その他子育て系 視覚支援

【無料公開】絵を上手に描くコツ|「よく見る・描き足す」が分かる視覚支援カード【小学校低学年向け】

絵を上手に描くコツ視覚支援カード

はじめに

「人や木は描けるようになったけれど、なんだか絵が簡単に見える……。」

「いつも同じような人や木になってしまう。」

「『もう少し詳しく描いてみよう』と言っても、何を描き足せばいいのか分からない。」

そんなことはありませんか?

絵が苦手な子に、

「もっと上手に描いて。」

「もっと詳しく描いて。」

と言っても、何をどう変えればいいのか分からないことがあります。

そこで大切にしたいのが、

「よく見ること」

です。

よく見てみると、

「こんな形だった!」

「ここに模様がある!」

「こんな線が入っている!」

と、それまで気づかなかったものが見つかることがあります。

見つけたものを一つずつ絵に加えていくと、少しずつ「その子が見たもの・感じたことが伝わる絵」になっていきます。

この記事では、

「かたち」「もよう」「かず」「せん」「あと1つ」

の5つのポイントで、絵をよく見て描くための視覚支援カードを無料公開します。

幼児から小学校低学年頃まで、その子の描画の段階に合わせて活用してみてください。

「上手に描いて」だけでは分かりにくい

子どもが描いた絵を見て、

「もう少し詳しく描いてみたら?」

「よく見て描こう。」

と声をかけることがあります。

でも、

「詳しくって何?」

「どこを見ればいいの?」

となってしまう子もいます。

例えば、木を描くとします。

「木を描いて」と言われれば、

茶色の幹+緑の丸

で木を表現することができます。

もちろん、それでも立派な木です。

でも、実際の木をもう一度よく見てみると、

  • 幹から枝が伸びている
  • 幹に線や模様がある
  • 葉っぱにもいろいろな形がある
  • 太い枝と細い枝がある
  • 葉っぱの向きも同じではない

など、いろいろな発見があります。

その発見の中から、

「これも描いてみよう!」

と思ったものを一つ加える。

それだけでも、最初の絵とは少し違った絵になります。

大切なのは、

「上手に描くために正解を覚える」のではなく、「よく見て、自分で気づいたことを描いてみる」こと。

そのために、見るポイントを分かりやすくしてみます。

①「かたち」をよく見てみよう

最初のポイントは、です。

例えば「木」と聞くと、

「幹は長方形」

「葉っぱは大きな丸」

のように、自分が知っている木のイメージで描くことがあります。

そんなときは、本物や写真を見ながら、

「どんな形をしているかな?」

と観察してみます。

例えば、

木なら

  • 幹はまっすぐ?曲がっている?
  • 太い?細い?
  • 枝はどこから出ている?
  • 葉っぱは丸い?細長い?

せみなら

  • 体はどんな形?
  • 羽は長い?短い?
  • 頭とおなかでは形が違う?

花なら

  • 花びらは丸い?
  • 細長い?
  • 真ん中はどんな形?

といった具合です。

すべて正確に描く必要はありません。

「思っていた形と違った!」

という発見を一つ絵に加えるだけでもOKです。

子どもへの声かけ

「どんな形に見える?」

「丸いところはある?」

「長いところはどこかな?」

「こっちは太い?細い?」

など、具体的に聞いてみます。

②「もよう」を見つけよう

次は、模様を探します。

一見すると同じ色に見えるものでも、よく見ると小さな模様や特徴が隠れています。

例えば、

せみ

羽の中に細い線があります。

カブトムシ

体の部分によって形や表面の見え方が違います。

スイカ

緑色の中に、しま模様があります。

洋服

ボタン・ポケット・しま模様・文字などがついていることがあります。

虫取り網

網の部分には細かな網目があります。

最初の絵に、

「模様を一つ描き足す」

だけでも、そのものらしさが出てきます。

ここでも、

「全部描こう!」

とする必要はありません。

子どもへの声かけ

「もようは あるかな?」

と聞いてみます。

見つけたら、

「ここに線があるね。」

「しましまになってる!」

「ポケットがついてるね。」

など、一緒に発見してみます。

③「いくつある?」と見てみよう

3つ目は、です。

絵を描くときに、

「いくつあるかな?」

という視点で見てみます。

例えば花なら、

「花びらは何枚くらいある?」

虫なら、

「足はいくつ見える?」

人なら、

「手の指はいくつ見える?」

木なら、

「枝はいくつくらい見える?」

と観察してみます。

ただし、ここで大切なのは、

正確な数を描くことをゴールにしないことです。

「指は絶対5本!」

「花びらの数が違うよ!」

と正解探しにしてしまうと、描くこと自体が嫌になってしまうこともあります。

数える目的は、

「よく見たら、こんなものもあった!」

と気づくことです。

「今まで描かなかった枝を1本描いた。」

「虫の足にも気づいた。」

それだけでも十分です。

④「どんな せん?」を探してみよう

絵の中には、いろいろながあります。

例えば、

木の幹

まっすぐな線だけでなく、曲がった線や細い線が見えることがあります。

波のような線があります。

髪の毛

髪が流れている方向があります。

長い線、短い線、曲がった線があります。

せみの羽

羽の中に細い線があります。

「ここは茶色。」

「ここは緑。」

と色だけを見るのではなく、

「どんな線が見えるかな?」

と考えてみます。

見つけた線を少し描き足すだけでも、絵の印象が変わります。

子どもへの声かけ

「まっすぐかな?」

「曲がってるかな?」

「長い線かな?」

「短い線かな?」

「どっち向きに線がある?」

と聞くと、見る場所が分かりやすくなります。

⑤ 描き終わったら「あと1つ」見つけよう

最後は、絵を描き終わったあとです。

子どもが、

「できた!」

と言ったら、

すぐに、

「もっと描いて!」

と伝えるのではなく、

一度、描いた絵や元になった写真・思い出を見てみます。

そして、

「あと1つ、描いてみたいものはあるかな?」

と探してみます。

例えば、せみ取りの絵なら、

最初は、

自分+木+せみ

だけだったとします。

そこで思い出してみると、

「あ!虫かごも持ってた!」

と気づくかもしれません。

虫かごを描き足します。

さらに、

「帽子もかぶってた!」

と気づいたら、帽子を加えてもいいでしょう。

ほかにも、

  • 水筒
  • 葉っぱ
  • せみの抜け殻

など、その子が覚えているものがあるかもしれません。

全部描く必要はありません。

「あと1つ見つける」

くらいなら、絵が苦手な子でも取り組みやすくなります。

「もっと くわしく かいてみよう!」視覚支援カード

今回の視覚支援カードでは、

① かたちは?

② もようは?

③ いくつある?

④ どんな せん?

⑤ あと1つ みつけよう!

という5つのポイントで確認できるようにします。

絵を描く前に全部確認してもいいですし、途中で、

「次、何を見たらいい?」

となったときに使ってもOKです。

また、絵が完成したあとに、

「あと1つ見つけられるかな?」

と振り返るために使うこともできます。

写真を見ながら描いてもOK

「思い出の絵なのだから、何も見ずに描かないといけないのでは?」

と思うこともあるかもしれません。

でも、家庭で絵を楽しむときや観察して描く練習では、写真などを参考にする方法もあります。

例えば、せみ取りに行ったときの写真があれば、

「どんな服だった?」

「帽子は何色?」

「木はどんな形だった?」

「虫取り網はどっちの手で持っていた?」

など、一緒に確認できます。

記憶だけでは思い出せなかったことも、写真を見ることで、

「そうだった!」

と気づくことがあります。

学校の宿題やコンクールでは、写真や見本の使用について決まりがないか確認しておきましょう。

「上手な絵」にするためではなく「発見する」ため

今回の5つのポイントは、

子どもの絵を大人が考える「上手な絵」に近づけるためのものではありません。

例えば子どもが青い木を描いたとしても、

「木は緑だから違うよ。」

と直す必要はありません。

大きな頭の人を描いても、

「もっと体とのバランスを考えて。」

と大人と同じ比率にする必要もありません。

今回大切にしたいのは、

見る

気づく

描いてみる

という経験です。

「せみの羽に線があることに気づいた。」

「木の幹がまっすぐではないことに気づいた。」

「自分の服にポケットがあることに気づいた。」

そんな小さな発見を、絵の中に一つ加えてみます。

その積み重ねが、その子なりに「よく見て描く」経験につながっていきます。

見つけられないときは大人が答えを言わなくてもOK

子どもに、

「何か模様ある?」

と聞いて、

「分からない。」

と言われることもあります。

そんなとき、

「ここにあるでしょ!」

とすぐ答えを教えなくても大丈夫です。

例えば、

「羽を見てみようか。」

「服のここを見てみよう。」

と、見る場所を少し狭くしてあげます。

それでも難しければ、

「線がある?ない?」

「丸い?細長い?」

のように、選択肢を出す方法もあります。

「よく見て!」

という大きな指示を、

「どこを見る?」

「何を見る?」

まで小さくすることがポイントです。

すべてのポイントを使わなくても大丈夫

今回紹介したのは、

  • 模様
  • あと1つ

の5つです。

でも、1枚の絵ですべてできなくても大丈夫です。

今日は、

「模様を一つ見つけられた!」

次は、

「線を一つ描き足せた!」

それでも十分です。

絵が苦手な子に一度に、

「形をよく見て!」

「模様も描いて!」

「数も見て!」

「線も描いて!」

「もっと描き足して!」

と伝えてしまうと、かえって何をすればいいのか分からなくなることがあります。

その子に必要なポイントを、一つずつ使ってみてください。

こんなお子さんにおすすめ

今回の視覚支援カードは、

  • 人や物の形は描けるけれど、いつも簡単な絵になりやすい
  • 「もっと詳しく描いて」と言われても分からない
  • 同じような人・木・花になりやすい
  • どこを見ればいいのか分からない
  • 描き足すものを思いつきにくい
  • 見るポイントが分かると取り組みやすい

というお子さんにおすすめです。

絵を上手にするための「正解表」ではなく、

「どこを見ればいい?」を分かりやすくするヒント

として使ってみてください。

関連記事と一緒に使うのもおすすめ

「そもそも人の描き方が分からない。」

「顔や体をどう描けばいいの?」

という場合は、まず顔・体・背景・クレヨンの基本的な描き方から確認するのがおすすめです。

一方、

「四つ切り画用紙をどう使えばいい?」

「縦と横、どっちがいい?」

「どんな画材を使えばいい?」

という場合は、夏休みの宿題「絵」の描き方の記事も参考にしてみてください。

そして、

「描けるようになったけれど、もう少し詳しく描いてみたい」

というときに、今回の「よく見る・描き足す」カードを使います。

3つを使い分けることで、その子が困っているところに合わせてサポートできます。

まとめ

絵をもっと詳しく描いてほしいとき、

「もっと上手に描いて。」

だけでは、子どもには何をすればいいのか伝わりにくいことがあります。

そんなときは、

① かたちは?

② もようは?

③ いくつある?

④ どんな せん?

⑤ あと1つ みつけよう!

と、見るポイントを一つずつ具体的にしてみます。

大切なのは、見本とそっくりに描くことではありません。

「あ、こんな形だった!」

「ここに線があった!」

「これも描いてみよう!」

と、子ども自身が気づくことです。

一つ気づいて、一つ描き足す。

それだけでも、最初の絵とは少し違った、その子が見つけたものが伝わる絵になります。

今回の視覚支援カードが、

「もっと詳しくって、どうすればいいの?」

から、

「これを描き足してみよう!」

へ変わるきっかけになればうれしいです。

スポンサーリンク

  • この記事を書いた人

しょうがなすこさん

はじめまして🌼「しょうがなすこ」と申します。 私は、2歳と4歳の発達障害の息子を育てているママです。 児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、現役保育士監修のもと、発達に特性のあるお子さんとの向き合い方や、日々の悩みに寄り添う情報をこのブログで発信しています。 「ことばがゆっくり」「感覚に敏感」「お友だちとの関わりがむずかしい」そんな日々のちょっとした困りごとに、私自身もたくさん向き合ってきました。 このブログでは、🔸わが子のリアルなエピソード🔸家庭でできる関わりの工夫🔸ママの心がふっと軽くなるヒントなどをお届けしています。 🍀「私だけじゃないんだ」そう思える場所が、ここで見つかりますように。どうぞ、気軽に読んでいってください☺️

みんなが読んでいる人気記事

1

はじめに 「うちの子、まだあまりしゃべらないけど、大丈夫かな…?」「どうすれば、言葉の発達をうまくサポートできるんだろう?」 そんなふうに感じたことはありませんか?💭 言葉の発達がゆっくりなお子さんを ...

2

はじめにつみき遊びはなぜ大切?🧩 🧩この記事はこんな方におすすめです つみき遊びの【年齢別の進め方】を知りたい 子どもの【集中力・空間認知力】を伸ばしたい 遊びながらできる【家庭療育・発達支援】に関心 ...

3

はじめに ✅【ワーキングメモリを遊びで伸ばしたい方へ】 発達障害の子どもでも無理なく楽しめるワーキングメモリのトレーニング法を厳選。日常でできる4つの遊びを、実体験と研究を交えて分かりやすく紹介します ...

4

はじめに 子どもが感情を爆発させたとき、どう接したらいいの?そんなふうに戸惑った経験はありませんか? 怒り・不安・混乱…。子どもはまだ自分の感情をうまく言葉にできず、どう処理していいのか分からないこと ...

5

はじめに 🌷「療育ってどんなことをするの?」「児童発達支援を始める前に準備しておくことは?」そんな不安や疑問を抱えていませんか? 私たち家族も、初めて児童発達支援に足を踏み入れるとき、たくさんの悩みと ...

-その他子育て系, 視覚支援
-, , , , , , , , ,