はじめに|小学校で困りやすい場面、家で少し練習できます
小学校入学が近づくと、
「先生の指示を聞けるかな」
「自己紹介で固まらないかな」
「板書を写せるかな」
「手を挙げて発言できるかな」
「友達と一緒に遊べるかな」
と、学校生活の具体的な場面が気になってきます。
就学準備というと、ひらがなや数の学習に目が向きやすいですが、実際の小学校生活では「学校場面のスキル」もとても大切です。
たとえば、
- 先生の話を聞く
- 指示された物を出す
- 座って短い課題に取り組む
- 黒板やホワイトボードを見て写す
- 手を挙げて発言する
- 始めの会・終わりの会の流れを知る
- 友達とルールのある遊びをする
こうした力は、入学してから急にできるようになるものではなく、家庭でも「学校ごっこ」として少しずつ練習できます。
わが家でも、息子は自己紹介や人前で話すことが苦手でした。
最初は名前を言うだけでも恥ずかしくて、私の後ろに隠れてしまうこともありました。
でも、家で短い練習をくり返すことで、少しずつ「言えた」「できた」という自信につながっていきました。
この記事では、就学準備として家庭でできる学校場面の練習を7つに分けて紹介します。
学校場面の練習は「勉強」ではなく予行練習
学校場面のスキル練習は、長時間の勉強ではありません。
家でできるのは、学校生活の一部を小さく切り取って、遊びの中で試してみることです。
たとえば、
- ぬいぐるみを先生役にする
- 家族で学校ごっこをする
- ホワイトボードを黒板に見立てる
- タイマーを使って短い自習をする
- 絵カードで今日の予定を並べる
このように、子どもが安心できる家庭の中で経験しておくと、入学後に「これ、やったことある」と感じやすくなります。
特に発達特性がある子は、初めての場面や見通しのない活動が苦手なことがあります。
そのため、家庭で事前に練習しておくことが安心につながります。
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1. 自己紹介の練習

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ねらい
自己紹介の練習では、人前で話す経験を少しずつ積むことが目的です。
入学後は、
「名前を言ってください」
「好きなものを教えてください」
「一言発表しましょう」
という場面があります。
いきなり本番で話すのが難しい子もいるため、家庭で短く練習しておくと安心です。
家庭でできる練習
最初は、次の3つだけで十分です。
- 名前
- 好きなもの
- よろしくお願いします
たとえば、
「〇〇です。好きなものは恐竜です。よろしくお願いします」
のように、短い型を作ります。
話す順番が分かりにくい子には、絵カードや写真カードを並べると分かりやすくなります。
わが家の体験談
うちの息子は、はじめ自己紹介がとても苦手でした。
名前を言うだけでも恥ずかしくて、私の後ろに隠れてしまうこともありました。
そこで、毎日1分だけ「おうち自己紹介」をやってみました。
1日目は名前だけ。
2日目は好きなものを追加。
3日目はぬいぐるみの前で発表。
そんなふうに小さく練習したところ、少しずつ声が出るようになりました。
療育の場でも言えるようになり、先生から「成長しましたね」と言われたときは本当に嬉しかったです。
2. 指示された物を取り出す・しまう練習

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ねらい
小学校では、先生から
「筆箱を出しましょう」
「プリントをしまいましょう」
「連絡帳を出してください」
といった指示がよく出ます。
指示を聞いて、必要な物を取り出し、使ったあとにしまう。
この流れは、学校生活でとても大切です。
家庭でできる練習
家庭では、ランドセルやリュックを使って練習できます。
最初は1つだけで大丈夫です。
「鉛筆を出してみよう」
「ノートをしまってみよう」
「ハンカチをポケットに入れてみよう」
慣れてきたら、
「鉛筆を出して、ノートを開いてね」
のように、2ステップにします。
持ち物の場所が毎回変わると混乱しやすいため、定位置を決めておくことも大切です。
3. 短時間の自習練習
ねらい
小学校では、先生がほかの子を見ている間に、少しだけ自分で取り組む時間があります。
年長のうちから、短時間でいいので「一人で進める」経験をしておくと安心です。
家庭でできる練習
最初は30秒から1分で十分です。
- シール貼り
- 迷路
- 塗り絵
- パズル
- 好きな絵本を見る
- 点つなぎ
勉強らしい課題でなくても大丈夫です。
「タイマーが鳴るまでやってみよう」
「ここまでできたら終わり」
のように、終わりが分かる形にすると取り組みやすくなります。
切り替えが苦手な子には、終了前に、
「あと10秒で終わりだよ」
と予告しておくと安心です。
4. 板書の書き取り練習

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ねらい
小学校では、黒板やホワイトボードを見て、ノートに写す場面があります。
板書は、
- 見る
- 覚える
- 手元に視線を移す
- 書く
- また見る
という複数の動きが必要です。
そのため、発達特性がある子や視線移動が苦手な子には負担になりやすいことがあります。
家庭でできる練習
家庭では、ホワイトボードや紙に短く書いて、少しだけ写す練習をします。
最初は、
- 1文字
- 2〜3文字
- 自分の名前
- 簡単な記号
- 丸や三角
くらいで十分です。
文字を書くのが負担な子は、同じ形のシールを貼る、同じ色を選ぶ、線をまねする方法でも練習になります。
「板書を完璧に写す」よりも、「見て、手元で再現する」経験を積むことが大切です。
5. 手を挙げて発言する練習
ねらい
授業では、答えが分かっていても、発言のタイミングが分からないことがあります。
特に、
- 思いついたらすぐ話してしまう
- 手を挙げる前に答えてしまう
- 恥ずかしくて声が出ない
- 順番を待つのが苦手
という子には、家庭での練習が役立ちます。
家庭でできる練習
家族で「質問タイム」を作ります。
ルールは簡単です。
- 質問を聞く
- 手を挙げる
- 名前を呼ばれたら答える
質問は簡単なもので大丈夫です。
「好きな食べ物は何ですか?」
「今日楽しかったことは何ですか?」
「赤いものを1つ教えてください」
ぬいぐるみを生徒役にして見せると、イメージしやすい子もいます。
6. 始めの会・終わりの会の練習
ねらい
小学校では、朝の会や帰りの会のように、活動の区切りがあります。
この流れを知っておくと、学校生活の見通しが持ちやすくなります。
家庭でできる練習
家庭では、短い「学校ごっこ」で十分です。
たとえば、
- あいさつ
- 今日の予定を見る
- ミニ活動をする
- 片付ける
- できたことを1つ言う
この流れを5分程度でやります。
絵カードで、
- あいさつ
- 予定
- 活動
- 片付け
- 終わり
を並べると、見通しが持ちやすくなります。
終わりの会では、
「今日できたことは何ですか?」
と聞いて、子どもが一言答える練習をします。
7. 友達と一緒にゲームをする練習
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ねらい
小学校では、友達と一緒に遊ぶ場面が増えます。
ルールを守る、順番を待つ、負けても気持ちを切り替える。
こうした力は、集団生活でとても大切です。
家庭でできる練習
まずは親子2人で始めます。
おすすめは、
- すごろく
- 神経衰弱
- カードめくり
- 簡単なボードゲーム
- フルーツバスケットの簡易版
などです。
最初から勝ち負けが強いゲームにすると、感情が崩れやすい子もいます。
まずは、ルールが少なく、短時間で終わるものがおすすめです。
負けたときは、
「悔しかったね」
「次はどうする?」
「もう1回やってみる?」
と、気持ちを受け止めてから次につなげます。
学校場面スキルのステップ表
家庭で練習するときは、次の順番がおすすめです。
| ステップ | 練習すること | 家庭での例 |
|---|---|---|
| 1 | 見通しを持つ | 絵カードで今日の予定を見る |
| 2 | 短時間座る | 1分だけシール貼りをする |
| 3 | 指示を聞く | 1つの物を出す・しまう |
| 4 | 自己紹介する | 名前と好きなものを言う |
| 5 | 手を挙げる | 質問タイムで順番に答える |
| 6 | 板書を見る | 1〜3文字だけ写す |
| 7 | 友達と遊ぶ | すごろくやカードゲームをする |
全部を一度にやる必要はありません。
子どもが取り組みやすいものから始めれば大丈夫です。
家庭で続けるコツ
1日5分で終わる
長くやるより、短く続ける方が効果的です。
「今日は自己紹介だけ」
「今日は鉛筆を出すだけ」
「今日は手を挙げる練習だけ」
のように、1つだけで十分です。
ごっこ遊びにする
「練習しよう」と言うと構えてしまう子もいます。
「学校ごっこしよう」
「ぬいぐるみ先生が来たよ」
「今日はミニ授業だよ」
のように遊びにすると、取り組みやすくなります。
できたことだけ記録する
できなかったことを記録すると、親も子もつらくなります。
「今日は名前が言えた」
「1分座れた」
「手を挙げられた」
など、できたことだけをメモしておくと、成長が見えやすくなります。
よくある質問
自己紹介が恥ずかしくて話せないときは?
まずは家族の前で10秒だけ話すところから始めます。
声に出すのが難しければ、写真カードや絵カードを見せるだけでも大丈夫です。
「話す」前に、「順番が分かる」「見せられる」経験を積むと安心です。
指示された物を出すのが遅いのは特性ですか?
発達特性が関係することもあります。
指示理解、ワーキングメモリ、見通しの持ちにくさ、手先の不器用さなどが重なると、出し入れに時間がかかることがあります。
「早くして」より、場所を固定し、1つずつ練習する方が効果的です。
自習がまったく続きません
最初は30秒でも大丈夫です。
好きな活動から始め、タイマーを使って「ここまでできた」を作ります。
長く座ることより、成功して終われることを優先しましょう。
板書の写し間違いが多い場合は?
写す量を減らします。
1文字、1単語、1行など、子どもに合う量に調整しましょう。
視線移動が苦手な子は、紙を近くに置いて写すところから始めてもよいです。
手を挙げて発言する練習は家でもできますか?
できます。
家族で質問タイムを作り、手を挙げてから答えるルールにします。
答えが合っているかより、順番を守って発言する経験が大切です。
始めの会・終わりの会は何をすればいいですか?
家庭では、短い流れで十分です。
あいさつ、今日の予定、活動、片付け、できたことを言う。
この5つがあれば、学校生活の流れをイメージしやすくなります。
友達とのゲームが成立しません
まずは親子2人で、ルールの少ないゲームから始めます。
勝ち負けがつらい子は、協力ゲームや短時間で終わる遊びから始めると安心です。
家庭でやりすぎると勉強嫌いになりませんか?
やりすぎると負担になることがあります。
だからこそ、短時間で、遊びとして取り入れることが大切です。
「学校ごっこ」の延長なら、子どもも取り組みやすくなります。
7つのスキルはどれから練習すればいいですか?
おすすめは、指示理解、短時間座る、自己紹介の順です。
この3つは、入学後の学校生活で使う場面が多いため、家庭でも練習しやすいです。
毎日続けるコツはありますか?
1日1つ、5分以内、できたら終わり。
このくらいゆるく続けるのがおすすめです。
親子で疲れない範囲にすることが、長く続けるコツです。
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まとめ|学校場面の練習は家庭でもやさしくできる
就学準備は、特別な教材や長時間の勉強だけではありません。
学校で使う力は、家庭の中でも少しずつ練習できます。
- 自己紹介をする
- 指示された物を出す
- 短時間座って取り組む
- 板書を少しだけ写す
- 手を挙げて発言する
- 始めの会・終わりの会の流れを知る
- 友達とルールのある遊びをする
こうした学校場面のスキルは、いきなり本番でできなくても大丈夫です。
家で「やったことがある」と感じられるだけで、子どもの安心につながります。
無理なく、楽しく、短時間で。
学校ごっこの中で、小さな「できた」を増やしていけるといいですね。