はじめに
子どもの成長を支える遊びの中でも、「つみき遊び」は特に注目されています。
つみきは、単なるおもちゃ以上のものです。
視空間認知力や手と目の協応、集中力を育む大切なツールとして、多くの発達に貢献するからです。
私の息子も、この遊びを通じて、自分のイメージを形にする力や集中力を育んできました。
本記事では、つみき遊びの効果や年齢別の進め方、実際に見られた成長エピソードをご紹介します。
遊びを通じて得られる学びをぜひ共有したいと思います。
目次
- つみき遊びの重要性とは?
- 年齢別つみき遊びの進め方:2歳児と3歳児の違いとは?
- 1歳児のつみき遊び:基礎を育む
- 2歳児のつみき遊び:サポートのポイント
- 3歳児のつみき遊び:楽しむコツ
- 視空間認知力の発達をサポートする声かけ
- 発達の個人差と適切なサポート
- まとめ
1. つみき遊びの重要性とは?
積み木は、視空間認知力、手先の器用さ、集中力を育む大切なおもちゃです。
つみき遊びを通じて、子どもは以下のスキルを自然に習得していきます。
つみき遊びで養われるスキル
- バランス感覚の発達
高く積むには、物理的なバランスを取る力が必要です。 - 視覚と動作の連携
目で見て手を動かすことで、手と目の協応(手と目が連携して動く力)が鍛えられます。 - 集中力の向上
何度も失敗しながら試行錯誤する過程が集中力を育みます。
子どもがじっくりと取り組みむ能力を育てる絶好の機会です。 - 視空間認知力の向上
この一連のプロセスが、視覚情報を正確に処理し、空間を把握する力(視空間認知力)を伸ばします。
子どもが積み木をどう積み重ねるかを見守りながら、適切な声かけやサポートをすることで、成長をさらに引き出せます。
2. 年齢別つみき遊びの進め方:1歳児と2歳児と3歳児の違いとは?
1歳児のつみき遊び:基礎を育む
1歳頃までに期待される発達
- 積み木をを楽しむ、握る、叩く、転がす
1歳までの子どもは、 積み木を掴んだり、転がしたりする遊びが中心です。
これらの動作は、手先の感覚を育てます。 - 手の操作力と感覚の発達
積み木を、繰り返し動かす、放すといった基本的な動作で指先の操作力や手の感覚が発達します。
また、積み木の音や触感を楽しむことで感覚器官が刺激されます
サポートのポイント
子どもの興味を引き出す環境を整える
親が積み木を遊んで音を出したり、転がって見せたりして、子どもの好奇心を引き出す工夫をしましょう。
安全で使いやすい積み木を用意する
①無毒・安全な素材
1歳児は物を口に入れることが多いため、有害な化学物質や塗料が使われていないものを選びましょう。
木製やオーガニック素材の積み木が安心です。
②丸みを帯びた角、大きさと重さ、持ちやすい形状のものを選びましょう。
自主的な遊びを尊重する
1歳児にとっての積み木遊びは、手先や感覚器官を刺激し、初めての探索を楽しむ時間です。
積み木遊びを楽しみましょう。
2歳児のつみき遊び:サポートのポイント
2歳頃までに期待される発達
- 横に積み木を並べる
2歳までの子どもは、積み木を2~3個横に並べることができるようになります。
この頃の遊びはシンプルですが、手と目の協応が育ち始めている証です。 - 視覚と動作の発達
見たものを操作する力が徐々に発達しますが、まだ視覚と動作が十分に連動しない場合もあります。
サポートのポイント
親が子どもの手の動きを注意深く観察し、「どこが難しいのか」を把握してあげることが大切です。
難しそうな場合は、子どもと一緒に積み方を考えるなど、サポートを意識して行いましょう。
3歳児のつみき遊び:楽しむコツ
3歳頃までに期待される発達
- 高さを重視した遊び
3歳になると、積み木を10個ほど積み上げることができるようになります。
この時期には集中力も発達し、積み木をバランスよく積む力が育まれます。
積むのが難しい場合は、注視力や集中力のサポートが必要かもしれません。 - 形や大きさの違いを理解する
子どもは「大きい・小さい」「高い・低い」など、形や大きさの違いを言葉で表現できるようになります。 - 物や状態をイメージする力の発達
家や車などをイメージしながら積み木を組み立てる「見立て遊び」が可能になります。
サポートのポイント
具体的なテーマを決めて遊ぶのがおすすめです。たとえば、「お城を作ってみよう!」といった提案をすると、子どもの創造力を引き出しやすくなります。
一緒に取り組むことで、親子のコミュニケーションも深まります。
3. 視空間認知力の発達をサポートする声かけ
つみき遊びの中で、子どもの視空間認知力や理解力を伸ばすために、親が意識して行う声かけも重要です。
視空間認知力を伸ばす声かけ方法
- 「もっと高く積んでみよう!」
- 「次は大きい積み木を使ってみようか?」
- 「どんな形が作れるかな?」
- 「この積み木をどこに置こうか?」
これらの声かけで、子どもは自分で考えながら積み木を操作する力を引き出されます。
また、子どもが遊びに集中している際には、褒めてあげることも効果的です。
4. 発達の個人差と適切なサポート
積み木遊びには個人差が大きく現れます。
たとえば、立体的な積み木の組み立てが得意で、家や車を作ることができる子もいれば、平面的な並べ方でつまずく子もいます。
これは視空間認知力や理解力の違いによるものです。
サポートのポイント
- 簡単な形からスタートし、徐々に難易度を上げていきましょう。
- 積む順序を一緒に考えたり、形や大きさの違いを言葉で説明することで、認知力や集中力を高める手助けができます。
無理に急がせるのではなく、子どものペースに合わせて楽しむことを心がけましょう。
まとめ:つみき遊びで見えた成長の瞬間
つみき遊びは、視空間認知力や手と目の協応、集中力、そして言語能力の発達を促す素晴らしい遊びです。
遊びながら学ぶ楽しさを通じて、子どもは大きく成長します。
子どもが積み木で何を作り出すかを見守り、適切な声かけやサポートを行うことで、その成長をさらに引き出すことができます。
息子の成長の過程
私の息子も、つみき遊びを通して驚くほど成長しました。
2~3歳の頃は、積み木をただ積むだけで、すぐに興味を失い、積み木を倒すことに夢中でした。
しかし、「もっと長くつなげてみよう!」「大きなタワーを作ってみよう!」と声をかけ続けた結果、4歳になる前には、積み木をたくさん積み上げて嬉しそうに自慢するようになり、初めて「お城を作ったよ!」と言って自分でイメージして積み木を組み立てた姿を見たときは、本当に感動しました。
療育での支援と成果
療育では、積み木を使った課題を通じて、記憶力や手先の器用さを鍛える訓練を行っています。
具体的には、息子が3~4個の積み木の形を3秒間で記憶し、それを模倣したり、同じルールで積み木を反転させる訓練に取り組んでいます。
最初は難しく感じていたようですが、練習を重ねるうちに少しずつできることが増え、自信へと繋がっている様子が見られます。
これらの取り組みを通して、息子は集中力や手先の器用さを高めるだけでなく、言葉で表現する力も向上してきています。
最近では、積み木遊び以外にも折り紙や簡単なパズルに挑戦するようになり、遊びを通じて成長している姿を見るのがとても楽しみです。
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次回予告
次回は「幼児期の発達を促す「運動遊び」」です。どうぞお楽しみに!
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