🔰 はじめに:こんな困りごとありませんか?
この記事では、就学前に必要とされる
「自己紹介」「指示理解」「板書」「発言」「友達との遊び」などの学校場面スキルを、
家庭で楽しく練習できる方法をまとめています。
- 小学校でちゃんと座っていられるか心配
- 指示が聞けるかな?忘れ物しないかな?
- 板書の写しができるか不安…
- 自己紹介や発言の練習ってどうやればいいの?
- 友達との関わりが苦手で、グループ活動が心配
こうした悩みは、多くの保護者が抱える「就学前あるある」。
この記事では、家庭でできる 学校ごっこ × スキル練習 を分かりやすく紹介します。
目次
こんな困りごとありませんか?
- 学校場面を想定したスキルの練習
└自己紹介の練習
└指示されたものを取り出す/しまう
└自習の練習(短時間集中)
└板書の書き取り
└ 手を挙げて発言する
└始めの会/終わりの会
└友達と一緒にゲームをする - 🌼わが家のエピソード
- よくある質問(Q&A)
- 【保存用】学校場面スキルのステップ表
- まとめ
1. 学校場面を想定したスキルの練習
家庭でできる就学準備の具体例を紹介します。
① 【就学準備】自己紹介の練習
🎯 ねらい
・人前で話す経験を積む
・名前、年齢、好きなものを順番に言う
・人の話を聞く姿勢をつける
🏠家庭でのやり方
- 「名前・好きなもの・お願い」の3セットに分けて練習
- 大人が先にモデルを見せる
- 成功したら写真カードで「できた!」を見える化
🏠 家でできる方法
- 絵カードで「自己紹介テンプレート」
→「なまえ → すきなあそび → がんばりたいこと」を順番に並べる - ミニぬいぐるみを使った「自己紹介リレー」
- 「1分だけ自己紹介ショー」を開催(短時間で成功体験)
💡 ポイント
特性のある子は、話す順番が飛びやすいことがあります。
視覚の手がかり(絵カード) を用意すると安心して話せます。
②【就学準備】指示されたものを取り出す・しまう練習
🎯 ねらい
・授業で求められる「指示理解」の土台づくり
・指示理解
・ワーキングメモリの負荷を減らす
🏠 家でできる方法
- 「○○を1つだけ出す」「2つしまう」など 1→2ステップの段階分け
- ランドセルの中身を パッキング表 で見える化
- 取り出しやすい位置に固定しておく(定位置管理)
練習例:
- 「えんぴつだけ出してみよう」
- 「プリントをファイルに戻してみよう」
- 出し入れの写真カードを提示するとわかりやすい
🔧 家庭アレンジ
- 冷蔵庫に 「今日のもちものカード」を貼る
- 出す→使う→しまう を 写真でルート化
③ 【就学準備】自習の練習(短時間集中)
🎯 ねらい
・座位保持
・短時間の課題持続
・「ひとりで進める」成長実感
🏠 家でできる方法
- 30秒〜1分のミニ自習(成功しやすい)
- 勉強ではなく「好きな遊び」の時にタイマーを使う
- 「できた!」カードを移動して成功を可視化
🔧 切り替えが苦手な子には
- タイマー終了の10秒前に「あとちょっと♪サイン」
- 終わり→ごほうび→次の活動の サンドイッチ法
④ 【就学準備】板書の書き取り
🎯 ねらい
・視覚情報を写し取る
・重要部分を見落とさない力
🏠 家でできる方法
- ママの手書きの ミニ黒板(ホワイトボード) を用意
- 「3文字だけ写す → 1行 → 1文」と段階的に
- 文字を書くのが負担なら シール貼り模写 もOK
💡 特性のある子は
視線の移動や量が多い板書は負担になりやすいです。
量を減らし 達成できる経験 を積むことが大切。
⑤【就学準備】 手を挙げて発言する
🎯 ねらい
・順番意識
・ターンテイク
・簡単な自己表現
🏠 家でできる方法
- 家族で「質問タイム」→ 手を挙げて答える
- 発言テーマは「好きな食べ物」など簡単なもの
- 発言できたら スタンプを1つ(視覚化)
🔧 観察学習が苦手な子には
「誰が手を挙げているか」をぬいぐるみで見せると理解が早いです。
⑥ 【就学準備】始めの会/終わりの会
🎯 ねらい
・活動の区切り
・見通しを持つ力
・集団活動の流れを理解
🏠 家でできる方法
- 学校ごっこスケジュールの絵カード を並べる
- あいさつ
- 今日の予定
- おしごと
- あそび
- おかたづけ
- 終わりの会では「できたこと」を1つ言う
🔧 家庭アレンジ
- 「やること→できた!」ボード
- ぬいぐるみ先生が進行すると楽しさUP
⑦ 【就学準備】友達と一緒にゲームをする
🎯 ねらい
・ルール理解
・順番待ち
・感情のコントロール
🏠 家でできる方法
- まずは 親子で2人プレイ(成功しやすい)
- 少人数 → 3人 → 4人 と段階をあげる
- ゲームは以下が初心者向け
- フルーツバスケット(簡易ルール)
- すごろく(課題マス付き)
- カードめくり(勝ち負けがシンプル)
💡 負けた時がチャンス
「悔しいね」を受け止めてから「次どうする?」へ導くと
感情調整の練習にもつながります。

2. 🌼わが家のエピソード

うちの息子(5歳)は、はじめ「自己紹介」がとても苦手でした。
名前を言うだけで恥ずかしくて、私の後ろに隠れてしまうことも。
そこで、毎日1分だけ「おうち自己紹介」をやってみました。
1日目は名前だけ
2日目は「好きなもの」を追加
3日目は家族のぬいぐるみの前で発表
すると、たった1週間で自信がつき、療育の場でも大きな声で言えるようになり、
先生からも「成長しましたね!」と言われました。
3. よくある質問
自己紹介が恥ずかしくて話せません。どう練習すれば?
まずは「家族の前で10秒だけ」など短い成功体験から。
写真カードを使って「読むだけ方式」もおすすめ。指示されたものの出し入れが遅いのは特性ですか?
特性がある子は「動作の見通し」につまずきやすいことがあります。
家庭で「3つだけ出す」など小さく練習するとスムーズに。自習が全く続きません。どうしたら集中できますか?
時間は短くてOK。
1〜3分の「タイマー学習」から始め、成功体験で少しずつ伸ばします。板書の写し間違いが多いです。改善方法は?
行ごとに区切る「ワンポイント書き取り」や、
ひらがなだけを書き写す「ミニ課題」が有効です。手を挙げて発言する練習は家でもできますか?
できます。
「質問コーナーごっこ」で、
家族が先生役になり「手を挙げないと答えられない」ルールを自然に学べます。始めの会・終わりの会はどんな流れを再現すると良い?
あいさつ→今日の予定→活動→振り返り の4ステップがあれば十分。
絵カードで見える化すると理解しやすくなります。友達とのゲームが全然成立しません。どう練習したら?
まずは親子で2人プレイ → ルール簡単 → 手順少なめ のゲームから。
徐々にお友達を招いて人数を増やすのがコツ。家庭でやりすぎると「勉強嫌い」になりませんか?
ゲーム化・ごっこ遊び化すれば問題ありません。
「学校ごっこ」のように「遊びの延長」にするのがポイントです。7つのスキルはどれから練習すべき?
おすすめ順は
① 指示理解 → ② 自己紹介 → ③ 座る練習 → ④ 自習 → ⑤ 手を挙げる → ⑥ 板書 → ⑦ 友達との遊び。
特に「座って参加する力」が最重要です。毎日続けるコツはありますか?
1つだけ・5分だけ・成功だけ記録。
この「ゆるく続ける3原則」が継続の秘訣です。
4.【保存用】学校場面スキルのステップ表
【学校ごっこ × 就学準備の発達ステップ】
① 見通し(絵カード)
② 短時間活動(ミニ授業)
③ 指示理解・取り組み
④ 自習・板書
⑤ 発言・集団活動
⑥ 友達との関わり
明日から家庭でできる3ステップ
- 今日の予定カードを3つ並べる
- タイマーを3分にセット
- 終わったら「できたよカード」に移動
まとめ:家庭でも「学校で必要な力」はやさしく育てられる
就学準備は、特別な教材や長時間の勉強が必要なわけではありません。
大切なのは、
- 見通しを持てる仕組み
- できた!を積み重ねる経験
- 家族の安心できるサポート
この3つだけです。
この記事で紹介した「学校場面スキル7つ」は、
すべて家庭で「ごっこ遊び」の延長として楽しく練習できます。
自己紹介や指示理解、板書、自習、友達との関わりなどは、毎日たった数分の積み重ねで確実に身につきます。
お子さんのペースで、できることから一歩ずつ。
その小さな一歩が、入学後の自信につながります。
無理なく・楽しく・短時間で、今日から始めてみてくださいね。
📢次回予告
どうぞお楽しみに。
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