視覚支援

【無料公開】【話を順番に伝えるのが苦手な子に】おはなし上手になる視覚支援カード|話す力が育つ幼児・小学生向け

お話上手になる視覚支援カード

はじめに

「今日、学校で何があったの?」

と聞いても、

「えっとね、それでね。」

と、途中から別の話になってしまう。

「誰と?」

「どこで?」

「何をしたの?」

と何度も聞かないと、出来事がよく分からない。

そんなことはありませんか?

幼児から小学校低学年頃は、語彙が増え、話したいこともどんどん増えていく時期です。

しかし、

思いついたことから話し始める
話す順番が前後する
「いつ・どこ・だれ」が抜ける
一番伝えたいことが分からなくなる
途中で別の話題に変わる

ということも珍しくありません。

話したい気持ちはあるのに、出来事を相手に伝わる順番で話すことが難しい子もいます。

我が家の息子も、学校であったことを楽しそうに話してくれるのですが、

「それは今日の話?」

「学校?家?」

「誰としたの?」

と聞き返すことがよくありました。

そこで作ったのが、

「おはなしじょうずカード」と「今日のニュースカード」

です。

「いつ?」

「どこ?」

「だれが?」

「なにをした?」

「どう思った?」

をイラストで確認しながら、相手に分かりやすく話す練習ができます。

なぜ話を順番に伝えるのが難しいの?

話を順番に伝えるためには、頭の中でいくつものことを整理する必要があります。

例えば、

  • 何について話すのかを決める
  • 出来事を思い出す
  • 必要な情報を選ぶ
  • 話す順番に並べる
  • 相手が知らないことを補う
  • 言葉にして伝える

といった力が必要です。

大人には簡単に見えても、幼児や小学校低学年の子どもにとっては、意外と複雑な作業です。

子どもの頭の中では、

学校

友達

休み時間

昨日遊んだゲーム

ゲームに出てきたキャラクター

というように、思い出したことが次々につながる場合があります。

本人の中ではつながっていても、聞いている人には、

「急にゲームの話になった?」

「今はいつの話?」

と分かりにくくなってしまいます。

これは、必ずしも話す力がないということではありません。

頭の中にある出来事を、相手に伝わる順番に並べる力が育っている途中なのです。

視覚的な手がかりがあると話しやすい子もいます

子どもに、

「最初から順番に話して」

「もっと分かりやすく話して」

と言っても、何をどう直せばよいのか分からないことがあります。

そんなときは、言葉だけで説明するよりも、

  • イラスト
  • 写真
  • カード
  • 矢印
  • 話す順番の一覧

など、目で確認できる手がかりが役立つことがあります。

イラストを見ることで、

「次は何を話そう」

が分かりやすくなり、安心して話せる子もいます。

カードを見ながら、

「次は『どこ?』を話すんだ」

「最後は気持ちを言うんだ」

と確認できるため、話の途中で迷いにくくなります。

視覚的な情報が分かりやすいお子さんだけでなく、

話し方をこれから身につける幼児や小学校低学年にも使いやすい方法です。

視覚支援カード①

「おはなしじょうずカード」

「おはなしじょうずカード」は、話す内容を一つずつ整理するためのカードです。

カードでは、次の順番で考えます。

① なにの話?

まず、何について話すのかを決めます。

例えば、

  • 学校の話
  • 家の話
  • ゲームの話
  • 公園の話

などです。

最初に話題を伝えると、聞く人が内容をイメージしやすくなります。

「学校の話なんだけどね」

と一言付けるだけでも、話が伝わりやすくなります。

② いつ?

出来事が起きた時間を伝えます。

  • 今日
  • 昨日
  • さっき
  • 帰り
  • 明日

などです。

「いつ」が分かると、聞く人が出来事を整理しやすくなります。

③ どこ?

出来事が起きた場所を伝えます。

  • 学校
  • 公園
  • お店
  • 教室
  • 校庭

などです。

④ だれが?

誰が登場する話なのかを伝えます。

  • ぼく・わたし
  • 友達
  • 先生
  • 家族

などです。

⑤ なにをした?

起きた出来事や行動を伝えます。

  • 遊んだ
  • 勉強した
  • 食べた
  • 作った
  • 運動した

などです。

⑥ どう思った?

最後に、自分の気持ちを伝えます。

  • 楽しかった
  • びっくりした
  • 悲しかった
  • 悔しかった
  • うれしかった

気持ちまで話せると、聞く人にもその出来事の大切さが伝わりやすくなります。

「おはなしじょうずカード」の視覚支援カード

おはなし上手視覚支援カード

カードを上から順番に指さしながら使うと、子どもも次に何を話せばよいのか確認しやすくなります。

視覚支援カード②

「今日のニュースカード」

「今日のニュースカード」は、今日あった出来事をニュース番組のように発表するカードです。

テレビのニュースキャスターになったつもりで、

① どこで?

② だれが?

③ なにをした?

④ どう思った?

の順番で話します。

例えば、

今日のニュースです。
学校で、
友達と、
ドッジボールをしました。
勝ててうれしかったです。

というように話します。

「今日のニュースです!」

と最初に言うだけで、いつもの会話が遊びに変わります。

話すことに緊張しやすい子も、ニュースごっことして取り組むことで、楽しく話せる場合があります。

「今日のニュースカード」の視覚支援カード

今日のニュースカード(男の子)

今日のニュース視覚支援カード(女の子)

ニュースキャスターになりきって話すことで、楽しく続けやすくなります。

毎日必ず行う必要はありません。

学校で楽しいことがあった日や、話したい出来事がある日に、1分ほど取り組むだけでも十分です。

2枚のカードの違い

「おはなしじょうずカード」と「今日のニュースカード」は、似ていますが役割が少し違います。

おはなしじょうずカード

話す前に、

  • 何の話か
  • いつ
  • どこ
  • だれ
  • 何をした
  • どう思った

を一つずつ整理するカードです。

日常会話だけでなく、日記や作文、出来事の説明にもつながります。

今日のニュースカード

今日あった出来事を、短くまとめて発表するカードです。

人前で話す練習や、朝の会のスピーチ、家庭でのニュースごっこに向いています。

最初は「おはなしじょうずカード」で内容を整理し、慣れてきたら「今日のニュースカード」で発表する流れがおすすめです。

使い方

① 話したいテーマを決める

まずは、

「今日は何の話にする?」

と聞きます。

学校、家、公園、ゲームなど、子どもが話したい内容を選びます。

大人が話題を決めるよりも、子ども自身が話したいことを選ぶ方が取り組みやすくなります。

② カードを上から順番に見る

一つずつ、

「いつ?」

「どこ?」

「誰と?」

と確認します。

すべてに答えられなくても大丈夫です。

最初は、

  • どこ
  • だれ
  • 何をした

の3つだけでも十分です。

③ 一つの文章につなげる

カードで確認した内容を、短い文章につなげます。

例えば、

今日、学校で、友達と鬼ごっこをしました。楽しかったです。

という形です。

④ 今日のニュースとして発表する

話が整理できたら、

今日のニュースです!

と言って発表します。

家族が拍手をしたり、

「分かりやすかったよ」

「最後まで話せたね」

「誰と遊んだか分かったよ」

と具体的に褒めたりすると、子どもの自信につながります。

家でできる「今日のニュースごっこ」

家庭では、1日1分程度のニュースごっこがおすすめです。

親が、

「今日のニュースをお願いします!」

と声をかけます。

子どもはカードを見ながら、

「学校で、友達と、ドッジボールをしました。楽しかったです」

と話します。

話し終わったら、

「学校で友達と遊んだことがよく分かったよ」

と、伝わった部分を具体的に伝えます。

うまく話せなかったところを指摘するよりも、

伝わったところを見つけて褒めることが大切です。

話すときのポイント

全部答えさせようとしない

全部言えなくても成功です。

毎回すべての項目を話す必要はありません。

子どもの年齢や発達に合わせて、最初は2〜3項目から始めます。

例えば、

どこで?
誰と?
何をした?

だけでも、十分に伝わる話になります。

話を途中で直しすぎない

話している途中で、

「違うでしょ」

「最初から話して」

と何度も止めると、話すこと自体が嫌になる場合があります。

まずは最後まで聞き、そのあとで、

「学校の話だったんだね」
「次は最初に『学校の話』って言ってみようか」

と短く伝えるのがおすすめです。

親もお手本を見せる

子どもだけに話してもらうのではなく、大人もカードを使って話します。

例えば、

今日、スーパーで、お菓子を買いました。新しい味でおいしかったです。

と話すと、子どももカードの使い方をイメージしやすくなります。

我が家で感じたこと

我が家でも、以前は、

「えっ、いつの話?」

「それは学校?」

「誰としたの?」

と、何度も聞き返すことがありました。

本人は楽しそうに話しているのですが、頭の中にある場面をそのまま話すため、聞く側には分かりにくかったのだと思います。

そこで、カードを見ながら、

「何の話?」

「どこで?」

「誰と?」

と一つずつ確認するようにしました。

すると少しずつ、

「今日は学校の話」
「休み時間に友達と遊んだ」
「楽しかった」

と、順番に話せることが増えてきました。

特に「今日のニュースです!」と言うニュースごっこは、遊びのように取り組めるため、本人も楽しそうでした。

話す内容を厳しく直すよりも、伝わるための目印を一緒に確認することが、我が家の息子には分かりやすかったようです。

よくある質問

幼児でも使えますか?

はい。

言葉が増えてくる年中・年長頃から取り組みやすい内容です。

文字が読めない場合は、イラストを指さしながら、

「どこ?」

「誰?」

と大人が短く質問してください。

小学校1年生には難しくありませんか?

難しくありません。

小学1年生では、国語や生活科、朝の会などで、自分の経験を話す機会が増えていきます。

すべてを一度に話すのが難しい場合は、「どこ・だれ・何をした」の3項目から始めると取り組みやすくなります。

話が飛びやすい子にも使えますか?

はい。

話題が途中で変わりやすい子にもおすすめです。

最初に「学校の話」「ゲームの話」とテーマを決め、カードを上から順番に確認することで、今話している内容を意識しやすくなります。

会話が少ない子にも使えますか?

はい。

「何を話せばいいか分からない」という子でも、カードのイラストから話題を選べます。

無理に長く話させず、

「公園で遊んだ」
「楽しかった」

など、短い言葉から始めてください。

毎日練習した方がいいですか?

毎日必ず取り組む必要はありません。

1回1〜3分程度を目安に、話したい出来事があるときに使うだけでも十分です。

長時間練習するより、日常会話の中で楽しく繰り返すことが大切です。

支援級でも使えますか?

はい。

朝の会、自立活動、国語、個別学習、コミュニケーション活動などで活用できます。

話す順番を目で確認できるため、人前で話すことに不安がある子の手がかりにもなります。

通常学級でも使えますか?

はい。

朝のスピーチ、日直の発表、国語の「話す・聞く」の学習などで使えます。

クラス全員で使うことで、特定の子だけが使う支援ではなく、みんなに分かりやすい学習カードとして活用できます。

作文や日記の練習にもなりますか?

はい。

話す内容を整理できるようになると、文章を書くときにも、

  • いつ
  • どこで
  • 誰と
  • 何をした
  • どう思った

を考えやすくなります。

話した内容をそのまま書くことで、作文や日記の土台になります。

子どもがカードを嫌がるときはどうすればいいですか?

無理に使わせなくても大丈夫です。

大人がカードを使ってお手本を見せたり、ニュースキャスターごっこにしたりすると、興味を持つことがあります。

「練習しよう」ではなく、

「ニュースをお願いします!」

と遊びとして誘うのがおすすめです。

うまく話せなかったときはどう声をかければいいですか?

できなかった部分を指摘するよりも、伝わった部分を具体的に褒めます。

例えば、

「学校の話だと分かったよ」
「誰と遊んだか伝わったよ」
「楽しかった気持ちが分かったよ」

という声かけがおすすめです。

まとめ

話を順番に伝えるためには、

  • 何について話すのか
  • いつの出来事なのか
  • どこで起きたのか
  • 誰がいたのか
  • 何をしたのか
  • どう思ったのか

を頭の中で整理する必要があります。

幼児や小学校低学年にとっては、簡単なことではありません。

だからこそ、

「おはなしじょうずカード」

で話す内容を整理し、

「今日のニュースカード」

で短く発表することで、遊びながら相手に伝わる話し方を練習できます。

話したいという気持ちは、その子の大切な力です。

その力を、「伝わる話し方」に育てていくために、

おはなしじょうずカードと今日のニュースカードをぜひ活用してみてください。

うまく話せない部分を直すことだけに目を向けるのではなく、

「話したい」

「伝えたい」

という気持ちを大切にしながら、少しずつおはなし上手を目指していきましょう。

ぜひ、ご家庭や学校で活用してみてください。

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  • この記事を書いた人

しょうがなすこさん

はじめまして🌼「しょうがなすこ」と申します。 私は、2歳と4歳の発達障害の息子を育てているママです。 児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、現役保育士監修のもと、発達に特性のあるお子さんとの向き合い方や、日々の悩みに寄り添う情報をこのブログで発信しています。 「ことばがゆっくり」「感覚に敏感」「お友だちとの関わりがむずかしい」そんな日々のちょっとした困りごとに、私自身もたくさん向き合ってきました。 このブログでは、🔸わが子のリアルなエピソード🔸家庭でできる関わりの工夫🔸ママの心がふっと軽くなるヒントなどをお届けしています。 🍀「私だけじゃないんだ」そう思える場所が、ここで見つかりますように。どうぞ、気軽に読んでいってください☺️

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