はじめに|「また忘れたの?」と怒る前に知っておきたいこと
「体操服を忘れる」
「連絡帳を出さない」
「水筒を置いてくる」
「タオルやコップを持ち帰れない」
「ランドセルに入れたはずなのに、学校に持って行けていない」
子どもの忘れ物が多いと、親は本当に疲れますよね。
わが家の息子も、幼稚園の頃から忘れ物や入れ間違いが多くありました。
連絡帳を出し忘れる。
タオルやコップを置いてくる。
お友達のバッグに間違えて入れてしまう。
自分の物をどこに置いたか分からなくなる。
最初は私も、
「ちゃんと確認して」
「なんでまた忘れるの?」
「さっき言ったよね?」
と何度も声をかけていました。
でも、なかなか改善しませんでした。
調べたり、療育や園での様子を見たりするうちに、忘れ物の多さには、単なる不注意だけでなく、ワーキングメモリ、注意の切り替え、見通しの持ちにくさ、整理整頓の苦手さなどが関係していることがあると分かってきました。
ADHDのある子どもは、不注意・多動性・衝動性などの特性により、学校生活や家庭生活で困りごとが出やすいことがあります。発達障害教育推進センターでも、ADHDは不注意や衝動性、多動性が継続し、学校生活などに困難が生じる状態と説明されています。
参考:発達障害教育推進センター|注意欠如多動性障害(ADHD)
この記事では、忘れ物が多い子どもの原因と、家庭でできる対策・習慣づけの工夫を、わが家の体験談を交えて紹介します。
※本記事は筆者の体験をもとにした一般的な情報です。診断や治療を目的とするものではありません。困りごとが強い場合は、小児科・発達相談・学校・療育機関などにご相談ください。
この記事でわかること
- 忘れ物が多い子どもに考えられる理由
- ADHD・不注意タイプと忘れ物の関係
- 幼稚園・小学校で起こりやすい忘れ物例
- 家庭でできる忘れ物対策
- チェックリストや視覚支援の使い方
- 忘れたときの親の声かけ
- おすすめグッズ
忘れ物が多い子どもはなぜ?考えられる5つの理由
忘れ物が多い子どもを見ると、「だらしない」「ちゃんと聞いていない」と思ってしまうことがあります。
でも、子ども本人も困っていることがあります。
ここでは、忘れ物が起こりやすい理由を5つに分けて見ていきます。
1. ワーキングメモリが弱く、覚えておけない
ワーキングメモリとは、今やっていることを頭に置きながら、次の行動を進める力のことです。
たとえば、
「帰りの準備をする」
「タオルをカバンに入れる」
「連絡帳を出す」
「水筒を持つ」
という複数の手順を、頭の中で覚えながら行動する必要があります。
この力が弱いと、途中で別の刺激が入ったときに、次にすることが抜け落ちやすくなります。
よくある行動例
- 着替えたあと、体操服をしまい忘れる
- 連絡帳を出す前に友達と話し始めて忘れる
- 水筒を手に持つつもりが、別のことに気を取られる
- 「持って帰る」と思っていたのに、帰る頃には忘れている
わが家の体験
息子も、帰りの準備で何か一つはできても、次の行動につながらないことがありました。
「タオルは入れたけど、コップは忘れた」
「連絡帳は出したけど、水筒は置いてきた」
という感じです。
本人はふざけているわけではなく、途中で手順が抜けてしまっていたのだと思います。
2. 注意の切り替えが難しい
忘れ物が多い子は、目の前のことに注意が向くと、別のことへ切り替えるのが苦手な場合があります。
先生に「帰る準備をしてね」と言われても、友達に話しかけられると、そちらに注意が向いてしまう。
ロッカーに行ったはずなのに、途中で掲示物やおもちゃが目に入り、目的を忘れてしまう。
こうしたことは珍しくありません。
よくある行動例
- 帰りの準備中に友達と話して忘れる
- ロッカーに行ったのに、別のものを見て目的を忘れる
- 先生の声かけより、周りの動きが気になる
- 準備の途中で遊び始める
発達障害ナビポータルでは、ADHDのある子どもは不注意や衝動性・多動性の状態を示すことがあり、特性に応じた支援が必要だと説明されています。
参考:発達障害ナビポータル|ADHDのある子どもの指導・支援
3. 目の前にない物を思い出しにくい
子どもは、目に見えているものには気づきやすい一方で、机の中・ロッカーの奥・棚の中など、見えない場所にある物を思い出すのが苦手なことがあります。
特に、発達特性がある子は「見えていない物」を頭の中でイメージして確認するのが難しい場合があります。
よくある行動例
- 机の中の連絡帳を忘れる
- ロッカーに入れた上着を忘れる
- 棚の奥に置いたタオルを忘れる
- ランドセルの別ポケットに入れた物を忘れる
わが家の体験
息子は、目の前にある物は気づけても、ロッカーやバッグの中に入っている物を思い出すのが苦手でした。
「ここに入れたよね」と言っても、本人の中ではもう意識から消えているような感じでした。
だからこそ、「見える場所に置く」「写真で確認する」「チェックリストで思い出す」という工夫が必要でした。
4. 物の置き場所が決まっていない
忘れ物が多い子は、物の定位置があいまいだと、どこに置いたか分からなくなりやすいです。
大人でも、毎回違う場所に鍵を置いていたら探しますよね。
子どもならなおさらです。
よくある行動例
- ハンカチをポケットに入れたり、カバンに入れたり、毎回場所が違う
- 連絡帳の入れる場所が決まっていない
- 水筒を玄関に置いたり、リビングに置いたりする
- 学校用品が家のあちこちにある
対策のポイント
忘れ物を減らすには、「毎回同じ場所に置く」仕組みが大切です。
- 連絡帳はランドセルの前ポケット
- ハンカチは玄関横のカゴ
- 水筒はキッチン横
- 給食袋はランドセル横のフック
- 翌日の持ち物は1つの箱にまとめる
このように、物の住所を決めると、子どもも確認しやすくなります。
5. 「忘れたら困る」がまだ実感しにくい
幼児や低学年の子は、忘れ物をしたときの困り感をまだ十分にイメージできないことがあります。
「忘れたら明日困る」
「先生に出せない」
「体育で着替えられない」
という先の見通しが弱いと、持ち物確認の必要性が分かりにくいのです。
だからといって、強く叱って分からせる必要はありません。
「忘れないための仕組み」と「忘れたときにどうするか」をセットで教えていくことが大切です。
忘れ物が多い子どもへの家庭でできる対策7つ
ここからは、家庭で取り入れやすい忘れ物対策を紹介します。
対策1|持ち物チェックリストを作る

忘れ物対策の基本は、チェックリストです。
ただし、文字だけのリストでは分かりにくい子もいます。
幼児や低学年の場合は、イラストや写真を使うと確認しやすくなります。
チェックリスト例
- 連絡帳
- 筆箱
- ハンカチ
- ティッシュ
- 水筒
- 給食袋
- 体操服
- タオル
- コップ
- 宿題
作るときのポイント
- 文字だけでなくイラストや写真を入れる
- 毎日使う物と曜日で違う物を分ける
- 玄関やランドセル置き場に貼る
- 子どもが自分でチェックできる高さに貼る
- チェックできたらシールやマグネットを動かす
わが家の体験
息子は、口で「連絡帳持った?」と聞くだけでは忘れることがありました。
でも、絵や写真で見せると「あ、これだ」と思い出しやすくなりました。
大人が何度も言うよりも、チェックリストに確認してもらうほうが、お互いにイライラしにくかったです。
対策2|持ち物の置き場所を固定する

忘れ物が多い子には、「物の住所」を決めることが大切です。
家で決めたい置き場所
| 物 | おすすめの置き場所 |
|---|---|
| ランドセル | 玄関近く・学用品コーナー |
| 連絡帳 | ランドセルの決まったポケット |
| ハンカチ | 玄関横のカゴ |
| 給食袋 | ランドセル横のフック |
| 水筒 | キッチンの決まった場所 |
| 宿題 | 連絡袋の中 |
| 明日の持ち物 | ひとまとめボックス |
「置き場所を決める」と聞くと簡単そうですが、毎日同じ場所に戻すには、親のサポートも必要です。
最初は一緒に戻して、慣れてきたら子どもに任せる流れがおすすめです。
対策3|前日の夜に準備する
朝は、親も子どももバタバタします。
ADHD傾向や不注意がある子は、朝の忙しい時間に確認しようとすると、抜けやすくなります。
そのため、前日の夜に準備を済ませるのがおすすめです。
夜の準備ルーティン
- 明日の予定を確認する
- 必要な持ち物を出す
- ランドセルに入れる
- 玄関に置く
- 最後にチェックリストを見る
声かけ例
「明日は体育があるね。体操服を入れよう」
「水筒は朝入れるから、ここに置いておこう」
「チェックリストを見て、あと何があるかな?」
「ここまでできたら明日の朝ラクだね」
朝の負担を減らすことは、親子のイライラ予防にもなります。
対策4|帰宅後すぐにカバンを確認する
忘れ物対策は、出発前だけでなく「帰宅後」も大切です。
帰宅後すぐにカバンを確認すると、学校や園に置いてきた物に気づきやすくなります。
帰宅後チェック
- 連絡帳はある?
- 宿題は入っている?
- 水筒は持ち帰った?
- 給食袋はある?
- 体操服は持って帰った?
- プリントは入っている?
わが家の体験
幼稚園の頃、息子は連絡帳やタオルを持ち帰れないことがありました。
帰宅後にすぐ確認するようにすると、「今日はないね」「園に置いてきたかも」と早めに気づけるようになりました。
忘れたことを責めるためではなく、次にどうするかを考えるための確認です。
対策5|遊び感覚で「持ち物チェックゲーム」にする
忘れ物対策を「注意」だけで続けると、親子ともに疲れてしまいます。
そこで、遊び感覚を入れるのもおすすめです。
持ち物チェックゲーム例
- 「今日の持ち物クイズ」
- 「ランドセル探偵」
- 「忘れ物ゼロミッション」
- 「3つ持てたらクリア」
- 「ママがわざと間違えるから見つけてね」
声かけ例
「今日のミッションは、連絡帳・水筒・ハンカチです」
「探偵さん、忘れ物がないか調べてください」
「ママが何か忘れてるかも。見つけられる?」
「チェック完了。出発できるね」
子どもが楽しんで確認できると、習慣化しやすくなります。
対策6|忘れたときのルールを決めておく
忘れ物をゼロにすることだけを目標にすると、親子で苦しくなります。
大切なのは、忘れたときにどうするかも決めておくことです。
忘れたときのルール例
- 先生に伝える
- 予備を使う
- 家に帰ってから一緒に確認する
- 次の日に持って行く
- 「次はどうするか」を一緒に考える
避けたい声かけ
「なんで忘れたの?」
「何回言ったら分かるの?」
「また?」
「ちゃんとして」
伝えたい声かけ
「忘れちゃったんだね。次はどうしたらいいかな?」
「どこで気づけたらよかったかな?」
「明日はチェックリストを一緒に見よう」
「忘れても、次の方法を考えれば大丈夫」
忘れ物をしたときこそ、責めるよりも次の行動につなげるチャンスです。
対策7|園や学校と連携する

忘れ物が多い子は、家庭だけで頑張るより、園や学校と連携したほうがうまくいくことがあります。
先生にお願いできること
- 帰りの準備前に一言声をかけてもらう
- クラス全体で持ち物確認タイムを作ってもらう
- ロッカーにチェックカードを貼る
- 連絡帳の置き場所を固定する
- 忘れ物が続く物を共有してもらう
先生への伝え方例
家庭でも忘れ物対策をしているのですが、帰りの準備で持ち帰り忘れが多いです。
本人はわざとではなく、途中で気がそれると忘れてしまうようです。
もし可能であれば、帰りの準備のときに
「チェックカードを見てね」
と一言声をかけていただけると助かります。
家庭でも同じ声かけで練習します。
ポイントは、「先生に丸投げする」のではなく、家庭でも同じ方法を使うと伝えることです。
忘れ物対策に使いやすいグッズ
収益化を狙うなら、忘れ物対策の記事は商品リンクを入れやすいです。
ただし、商品を押し売りするより、「こういう困りごとにはこの道具が使いやすい」という流れにすると自然です。
1. チェックリストボード
朝の準備やランドセル確認に使えます。
導入文例:
「毎朝の持ち物確認が口頭だけでは抜けやすい子には、マグネット式のチェックリストボードがあると、自分で確認しやすくなります。」
2. ランドセル用チェックタグ
ランドセルに付けておくと、出発前に確認しやすいです。
3. 収納ボックス・学用品ラック
学用品を1か所にまとめることで、探し物や忘れ物を減らしやすくなります。
4. ラベルシール・写真ラベル
文字だけでは分かりにくい子には、写真やイラストのラベルがおすすめです。
5. 連絡袋・プリント管理ファイル
プリントや連絡帳が迷子になりやすい子に向いています。
困りごと別|忘れ物対策早見表
| 困りごと | 原因の例 | 対策 |
|---|---|---|
| 水筒を忘れる | 手に持つタイミングが決まっていない | 玄関横に置き場所を固定 |
| 連絡帳を出さない | カバンの中で見えない | 透明の連絡袋に入れる |
| ハンカチを忘れる | 朝の確認項目に入っていない | 玄関にハンカチカゴを置く |
| 体操服を忘れる | 曜日の予定が分かりにくい | カレンダーに体育マーク |
| プリントを出さない | 親に渡す流れがない | 帰宅後すぐ「出す箱」へ |
| 園に置き忘れる | 帰りの手順が多い | ロッカーにチェックカード |
| 持ち物が見つからない | 定位置がない | 学用品ラックを作る |
よくある質問
忘れ物が多いのは発達障害ですか?
必ずしも発達障害とは限りません。
ただし、ADHDやASDなどの発達特性がある子は、ワーキングメモリ、注意の切り替え、整理整頓、見通しの持ちにくさなどが関係して、忘れ物が多くなることがあります。
困りごとが強い場合は、発達相談や小児科に相談すると安心です。
忘れ物が多い子を叱ると直りますか?
叱るだけでは改善しにくいことがあります。
忘れ物が多い子には、「忘れないように頑張る」よりも、「忘れにくい仕組み」を作ることが大切です。
チェックリスト、置き場所の固定、前日準備などを試してみましょう。
小学生になれば自然に忘れ物は減りますか?
成長とともに減る子もいます。
ただし、忘れ物が多くて本人が困っている場合は、早めに仕組みを作っておくと安心です。
特に小学校では、教科書・宿題・水筒・体操服・給食袋など持ち物が増えるため、家庭での準備ルーティンが役立ちます。
チェックリストは文字とイラストのどちらがいいですか?
子どもの年齢や理解に合わせて選びます。
幼児や低学年は、イラストや写真入りがおすすめです。
文字が読める子でも、写真があると直感的に分かりやすくなります。
先生に協力をお願いしてもいいですか?
お願いして大丈夫です。
ただし、「毎回全部確認してください」ではなく、「チェックカードを見る声かけをお願いできますか?」のように、先生の負担が少ない形で相談すると伝えやすいです。
忘れ物防止グッズは効果がありますか?
子どもに合えば役立ちます。
ただし、グッズを買うだけではなく、使う場所・使うタイミング・確認する流れを決めることが大切です。
忘れ物をした日に親はどう対応すればいいですか?
まずは責めずに、状況を確認します。
「どこで忘れたと思う?」
「次はどこでチェックできそう?」
「明日は一緒にリストを見よう」
と、次の対策につなげる声かけがおすすめです。
兄弟で忘れ物の多さが違います。性格の違いですか?
性格だけではなく、注意の向きやすさ、ワーキングメモリ、整理整頓の得意不得意などの違いが関係していることがあります。
同じ声かけでうまくいかない場合は、その子に合う仕組みを作ることが大切です。
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まとめ|忘れ物は「叱る」より「仕組み」で減らす
忘れ物が多い子どもには、本人なりの理由があることがあります。
- ワーキングメモリが弱い
- 注意の切り替えが難しい
- 見えない物を思い出しにくい
- 置き場所が決まっていない
- 忘れたときの困り感がイメージしにくい
だからこそ、大切なのは「ちゃんとして」と叱ることではなく、忘れにくい仕組みを作ることです。
家庭でできる対策は、次の7つです。
- 持ち物チェックリストを作る
- 持ち物の置き場所を固定する
- 前日の夜に準備する
- 帰宅後すぐにカバンを確認する
- 持ち物チェックをゲームにする
- 忘れたときのルールを決める
- 園や学校と連携する
忘れ物ゼロをいきなり目指さなくて大丈夫です。
「昨日より1つ思い出せた」
「チェックリストを見られた」
「忘れても次の方法を考えられた」
そんな小さな一歩が、子どもの自信につながります。
親子で焦らず、忘れにくい仕組みを一緒に作っていきましょう。