はじめに
子育てをしていると、子どもが感情をうまくコントロールできず、困ってしまう場面がよくありますよね。
我が家の息子も、気持ちの切り替えがうまくできないと、つい手が出たり、強い口調で言い返してしまうことがあります。
そんな姿を見て、親としてどう対応したらよいか悩むこともあります。
しかし、こうした行動は子どもが成長していく過程でよくあることでもあります。
大切なのは、少しずつでも自己コントロールを育んでいくこと。
この記事では、療育先で学んだことや本からのヒントをもとに、我が家で取り入れている自己コントロールを育てるための具体的な方法をご紹介します。
目次
- 自己コントロールとは?
- 切り替えの重要性とその方法
- ストループ効果とトレーニング方法
- 色判断で自己コントロールを強化
● カラーレスポンスゲーム
● 色反応スピードチェンジ
● カラータッチゲーム
● リフレックスカラーズ - 線上歩行でバランスと集中力を養う
- 旗揚げゲームで自己抑制力を鍛える
- 迷路ゲームで忍耐力を育む
- サイモンセイで柔軟な思考を養う
1. 自己コントロールとは? 子どもにとっての重要性
自己コントロールとは、自分の感情や行動、欲求を適切に調整するスキルです。
日常生活や人間関係を円滑に保つために欠かせない能力であり、特に子どもの成長過程において重要なスキルとなります。
2. 切り替えの重要性とその方法 スムーズな移行がもたらす効果
切り替えとは?
切り替えとは、ひとつの活動から別の活動へスムーズに移行する能力です。
例えば、遊びから勉強へ、活動から休憩へと切り替えられることは、自己コントロールを育む上で重要です。
実践方法
- タイマーの活用:「5分後にお片付けしよう」と事前に知らせることで、切り替えをスムーズにする。
- ルーチンを作る:毎日決まった流れを作ることで、切り替えが習慣化する。
3. ストループ効果とトレーニング方法
ストループ効果とは?
ストループ効果とは、脳が複数の異なる情報(例えば、文字とその色)に同時に反応するときに混乱し、正しく反応するのが難しくなる現象です。
この効果を利用したトレーニングで、注意力や自己コントロールを鍛えることができます。
ストループカードとは?
ストループカードは、ストループ効果を活用したトレーニング用のカードです。
文字の意味と色をわざとずらして表示することで、脳の情報処理能力や反応抑制力を鍛えます。
基本的な使い方
- 色を答える:「あか」という文字が青色で書かれていた場合、「青」と答える。
- 単語を読む:色には関係なく、そのまま「文字を読む」。
- 形を答える:色や文字に惑わされず、「形」を答える
(例:「☆」なら「ほし」)。
トレーニングの効果
ストループカードを使ったトレーニングを繰り返すことで、以下の能力が向上します。
✅ 集中力・注意力
✅ 認知の柔軟性
✅ 衝動や感情のコントロール力
日常生活での冷静な判断力やミスを減らす力にもつながるため、子どもから大人まで幅広く活用できます。
基本のトレーニング方法:ストループカード
レベル1(基礎)
- 「色」の指示 → 形に関係なく色を答える
- 「形」の指示 → 色に関係なく形を答える

応用トレーニング方法:難易度アップ


レベル2(文字の色を答える)
- 例:「あか」という文字が緑色で表示されていたら → 「みどり」と答える
レベル3(単語を読む)
- 例:緑色で「あか」と書かれていても、そのまま「あか」と読む

レベル4(形を答える)
- 色や文字に関係なく、形を答える
例:「☆」が青色で書かれていても → 「ほし」と答える
レベル5(一致・不一致を判断する)
- 文字の内容と形の色が 一致しているか、不一致かを判断する
例: 上のカードの場合、
☆は「不一致」、♡は「一致」となります。
4. 色判断トレーニングで自己コントロールを強化瞬発力・集中力・自己コントロールを養うアクティビティ
色判断トレーニングは、瞬発力や集中力を高めるだけでなく、感情や衝動をコントロールする力を養うのに効果的です。
色ごとに異なる動作を行うゲームを通じて、素早い判断力や行動の切り替えを鍛えます。
子どもから大人まで楽しめる、具体的なアクティビティをいくつか紹介します。
トレーニングの効果
これらのアクティビティを繰り返すことで、以下の能力が向上します。
✅ 素早い判断力と反応力
✅ 集中力と判断力の向上
✅ 衝動抑制力と自己コントロール力
このトレーニングを続けることで、日常生活でも冷静で的確な行動がとりやすくなり、ミスを減らす力が身につきます。
1. カラーレスポンスゲーム

- 目的: 瞬時の判断力と反応速度を高める
- 方法:
- プレイヤーに3つの動作(例: 拍手する、ジャンプする、しゃがむ)を設定し、それぞれの動作を特定の色に対応させます。
たとえば、赤で「拍手」、青で「ジャンプ」、黄色で「しゃがむ」といった具合です。 - 色カードをランダムに見せたり、色が次々と変わる画面を見せたりしながら、プレイヤーは表示された色に応じた動作を即座に行います。
- プレイヤーに3つの動作(例: 拍手する、ジャンプする、しゃがむ)を設定し、それぞれの動作を特定の色に対応させます。
- 応用編:
色を増やしたり、行動を変えたりして、判断力のさらなる強化を目指します。
2. 色反応スピードチェンジ

- 目的: 反射的に色を識別し、素早く反応する力を養う
- 方法:
- 異なる色がランダムに光るライトやフラッシュカードを使用します。
- プレイヤーは決まった色が光った時にだけ「反応」します
(例: 青が光ったら手を叩く)。 - 他の色の際は動かずに待機することが求められるため、衝動抑制のトレーニングにもなります。
- 応用編:
色とアクションの数を増やすことで難易度を上げたり、反応する色を「直前に出た色に反応しない」といった条件にして瞬発力をさらに鍛えます。
3. カラータッチゲーム

- 目的: 判断力と集中力を養う
- 方法:
- 床に色のついたカードやマットをランダムに配置します。
プレイヤーは指定された色に「タッチ」するルールでゲームを進めます。 - 指示される色は速いペースで変わるため、プレイヤーは瞬時に判断しながら、間違えずに指定の色にタッチしていきます。
- 床に色のついたカードやマットをランダムに配置します。
- 応用編:
- 色と形を組み合わせることでさらに難易度を上げられます。
- たとえば、「赤の星をタッチ」といった指示により、色だけでなく形も判断しなければならなくなります。
4. リフレックスカラーズ

- 目的: 脳の柔軟性と反射神経を同時に鍛える
- 方法:
- 複数の色が表示される画面やボードを用意し、指示された色の場所に素早くタッチまたは押すアクションを行います。
- 例えば、「赤を押して」「青をタップして」というように指示が出るたびに、正しい色を見つけて反応します。
- 応用編:
一つ前の色や、複数の色を順番通りに押すルールを追加することで、より高度な注意力と記憶力も要求されるようになります。
5. 線上歩行でバランスと集中力を養う

線上歩行は、バランス感覚と集中力を養うためのシンプルで効果的な方法です。
子どもが細い線の上を歩くことで、体の動きと心の安定を保つスキルが自然に鍛えられます。
特に幼児期から小学生までの成長に効果的です。
実践方法
家の床にテープで線を引き、その上を歩く練習をするだけで、簡単に取り組めます。
線上歩行のポイント
✅ まっすぐな姿勢を意識する
・背筋を伸ばし、視線は前方に向ける。
・猫背や反り腰にならないように注意。
✅ 足の運びをコントロールする
・かかとからつま先へ、できるだけ一直線上を歩く。
・足をゆっくり置き、慌てずに進む。
✅ 腕の使い方を工夫する
・バランスを取るために腕を軽く開く。
・慣れてきたら腕を体の横にそわせて難易度を上げる。
✅ 呼吸を整えながら歩く
・深呼吸を意識し、リラックスして行う。
・息を止めると体が硬くなりバランスを崩しやすくなるため、自然な呼吸を心がける。
✅ 目線の使い方に注意する
・下を見すぎるとバランスを崩しやすくなるので、2〜3m先を見るようにする。
・慣れたら目を閉じて歩くなど、難易度を調整できる。
応用編
・障害物を置いて歩く
(コーンやボールを避けながら)
・リズムに合わせて歩く
(メトロノームや音楽に合わせる)
・後ろ向きや横向きで歩く
(難易度アップ)
6. 旗揚げゲームで自己抑制力を鍛える

旗揚げゲームは、指示を正しく聞き分け、素早く反応する力が求められる遊びです。
注意力・集中力・判断力・反応速度・自己制御力を効果的に鍛えることができます。
特定の旗の色に応じて動作を変えることで、瞬時の判断力と行動の制御力を養えます。
このトレーニングを通じて、冷静に状況を判断し、適切に対応する力が身につきます。
実践方法
- 赤と白の旗(またはカードや布)を持つ。
- 指示者が「赤あげて」「白あげて」「赤下げないで白あげて」などの指示を出す。
- 指示通りに旗を動かす。
旗揚げゲームのポイント
✅ 指示をよく聞く
・言葉を最後までしっかり聞き、焦らず動く。
・「〇〇あげて」「〇〇下げて」「〇〇下げないで〇〇あげて」などの複雑な指示に注意。
✅ 素早く反応する
・耳で聞いた情報をすぐに体の動きに反映させる。
・何度も繰り返して、判断スピードを上げる。
✅ 正確に動く
・周りに影響されず、自分の判断で動く。
・途中で迷わないように、落ち着いて指示を処理する。
✅ 難易度を調整する
・慣れてきたら、スピードを上げる。
・指示の言い方を変えて、より複雑な指示にする
(例:「赤をあげてから白をさげる」)。
・逆の動きをするルールで難易度アップ。
(「赤あげて」と言われたら白を上げる)
応用編
🔹 リズムに合わせて行う
(音楽や手拍子と一緒に)
🔹 チーム戦にする
(ペアやグループで競争)
🔹 動作を加える
(「赤あげて+片足立ち」など)
旗揚げゲームは、楽しみながら判断力・集中力・自己コントロール力を高められる遊びです!
7. 迷路ゲームで忍耐力を育む

迷路を解くゲームは、集中力と忍耐力を鍛えるのに非常に効果的です。
ゴールまでたどり着くには、持続的な努力が求められ、これによって忍耐強さを養えます。
また、試行錯誤を繰り返すことで、問題解決能力や計画的に考える力も身につきます。
これは、長期的な目標達成にもつながる重要なスキルです。
実践方法
✅ 紙やデジタルアプリを活用
・紙に描いた迷路やアプリを使い、楽しみながら取り組む。
✅ 集中力を意識する
・一つひとつの道を丁寧にたどり、焦らず解く習慣をつける。
✅ 継続的にチャレンジする
・難易度を徐々に上げながら、挑戦を続けることで成長を実感できる。
迷路ゲームのポイント
✅ 集中力を維持する
・迷路を解く際、途中で気が散らないように意識する。
・視線を迷路の道筋に沿わせ、ゴールまでの道を丁寧にたどる。
✅ 試行錯誤を繰り返す
・間違えてもすぐに諦めず、別のルートを探す柔軟性を持つ。
・行き止まりにぶつかったら、落ち着いてスタート地点から考え直す。
✅ 忍耐力を鍛える
・難しい迷路でも焦らず、最後まで解き切る経験を積む。
・クリアできた達成感を味わい、次のチャレンジへの意欲を高める。
✅ 段階的に難易度を上げる
・最初はシンプルな迷路から始め、徐々に複雑なものに挑戦する。
・制限時間を設けるなど、ゲーム性を加えることでさらに集中力を向上させる。
8. サイモンセイで柔軟な思考を養う

「サイモンセイ」は、指示に従って動作を変えるゲームで、自己コントロールや集中力を養うのに効果的です。
ルールに従って動作を変えることで、素早い判断力と自己抑制を学びます。
特に、瞬時に状況を把握し、冷静に行動する力を養うのに効果的です。
サイモンセイのルール・実践方法
「サイモンセイ(Simon Says)」は、子どもの自己コントロールや注意力を養うのにぴったりのゲームです。
「サイモンセイで始まる指示」に従って動き、自己コントロール力を鍛えることができます。
間違った指示に反応しないことが重要なポイントです。
このゲームのルールは次の通りです。
- リーダーの指示に従う
1人がリーダーとなり、「サイモンセイで〇〇して」と指示を出します。
例:「サイモンセイで手をあげて」と言われたら、全員がその指示に従って手をあげます。 - 「サイモンセイ」のキーワードを聞く
リーダーが「サイモンセイで」と言わずに「手をあげて」とだけ言った場合は、その指示に従わないのがルールです。
間違えて指示に従ってしまうと失敗になります。 - 集中力と忍耐力の育成
リーダーは時々、あえて「サイモンセイで」と言わずに指示を出します。
聞き手は集中して聞き逃さないようにし、間違った指示に反応しないことで忍耐力も鍛えられます。 - ゲームを続ける
ゲームを進める中で、間違えた人は座って次の指示を待つなどして、最後まで残る人を目指します。
サイモンセイのポイント
✅ 「サイモンが言ったら」実行するルールを守る
・「サイモンセイ(Simon says)」で始まった指示だけを実行する。
・それ以外の指示には反応しないことで、聞き分ける力を養う。
✅ 瞬時の判断力を鍛える
・素早く正しい動作を選ぶことで、集中力と反射神経を向上させる。
✅ 自己コントロール力を養う
・間違えないように落ち着いて判断することで、衝動的な行動を抑える練習になる。
このゲームを繰り返すことで、ルールを守る力や冷静に考える力が身につき、日常生活での注意力や判断力の向上にもつながります。
よくある質問
子どもがゲームを楽しめない場合はどうする?
簡単なルールから始め、少しずつステップアップしましょう。
効果が出るまでどれくらいかかる?
個人差がありますが、継続することで効果が出やすくなります。
何歳から始めるのが理想?
3歳頃から始めると効果が高いですが、年齢に応じた方法で取り組めます。
兄弟がいる場合の対応は?
兄弟一緒に楽しめるゲームを選び、協力して行うのが効果的です。
ゲームに飽きたらどうする?
ルールを変えたり、新しいバリエーションを加えてみましょう。
家庭で簡単にできるものは?
タイマーを使った切り替え練習や、旗揚げゲームなどが手軽です。
集中力が続かない場合の工夫は?
短時間で区切り、成功体験を積み重ねることで集中力が伸びます。
幼稚園や学校でも使える?
先生と相談しながら取り入れると、集団生活にも役立ちます。
親がイライラしないためのコツは?
子どもと一緒に楽しむ気持ちを持つと、お互いにストレスが減ります。
継続するコツは?
ルーチン化し、子どもが「楽しい」と感じる要素を加えましょう。
まとめ
自己コントロールを身につけることは、子どもにとって決して簡単なことではありません。
感情が高ぶると、自分で気持ちを切り替えるのは大人でも難しいものです。
我が家の息子も、怒りや悔しさがこみ上げると気持ちの整理ができず、思うように行動できないことがよくあります。
それでも、この記事でご紹介した遊びやトレーニングを続けるうちに、少しずつ変化が見えてきました。
最近は、以前よりも落ち着いて気持ちを切り替えられる場面が増え、切り替えに時間がかかっても、自分なりに頑張ろうとする姿が見られるようになりました。
すぐに成果が出るわけではありませんが、焦らず親子で楽しみながら続けることが大切ですね。
子どものペースに寄り添いながら、少しずつ自己コントロール力を育んでいきましょう。
次回予告
次回は、「子どもの感情のコントロールを助けるおすすめの方法5選」をご紹介します。
どうぞお楽しみに!