はじめに
「8は、あといくつで10?」
と聞くと、指を使って一つずつ数えている。
「7と何を足したら10になる?」
と聞かれると、なかなか答えが出てこない。
繰り上がりの足し算になると、急に難しく感じてしまう。
そんなことはありませんか?
小学1年生の算数では、
1と9
2と8
3と7
4と6
5と5
のような、合わせて10になる数の組み合わせがとても大切です。
例えば、
8+7
を計算するとき、
「8はあと2で10」という数の関係が分かっていると、
7を「2と5」に分ける
↓
8+2=10
↓
10+5=15
と考えやすくなります。
そこで今回は、
「あといくつで10?」ゲーム
で、楽しみながら10になる数の組み合わせを覚える方法をご紹介します。
記事内では、家庭で使える「あといくつで10?」視覚支援カードを無料公開しています。
「計算問題をたくさん解くのは嫌がる」というお子さんも、まずはゲーム感覚で「10のなかよしペア」を覚えてみましょう。
「あといくつで10?」ゲームとは?

やり方はとても簡単です。
保護者が、
「8!」
と言ったら、
子どもが、
「2!」
と答えます。
なぜなら、
8+2=10
だからです。
同じように、
「6!」→「4!」
「3!」→「7!」
と答えていきます。
覚えたいのは、次の5つの組み合わせです。
10のなかよしペア
1と9
2と8
3と7
4と6
5と5
この記事では、合わせて10になる数の組み合わせを、子どもにも親しみやすいように「10のなかよしペア」と呼んでいます。
まずは、この5つのペアを覚えていきましょう。
どちらからでも答えられるようにしよう
10のペアを覚えるときに大切なのが、
どちらから聞かれても答えられること
です。
例えば、
1 → あと9で10
だけではなく、
9 → あと1で10
も答えられるようにします。
同じように、
2 → あと8
8 → あと2
3 → あと7
7 → あと3
4 → あと6
6 → あと4
5 → あと5
です。
「1と9」という言葉だけを暗記するのではなく、
「9を見たら1」
「1を見たら9」
と、少しずつ数とペアが結びつくことを目指します。
最初からすぐに答えられなくても大丈夫です。
具体物や視覚支援カードを使いながら、「合わせると10になる」という数の関係を理解していきましょう。
10個のマスで「あといくつ?」を目で確認

言葉だけでは分かりにくい場合は、数字と量を一緒に見せる方法もおすすめです。
例えば、10個分のマスに8個の丸が入っていれば、空いているマスは2個。
「8は、あと2で10」
という関係を目で確認できます。
「今いくつある?」
「空いているところはいくつ?」
と確認すると、「あといくつ」の意味も捉えやすくなります。
「あといくつで10?」ゲームのやり方
STEP1 まずは物を使って確認する
最初は数字だけで答えられなくても大丈夫です。
おはじき、ブロック、積み木などを10個用意します。
例えば、8個置いて、
「10個にするには、あといくつ?」
と聞きます。
残りの2個を置いて、
8+2=10
になることを確認します。
次は6個。
「あといくつで10?」
→ 4個。
実際に並べてみることで、
「あと4」という言葉と実際の量
がつながりやすくなります。
STEP2 視覚支援カードを見ながら答える
物を使って意味が分かってきたら、視覚支援カードを使います。
例えば、
「7は、あといくつで10?」
カードを見ながら、
「3!」
と答えます。
この段階では、カードを見て答えてOKです。
「見ないで答えよう」と急がず、何度も見ることで10の組み合わせに慣れていきます。
STEP3 数字だけで答える
慣れてきたら、カードを見ずに挑戦します。
保護者が数字を一つ言います。
「8!」
子どもは、
「2!」
と答えます。
最初は、
9 → 1
8 → 2
7 → 3
6 → 4
5 → 5
のように練習します。
慣れてきたら、順番をバラバラにして出してみましょう。
最初は1日5問程度でも十分です。
STEP4 逆向きも出してみよう
いつも、
9 → 1
だけではなく、
1 → 9
も出します。
例えば、
1 → 9
2 → 8
3 → 7
4 → 6
5 → 5
こうして両方向から繰り返すことで、
「3と7」「7と3」は同じペアという感覚が身につきやすくなります。
STEP5 ちょっとしたゲームにしてみよう
慣れてきたら、遊びにしてみましょう。
10のなかよしペアゲーム
保護者:
「6!」
子ども:
「4!」
正解したら1ポイント。
5ポイントたまったらクリアです。
他にも、
「今日は5問全部できるかな?」
「昨日より早く答えられるかな?」
など、ゲーム感覚で取り組むこともできます。
ただし、速さを競うことで焦ってしまう場合は、タイムを測る必要はありません。
まずは、
「自分で分かった!」
という経験を増やしていきましょう。
「あといくつで10?」が繰り上がりの足し算につながる
「あといくつで10?」を練習する大きな理由の一つが、繰り上がりのある足し算につながることです。
例えば、
8+7
を考えてみます。
まず、
「8は、あといくつで10?」
→ 2
が分かります。
そこで7を、
2と5
に分けます。
すると、
8+2=10
まず10を作ることができます。
残った5を足して、
10+5=15
答えは、
15
です。
つまり、
「8はあと2で10」という数の関係が分かっていると、
繰り上がり計算で「いくつを分ければ10を作れるのか」が分かりやすくなります。
さくらんぼ計算にもつながる
小学1年生では、繰り上がりの計算で「さくらんぼ計算」を使うことがあります。
例えば、
9+6
なら、
9はあと1で10。
そこで6を、
1と5
に分けます。
9+1=10
10+5=15
となります。
さくらんぼ計算で、
「どの数字に分ければいいの?」
と迷いやすい場合、
そもそも、
「9はあと1で10」
がすぐに出てこないことがあります。
そんなときは、繰り上がり問題を何問も繰り返す前に、
「あといくつで10?」
だけを取り出して練習してみるのも一つの方法です。
実は引き算にもつながる
「あといくつで10?」は足し算だけの練習ではありません。
10の組み合わせが分かると、
10-8=2
10-6=4
10-3=7
といった計算にもつながります。
例えば、
8+2=10
が分かっていれば、
10-8=2
10-2=8
という関係にも気づきやすくなります。
つまり、
8・2・10
を一つのまとまりとして理解することが、
足し算・引き算の両方の土台になります。
のちに繰り下がりのある引き算を学ぶときにも、10をもとに数を考える力が役立ちます。
1日何分くらいやればいい?
長時間練習する必要はありません。
おすすめは、
1日3分程度
です。
例えば、
① 10のなかよしペアを見る
②「あといくつで10?」を5問
③ できたら終了!
くらい。
毎日たくさんの計算問題を解くより、
短時間でも繰り返すこと
を大切にします。
「8!」と聞いた瞬間に、
「2!」
と答えられるようになってきたら、少しずつ定着してきたサインです。
繰り上がり計算は発展として、
繰り上がりの足し算をすでに学習している場合は、最後に1~2問取り入れてもOKです。
こんな子にもおすすめ
「あといくつで10?」ゲームは、
- 繰り上がりの計算で止まってしまう
- さくらんぼ計算で数字の分け方に迷う
- 指を使って一つずつ数えることが多い
- 10になる数の組み合わせがまだ定着していない
- 計算プリントを何枚もするのは嫌がる
- 数字だけより、目で見た方が理解しやすい
といったお子さんにも取り入れやすい方法です。
ただし、指を使って計算すること自体が悪いわけではありません。
指や具体物を使いながら、
「8と2で10なんだ」
という関係に気づき、少しずつ数字だけでも答えられるようになれば十分です。
無料公開|「あといくつで10?」視覚支援カード
今回は、家庭で取り組みやすいように、2種類の視覚支援カードを作りました。
①「10のなかよしペア」カード
1と9・2と8・3と7・4と6・5と5の、合わせて10になる5つの組み合わせを一覧で確認できます。
「1と9」「9と1」のように、どちらからでもペアを確認できるようにしています。

②「あといくつで10?」カード
1~9について、「あといくつで10になるか」を10個のマスと一緒に確認できます。
例えば、
1 → あと9
2 → あと8
3 → あと7
4 → あと6
5 → あと5
6 → あと4
7 → あと3
8 → あと2
9 → あと1
のように、数字だけでなく量を見ながら確認できます。

まずは「10のなかよしペア」カードで、合わせて10になる組み合わせを確認します。
慣れてきたら「あといくつで10?」カードを使って、
カードを見ながら答える
↓
カードを隠して答える
↓
数字を聞いただけで答える
と、少しずつステップアップしてみましょう。
最初からすぐに答えられなくても大丈夫です。
お子さんの理解に合わせて、繰り返し使ってみてください。
まとめ
小学1年生の繰り上がり計算では、
「10を作る」
という考え方が大切になります。
その土台になるのが、
「あといくつで10?」
です。
まず覚えたいのは、
1と9
2と8
3と7
4と6
5と5
の5つの「10のなかよしペア」。
最初から暗記できなくても大丈夫です。
物を使う
↓
視覚支援カードを見る
↓
数字だけで答える
↓
さくらんぼ計算・繰り上がり計算へ
と少しずつステップアップしていきましょう。
「8はあと2」「6はあと4」が少しずつ自然に出てくるようになれば、それが次の計算につながる一歩です。
計算問題をたくさん解く前に、まずは1日3分の「あといくつで10?」ゲームから。
親子で楽しく、10になる数の組み合わせに触れてみてください。