「5歳には、どのくらいの長さの絵本を選べばいいの?」
「ひらがなが読めるようになってきたけれど、一人で読ませた方がよい?」
「冒険や友達の気持ちについて、親子で楽しめる本を探している」
そんな悩みはありませんか?
わが家には、ASD・ADHD・DCD・吃音のある小学生と、4歳の子どもがいます。
私は児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、家庭でも子どもの興味や理解しやすさに合わせた絵本選びを試してきました。
子どもが5歳頃になると、物語の続きを楽しみにしたり、言葉の変化に笑ったり、登場人物を応援したりする姿が増えました。
一方で、5歳向けと紹介されている本なら、どれでも最後まで聞けたわけではありません。絵の中を探すことに夢中になる日もあれば、短い言葉遊びの本を何度も選ぶ日もありました。
この記事では、わが家で実際に読んだ本から、5歳頃におすすめの絵本を13冊紹介します。
物語・言葉遊び・冒険・ユーモア・気持ちなど、子どもの興味に合わせた選び方と、長い話に集中しないときの工夫もまとめました。
※年齢は選ぶときの目安です。子どもの興味・理解しやすさ・楽しめる長さを優先してください。絵本を読むだけで、語彙力や共感力などの発達が保証されるわけではありません。
結論|5歳の絵本は「読み応え」より「続きが気になるか」で選ぼう
5歳頃は少し長い物語を楽しめる子が増えますが、集中できる長さや好きな題材には個人差があります。
文字数や対象年齢だけで決めず、「次はどうなるのかな」「もう一回見たい」と思える本を選ぶことが大切です。
| 子どもの興味・様子 | 候補になる絵本 |
|---|---|
| 絵本に触れて参加したい | 『ぜったいに おしちゃダメ?』 |
| しかけや意外な結末が好き | 『しろくまのパンツ』 |
| 言葉遊びが好き | 『へんしんトンネル』 |
| 絵の中をじっくり見たい | 『ちか100かいだてのいえ』 |
| 失敗や挑戦を扱った話を読みたい | 『ぐるんぱのようちえん』 |
| 乗り物が好き | 『とべ!ちいさいプロペラき』 |
| パンやお店屋さんが好き | 『どんぐりむらのパンやさん』『ノラネコぐんだん パンこうじょう』 |
| ユーモアのある話が好き | 『ねこざかな』 |
| 不思議な冒険を楽しみたい | 『めっきらもっきら どおんどん』 |
| 長めの物語に挑戦したい | 『こんとあき』 |
| 仲間との協力を描いた話を読みたい | 『スイミー』 |
| 繰り返しと昔話を楽しみたい | 『てぶくろ』 |
迷った場合は図書館で試し、繰り返し読みたがる本を購入する方法もあります。
5歳におすすめの絵本13選
1.『ぜったいに おしちゃダメ?』
ビル・コッター/作
絵本に描かれたボタンを「押してはいけない」と言われるところから始まる参加型の絵本です。
おすすめポイント
- 指で押す、こするなどの動作で参加できる
- 次に何が起きるか期待して楽しめる
- 長い物語を聞くことが苦手な子も入りやすい
わが家でも、「押しちゃダメ」と言われるほど押してみたくなる展開を楽しみ、何度も繰り返して読みました。
指示どおりに動かすことが難しい場合は、大人が手本を見せたり、見ているだけにしたりして構いません。
2.『しろくまのパンツ』
tupera tupera/作
しろくまが、なくしたパンツを探していくしかけ絵本です。ページをめくるたび、模様を手がかりに「誰のパンツかな」と楽しめます。
おすすめポイント
- 絵の一部から次の動物を予想できる
- 色や模様の違いを楽しめる
- 意外な結末を親子で共有できる
わが家では、パンツの模様を見ながら持ち主を考え、最後の展開にも驚いていました。
答えを急かさず、子どもがじっくり絵を見る時間を取ってみてください。
3.『へんしんトンネル』
あきやまただし/作・絵
同じ言葉を繰り返しているうちに、別の言葉へ変わっていく言葉遊びの絵本です。
おすすめポイント
- 言葉の音とリズムを楽しめる
- 声に出して参加しやすい
- 次に何へ変わるか予想できる
わが家でも、変身する言葉が面白く、繰り返し声に出して楽しみました。
正しく言わせる練習にせず、大人が読んで子どもが聞くだけでも構いません。
4.『ちか100かいだてのいえ』
いわいとしお/作
地下へ向かって続く100階建ての家を、縦に開くページでたどる絵本です。
おすすめポイント
- 縦に広がる独特なページ構成を楽しめる
- 各階の暮らしをじっくり探せる
- 数や順番に自然に触れられる
わが家では、「次はどんな部屋かな」と、各階の細かな絵を眺めながら読みました。
100まで数える必要はありません。好きな住人や部屋を探すだけでも楽しめます。
5.『ぐるんぱのようちえん』
西内ミナミ/作、堀内誠一/絵
一人ぼっちだったぞうのぐるんぱが、さまざまな仕事を経験していく物語です。
おすすめポイント
- 繰り返される仕事の場面を楽しめる
- 失敗したときの気持ちに触れられる
- ぐるんぱが活躍できる場所を見つける展開を味わえる
わが家では、次はどの仕事をするのか楽しみにしながら、ぐるんぱを応援していました。
「失敗しても頑張らなければならない」と教えるのではなく、ぐるんぱの気持ちや物語の変化を一緒に味わいましょう。
6.『とべ!ちいさいプロペラき』
小風さち/作、山本忠敬/絵
小さなプロペラ機が、空港で自分の役割を果たそうとする物語です。
おすすめポイント
- 飛行機や空港が好きな子が入りやすい
- 小さなプロペラ機を応援しながら読める
- 乗り物が働く様子を楽しめる
わが家では、小さなプロペラ機が飛び立つまでを応援しながら読みました。
物語をすべて理解しなくても、飛行機の絵や空港の場面を眺めることから楽しめます。
7.『どんぐりむらのパンやさん』
なかやみわ/作・絵
どんぐりむらのパン屋さん一家を描いた物語です。仕事と家族の生活、パン作りの様子を楽しめます。
おすすめポイント
- パンやお店屋さんが好きな子が楽しみやすい
- 家族で協力する姿に触れられる
- パン屋さんごっこへ広げられる
わが家では、絵に描かれたパンを見ながら、どれを食べたいか話して楽しみました。
読んだあとに粘土でパンを作ったり、おもちゃを並べてお店屋さんごっこをしたりすることもできます。
8.『ねこざかな』
わたなべゆういち/作・絵
ねこと魚が一緒になった「ねこざかな」の、意外で楽しい展開を味わえる絵本です。
おすすめポイント
- ねこと魚のユニークな組み合わせを楽しめる
- しかけを動かして参加できる
- 短い時間でも読みやすい
わが家でも、ねこと魚が一緒になる展開を面白がり、笑いながらページをめくっていました。
シリーズが多いため、最初からそろえず、気に入ったら次の一冊を探してみてください。
9.『ノラネコぐんだん パンこうじょう』
工藤ノリコ/作
ノラネコぐんだんがパン工場へ忍び込み、大騒ぎを起こす物語です。
おすすめポイント
- いたずらの行方を楽しめる
- 細かく描かれた絵の中を探せる
- 繰り返し読んでも新しい発見がある
わが家では、ノラネコたちの行動にハラハラしながら、細かな絵も繰り返し眺めました。
いたずらを注意するための教材にせず、まずは物語として一緒に楽しみましょう。
10.『めっきらもっきら どおんどん』
長谷川摂子/作、ふりやなな/絵
男の子が不思議な世界へ迷い込み、個性的な仲間たちと遊ぶ冒険物語です。
おすすめポイント
- 不思議な世界への冒険を楽しめる
- リズムのある言葉を声に出せる
- 少し怖くて面白い雰囲気を味わえる
わが家では、印象的な言葉の響きを何度も口にしながら楽しみました。
不思議な登場人物を怖がる場合は、無理に最後まで読まず、好きな場面だけ楽しんでも構いません。
11.『こんとあき』
林明子/作
女の子のあきが、ぬいぐるみのこんと一緒に、おばあちゃんの家を目指す物語です。
おすすめポイント
- 少し長い旅の物語を味わえる
- 大切な存在への気持ちに触れられる
- 困難を越えて進む二人を応援できる
わが家では、こんとあきが無事に着けるか気にしながら、落ち着いて聞いていました。
一度に読み切ることが難しい場合は、場面の区切りで休み、別の日に続きを読んでも大丈夫です。
12.『スイミー』
レオ・レオニ/作、谷川俊太郎/訳
仲間を失った小さな魚のスイミーが、新しい仲間と出会い、大きな魚へ立ち向かう方法を考える物語です。
おすすめポイント
- 海の美しい表現を楽しめる
- スイミーの考えや行動に注目できる
- 仲間と協力する物語を味わえる
わが家では、魚たちが一つの大きな魚のようになる場面を楽しんでいました。
「協力しなければならない」と結論を教えるより、スイミーが何を考えたのかを物語の中で味わってみてください。
13.『てぶくろ』
ウクライナ民話、エウゲーニー・M・ラチョフ/絵、うちだりさこ/訳
森に落ちていた手袋へ、動物たちが次々と入っていく昔話です。
おすすめポイント
- 同じやり取りの繰り返しを楽しめる
- 動物が増えていく展開を予想できる
- 動物の名前や順番に注目できる
わが家では、「まだ入れるの?」と、ぎゅうぎゅうになっていく手袋を楽しみながら聞いていました。
登場する動物をすべて覚えさせる必要はありません。気になる動物を指差したり、次の展開を待ったりするだけでも楽しめます。
5歳向け絵本を選ぶ6つのポイント
1.子どもの「好き」を入口にする
乗り物・動物・食べ物・言葉遊びなど、今夢中になっている題材から選びます。
好きなものが登場すると、少し長い物語にも入りやすくなる場合があります。
2.最後まで楽しめる長さを優先する
5歳でも、長い話を一度に聞くことが難しい子はいます。
対象年齢より簡単な絵本を選ぶ、途中で区切る、絵だけを見るなど、今楽しめる形に調整しましょう。
3.言葉遊びや繰り返しのある本も選ぶ
長い物語だけが5歳向けとは限りません。
言葉の音や繰り返しを楽しめる本は、声を出すことが好きな子にも、聞いて楽しみたい子にも候補になります。
4.怖さや情報量を確認する
冒険や不思議な世界を好む子もいれば、怖い場面や細かな絵を負担に感じる子もいます。
人気や対象年齢だけで決めず、実際の反応を見て選んでください。
5.一人読みを急がない
ひらがなが読めるようになっても、文字を追うことと物語を楽しむことは別です。
子どもが自分で読みたがる部分だけ任せ、難しいところは大人が読んで構いません。
ひらがなを読めても、一人で文章を読みながら物語を理解することには、別の負担があります。
読み聞かせから一人読みへ無理なく移る方法は、こちらで紹介しています。
▶ ひらがなが読めても絵本を自分で読まない理由と親の関わり方
6.図書館で試してもよい
絵本をすべて購入する必要はありません。
図書館で好みを探し、何度も読みたがる本を家庭の本棚へ迎える方法もあります。
5歳と読み聞かせを楽しむ5つのコツ

1.感想を毎回聞かなくてもよい
読み終わるたびに「どう思った?」と聞かれると、試されているように感じる子もいます。
何も質問せず、物語の余韻を一緒に楽しむ日があっても大丈夫です。
2.声色を変えることを義務にしない
登場人物ごとに演じる読み方を好む子もいれば、静かで一定の読み方を好む子もいます。
子どもの反応と、読む人の負担に合わせてください。
3.子どもの話を途中で止めない
絵を見ながら子どもが話し始めたら、物語を急いで進めず、少し耳を傾けてみましょう。
内容と関係のない話に見えても、子どもの中では絵や経験とつながっていることがあります。
4.途中で区切ってよい
長い絵本を一度に読み終える必要はありません。
しおりを挟み、「続きはまた今度」にすると、次の楽しみにもできます。
5.遊びへ広げなくてもよい
パン屋さんごっこや続きを考える遊びへ広げることもできますが、毎回活動を用意する必要はありません。
絵本を読んで終わることも、十分な楽しみ方です。
▶ 絵本の読み聞かせ7つのコツと、子どもに合わせた楽しみ方を見る
発達が気になる子と読むときの工夫
発達が気になる子の絵本選びも、診断名や実年齢だけで決める必要はありません。
今の興味・理解しやすさ・苦手な刺激を手がかりに、次のような工夫ができます。
- 登場人物が少ない本から試す
- 同じ本を繰り返して読む
- 文章を短くし、絵を中心に楽しむ
- 指差しや視線も参加として受け止める
- 選択肢を二つにして答えやすくする
- 怖い場面や大きな声を嫌がる場合は無理に続けない
- 登場人物の気持ちを一つに決めつけない
絵本は、正しい感想を答えるテストではありません。
言葉や感情、生活面について困りごとが続く場合は、絵本だけで解決しようとせず、園・学校・小児科・地域の相談窓口なども利用してください。
よくある質問
5歳にはどのような絵本がおすすめですか?
物語の展開を楽しめる本、言葉遊びの本、冒険や友情を扱った本などが候補になります。
年齢だけでなく、子どもが好きな題材と今楽しめる長さを優先しましょう。
5歳向けの絵本は何分くらいの長さがよいですか?
決まった時間はありません。
短い本を繰り返し楽しむ子もいれば、長い物語を好む子もいます。
途中で集中が切れたら、区切って別の日に続きを読んでも構いません。ひらがなが読めるなら、一人で読ませた方がよいですか?
一人読みを急ぐ必要はありません。
自分で読みたい部分だけ読んでもらい、残りは大人が読む方法もあります。
物語を楽しむ時間と、文字を読む練習を分けても大丈夫です。4歳向けの絵本を読んでもよいですか?
もちろん構いません。
対象年齢より簡単な絵本でも、子どもが繰り返し楽しめるなら、今のその子に合った一冊です。
同じ絵本ばかり読みたがっても大丈夫ですか?
問題ありません。
内容を知っている安心感や、好きな場面を待つ楽しさがあります。
読む大人が負担に感じる場合は、回数を決めても構いません。読み聞かせ中に質問した方がよいですか?
質問は必須ではありません。
問いかけを楽しむ子もいますが、負担に感じる子もいます。
子どもが自分から話し始めたときに耳を傾けるだけでも十分です。科学絵本や図鑑も読んだ方がよいですか?
子どもが宇宙・昆虫・恐竜・乗り物などに興味を持っているなら、選択肢になります。
物語絵本と図鑑のどちらかに決めず、その日の興味に合わせて選びましょう。
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まとめ|5歳の絵本は、子どもの「続きが気になる」を大切にしよう
今回紹介した、5歳頃におすすめの絵本は次の13冊です。
- 『ぜったいに おしちゃダメ?』
- 『しろくまのパンツ』
- 『へんしんトンネル』
- 『ちか100かいだてのいえ』
- 『ぐるんぱのようちえん』
- 『とべ!ちいさいプロペラき』
- 『どんぐりむらのパンやさん』
- 『ねこざかな』
- 『ノラネコぐんだん パンこうじょう』
- 『めっきらもっきら どおんどん』
- 『こんとあき』
- 『スイミー』
- 『てぶくろ』
5歳だからといって、長い物語を最後まで聞いたり、一人で文字を読んだりする必要はありません。
絵を眺める、同じ言葉を繰り返す、登場人物を応援する、意外な展開に笑うことも、絵本の大切な楽しみ方です。
親子にとって無理のない方法で、その子が「続きが気になる」「もう一回読みたい」と思える一冊を探してみてください。