で見られる発達のサインには、いろいろあります。
もちろん、当てはまるからすぐに発達障害というわけではありません。
ただ、相談のきっかけになることはあります。
言葉のサイン
- 単語が少ない
- 二語文が少ない
- 発音がはっきりしない
- 質問にうまく答えられない
- やりとりが続きにくい
運動面のサイン
- 片足立ちが苦手
- ボール投げが苦手
- 体の使い方がぎこちない
- よく転ぶ
- 手先が不器用
社会性のサイン
- 他の子と関わりにくい
- 距離感が近すぎる
- アイコンタクトが少ない
- 順番を待つのが苦手
- 集団の指示に入りにくい
行動・感覚のサイン
- 癇癪が強い
- 集中が続きにくい
- 音や肌ざわりに敏感
- 切り替えが苦手
- 初めての場所が苦手
大切なのは、「できないことを責める」ことではなく、困りごとの背景を知ることだと思います。
3歳児健診で指摘された後にしたこと
健診後、すぐに気持ちが整理できたわけではありません。
「療育って本当に必要?」
「この子に診断がつくの?」
「普通に育てられないの?」
そんな不安がありました。
でも、まずは動いてみようと思い、少しずつ相談先につながっていきました。
わが家がしたことは、
- 療育センターへ相談
- 医療機関の情報を確認
- 困りごとをメモする
- 家庭でできる工夫を試す
- 幼稚園での様子も確認する
ということでした。
特に、困りごとをメモしておくことは役立ちました。
相談の場で、
「何に困っていますか?」
と聞かれても、いざとなるとうまく説明できないことがあります。
日頃から、
- いつ困ったか
- どんな場面だったか
- どう対応したか
- その後どうなったか
を簡単に残しておくと、相談しやすくなります。
療育を始めてから見えた変化

療育を始めて数か月で、劇的に変わったわけではありません。
でも、小さな変化はありました。
触覚過敏への対応が分かってきた
服の素材や環境を整えることで、着替えや食事のストレスが少し減りました。
「嫌がる理由」が分かると、こちらのイライラも減りました。
友達との関わりを練習できた
療育では、同年代の子と関わるグループ活動がありました。
自分の番を待つ。
お友達に道を譲る。
先生とアイコンタクトをとる。
「貸して」「どうぞ」を練習する。
ひとつひとつは小さなことですが、息子にとっては大切な経験でした。
成功体験が増えた
療育では、できないことを責められるのではなく、できたことをたくさん認めてもらえました。
「できた」
「褒められた」
「またやってみたい」
という経験が増えたことで、息子の表情も少しずつ変わっていきました。
親の見方が変わった
一番大きかったのは、私自身の見方が変わったことです。
以前は、
「なんでできないの?」
と思っていたことも、
「どうしたら分かりやすいかな」
「何が苦手で困っているのかな」
と考えられるようになりました。
療育は、子どもだけでなく、親が子どもを理解するための時間でもありました。
最初は受け入れられなかった
正直に言うと、最初から前向きだったわけではありません。
「うちの子は大丈夫」
「男の子だから落ち着きがないだけ」
「そのうち話せるようになる」
「今だけかもしれない」
そう思いたい気持ちがありました。
発達を指摘されると、まるで自分の育て方を否定されたように感じてしまうこともありました。
でも今は、あの時に気づけてよかったと思っています。
指摘されたからこそ、支援につながれました。
支援につながったからこそ、息子の困りごとの理由を知ることができました。
理由が分かったからこそ、親子で少し楽になれました。
わが家で役立ったもの
※この記事には広告・アフィリエイトリンクを含む場合があります。実際の体験をもとに、わが家で役立ったものや選び方を紹介しています。
3歳頃の発達の不安や療育準備で役立ったものは、特別なものばかりではありません。
- 絵カード
- 視覚支援カード
- やわらかい素材の服
- 大きめエプロン
- タイマー
- ニューブロック
- 積み木
- 感覚遊びグッズ
- 発達支援の本
特に、視覚支援カードやタイマーは、「次に何をするか」が分かりやすくなるので、準備や切り替えが苦手な子には使いやすいと感じました。
よくある質問
3歳児健診で発達を指摘されたら、発達障害ということですか?
いいえ。3歳児健診での指摘は、あくまで「発達に気になる点がある」という段階です。確定診断は専門医の診察や発達検査などを通して行われます。
3歳児健診でひっかかったら、まず何をすればいいですか?
まずは保健師さんや心理士さんの話を聞き、紹介された相談先につながることがおすすめです。家庭での困りごとをメモしておくと相談しやすくなります。
療育はいつから始めた方がいいですか?
気になることがあるなら、早めに相談して損はないと感じています。すぐ通うかどうかは別として、相談することで選択肢が見えやすくなります。
触覚過敏は治りますか?
完全になくなるとは限りませんが、環境を整えたり、少しずつ慣れる経験を積んだりすることで、困りごとが軽くなることはあります。
友達との距離感が近いのも発達のサインですか?
発達特性として見られることがあります。ただし、年齢的な未熟さの場合もあります。困りごとが続く場合は相談してみると安心です。
3歳で言葉が遅いと発達障害ですか?
言葉の発達には個人差があります。言葉だけで判断はできませんが、やりとりのしにくさや指示理解の難しさがある場合は、専門機関に相談するとよいです。
療育に通うと周りに知られますか?
基本的には家庭が話さなければ周囲に知られることは少ないです。幼稚園や保育園と連携するかどうかは、家庭の判断で進められます。
療育を始めたらすぐ変わりますか?
すぐに劇的な変化が出るとは限りません。わが家も小さな変化の積み重ねでした。
家庭でできることはありますか?
視覚支援、見通しを立てる声かけ、感覚に配慮した環境づくり、成功体験を増やす関わりなどがあります。
親が不安で受け入れられない時はどうしたらいいですか?
無理にすぐ受け入れようとしなくて大丈夫です。まずは相談先につながり、少しずつ情報を集めるだけでも前に進めます。
まとめ|3歳児健診は、療育につながる大切なきっかけだった
3歳児健診で発達を指摘された時、私は不安でいっぱいでした。
「この子は大丈夫なのかな」
「療育って必要なのかな」
「私の育て方が悪かったのかな」
そんな気持ちもありました。
でも今振り返ると、あの日は息子の困りごとに気づく大切なきっかけでした。
療育につながったことで、息子の小さな「できた」が増えました。
そして私自身も、息子の特性を少しずつ理解できるようになりました。
発達を指摘されることは、ショックなことかもしれません。
でも、それは終わりではありません。
子どもに合った支援を知るための、最初の一歩です。
今、3歳児健診の結果に不安を感じている方へ。
あなたは一人ではありません。
焦らなくて大丈夫です。
少しずつで大丈夫です。
お子さんに合う関わり方を、一緒に探していけばいいのだと思います。
次回予告
次回は、
をお届けします。