はじめに
「家では飲めるのに、幼稚園では水筒がほとんど減っていない」
「給食をほとんど食べずに帰ってくる」
「熱中症や体力が心配で、毎日不安になる」
そんな悩みはありませんか?
わが家の息子も、幼稚園に通い始めたころから、園で水分をとらない・給食を食べないことに悩んでいました。
家ではお茶も飲めるし、ご飯も食べられる。
それなのに、園では満杯の水筒を持ち帰ってくる。給食もほとんど手をつけない。
「暑い日に倒れないかな」
「体力は大丈夫かな」
「こんなに我慢しているんだ」
そう思うたびに、胸がぎゅっと苦しくなりました。
でも、先生と話したり、息子の様子を見たりする中で、少しずつ分かってきたことがあります。
それは、飲まない・食べないの裏には、子どもなりの理由があるということです。
この記事では、わが家の体験をもとに、
- 園で水分をとらない理由
- 給食を食べない理由
- トイレ不安との関係
- 家庭でできる工夫
- 園の先生にお願いしたこと
をまとめます。
同じように悩んでいる方のヒントになればうれしいです。
幼稚園で水分をとらない・給食を食べない原因
園で飲めない・食べられない理由は、ひとつではありませんでした。
わが家の場合、大きく分けると次の3つが関係していました。
- 感覚の敏感さ
- 園の環境への緊張
- トイレや失敗への不安
1. 感覚が敏感で、におい・温度・食感が気になる
息子は、触感やにおいに敏感なところがありました。
家では食べられるものでも、園では食べられないことがあります。
たとえば、
- 冷めたご飯のにおいが気になる
- 混ざった料理の食感が苦手
- 家と違うスプーンだと食べにくい
- 温度が違うだけで食べる気持ちになれない
という感じです。
大人から見ると「同じメニューなのに」と思ってしまいますが、本人にとっては全然違うものに感じていたのだと思います。
お弁当の日も、家と同じメニューを入れているのに、園では食べられないことがありました。
「わがまま」ではなく、環境が変わると食べ物の感じ方も変わる。
そう考えるようになってから、少し気持ちが楽になりました。
▶ 発達障害の子どもに家庭でできる支援|感覚過敏・DCD・実行機能の困りごと別サポート
2. 園の環境で緊張してしまう
幼稚園や保育園は、家とは環境がまったく違います。
- みんなで一斉に食べる
- 周りの子のペースが気になる
- 先生や友達に見られている
- 食べこぼしが恥ずかしい
- 水分補給のタイミングが分からない
息子も、周りの子がいると緊張してしまうタイプでした。
食べるのが遅いことを気にしたり、こぼしたらどうしようと不安になったり。
その結果、食べる前から気持ちが止まってしまうことがありました。
3. 「水を飲むとトイレに行きたくなる」が不安だった

水分をとらない理由として、わが家で大きかったのがトイレ不安でした。
息子はよく、
「水を飲んだらトイレに行きたくなるのがイヤ」
と言っていました。
最初は、「行きたくなったら行けばいいよ」と軽く考えていました。
でも本人にとっては、それほど簡単なことではなかったんです。
園のトイレには、こんな不安がありました。
- 友達がいると恥ずかしい
- トイレに行くタイミングが分からない
- 先生に言うのが勇気がいる
- 床が濡れているのが気になる
- パンツやズボンが少しでも濡れるのが嫌
- 失敗したらどうしようと不安になる
授業参観で園のトイレの様子を見たとき、私も「これは息子にはハードルが高いかも」と感じました。
大人にとっては小さなことでも、子どもにとっては一大事。
水分をとらない=トイレに行きたくないという流れがあることに気づいたのは、大きな転機でした。
▶ 【発達が気になる子に】着替え・身支度が苦手な理由と楽しいサポート法
園で水分をとらない子に試した対策
▶ 【無料公開】水分補給の視覚支援カード|「水を飲まない子」に伝わりやすいイラスト集

ここからは、わが家で実際に試した工夫です。
1. 水筒の中身は家と同じにする
まず、水筒の中身は家で飲み慣れているものにしました。
新しい味や、園用に変えた飲み物は避けました。
わが家では、家で飲んでいる麦茶や水をそのまま入れるようにしました。
「いつもの味」という安心感は大きかったです。
2. 飲むタイミングを決めてもらう
遊びに夢中になると、水分補給を忘れてしまうこともあります。
そこで先生に、
「外遊びの前に一口」
「給食の前に一口」
「帰りの準備前に一口」
のように、タイミングを決めて声をかけてもらいました。
「好きなときに飲んでね」だけだと難しい子もいます。
決まったタイミングがあると、動きやすくなりました。
3. 小さめの水筒に変える
大きな水筒だと、本人にとっては「全部飲まなきゃ」というプレッシャーになっていたようです。
小さめの水筒に変えると、飲めた量が分かりやすくなりました。
少し減っただけでも、
「今日はここまで飲めたね」
と褒めやすくなり、自信につながりました。
4. コップで少量ずつ飲ませてもらう
あとから分かったのですが、息子は先生の前で飲んだふりをしていたことがありました。
そこで、先生に事情を伝えて、給食の時間などにコップで少量ずつ飲ませてもらいました。
最初は一口だけでも十分。
「飲めた」という経験を積むことを大切にしました。
5. 「トイレは自由に行ける」と共有する
水分をとらない背景にトイレ不安があったので、先生にも共有しました。
先生から本人に、
「飲んでも大丈夫だよ」
「トイレに行きたくなったら、いつでも言っていいよ」
と伝えてもらいました。
家庭だけで言うより、園の先生から言ってもらえたことが安心につながったようです。
▶ 子どもの不器用さはDCDかも?発達性協調運動症の特徴と家庭でできる支援【体験談あり】
給食を食べない子に試した対策
▶ 【無料公開】【給食・お弁当を残してしまう子に】食べられた!ステップアップ表|半分→8割→完食を見える化
▶ 【無料公開】【給食の牛乳を飲まない子に】牛乳のよさが伝わる視覚支援カード
▶ 【小1】給食が苦手な子へ|食べられない・時間内に終わらないときの家庭と学校の工夫

給食についても、無理に食べさせるより、食べられた経験を増やすことを大切にしました。
1. 家と同じスプーンを持たせる
家で使っているスプーンを持たせると、少し安心して口をつけやすくなりました。
道具が変わるだけで食べにくくなる子もいます。
「食べ物」だけでなく、スプーン・箸・お弁当箱などの道具も見直してよかったです。
2. 最初の目標は「ひと口だけ」
最初から完食を目標にすると、親子とも苦しくなります。
わが家では、
「ひと口だけ」
「好きなものだけ」
「においをかぐだけでもOK」
くらいの小さな目標にしました。
ほんの少しでも挑戦できたら、先生と一緒に褒めてもらいました。
3. 好きなものから食べる
苦手なものから食べると、食事全体が嫌になってしまいます。
まずは好きなものからでOKにしました。
「食べられた」
「給食の時間が嫌じゃなかった」
という経験を優先しました。
4. ご褒美シールを見直した
食べられた日は、シールを貼るようにしました。
ただ、最初はあまり効果がありませんでした。
そこで、本人が本当に好きなキャラクターや、大きめのシールに変えたところ、やる気がアップ。
「今日は食べる!」
と自分から挑戦する日も出てきました。
ご褒美は、ただ用意するだけでなく、本人が本当にうれしいものにすることが大事だと感じました。
5. お弁当の日は小さなお弁当箱にする
お弁当の日は、あえて小さめのお弁当箱にしました。
量を減らして、完食できる経験を作るためです。
全部食べられると、本人もニコニコ。
「食べきれた」という達成感は、次の自信につながりました。
▶ 幼稚園生活でよくある困りごととサポート方法|発達検査の結果と息子の体験談
後日談|給食が変わったら食べられるように
年長から、園の給食が仕出し弁当から園内調理の給食に変わりました。
すると、びっくりするほど食べられるようになりました。
温かいこと。
においが自然なこと。
作りたてに近いこと。
これだけで、こんなに違うのかと驚きました。
この経験から、給食を食べない理由は、本人の努力不足ではなく、食事の温度・におい・環境が大きく関係することもあると実感しました。
園の先生に伝えてよかったこと
親だけで抱え込むより、先生と共有した方が進みやすかったです。
伝えてよかったのは、次のようなことです。
- 家では何を飲めるか
- どのタイミングなら飲みやすいか
- トイレへの不安があること
- どんな食べ物なら口にしやすいか
- 家で使っているスプーンやお弁当箱
- 褒めるときに効果がある言葉
- 無理強いすると逆に固まりやすいこと
先生にお願いするときは、
「飲ませてください」
「食べさせてください」
よりも、
「こうすると飲みやすいです」
「この方法なら挑戦しやすいです」
と具体的に伝えると、園でも対応しやすいと感じました。
よくある質問
家では飲めるのに、園では飲めないのはなぜ?
環境の違い、緊張、トイレ不安、タイミングの分かりにくさなどが関係していることがあります。
水分不足や熱中症が心配です。どうすればいい?
園に水筒の減り具合を確認してもらい、飲みやすいタイミングを共有すると安心です。暑い時期は特に早めに相談しましょう。
水筒の中身は何がいい?
家で飲み慣れている水やお茶がおすすめです。新しい味は避けた方が安心です。
無理にでも飲ませた方がいい?
無理強いは逆効果になることがあります。まずは一口、コップ一杯など、小さな成功を目指す方が続きやすいです。
給食を全然食べない日はどうすればいい?
お迎え後に軽食を用意しておくと安心です。園で食べられない分は、家庭で補えば大丈夫な日もあります。
偏食がひどい場合も園で改善できますか?
少しずつ改善する子もいます。ただし感覚過敏や強い不安がある場合は、園や専門家と相談しながら進めると安心です。
先生にどこまでお願いしていい?
「このスプーンなら食べやすい」「一口だけ声をかけてほしい」など、具体的なお願いなら共有しやすいです。
食べないことで他の子に迷惑をかけないか心配です。
心配な場合は、事前に先生と共有しておくと安心です。多くの先生は、子どもの個別の困りごととして理解してくれます。
家でできる練習はありますか?
小さなお弁当箱に少量詰めて食べる練習や、園と同じ時間帯に軽く食べる練習が役立つことがあります。
一口も飲まない・食べない日が続いたら?
園に相談し、必要に応じて小児科や発達相談につなげるのがおすすめです。体調や発達面の確認も大切です。
関連記事
- 幼稚園生活でよくある困りごととサポート方法|発達検査の結果と息子の体験談
- 発達検査は必要?吃音・幼稚園での困りごとから決断した理由とは
- 家庭でできる発達障害児の支援|感覚過敏・DCD・実行機能に効く療育法
- 子どもの不器用さが気になる?発達性協調運動症(DCD)の基礎知識
- 【発達が気になる子に】着替え・身支度が苦手な理由と楽しいサポート法
まとめ
幼稚園や保育園で水分をとらない、給食を食べないと、親は本当に心配になります。
でも、わが家の場合、その裏には、
- 感覚の敏感さ
- 園の環境への緊張
- トイレへの不安
- 失敗したくない気持ち
がありました。
園だけでなく家庭でも食べられるものが少ない場合は、食感・におい・見た目への敏感さや、食事に対する不安が関係していることもあります。
▶ 幼児がご飯を食べない理由と家庭でできる偏食対策では、食べられない背景の整理方法と、家庭で試せるスモールステップを紹介しています。
「飲まない」「食べない」だけを見ると困った行動に見えますが、理由が分かると対応も変わります。
大切なのは、
- 飲みやすい環境を作る
- 食べやすい道具を使う
- 一口から始める
- 園と家庭で同じ方向を見る
- 小さな成功を一緒に喜ぶ
ことでした。
今でも完璧ではありません。
でも、一口飲めた日、一口食べられた日、その小さな成長が本当にうれしかったです。
同じように悩んでいる方へ。
焦らなくて大丈夫です。
子どもには、子どもなりの理由があります。
その理由を一緒に見つけながら、少しずつ「できた」を増やしていけたら十分です。