はじめに
幼稚園や保育園で、先生から突然、
「今日、お友達とのトラブルがありまして……」
と連絡を受けると、親としては本当にドキッとしますよね。
「相手の子は大丈夫かな」
「保護者の方にどう謝ればいい?」
「うちの子、わざとやったの?」
「また同じことをしたらどうしよう」
私も、息子が園庭で鬼ごっこをしている最中に、お友達の顔を叩いてしまったと聞いたとき、頭が真っ白になりました。
この記事では、わが家の実体験をもとに、
- 幼稚園でお友達を叩いてしまったときの親の対応
- 相手の保護者への謝り方
- 子どもが逃げる・理由を話せない背景
- 家庭でできる再発予防の練習
- 園の先生との連携で大切にしたいこと
をまとめます。
「うちの子だけ?」と不安になっている方に、少しでもヒントになればうれしいです。
園でよくあるお友達トラブルとは?
幼稚園や保育園では、子ども同士の関わりが増える分、トラブルも起こりやすくなります。
よくあるのは、
- 鬼ごっこ中に押す・叩く・ぶつかる
- おもちゃや遊具の取り合いになる
- 順番を待てずに割り込む
- 負けたくなくて怒る
- 相手との距離が近すぎる
- 謝れない
- 理由を聞かれても黙ってしまう
- その場から逃げてしまう
などです。
大人から見ると「どうしてそんなことを?」と思う行動でも、子どもにとっては、感情・言葉・体の動きがまだうまくつながっていないことがあります。
特に発達特性がある子や、不器用さがある子の場合、本人の気持ちと実際の行動にズレが出てしまうこともあります。
【体験談】息子が鬼ごっこ中にお友達を叩いてしまった日
ある日、幼稚園から連絡がありました。
園庭で鬼ごっこをしていた息子が、滑り台付近で突然お友達の顔を叩いてしまったとのことでした。
先生から話を聞くと、
- 先生はその瞬間を直接見ていたわけではない
- 周りの子や当事者の話では、息子が手を出したらしい
- そのあと息子はその場から逃げた
- 別のお友達に連れられて先生のところへ来た
- 「どうしてしたの?」と聞かれても答えられなかった
- 最終的には謝り、相手の子とも一応仲直りした
という状況でした。
私はすぐに相手の保護者の方へ謝罪しました。
でも、息子本人に聞くと最初は、
「してない」
と言い訳のような返事。
先生が「さっき謝ったよね?」と聞いても、黙り込んでしまいました。
私はその場で混乱してしまい、正直、頭ごなしに叱ってしまいました。
でも夜になって、息子がぽつりと話してくれました。
「こけそうになって、当たっちゃっただけなんだよ」
「一瞬ごめんねって言ったけど、大きな声で泣いたからびっくりした」
「怒られると思って逃げちゃった」
「わざとじゃなかった」
それを聞いて、私はようやく気づきました。
「叩いた」という事実だけを見ていたけれど、その背景には、本人なりの混乱や怖さがあったのかもしれない。
もちろん、相手の子に痛い思いをさせたことは謝るべきことです。
でも、息子の中で何が起きていたのかを聞くことも、同じくらい大切だったのだと思いました。
子どもがトラブル後に逃げる理由

子どもがトラブルのあとに逃げてしまうと、親はつい、
「悪いことをしたって分かっているから逃げたんでしょ?」
と思ってしまいます。
でも、必ずしもそうとは限りません。
子どもが逃げる背景には、
- 怒られると思って怖くなった
- 相手が泣いてびっくりした
- どうすればいいか分からなかった
- 頭が真っ白になった
- 自分でも何が起きたか整理できていない
- その場にいることがつらくなった
ということがあります。
息子の場合も、「悪いことを隠したい」というより、急な出来事にパニックになって逃げたように見えました。
家庭でできる工夫
トラブルが起きてから考えるのではなく、普段から短い行動パターンを決めておくと安心です。
たとえば、
- ぶつかったら「ごめんね」
- 叩いちゃったら「先生に言う」
- びっくりしたら「先生助けて」
- 泣いている子がいたら「大丈夫?」と言う
- 分からないときは「分からない」と言う
このくらい短くて大丈夫です。
わが家では、ぬいぐるみを使って、
「ぶつかっちゃった。どうする?」
「ごめんねって言って、先生に言おう」
という練習をしました。
本番で完璧にできなくても、「こうすればいいんだ」という型があるだけで、子どもは少し安心できます。
理由を話せないのは、言い訳しているから?
先生や親に理由を聞かれても、子どもが黙ってしまうことがあります。
このとき、大人はつい、
「なんで黙るの?」
「ちゃんと説明して」
「言い訳しないで」
と言いたくなります。
でも、子どもは本当に説明できないことがあります。
理由としては、
- 出来事の順番を整理できない
- 自分の気持ちが分からない
- 責められていると感じて固まる
- 何を言えば正解か分からない
- 「わざとじゃない」と言いたいけれど言葉にできない
などがあります。
息子も、その場では何も言えませんでした。
でも、夜になって落ち着いたときに、やっと話せました。
その経験から、「その場ですぐ説明できない=反省していない」ではないのだと感じました。
聞き方のコツ
子どもが説明できないときは、自由に話させるより、答えやすい質問にすると話しやすくなります。
たとえば、
- こけそうになった?
- びっくりした?
- 怒られると思った?
- わざとだった?
- ごめんねって言いたかった?
- 先生に言えばよかった?
このように、Yes/Noで答えられる質問にすると、子どもの記憶や気持ちを整理しやすくなります。
不器用さやDCDがトラブルにつながることもある

息子は後に、DCD(発達性協調運動症)の診断を受けました。
今振り返ると、園でのトラブルにも不器用さが関係していたのではないかと思います。
たとえば、
- 走っているときにバランスを崩しやすい
- とっさに手が出てしまう
- 相手との距離感をつかみにくい
- 力加減が難しい
- 止まりたいのに止まれない
- 遊びのテンションが上がると体のコントロールが難しい
ということがあります。
本人は「軽く触ったつもり」でも、相手には強く当たってしまうことがあります。
もちろん、だからといって相手を叩いていいわけではありません。
でも、「悪意」だけで見るのではなく、体の使い方の苦手さも含めて考えると、家庭でできるサポートが見えてきます。
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家庭でできる力加減の遊び
おすすめは、強くやりすぎると失敗する遊びです。
- 風船キャッチ
- 紙をやさしくちぎる
- スライムをつぶさず触る
- 豆つかみ
- タオルをそっと引っ張る
- ボールを近い距離で転がす
- 「やさしくタッチ」ゲーム
「そっと」「ゆっくり」「やさしく」を、言葉だけでなく体で覚えることが大切です。
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相手の保護者への謝り方
子ども同士のトラブルで一番悩むのが、相手の保護者への対応です。
私も、どう伝えればいいのかとても迷いました。
その経験から、謝罪で大切だと感じたのはこの3つです。
1. まず事実を伝える
推測や感情を入れすぎず、分かっている範囲で事実を伝えます。
例:
「今日、園庭で遊んでいるときに、息子の手が〇〇くんのお顔に当たってしまったと先生から聞きました。」
2. 弁解より先に謝る
「わざとではなかったみたいで……」と言いたくなる気持ちはあります。
でも、まずは相手の子が痛い思いをしたことに対して謝ることが大切だと思いました。
例:
「痛い思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。」
3. 今後の対応を一言添える
謝罪だけで終わらず、家庭でどう対応するかを伝えると、相手も少し安心しやすいです。
例:
「家でも、ぶつかったときや困ったときはすぐ先生に伝えることを練習していきます。」
謝罪では、子どもの正当性を説明するより、相手の安心を優先する。
これは、私自身が実際に経験して学んだことです。
園の先生との連携で大切にしたいこと

先生からトラブルの報告を受けると、親としてはつらいです。
私も最初は、
「先生は息子のことを悪い子だと思っているのかな」
「また問題児だと思われたらどうしよう」
と不安になりました。
でも、先生方もたくさんの子どもを見ながら、できる範囲で対応してくれています。
園は療育先とは違います。
専門的な個別支援をすべて求めるのは難しいこともあります。
だからこそ、家庭からは具体的に伝えることが大切だと感じました。
伝えてよかったことは、
- トラブル時は理由をすぐ説明できないことがある
- Yes/Noで聞くと答えやすい
- 怒られると思うと逃げやすい
- 「先生に言う」を練習中
- 力加減が苦手なことがある
- 家庭ではこういう練習をしている
などです。
先生に「配慮してください」と丸投げするのではなく、家庭で取り組んでいることを共有すると、園でも見守りやすくなります。
家庭でできるお友達トラブル予防
園でのトラブルを完全になくすことは難しいです。
でも、家庭でできる準備はあります。
1. トラブル時の言葉を決めておく
子どもがとっさに言えるように、短い言葉を決めておきます。
- ごめんね
- だいじょうぶ?
- 先生、来て
- わざとじゃない
- びっくりした
- もう一回やりたい
- 負けてくやしかった
長い説明より、短いフレーズの方が使いやすいです。
2. ロールプレイをする
ぬいぐるみや人形を使って、
- ぶつかったとき
- おもちゃを取られたとき
- 負けて悔しいとき
- 順番を待つとき
- 相手が泣いたとき
を練習します。
「こんなとき、どうする?」と遊び感覚でやるのがポイントです。
3. 勝ち負け以外の遊びを増やす
勝ち負けにこだわる子は、負けそうになると感情が爆発しやすくなります。
そのため、
- 一緒に作る
- 協力して運ぶ
- 順番に積む
- チームでゴールする
- 役割を交代する
など、勝ち負けがはっきりしない遊びも取り入れるとよいです。
4. 距離感を教える
友達との距離が近すぎる子には、感覚で分かる練習が必要です。
たとえば、
- 手を伸ばしたくらい離れる
- 顔は近づけすぎない
- 走るときは前の子にぶつからない
- 話すときは一歩あける
など、具体的に伝えます。
「近すぎるよ」だけでは分かりにくいので、「腕一本分あけよう」と見える形で伝えると理解しやすいです。
親として学んだこと
今回の出来事で、私自身も反省しました。
最初は、「なんでそんなことしたの!」と強く叱ってしまいました。
でも、後から話を聞くと、息子なりの理由がありました。
もちろん、相手の子を叩いてしまったことはよくありません。
でも、息子は「悪い子」だったわけではなく、まだどう対応すればいいか分からなかったのだと思います。
親として大切なのは、
- 事実はきちんと受け止める
- 相手には誠実に謝る
- 子どもの話も落ち着いて聞く
- 次にどうするかを一緒に考える
- 園と情報を共有する
ことなのだと感じました。
トラブルは親にとってつらい出来事です。
でも、子どもが社会の中で人との関わり方を学んでいく途中でもあります。
「またやったらどうしよう」と不安になる日もありますが、ひとつずつ練習していけば、子どもは少しずつ変わっていきます。
よくある質問
幼稚園でお友達を叩いてしまったら、まず何をすればいいですか?
まずは園から状況を確認し、相手の子にけがや痛みがなかったかを確認します。必要に応じて相手の保護者へ謝罪し、家庭では子どもが落ち着いてから出来事を振り返ります。
子どもが「やってない」と言います。信じてもいいですか?
すぐに嘘と決めつけず、落ち着いて状況を確認することが大切です。子ども自身が混乱していたり、「怒られる」と思って否定している場合もあります。
叩いた理由を説明できないのは問題ですか?
幼児期は、出来事や気持ちを順序立てて説明するのが難しいことがあります。Yes/Noで答えられる質問や、選択肢を出す聞き方が役立ちます。
相手の保護者にはどこまで説明すべきですか?
まずは事実と謝罪を伝えます。子どもの弁解を長く伝えるより、「ご迷惑をおかけしました」「家庭でも対応していきます」と誠意を示すことが大切です。
トラブルが多いと友達ができなくなりますか?
トラブルがあっても、適切なサポートがあれば関係を築いていけます。仲直りの経験や、遊び方の練習を重ねることが大切です。
発達障害があると友達トラブルが増えますか?
ASD、ADHD、DCDなどの特性がある場合、感情の切り替え、距離感、力加減、言葉での説明が苦手なことがあります。ただし、環境調整や練習で改善できることも多いです。
家でできる練習はありますか?
ロールプレイ、力加減遊び、短いフレーズ練習、勝ち負けの少ない協力遊びがおすすめです。
短時間でも繰り返すことで、少しずつ身につきます。
▶ 名前カード活用法
先生からの報告がつらいです。どう受け止めればいいですか?
親としてつらくなるのは自然なことです。ただ、報告は「責められている」のではなく、子どもを一緒に支えるための情報共有と捉えると少し気持ちが楽になります。
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まとめ|お友達トラブルは「親子で学ぶ機会」にできる
幼稚園や保育園でのお友達トラブルは、親にとって本当に心が揺れる出来事です。
でも、トラブルが起きたからといって、子どもが悪い子というわけではありません。
大切なのは、
- 相手には誠実に謝る
- 子どもの気持ちも落ち着いて聞く
- 次にどうすればいいかを一緒に考える
- 家庭で短いフレーズや対応を練習する
- 園と連携して見守る
ことだと思います。
わが家もまだ練習中です。
それでも、トラブルをきっかけに「ごめんね」「先生に言う」「わざとじゃないけど当たった」など、少しずつ言葉にする力が育ってきました。
園でのトラブルは、親子で人との関わり方を学ぶチャンスにもなります。
焦らず、責めすぎず、でも必要なことは伝えながら。
子どもと一緒に、少しずつ成長していけたらいいですね。