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自閉症スペクトラム症(ASD)の行動理解と子育て:具体例とサポート方法

はじめに

自閉スペクトラム症(ASD)の子育てには、日々さまざまな発見やチャレンジが伴います。
自閉スペクトラム症(ASD)は、その特性や行動が個々に異なるため、親や保護者にとって理解しにくいことがあります。
しかし、行動の背景や原因を知ることで、ASDの子どもたちが抱える困難を軽減し、より適切にサポートできるようになります。
本記事では、ASDの特性や行動の意味、そして子どもたちを支えるための具体的な方法について、私自身の経験を交えながら解説していきます。

目次

  1. 自閉スペクトラム症(ASD)とは?特徴と行動理解
  2. 自閉スペクトラム症(ASD)の理解:実体験とエピソード
  3. ASDの子どもが示す行動と原因別のサポート方法
    • 常に動き回る・そわそわしている場合
    • 集団行動が苦手で一人だけ違う行動をとる
    • 友達をたたいてしまう
    • 突然走り回る
  4. ASDの子どもたちが示す特性と対応のポイント
    • 対人関係や社会性の特性
    • コミュニケーションの特性
    • 限定的な興味や常同的な行動
  5. 自閉スペクトラム症の子どもをサポートする4つの方法
    ● 一貫性のあるルーティンを提供する
    ● 具体的な指示を与える
    ● 感覚過敏に配慮する
    ● ポジティブな強化を利用する
  6. よくある質問
  7. まとめ:子どもたちの可能性を引き出すサポートの力

1. 自閉スペクトラム症(ASD)とは?特徴と行動理解

自閉スペクトラム症(ASD)とは、対人関係やコミュニケーションに困難を感じやすい発達障害の一つです。
反復的な行動や特定の興味・こだわりが強くなる特徴もあり、「スペクトラム」という言葉が示す通り、その症状や困難さ、特性は個人によって大きく異なります
ASDの特性を理解することで、子どもたちの行動の背景にある意味を見出し、より適切なサポートが可能になります。

2. 自閉スペクトラム症(ASD)の理解:実体験とエピソード

私の息子がASDと診断されたとき、それまで気づかなかった視点で彼の行動を理解できるようになりました。
それまでは彼の多動的な行動を、注意欠如・多動症(ADHD)の一部と考えていましたが、実際はASDの特有の行動であることが分かったのです。

医師から「多動に目が行きがちですが、年齢の小さいお子さん、特に男の子は普通でも多動と感じることが多いです。ADHDの要素もあるかもしれませんが、これはASD特有の行動です。」と説明を受けたとき、息子の行動が一つ一つ理解できるようになりました。
彼は以前からASDの特有のサインを出していたのだと、初めて気づかされました。

例えば、息子が部屋を歩き回る行動や友達との距離感が掴めない行動には、それぞれ特定の理由があると知りました。

例1:部屋を歩き回る行動
→ 体を動かすことで安心感を得たり、感覚を調整している可能性があります。

例2:友達との距離感の難しさ
→ 対人関係のルールを理解することが難しく、距離を保つ感覚がわからないためです。

例2:周りと同じことができない
→単に理解が追いついていないからかも 。

これらの背景を知ることで、息子の行動を否定的に捉えるのではなく、寄り添うことができるようになりました。
もっと早くそのサインに気づいてあげられたら…と後悔することもありますが、それも親としての学びの一環だと前向きに受け止めています。
この経験を通して得た知識や気づきが、少しでも日々の生活を楽にするお手伝いになればと願っています。

3. ASDの子どもが示す行動と原因別のサポート方法

自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちは、日常のさまざまな場面で独自の行動を示すことがあります。
これらの行動には理由があり、適切な理解とサポートが重要です。
本記事では、ASDの子どもに見られがちな行動とその原因、およびサポート方法について詳しく解説します。

1. 常に動き回る・そわそわしている場合

ASDの子どもが「うろうろ」と歩き回ることは、単なる落ち着きのなさではなく、感覚を落ち着けたり集中力を高めるための自己調整行動であることが多いです。

原因

  • 感覚過敏や鈍感さの違い
  • 過度のストレスや不安による自己調整

サポート方法

  • 動き回れるスペースを確保する。
  • 感覚を安定させるクッションや布を用意する。
  • 小休憩やリラックスできるコーナーを設けると、緊張感が和らぎます。

2. 集団行動が苦手で一人だけ違う行動をとる

ASDの子どもにとって、集団行動は大きなチャレンジです。
他の子どもと同じ活動が難しい場合、指示の理解や状況把握に苦労している可能性があります。

原因

  • 認知や理解のスピードの違い
  • 状況の把握が難しい

サポート方法

  • 動作を分解し、順番に指示を出す。
  • 視覚支援カードで具体的な指示を示す。
  • 小さな成功体験を積ませて自信を育てる。

3. 友達をたたいてしまう

ASDの子どもが友達をたたいてしまうのは、必ずしも攻撃的な意図があるわけではなく、感情や意図を適切に表現する方法がわからないためです。

原因

  • 感情をコントロールするスキルが未発達
  • 言葉での意思伝達が難しい

サポート方法

  • 感情カードを使って気持ちを表現する練習を行う。
    たとえば、「今、どんな気持ち?」と気持ちを言葉にするトレーニングや、感情カードを使った練習が有効です。
  • 手が出る前に「別の方法で表現できる」ことを教える
    ジェスチャーや代替手段を一緒に探す。

4. 突然走り回る

ASDの子どもが突然走り出す行動は、視覚や音の刺激に対する過敏反応(特定の音や触感に強い不快感を抱くこと)であることが多いです。
特に、外部刺激が過度に感じられる場合、このような行動が現れます。

原因

  • 感覚過敏による外部刺激への反応
  • ストレスや不安の発散

サポート方法

  • 静かな環境で活動できる時間を増やす。
  • 耳栓などで刺激を和らげる工夫をする。
  • 感覚調整ができるようなリラクゼーション方法(深呼吸や歩行リズム)など感覚調整の方法を教える。

原因別のエピソード例については、
関連記事子どもの気になる行動の背景と発達障害:保護者が知っておくべき対策ガイドをご覧ください。
こちらの記事で、具体的な事例や原因に応じた対策方法についてさらに詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください!

4. ASDの子どもたちが示す特性と対応のポイント

ASDの子どもたちは、脳の構造や機能の違いにより、次のような特徴がみられることが多いです。

1. 対人関係や社会性の特性

周囲の状況を理解し、適切に対応するのが苦手な場合があります。
ASDの子どもたちは、相手の感情や表情を読み取るのが難しく、適切な距離感を保つのに苦労することがあります。

対応ポイント

  • 表情カードや感情の練習用視覚教材を活用する。
  • 日常の会話で具体的に距離感を教える。

  • 具体例
    ASDの子どもは、他者との距離感を適切に保つのが難しいことがあります。
    例えば、息子は友達と遊んでいるとき、相手にぐっと近づきすぎてしまうことが多く、相手が嫌がっているのに気づかず遊び続けてしまうことがあります。
    幼稚園での遊びの中でも同じような場面があり、相手にすぐに接近しすぎて、友達がびっくりしてしまったり、「近いよ!」と注意されることもありました。
    こういった場面で少しずつ距離感を学んでもらうために、家では「お話しする時は1歩下がって立とうね」などと具体的に距離を伝え、日常のやり取りで「ちょうど良い距離」を教えるようにしています。
    また、家族で遊ぶときは、あえてぬいぐるみや人形を使って「〇〇くん(息子)とこの子はここにいるといいね」などと視覚的に距離を見せる練習もしています。
    最近では、自分から「近すぎる?」と確認してくれる場面も増え、少しずつ距離感の取り方が身についてきたように感じます。

2. コミュニケーションの特性

言葉のやりとりがスムーズでなく、一方的に話すことが多いです。
そのためコミュニケーションのスキル向上が重要です。

対応ポイント

  • ターンテイキング(交代して話す)を意識し、短い会話のキャッチボールを意識する。
  • 「順番を待つ」練習を日常の中に取り入れる。

  • 具体例
    ASDの子どもにとって、会話で順番を守る「ターンテイキング」は難しいことが多くあります。
    我が家では例えば、息子が話したいことを思いついてさえぎってくる時、まず「ママが今話してるから、終わったら教えてね」と優しく伝えています。
    終わった後に「さっきのお話聞かせて」と促すと、息子も自分のターンを待つことに少しずつ慣れてきました。
    また、家族の会話の中で一人ひとりが順番に発言するゲーム感覚で練習することで、会話の順番を取る楽しさを感じられるよう工夫しています。

3. 限定的な興味や常同的な行動

ASDの子どもには、特定のテーマやルーティンに強いこだわりが見られ、変化に対して敏感なことが多いです。

ポイント

  • こだわりに寄り添いつつ、少しずつ変化に慣れるように新しい興味を引き出していくことが大切です。

  • 具体例
    例えば、息子は毎朝のルーティンをとても大切にしており、朝ごはんの順番や登園準備の手順が少しでも違うと非常に不安になり、時には登園を嫌がるほどです。
    ある朝、いつもと違う順番で靴下を履かせようとしただけで「いつもと違う!」と強く抵抗し、靴下を履き直すまで落ち着かない様子でした。
  • また、興味が特定のテーマに集中することが多く、現在は特に「スーパーマリオ」に夢中です。
    家にあるおもちゃや本も、ほとんどがマリオに関連するものを選びたがり、遊びでもマリオのキャラクターになりきって戦いごっこをすることが日課になっています。
    公園に行った時も、遊具で遊ぶというよりも「マリオのコース」と称して決まったルートでのみ遊びたがり、そのルートを変更する提案には強く抵抗します。
  • こうした特定のルーティンやテーマへのこだわりに対しては、あまり急激な変化を加えないようにしながら少しずつ対応しています。
    例えば、新しい遊びに誘うときはまずは「マリオの次に好きそうなキャラクター」のおもちゃを使って、遊びの幅を広げる工夫をしています。
    また、朝の準備も「いつも通りだね」と安心感を持たせつつ、少しずつ変化に慣れてもらうために一つの手順だけ変更し、それに慣れてきたら次の手順を変えるなど、ステップを踏んで対応しています。

ASDの子どもたちの行動には、それぞれ理由があります。
親としてサポートをする際には、子どもの気持ちに寄り添い、無理なく成長を促す工夫が大切です。

5. 自閉スペクトラム症の子どもをサポートする4つの方法

ASDの子どもたちの行動を理解し、その背景に目を向けることで、適切なサポートが可能になります。
以下は具体的なサポート方法です。

1. 一貫性のあるルーティンを提供する

ASDの子どもたちは変化に敏感であるため、日常生活に一貫性のあるルーティンを設けることが大切です。
これにより、子どもは安心感を得られ、行動が安定します。

具体的なサポート方法:

  • 視覚的スケジュールを作成する:
    日常のルーティンをイラストや写真を使って視覚的に表現し、子どもがいつ何をするかを理解しやすくします。
  • 時間管理のためのタイマーを使用する:
    各活動の時間を決め、タイマーを使って時間を意識させることで、次の活動への移行がスムーズになります。

2. 具体的な指示を与える

何をすべきかが分からない場合、具体的な指示を与えることで、子どもが次に取るべき行動を理解しやすくなります。
例えば、「片付けをしなさい」ではなく、「おもちゃを箱に入れてください」といったように、明確な行動を指示します。

具体的なサポート方法:

  • ステップバイステップの指示を行う:複雑なタスクは、いくつかの小さなステップに分けて指示します。
    例えば、「まず、ブロックを集めて」「次に、それを箱に入れて」と順を追って指示します。
  • モデル行動を示す:自分がその行動を実演し、子どもが見て学ぶ機会を提供します。
    実際の行動を見せることで、子どもは具体的なイメージを持ちやすくなります。

3. 感覚過敏に配慮する

ASDの子どもたちは感覚に対して過敏なことが多いため、不快に感じる刺激を避ける環境を整えることが重要です。
例えば、衣服のタグを切る、静かな環境を作るなどの工夫が有効です。

具体的なサポート方法:

  • 環境の調整:子どもが過ごす場所の照明や音量を調整し、できるだけ静かな環境を作ります。
    特に、騒がしい場所から離れるようにします。
  • 感覚遊びを取り入れる:
    子どもが感覚を落ち着けられるよう、さまざまな感触を楽しめる遊びを取り入れます。
    例えば、柔らかくて指先で自由に形を作れる(粘土)やスライムで遊ぶことで、触覚の刺激が苦手な子も少しずつ楽しめる感覚を育むことができます。
    また、夜にはリラックスできるバスタイムを設け、少しぬるめのお湯にゆっくり浸かることで全身の緊張をほぐします。
    バスタイム後には落ち着いた気分になりやすく、夜のルーティンとしても効果的です。

4. ポジティブな強化を利用する

子どもが適切な行動を取った際には、褒めたりご褒美を与えることで、その行動を強化します。
これにより、子どもは自信を持ち、望ましい行動を繰り返すようになります。

具体的なサポート方法:

  • 具体的なフィードバックを与える
    褒めるときは「おもちゃをちゃんと片付けて偉いね!」と具体的にその行動を指摘してあげます。
  • ポイントシステムの導入
    特定の行動を取った際にポイントを与え、一定のポイントがたまったらご褒美を与える仕組みを作ります。
    子どもが目に見える形で達成感を得られます。

6. よくある質問

ASDとは何ですか?

自閉スペクトラム症(ASD)は、コミュニケーションや社会的相互作用の困難さ、特定の興味や行動パターンが特徴の発達障害です。

ASDとADHDの違いは何ですか?

ADHDは注意力や衝動性の課題に関連し、ASDは主に社会性やコミュニケーションの困難さが中心です。

ASDの子どもが多動なのはなぜですか?

不安や感覚過敏を和らげるため、または安心感を得るための行動です。

ASDの診断基準は何ですか?

DSM-5(精神疾患の診断基準)に基づき、行動や発達の特徴が評価されます

ASDの子どもとどのように接すれば良いですか?

個々の特性を理解し、具体的でシンプルな指示を出すことが大切です。

ASDは治りますか?

ASDそのものは治りませんが、療育やサポートを通じて生活の質を向上させることができます。

感覚過敏とは何ですか?

音や触感など特定の刺激に対して過敏に反応する状態で、ASDの子どもによく見られます。

ASDの子どもが集団行動を苦手とするのはなぜですか?

状況理解や指示の処理が難しいためです。

療育とは何ですか?

発達に課題のある子どもを対象とした支援プログラムで、成長をサポートします。

ASDの子どもが友達をたたく場合、どう対処すれば良いですか?

感情を表現する練習を行い、適切な意思表示の方法を教えます。

まとめ:ASDの行動理解と親のサポート方法

ASD(自閉スペクトラム症)の子どもたちは、会話の順番を守ることや距離感の取り方、感覚過敏など、さまざまな特性を持っています。
しかし、日常生活で工夫を重ねることで、少しずつ成長をサポートすることができます。

たとえば、会話の順番(ターンテイキング)を練習する際には、親が先に話し、子どもが順番を守れるよう促す方法があります。
また、触覚過敏がある場合には、肌に優しい素材の衣服を選び、リラックスできる環境を整えることが効果的です。
このような工夫を日々の生活に取り入れることで、子どもが自信を持って行動できるようにサポートできます。

ASDの子どもの行動とその背景を理解する

ASDの子どもたちの行動は、一般的な「普通」とは異なることがあります。
しかし、それらの行動の背景には、彼ら独自の脳の構造や感覚処理の仕組みが関係しています。
行動の意味が理解できずに親が戸惑いや不安を抱えることもありますが、まず大切なのは、その行動の背景を知り、子どもの視点に寄り添うことです。

たとえ「普通」の枠に当てはまらなくても、それが子どもにとっては自然な反応であると知ることで、親の気持ちも少し軽くなるかもしれません。

試行錯誤を楽しむ心を持って

すべての行動にすぐに対応できるわけではありません。
親として試行錯誤の日々が続くかもしれませんが、行動を見守りながら理解し、子どもと一緒に成長していくことが何より重要です。

焦らず、少しずつ、子どもの世界に触れながら、一歩一歩進んでいきましょう。
困難の中にも、子どもの成長を感じられる瞬間が必ずあります。
その瞬間を親子で見つけることが、何よりの喜びになるはずです。

次回予告

次回は、「子どもの気になる行動をどう捉えるか:ADHDとの関連性」についてお話します。お楽しみに!

参考資料

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  • この記事を書いた人

しょうがなすこさん

はじめまして!「しょうがなすこ」と申します。児童発達支援アドバイザーの資格を持つ2歳と4歳の男の子を育てるママで、現役保育士監修のもと、特性を持つお子さんとの育児についてブログで発信しています。このブログでは、同じような状況で悩む親御さんたちと共感し合い、困りごとを少しでも減らすヒントや、育児の楽しさを一緒に見つけられるような内容をお届けしています。 「ひとりじゃない」と感じられる温かい場になるように心を込めて書いていますので、ぜひ気軽に読んでみてください!

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