息子に合った支援を見つけるために、児童発達支援事業所を探し始めたのは、療育を通して彼の成長をさらにサポートしたいという思いからでした。幼稚園での困難を目の当たりにし、療育センターや専門家からのアドバイスを受ける中で、親として子どもに最適な環境を整えることの大切さを強く感じました。
今回は、私たち親子が実際に児童発達支援事業所を選ぶまでの過程を振り返りながら、どのようにスムーズに進めたか、その体験をお伝えします。
【具体例】児童発達支援事業所を利用するためのステップと手続き
児童発達支援事業所や放課後デイサービスを利用するための一般的な流れは以下の通りです。
- 申請と聞き取り
市役所で申請を行い、子どもの生活状況や行動面について聞き取りが行われます。正確に伝えることで、その後の支援がスムーズに進みます。 - サービス等利用計画案の作成依頼
申請が受理されたら、サービス等利用計画案を作成するために相談事業所との面談日を設定します。 - 計画案の作成
相談事業所の担当者が保護者と面談し、子どもの状況やニーズに合った計画案を作成します。ここでの対話が、その後の支援における重要な基盤となります。面談は、子供の特性や今後の目標を一緒に考える機会でもあります。 - 計画案の確認と提出
作成された計画案を保護者が確認し、内容に問題がなければ署名して、市役所に提出します。疑問があれば、遠慮なく質問しましょう。 - 審査および受給者証の発行
審査が完了すると「受給者証」が発行されます。通常、この手続きを完了するまでに約1か月ほどかかることが一般的です。
「児童発達支援の無償化制度について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください - サービスの利用開始
受給者証が発行されたら、児童発達支援事業所との契約を結び、サービスを開始できます。
【体験談】相談事業所選びとは?
市役所で手続きを進めた際、最初のステップとして1.「申請と聞き取り」がありましたが、その後、次のステップとして2.「相談事業所を決めて、サービス等利用計画の作成を依頼して下さい」ということを言われました。この時、相談事業所のリストを渡されたものの、正直なところ「相談事業所って何だろう?」「どんな基準で選べばいいんだろう?」と戸惑ってしまいました。
事前に詳しい説明もなく、いくつかの事業所がリストに載っているだけで、どこを選んだら良いのか全くわからなかったので、不安になったのを覚えています。
相談事業所とは?
相談事業所は、児童発達支援の計画書(サービス等利用計画)を作成し、子どもが最適な支援を受けられるようサポートする専門機関です。
具体的な相談事業所の役割は以下の通りです
- 現状のヒアリングとアセスメント 相談事業所の担当者が保護者や子どもと面談し、子どもの生活状況や発達の課題をヒアリングします。子どもの特性や目指したい成長の方向について話し合います。
- サービス等利用計画の作成 ヒアリングをもとに、子どもに必要な支援や療育の内容を計画書にまとめます。この計画は市町村へ提出され、児童発達支援や放課後等デイサービスの利用に必要です。
- 関係機関との連携 相談事業所は、療育を行う支援施設や市役所、保護者と連携し、子どもに適切な支援が提供されるよう調整します。また、必要に応じて学校や幼稚園とも連携します。
- 定期的なフォローアップ 子どもの成長やニーズに応じて、定期的に計画を見直し、サポートを調整します。相談事業所の担当者との面談や相談が継続的に行われるため、子どもに適した支援が続けられるようサポートします。
相談事業所が必要な理由
児童発達支援や放課後等デイサービスを利用するためには、市町村への申請と、その際に提出する「サービス等利用計画書」が必要です。この計画書を作成できるのが、指定された相談事業所です。相談事業所のサポートを受けることで、専門的な視点から子どもに合った支援をスムーズに受けられるようになります。
親だけで進めるのは難しいプロセスもあるため、こうした専門家のサポートは非常に役立ちます。
相談事業所を選ぶ際のポイント
役所から渡されたリストには、なんと100件以上の相談事業所がありました。「どうやって選べばいいの?」と思い、役所の担当者に聞いてみましたが、「みんなそれぞれですね」という返答だけでした。そこで「よく利用される事業所はどこですか?」と尋ねると、「自分が担当したなかで多いのはここです」というようにいくつか候補を教えてもらいました。
私が選んだ基準
結局、私は「家から近いこと」と「ホームページの内容がしっかりしていること」を基準に選びました。正直、深く考えずに決めた部分もありましたが、幸運にも信頼できる相談員さんに出会えました。
相談事業所選びは意外と重要!
後になって感じたのは、相談事業所選びはとても重要だということです。定期的に面談を行い、子どもの成長やニーズに応じて支援を調整するため、話しやすさや信頼性が非常に重要です。私の場合は、たまたま子育て中のママが担当者だったので、話しやすく相性も良かったのですが、知人の中には、相性が合わずに事業所を変更した方もいましたが、無理せず変更できることは安心材料になりますね。
ほかには、知人はお子さんが女性の相談員だと安心するため、担当者が女性の事業所を選んでいました。また、相談事業所によっては、担当者との面談時にお子さんを連れていくことが必須のところもあれば、そうでないところもあるようです。
また、家から近い事業所さんの方が、自宅付近の詳しい情報(幼稚園、保育園、小学校、児童発達支援や放課後デイなど)を持っているため、良いかなと感じました。
【私の体験】相談事業所選びのステップとポイント
1. 市役所でリストを受け取る
2. 家から近い事業所を選ぶ・利点
地元の事業所は地域の情報(幼稚園、保育園、小学校など)に詳しいため、周辺のサポートを受けやすいというメリットがあります。
3. 担当者との相性を確認し、最適な事業所を見つける
担当者の性別など、話しやすさも判断材料の一つです。面談時には、場所や子どもを連れていく必要があるかを事前に確認しておくと、安心です。
4. 事業所を変更することも視野に入れる
もし担当者との相性が合わなかったり、支援に満足できなかった場合、事業所を変更することができます。無理せず、適切なサポートを受けることが大切です。
【体験談】児童発達支援事業所の選び方
児童発達支援事業所とは? 役割と利用方法
児童発達支援事業所とは、発達に特性がある子どもたちが、日常生活や社会生活で必要なスキルを習得するために、専門的な支援を提供する施設や機関のことです。これらの事業所では、個々の子どもの発達やニーズに合わせた療育プログラムを通じて、子どもの成長や自立を支援します。(児童発達支援の無償化制度について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。)
対象となる子ども
児童発達支援事業所の主な対象は、0歳から未就学児の子どもたちです。特に、以下のような子どもたちが支援の対象となります:
- 発達障害の診断を受けた子ども
- 発達に遅れが見られる子ども
- コミュニケーションや社会性の課題を抱える子ども
- 運動機能の発達に困難を抱えている子ども
児童発達支援事業所の役割
児童発達支援事業所は、子どもの発達を促すために、専門スタッフが一人ひとりの子どもに合わせた支援を提供します。具体的には以下のような役割があります
- 発達支援の提供
専門スタッフが、子どもの発達に合わせて、言語指導や運動スキル訓練、社会性を養うグループ活動など、個別プログラムを提供します。 - 保護者へのサポート
保護者へは、家庭での支援方法をアドバイスし、相談も受け付けています。 - 関係機関との連携
児童発達支援事業所は、市町村や医療機関、幼稚園などの関係機関と連携し、子どもが一貫した支援を受けられるよう調整を行います。例えば、幼稚園や保育園の先生と連携して、園での生活がスムーズに進むようにサポートすることもあります。 - サービス等利用計画の作成支援
児童発達支援を受ける際には、市町村に提出する「サービス等利用計画書」が必要です。相談事業所と連携して、この計画書の作成を支援する役割も果たしています。
支援内容
児童発達支援事業所では、子どもの特性や成長段階に合わせて、さまざまな支援が提供されます。主な支援内容は次の通りです
- 個別療育
個別に必要なスキルや行動を指導します。言語やコミュニケーションの指導、運動能力の向上、自己表現の方法など、子どものニーズに応じたプログラムが提供されます。 - 集団療育
他の子どもたちと一緒にグループで活動し、集団行動や社会性を養います。協力や順番を待つなどのスキルを学ぶ場でもあります。 - 親子参加のプログラム
親子で一緒に療育を受けるプログラムもあり、親子の絆を深めるとともに、家庭での子どもへの接し方を学ぶことができます。
児童発達支援事業所の利用方法
「【具体例】児童発達支援事業所を利用するためのステップと手続き」で説明したように、児童発達支援事業所を利用するには、まず市町村の窓口で受給者証の申請と面談を行います。
申請後、書類審査が行われ、受給者証の発行までには約1か月半かかります。受給者証が発行されると、児童発達支援事業所で療育やサービスを利用することができるようになります。
相談事業所との違い
児童発達支援事業所は、子どもに直接支援や療育を行う施設であるのに対し、相談事業所は、子どもの発達状況をヒアリングし、適切な支援が受けられるように「サービス等利用計画書」を作成する役割を担います。両者は連携して、子どもが最適な支援を受けられるようにサポートします。
児童発達支援事業所選びの流れとポイント
受給者証の発行には約1か月半かかりました。
その間、相談事業所の担当者の助言を受けながら、5か所の児童発達支援事業所を見学しました。見学では事業所の雰囲気や対応をしっかり確認できたおかげで、息子に合った事業所を選び、スムーズにサービスを開始することができました。
詳しい見学の様子は、こちらの記事『児童発達支援事業所の見学レポート』でご紹介しています。
また、児童発達支援の利用日数は、自治体によって異なる場合もありますが原則最大23日で、複数の施設を併用して利用することが可能です。
事前の準備や情報収集、そして担当者への相談が非常に重要だと感じました。パンフレットやインターネットだけでは分からない事業所の雰囲気や、子どもの特性に合った対応を直接アドバイスしてもらえたのは、とても助かりました。
(※参考:児童発達支援の利用日数の上限は、厚生労働省が提示した原則23日で、月の日数から8日を控除したものです。自治体により異なるため、確認が必要です。)
まとめ
子どもの成長をサポートするためには、親がしっかりと準備をし、適切な支援を受ける環境を整えることがとても大切です。最初は何から始めれば良いかわからないことも多いですが、信頼できる相談事業所と一緒に進めることで、不安や悩みも軽減され、より前向きにサポートを行えるようになります。私自身、計画的に進めることで、安心して支援を利用できるようになりました。息子が少しずつ自信を取り戻していく姿を見ると、その選択が間違っていなかったと感じます。