その他子育て系 視覚支援

【無料公開】夏休みの絵が描けない子に|顔・体・背景・クレヨンの描き方が分かる視覚支援カード

夏休みの絵が描けない子に視覚支援カード

はじめに

「夏休みの宿題で絵を描くことになったけれど、何から描けばいいか分からない……。」

「小さな紙なら描けるのに、四つ切り画用紙になると手が止まってしまう。」

「人を描こうとしても、手や足、首、耳などのパーツがうまく描けない。」

そんなことはありませんか?

この記事では、「顔の描き方」「体の描き方」「クレヨンの使い方」「背景の描き方」などの視覚支援カードを無料公開しています。

小学校低学年の子どもにとって、大きな画用紙に1枚の絵を完成させることは、思っている以上に難しい作業です。

特に、

  • 何から描けばいいか分からない
  • 人の体のパーツを描くのが難しい
  • 大きな紙のどこに描けばいいか分からない
  • 背景に何を描けばいいか思いつかない
  • クレヨンで広いところを塗るのが難しい
  • 頭の中にはイメージがあっても、絵にするのが難しい

というお子さんの場合、

「好きなように描いていいよ。」

と言われても、なかなか描き始められないことがあります。

そこで今回は、

「顔」「体」「背景」「クレヨンの使い方」

を順番に見ながら描ける視覚支援カードを作りました。

夏休みの宿題だけでなく、ご家庭や学校、療育などでの描画活動にも、ぜひ活用してみてください。

「絵を描く」にはたくさんの力が必要

大人にとっては簡単に見える「絵を描く」という活動。

でも実際には、

「何を描くか考える」

「頭の中で形をイメージする」

「紙のどこに描くか決める」

「手を動かして形にする」

「必要なものを描き足す」

「色を塗る」

という、いくつもの工程があります。

さらに人物を描く場合には、

「顔には目・鼻・口・耳がある」

「頭の下には首がある」

「肩から腕が伸びている」

「腕の先には手がある」

「体から脚が伸びている」

といった、体のパーツや位置関係を思い出しながら描くことも必要です。

そのため、

「人のことを分かっている=人の絵が描ける」

とは限りません。

頭では分かっていても、それを紙の上に表現することが難しい子もいます。

そんなときは、「ちゃんと描いて」と繰り返すのではなく、描く工程そのものを見える化すると取り組みやすくなります。

①「かおの かきかた」視覚支援カード

顔の書き方視覚支援カード

人の絵を描こうとして手が止まってしまうときは、いきなり全身を完成させようとしなくても大丈夫です。

まずは、「顔」のパーツを一つずつ確認してみます。

カードでは、

① かおの かたち

② かみのけ

③ め

④ はな

⑤ くち

⑥ みみ

⑦ まゆげ

⑧ ほっぺ

というように、顔が少しずつ完成していく様子を見える化しています。

特に「耳」や「眉毛」などは、子どもの人物画では抜けることもあります。

「耳がないよ!」

と指摘するより、

「次はどれかな?」

とカードを一緒に確認する使い方がおすすめです。

また、カードには髪型・目・鼻・口・眉毛など、いろいろな描き方の例も載せています。

「鼻ってどうやって描くの?」

「口はどんな形にしたらいい?」

と迷ったときは、見本の中から描きやすそうな形を選んでもOKです。

最初からオリジナルの形を考える必要はありません。

「これを描いてみたい!」と選ぶことも、立派な描画の練習です。

②「からだの かきかた」視覚支援カード

体の書き方視覚支援カード

顔の描き方を確認したら、次は体の描き方を見てみます。

体も一度に全部描こうとすると難しいので、順番に描いていきます。

例えば、

あたま

くび

からだ

うで

あし

あしのさき

と、一つずつ足していきます。

「人を描いて。」

という大きな指示ではなく、

「まず丸を描こう。」

「次は首を描こう。」

と、一つの動作に分けることがポイントです。

視覚支援カードには、

  • 立つ
  • 座る
  • 歩く
  • 走る
  • 跳ぶ
  • 万歳する

など、いろいろなポーズも載せています。

例えば「せみ取りの絵」なら、まっすぐ立っている人だけでなく、

虫取り網を持って腕を上げている人

にすると、「何をしている場面なのか」が伝わりやすくなります。

③ クレヨンは「形を描く→中を塗る」

クレヨンのつかいかた視覚支援カード

大きな画用紙では、クレヨンの扱いそのものが難しくなることもあります。

そこで、クレヨンの使い方も2つに分けます。

STEP1 まず形を描いてみる

クレヨンの描き方に決まりはありませんが、「どこから描けばいいか分からない」という子には、

先に形を描いてから中を塗る方法も分かりやすいです。

例えば人なら、

頭の形



腕・脚

顔のパーツ

と、まず大まかな形を作ります。

STEP2 中を塗る

形ができたら、その中に色を塗っていきます。

最初から、

「描きながら全部きれいに塗る」

必要はありません。

「形を作る」と「色を塗る」を別々の作業にすることで、何をすればいいのか分かりやすくなります。

クレヨンで塗るときのポイント

広いところを一気に塗ろうとすると、手や腕が疲れてしまいます。

特に四つ切り画用紙は面積が大きいため、小さな紙よりもたくさん手を動かします。

そこで、

小さい範囲から少しずつ塗る

ことを意識します。

「白いところがなくなるまで全部塗らなきゃ!」

と頑張りすぎなくても大丈夫です。

多少白い部分が残っていても大丈夫です。

最後まで自分で取り組めたことを大切にします。

また、空・海・地面など非常に広い部分は、必要に応じて絵の具など別の画材を使う方法もあります。

④ 背景は「主役のまわり」を考える

背景の書き方視覚支援カード

人物を描けても、

「背景は何を描けばいいの?」

と止まってしまうことがあります。

そんなときは「背景」という言葉ではなく、

「この人のまわりには何があった?」

と考えてみます。

例えば、せみ取りなら、

  • 葉っぱ
  • せみ
  • 虫取り網
  • 虫かご
  • 帽子
  • 水筒
  • 太陽

などがあります。

全部描く必要はありません。

そのとき周りにあったもの、覚えているもの、描いてみたいものを選びます。

背景を描く順番

背景も順番を決めると描きやすくなります。

① 主役を描く

② 地面を描く

③ 木や建物など大きなものを描く

④ 空を描く

⑤ 周りにあったものを足す

⑥ 色を塗る

特に大切なのが、最初に主役を描くことです。

背景から描き始めると、あとから人物を描く場所がなくなってしまうことがあります。

最初に、

「この絵で一番伝えたいものは何?」

を決め、その主役を少し大きめに描くと、まとまりやすくなります。

「せみ取りの絵」を描いてみよう

蝉取りの絵のポイント(コツ)

今回は、夏らしい題材の一つとして「せみ取りの絵」の視覚支援カードも作りました。

せみ取りの絵も、一度に全部描こうとせず、順番に考えてみます。

① せみを取っている自分や友達を描く

② 足元に地面や草を描く

③ 木やせみを描く

④ 虫取り網・虫かご・水筒などを足す

⑤ 太陽・雲・青空を描く

⑥ 色を塗る

「せみ取りの絵を描いて」と言われると難しくても、

  • 「誰と行った?」
  • 「どこにせみがいた?」
  • 「何を持っていた?」
  • 「天気はどうだった?」

と一つずつ思い出していくと、描くものを見つけやすくなります。

写真のように正確に描く必要はありません。

「せみを見つけてうれしかった」「網を持って追いかけた」など、

その子が覚えていることや伝えたいことを絵にすることを大切にします。

四つ切り画用紙は意外と難しい

夏休みの宿題などでは、大きな画用紙に絵を描くことがあります。

しかし、小さな落書き帳と四つ切り画用紙では、描くときの感覚がかなり違います。

大きな紙では、

  • 腕を大きく動かす
  • 大きな丸や長い線を描く
  • 紙全体の位置関係を考える
  • 広い面積を塗る
  • 反対の手で紙を押さえる

なども必要になります。

そのため、

「小さい紙では描けるのに、大きな画用紙になるとうまく描けない」

ということがあっても不思議ではありません。

四つ切り画用紙の大きさに圧倒されてしまう場合は、

最初に「人はこのあたり」「木はこのあたり」など、大まかな配置を一緒に確認してから始めてもよいでしょう。

困ったときは「描いてあげる」より「ヒント」を見せる

子どもが描けずに困っていると、

「ここに木を描いてあげようか?」

「人はこうやって描くんだよ。」

と、大人が代わりに描きたくなることもあります。

もちろん、必要なサポートをすることは大切です。

ただ、完成度を上げることよりも、

「自分で描けた!」

という経験を残したい場合は、大人が直接描くのではなく、

見本を見せる

描く順番を伝える

選択肢を見せる

子ども自身が描く

というサポートがおすすめです。

例えば、

「木を描こう。」

だけで分からなければ、

「幹を描いて、その上に葉っぱを描こう。」

と分解します。

「手を描いて。」

が難しければ、

手の描き方の見本を横に置き、見ながら描けるようにします。

それでも難しければ、

最初は丸や線だけで表現してもOKです。

大人と同じように描くことが目的ではありません。

見本どおりに描けなくても大丈夫

視覚支援カードは、

「この通りに描かなければいけないお手本」

ではありません。

あくまでも、

「何から描けばいいか分からないときのヒント」

です。

耳を描き忘れても大丈夫。

指が5本にならなくても大丈夫。

腕が少し短くても大丈夫。

空に白いところが残っていても大丈夫です。

昨日まで描かなかった「首」を描いてみた。

初めて「耳」をつけてみた。

大きな紙に自分で人を描けた。

そんな小さな変化も、大切な成長です。

こんなお子さんにおすすめ

今回の視覚支援カードは、

  • 絵を描くことが苦手なお子さん
  • 何から描けばいいか分からないお子さん
  • 人物画が苦手なお子さん
  • 顔や体のパーツが抜けやすいお子さん
  • 背景を描くことが苦手なお子さん
  • 大きな画用紙になると困ってしまうお子さん
  • クレヨンの使い方がまだ不慣れなお子さん
  • 見本があると理解しやすいお子さん

などにおすすめです。

幼児から小学校低学年頃まで、その子の発達や描画の段階に合わせて使ってみてください。

視覚支援カードの使い方

全部のカードを一度に見せる必要はありません。

むしろ、一度にたくさんの情報を見ると迷ってしまう子には、

今必要なカードだけを1枚ずつ見せる方法もおすすめです。

「今は顔を描こう。」

「次は体を描こう。」

「人物ができたら背景を考えよう。」

というように、必要なカードだけ使ってもOKです。

また、描いている途中で、

「次は何だっけ?」

となったときにカードを見る使い方もできます。

視覚支援は、子どもに正解を教えるためではなく、

自分で次の行動を考えるための手がかりとして使うことができます。

まとめ

絵が苦手な子に、

「もっと大きく描いて。」

「ちゃんと手も描いて。」

「背景も描こう。」

と一度に伝えても、何から始めればいいのか分からなくなってしまうことがあります。

そんなときは、

顔を描く。

体を描く。

形を描いてから色を塗る。

主役のまわりにあるものを描く。

と、作業を一つずつ分けてみてください。

視覚的に順番が分かることで、「次に何をすればいいのか」が理解しやすくなる子もいます。

そして一番大切なのは、見本と同じように上手に描くことではありません。

「自分で描いてみた!」

という経験です。

人の形が少し不思議でも、塗り残しがあっても、その子が自分で考えて描いたものは、その時にしか描けない大切な作品です。

今回の視覚支援カードが、

「絵、むずかしい……。」

から、

「これなら描けそう!」

へ変わるきっかけになればうれしいです。

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  • この記事を書いた人

しょうがなすこさん

はじめまして🌼「しょうがなすこ」と申します。 私は、2歳と4歳の発達障害の息子を育てているママです。 児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、現役保育士監修のもと、発達に特性のあるお子さんとの向き合い方や、日々の悩みに寄り添う情報をこのブログで発信しています。 「ことばがゆっくり」「感覚に敏感」「お友だちとの関わりがむずかしい」そんな日々のちょっとした困りごとに、私自身もたくさん向き合ってきました。 このブログでは、🔸わが子のリアルなエピソード🔸家庭でできる関わりの工夫🔸ママの心がふっと軽くなるヒントなどをお届けしています。 🍀「私だけじゃないんだ」そう思える場所が、ここで見つかりますように。どうぞ、気軽に読んでいってください☺️

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