はじめに|「寝てほしいのに寝ない」夜に疲れていませんか?
「夜なかなか寝ない」
「寝かしつけに1時間以上かかる」
「夜中に何度も起きる」
「寝不足の日は、翌日ハイテンションで癇癪も増える」
発達障害や発達特性のある子どもを育てていると、睡眠の悩みは本当に大きいですよね。
わが家の息子も、寝かしつけにとても時間がかかる時期がありました。
布団に入ってもなかなか眠れない。
寝る前にテンションが上がってしまう。
昼寝を避けようとたくさん遊ばせても、夕食中に寝てしまい、夜中に覚醒してしまう。
そんな日が続くと、子どもだけでなく、親も睡眠不足になってイライラしてしまいます。
発達障害のある子どもが夜眠れない背景には、感覚過敏、体内時計のずれ、日中の刺激、切り替えの苦手さ、不安などが関係していることがあります。
この記事では、発達障害の子どもが夜眠れない理由と、家庭でできる寝かしつけの工夫を、わが家の体験談を交えながら紹介します。
※この記事は筆者の体験と一般的な情報をもとにしたものです。睡眠の悩みが強い場合や、日中の生活に支障が出ている場合は、小児科、発達外来、児童精神科などに相談してください。
発達障害の子どもが夜眠れない理由

発達障害の子どもが夜眠れない理由は、単に「寝る気がない」「わがまま」ということではありません。
体の感じ方や脳の切り替え、生活リズムの作りにくさが関係していることがあります。
1. 感覚過敏で音・光・肌ざわりが気になる
ASD傾向のある子どもは、音、光、肌ざわりなどに敏感なことがあります。
たとえば、
- 部屋の小さな明かりが気になる
- 外の車の音や家族の生活音で目が覚める
- パジャマのタグや布団の感触が気になる
- 暑い、寒い、重い、まぶしいなどを強く感じる
といった理由で、なかなか眠れないことがあります。
大人から見ると「それくらい気にしなくても」と思うことでも、子ども本人にとっては眠れないほど大きな刺激になっている場合があります。
2. 体内時計がずれやすい
発達特性のある子どもは、眠くなるタイミングが遅れたり、生活リズムが整いにくかったりすることがあります。
発達障害ナビポータルでも、発達特性が強い子どもには体質的に眠りにくい子がいること、ASDでは感覚過敏、ADHDでは睡眠リズムの乱れが関係することがあると紹介されています。
参考:発達障害ナビポータル「発達障害の子どもとスクリーンタイム|睡眠との関係」
夜になっても眠くならない。
朝起きるのがつらい。
夕方に眠ってしまい、夜中に起きる。
こうしたリズムの乱れが続くと、寝かしつけがさらに難しくなります。
3. 日中の刺激やストレスが残っている
幼稚園、保育園、療育、習い事、外遊びなど、子どもは日中にたくさんの刺激を受けています。
発達特性のある子は、
- 友達との関わり
- 集団のざわざわした音
- 予定変更
- 先生の指示
- 感覚刺激
- 初めての活動
などで、本人が思っている以上に疲れていることがあります。
疲れすぎると、かえって眠れなくなることもあります。
わが家でも、日中に刺激が多かった日は、夜にテンションが上がってしまい、布団に入ってもなかなか落ち着かないことがありました。
4. 「寝る=楽しいことが終わる」と感じている
息子はある時期、
「寝たら何もできなくなるからつまらない」
と言って、布団に入るのを嫌がることがありました。
大人にとって睡眠は休息ですが、子どもにとっては「遊びが終わる」「ママと離れる」「明日になってしまう」と感じることもあります。
寝ることへの不安や抵抗があると、寝かしつけに時間がかかります。
5. 昼寝・夕寝のタイミングが夜に影響する
昼寝そのものが悪いわけではありません。
ただ、夕方以降に寝てしまうと、夜の入眠が難しくなることがあります。
わが家でも、昼寝を避けるために日中たくさん遊ばせたのに、夕食中に寝てしまい、そのまま夜中に覚醒してしまったことがありました。
「疲れさせれば寝る」と思っていたのですが、疲れすぎると逆に生活リズムが崩れることもあるのだと感じました。
睡眠不足が子どもに与える影響
睡眠不足が続くと、翌日の生活に影響が出やすくなります。
わが家の息子も、夜中に何度も起きた翌日は、幼稚園で疲れた様子になり、午後になるとハイテンションになったり、感情のコントロールが難しくなったりすることがありました。
睡眠不足で見られやすい様子には、次のようなものがあります。
- 朝の支度が進まない
- 癇癪が増える
- 集中しにくい
- 日中にぼーっとする
- 逆にハイテンションになる
- 登園しぶりが強くなる
- ちょっとしたことで泣く・怒る
厚生労働省の睡眠ガイドでは、3〜5歳の子どもは10〜13時間、小学生は9〜12時間の睡眠時間が目安として示されています。
参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
もちろん必要な睡眠時間には個人差がありますが、「寝不足の日に明らかに荒れる」「日中の生活に支障が出る」場合は、睡眠環境や生活リズムを見直すサインかもしれません。
家庭でできる寝かしつけの工夫5つ

1. 夜の流れを毎日同じにする
発達特性のある子どもには、「次に何をするか」が見えると安心しやすい子がいます。
夜の流れは、できるだけ毎日同じ順番にします。
例:
- 夕食
- お風呂
- パジャマ
- 歯みがき
- トイレ
- 絵本
- 消灯
大切なのは、完璧なスケジュールを作ることではなく、「寝る前はいつもこの流れ」と子どもが分かるようにすることです。
絵カードやホワイトボードにして見える化すると、言葉だけより伝わりやすくなります。
2. 寝室の刺激を減らす

眠りにくい子には、寝室環境の調整が役立つことがあります。
見直したいポイントは、
- 部屋の明るさ
- 外の音
- 室温
- パジャマや布団の肌ざわり
- 寝る場所の安心感
- おもちゃや刺激物の多さ
です。
たとえば、
- 遮光カーテンを使う
- やわらかいナイトライトにする
- タグのないパジャマにする
- 肌ざわりのよい寝具を選ぶ
- 寝室におもちゃを置きすぎない
など、子どもが落ち着きやすい環境を作ります。
3. 寝る前のスクリーンタイムを減らす
寝る直前までテレビ、スマホ、タブレット、ゲームを見ていると、脳が興奮して眠りにくくなることがあります。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、長時間のスクリーンタイムは睡眠時間の減少と関連することが示されています。
参考:厚生労働省 睡眠対策
いきなり完全にやめるのが難しい場合は、
- 寝る30分前からはテレビを消す
- タブレットの代わりに絵本にする
- 「あと1本見たらおしまい」と予告する
- タイマーを使う
など、少しずつ切り替えやすい形にします。
4. 日中の活動量と昼寝を調整する
夜眠るためには、日中の活動も大切です。
ただし、「とにかく疲れさせればいい」というより、子どもに合った活動量を探すことが大切です。
おすすめは、
- 午前中に外遊びをする
- 夕方以降の激しい遊びは控えめにする
- 昼寝が必要な子は早めの時間にする
- 夕食中に寝落ちしそうな日は、早めに夜ルーチンへ移る
という形です。
わが家では、夕方に眠くなりすぎると夜中に起きやすかったため、「疲れすぎる前にお風呂と夕食を前倒しする」ことも意識しました。
5. 安心できる絵本やアイテムを使う
寝ることに不安や抵抗がある子には、「寝る前の安心アイテム」が役立つことがあります。
たとえば、
- お気に入りのぬいぐるみ
- 安心できる毛布
- やさしいナイトライト
- 寝る前だけの絵本
- 親子の短いスキンシップ
などです。
わが家で特に印象的だったのが、絵本『ねないこだれだ』でした。
息子はある時期、布団に入るのを嫌がっていましたが、この絵本を読んだあとに、
「おばけが来るから早く寝る」
と言って、自分から布団に入るようになったことがありました。
もちろん、すべての子に同じ方法が合うわけではありません。
でも、息子にとっては「寝る理由」が本人の中で分かりやすくなったのだと思います。
わが家の体験談|寝かしつけに1時間以上かかっていた頃

息子が小さい頃、寝かしつけに1時間以上かかることがよくありました。
布団に入っても、話し続ける。
体を動かす。
「まだ寝たくない」と言う。
やっと寝たと思ったら、夜中に起きる。
そんな日が続くと、私も寝不足で余裕がなくなり、ついイライラしてしまうことがありました。
特につらかったのは、昼寝を避けようとしてたくさん遊ばせたのに、夕食中に寝てしまい、夜中に覚醒してしまった日です。
「こんなに頑張ったのに、また夜中に起きるの?」
と、心が折れそうになりました。
また、息子は「寝たら何もできなくなるからつまらない」と言って、布団に入ること自体を嫌がる時期もありました。
その頃は、寝かせようとすればするほど、親子で疲れてしまっていました。
そこで、少しずつ夜の流れを固定しました。
お風呂。
パジャマ。
歯みがき。
絵本。
電気を暗くする。
おやすみの言葉。
完璧にはできませんでしたが、毎日同じ流れにすることで、息子も少しずつ「このあとは寝る時間」と分かるようになっていきました。
そして、絵本『ねないこだれだ』がきっかけになり、自分から布団に入れる日が出てきました。
睡眠の悩みは、すぐに解決するものではありません。
でも、子どもが納得できるきっかけと、安心できる夜ルーチンがあるだけで、少しずつ変わっていくのだと感じました。
寝かしつけに役立ったもの・収益化につなげやすいアイテム
記事内で紹介しやすいアイテムは、次のようなものです。
- 寝かしつけ絵本
- ナイトライト
- 遮光カーテン
- 肌ざわりのよいパジャマ
- タグなし・縫い目少なめの肌着
- ホワイトノイズマシン
- 視覚スケジュールカード
- タイマー
- 安心できるぬいぐるみやブランケット
おすすめ導線としては、
「寝る前の絵本」
「感覚過敏の子に合うパジャマ」
「寝室環境を整えるグッズ」
「夜ルーチンを見える化する視覚支援」
の4つが自然です。
※重みのあるブランケットなどは、年齢や体格、安全面に注意が必要です。使う場合は、商品の対象年齢や安全表示を確認し、心配な場合は専門家に相談してください。
病院や専門機関に相談する目安
家庭で工夫しても、次のような状態が続く場合は、専門家に相談して大丈夫です。
- 寝かしつけに毎晩1時間以上かかる
- 夜中に何度も起きる状態が続く
- 日中の生活に大きく影響している
- 登園しぶりや癇癪が強くなっている
- 家族全員が睡眠不足で限界に近い
- いびき、無呼吸、強い寝汗などがある
- 眠れないことで本人がつらそう
相談先は、
- 小児科
- 発達外来
- 児童精神科
- 療育機関
- 睡眠外来
などです。
薬やサプリメントについては、自己判断で使わず、必ず医師に相談してください。
よくある質問
発達障害の子どもはなぜ夜眠れないのですか?
感覚過敏、体内時計のずれ、日中の刺激やストレス、切り替えの苦手さ、不安などが関係していることがあります。
寝かしつけに1時間以上かかるのは普通ですか?
一時的なら珍しくありませんが、毎晩続いて親子の負担が大きい場合は、生活リズムや寝室環境を見直し、必要に応じて小児科などに相談すると安心です。
寝る前のテレビやタブレットはやめた方がいいですか?
寝る直前のスクリーンタイムは、眠りにくさにつながることがあります。まずは寝る30分前から絵本や静かな遊びに切り替えるなど、無理のない形で減らしてみましょう。
昼寝はさせない方がいいですか?
年齢や体力によります。昼寝が必要な子もいますが、夕方以降の昼寝は夜の入眠に影響しやすいです。昼寝の時間帯と長さを調整してみましょう。
夜中に何度も起きるときはどうすればいいですか?
音、光、暑さ寒さ、空腹、不安、昼間の刺激などを見直します。何度も続く場合や日中に影響がある場合は、医師に相談してください。
寝る前に不安が強くなる子にはどう声をかければいいですか?
「怖いんだね」「まだ遊びたかったんだね」と気持ちを受け止めたうえで、「絵本を読んだら電気を暗くするよ」と次の流れを短く伝えると安心しやすいです。
寝かしつけ絵本は効果がありますか?
子どもによりますが、寝る前のルーチンとして絵本を使うと切り替えやすくなることがあります。わが家では『ねないこだれだ』が寝るきっかけになりました。
睡眠薬やメラトニンは使ってもいいですか?
自己判断では使わず、必ず医師に相談してください。生活リズムや環境調整を行ったうえで、必要な場合に医師が判断します。
関連記事
- 発達障害の子どもが安心する朝のルーチン|朝の支度が進まない子への視覚スケジュールと習慣化のコツ【体験談】
- 幼児の不安が強いときのサポート|登園前に泣く子へ家庭でできる5つの安心ルーティン【体験談】
- 子どもが物や人にぶつかる理由|発達障害・DCDと空間認知・ボディイメージの支援法【体験談】
- 感情の切り替えが苦手な子どもに|自己コントロール力を育てる家庭サポート
- 発達障害の子どもに必要な栄養|鉄・亜鉛が集中力に与える影響とは?
参考資料
まとめ|寝かしつけは「根性」ではなく、安心の仕組みづくり
発達障害の子どもが夜眠れない背景には、感覚過敏、体内時計のずれ、日中の刺激、不安、切り替えの苦手さなどが関係していることがあります。
「早く寝なさい」と言うだけでは、なかなか変わりません。
大切なのは、
- 夜の流れを毎日同じにする
- 寝室の刺激を減らす
- 寝る前のスクリーンタイムを見直す
- 日中の活動量と昼寝を調整する
- 安心できる絵本やアイテムを使う
- つらいときは専門家に相談する
ことです。
わが家も、すぐにうまくいったわけではありません。
でも、息子に合う夜ルーチンや絵本の力を借りながら、少しずつ「寝る時間」を受け入れられるようになっていきました。
寝かしつけに悩む夜は、本当に長く感じます。
それでも、親子で安心できる形を少しずつ見つけていけば大丈夫です。
今日できることを、ひとつだけ。
そこから始めていきましょう。
関連記事
夜の睡眠が整うと、朝の支度や登園前の不安も少しずつ落ち着きやすくなります。