はじめに
「テンションが上がると走り回ってしまう…」
「楽しくなると声が大きくなりすぎる…」
「ふざけて押す・たたく・物を投げることがある…」
「危ない言葉が出てしまう…」
「何度注意しても、興奮すると止まらない…」
そんな悩みはありませんか?
幼児期の子どもは、楽しい気持ちが大きくなると、自分でもブレーキをかけるのが難しいことがあります。
特に、
ASD
ADHD
発達ゆっくりさん
感情のコントロールが苦手な子
視覚優位の子
刺激に入りやすい子
衝動的に動いてしまいやすい子
は、言葉だけで
「落ち着いて」
「静かにして」
「危ないよ」
と伝えても、なかなか行動に結びつかないことがあります。
そこで今回は、幼児のハイテンション対策として使える
「テンションメーター」
「からだの信号」
「テンションが上がったら4ステップ」
「からだロケット スピードダウン」
「テンション高すぎサイン」
の視覚支援カードを作りました。
結論から言うと、ハイテンションで危ない行動をしてしまう子には、
「怒る前に、今の状態を見える化すること」
がとても大切だと感じています。
この記事で分かること
幼児がハイテンションになる理由
ハイテンション時に危ない行動が出やすい理由
「落ち着いて」が伝わりにくい理由
視覚支援カードの使い方
家庭・園・学校で使いやすい声かけ
無料公開カードの活用方法
幼児のハイテンションは悪いことではない
まず大切なのは、
テンションが上がること自体は悪いことではない
ということです。
子どもが楽しくなって、
笑う
走りたくなる
ジャンプする
大きな声が出る
もっと遊びたくなる
のは、とても自然なことです。
問題なのは、テンションが上がりすぎた時に、
人にぶつかる
押してしまう
たたいてしまう
物を投げてしまう
危ない言葉が出る
道路や階段で走り出す
順番を守れなくなる
など、本人や周りが危なくなる行動につながることです。
つまり、伝えたいのは、
楽しい気持ちはOK。
でも、からだの動きは少しゆっくりにしよう。
ということです。
ここを間違えると、子どもは
「楽しくしちゃダメなんだ」
「また怒られた」
「自分は悪い子なんだ」
と感じてしまうことがあります。
だからこそ、視覚支援では、
気持ちは否定しないこと
危ない行動だけを分かりやすく伝えること
が大切です。
なぜ「落ち着いて」だけでは伝わりにくいのか
親としては、つい
「落ち着いて!」
「静かにして!」
「危ないからやめて!」
「何回言ったら分かるの!」
と言ってしまいます。
でも、ハイテンションになっている子どもにとって、「落ち着いて」は意外と難しい言葉です。
なぜなら、
今の自分の状態に気づいていない
何をやめればいいのか分からない
どうすれば落ち着けるのか分からない
楽しい気持ちが強すぎて止まれない
注意されるとさらに興奮する
ことがあるからです。
大人でも、気持ちが高ぶっている時に「落ち着いて」と言われると、逆にイライラすることがありますよね。
子どもも同じです。
だから、
「落ち着いて!」
よりも、
「今、テンションがオレンジになってるよ」
「赤になる前に、ふーっとしよう」
「からだロケット、スピードダウンしよう」
のように、見て分かる言葉に変えると伝わりやすくなります。
視覚支援がハイテンション対策に向いている理由
今回作った視覚支援カードは、テンションが高くなった時に使いやすいように、5種類のパターンにしました。
家庭では冷蔵庫やリビングに貼る
園では遊ぶ前に確認する
学校では休み時間前に見る
療育ではクールダウン練習に使う
など、いろいろな場面で使いやすい内容です。
無料公開|ハイテンションの視覚支援イラスト
今回作った視覚支援イラストは、
テンションが高くなった時に使いやすいように、5種類のパターンにしました。
家庭では冷蔵庫やリビングに貼る
園では遊ぶ前に確認する
学校では休み時間前に見る
療育ではクールダウン練習に使う
など、いろいろな場面で使いやすい内容です。


① テンションメーター
一番おすすめなのが、
「テンションメーター」
です。
テンションの状態を、
あお
きいろ
オレンジ
あか
の4段階で見える化しています。
あお|おちついている
座って話を聞ける
歩ける
声の大きさがちょうどいい
この状態は、からだも心も落ち着いている状態です。
きいろ|たのしくなってきた
声が少し大きい
動きたくなる
笑い声が増える
楽しくなってきた状態です。
まだ危なくはありません。
ここで気づけると、とても良いです。
オレンジ|あぶないかも
走り出す
人に近づきすぎる
手が出そう
大きな声が出る
少し注意が必要な状態です。
この段階で、
「今、オレンジかな?」
「赤になる前に、ふーっとしよう」
と声をかけると、落ち着きやすくなります。
あか|いったんストップ
ぶつかる
押す
たたく
物を投げる
危ない言葉が出る
この状態は、いったんストップが必要です。
ポイントは、赤になってから強く叱るのではなく、
オレンジの時点で気づかせることです。


② からだの信号
次に使いやすいのが、
「からだの信号」
です。
信号のイメージなので、幼児にも分かりやすいです。
あお|そのままでOK
歩く
やさしく話す
順番を待つ
青は「そのままでOK」のサインです。
きいろ|ちょっと気をつけよう
声が大きい
走りたくなる
近づきすぎる
笑いが止まらない
黄色は「そろそろ気をつけよう」のサインです。
ここで、
「黄色でひとやすみしよう」
「あかになる前にストップしよう」
と伝えます。
あか|いったんストップ
押す
たたく
投げる
飛び出す
危ない言葉
赤は「止まる」サインです。
このカードは、
公園・園庭・室内遊び・兄弟げんかの前などに使いやすいです。


③ テンションが上がったら4ステップ
実際に行動につなげやすいのが、
「テンションが上がったら4ステップ」
です。
流れはシンプルです。
① きづく
いま、テンション高いかも。
まずは、自分の状態に気づくことが大切です。
② とまる
あぶない前にストップ。
手や足が出る前に、いったん止まります。
③ ふーっ
ゆっくり息をする。
深呼吸は、子どもにも分かりやすいクールダウン方法です。
④ やすむ
少し休んでから戻る。
落ち着いたら、また遊びに戻ってOKです。
このカードの良いところは、
「止まるだけで終わらない」
ことです。
子どもにとっては、
「やめなさい」で終わると不満が残りやすいです。
でも、
「落ち着いたら、また遊ぼう」
と伝えることで、安心しやすくなります。


④ からだロケット スピードダウン
テンションが高い子に特に合いやすいのが、
「からだロケット スピードダウン」
です。
ハイテンションの状態を、
ロケットがスピードアップしているイメージで伝えます。
スピードアップのサイン
走る
大声
ジャンプ
ふざけすぎ
この状態を、
「からだロケットが速くなってるね」
と伝えます。
このままだと危ないかも
ぶつかる
ころぶ
お友達を傷つける
物をこわす
危険につながる前に、気づかせます。
スピードダウン
歩く
小さい声
手は自分のからだ
ふーっと息
ここで大切なのは、
楽しい気持ちはそのままでOK
からだだけゆっくりにしよう
という伝え方です。
これは、子どもが嫌がりにくい声かけです。


⑤ テンション高すぎサイン
危ない行動を説明するカードとして使いやすいのが、
「テンション高すぎサイン」
です。
こんなサインが出ていませんか?
走り回る
押す・ぶつかる
大きな声を出す
物を投げる
危ない言葉が出る
このようなサインが出てきたら、
からだがスピードアップしている状態かもしれません。
落ち着くためにやってみよう
その場で止まる
ゆっくり深呼吸する
歩く・ゆっくり動く
少し休む・クールダウンする
最後に、
落ち着いたら、また楽しく遊ぼう
と伝えると、子どもも安心しやすいです。
我が家で使うなら、この声かけがおすすめ
視覚支援カードを使う時は、言葉を短くするのがおすすめです。
ハイテンションになっている時に、長い説明をしても入りにくいからです。
使いやすい声かけは、次のような言葉です。
「今、黄色かな?」
「オレンジになってきたね」
「赤になる前にストップしよう」
「ふーっとしよう」
「からだだけゆっくりにしよう」
「落ち着いたら、また遊ぼう」
「楽しい気持ちはOKだよ」
「でも、押すのはストップ」
「手は自分のからだに戻そう」
「歩いて遊ぼう」
短く・具体的に・否定しすぎない言葉が使いやすいです。
NGになりやすい声かけ
反対に、ハイテンションの時に逆効果になりやすい声かけもあります。
例えば、
「いい加減にしなさい!」
「何回言ったら分かるの!」
「またやってる!」
「もう遊ばせないよ!」
「うるさい!」
「危ないって言ってるでしょ!」
などです。
もちろん、親も人間なので、言ってしまうことはあります。
私も何度もあります。
ただ、こうした声かけは、子どもがさらに興奮したり、反発したりすることがあります。
できるだけ、
今の状態を伝える
次にする行動を伝える
落ち着いた後の見通しを伝える
この3つを意識すると、子どもも動きやすくなります。
視覚支援カードの使い方
① 落ち着いている時に見せる
カードは、ハイテンションになってから初めて見せるより、
落ち着いている時に一緒に確認しておく方が効果的です。
例えば、
「これが青だね」
「黄色になると、声が大きくなるね」
「オレンジになったら、ふーってしようね」
「赤になる前に止まれたらすごいね」
と、遊び感覚で確認します。
② 遊ぶ前に確認する
公園に行く前
お友達と遊ぶ前
ゲームをする前
兄弟で遊ぶ前
園や学校に行く前
など、テンションが上がりやすい場面の前に見るのがおすすめです。
「今日は赤になる前に黄色で休もうね」
と、先に約束しておくと使いやすいです。
③ ハイテンションになったら指差しで伝える
実際にテンションが上がってきたら、
長く説明するより、カードを指差して伝えます。
「今ここかな?」
「オレンジだね」
「ふーっとしよう」
「歩こう」
視覚支援は、言葉を減らせるのがメリットです。
④ 落ち着けたらすぐほめる
子どもが少しでも止まれたら、すぐにほめます。
「今止まれたね」
「ふーってできたね」
「黄色で休めたね」
「赤になる前に戻れたね」
「自分で気づけたね」
ここをほめると、
次も同じ行動につながりやすくなります。
家庭で使いやすい場面
兄弟で遊んでいる時
兄弟で遊んでいると、楽しくなりすぎて、
押す
引っ張る
追いかけ回す
大声を出す
おもちゃを取り合う
ことがあります。
そんな時は、
「今、オレンジだね」
「赤になる前に、ふーっとしよう」
「手は自分のからだに戻そう」
と伝えます。
ゲーム中
ゲーム中は、勝ち負けや刺激でテンションが上がりやすいです。
「声が大きくなってきたね」
「黄色サインだね」
「一回深呼吸してから続けよう」
と、ゲームをやめさせる前にクールダウンを入れると使いやすいです。
公園
公園では、走る・登る・ジャンプするなど、体の動きが大きくなります。
危ない行動が出る前に、
「ロケット速くなってるよ」
「歩くモードにしよう」
「階段は青でいこう」
と伝えると、子どもにも分かりやすいです。
お出かけ前
お出かけ先では、刺激が多くてテンションが上がることがあります。
スーパー
ショッピングモール
病院
外食
イベント会場
などでは、出発前にカードを見せて、
「黄色になったら、ママの近くでふーっとしよう」
と確認しておくのがおすすめです。
園や学校で使う場合
園や学校で使う場合は、先生に
「テンションが上がると危ない行動につながることがあります」
「注意よりも、カードで状態を伝えると入りやすいです」
「黄色やオレンジの段階で声をかけてもらえると助かります」
と伝えておくと使いやすいです。
先生にお願いする時は、
「問題行動を止めてほしい」というより、
本人が気づけるように使いたいです
という言い方にすると、協力してもらいやすいです。
発達障害やグレーゾーンの子にも使いやすい理由
このカードは、発達障害の有無に関係なく使えます。
ただ、特に
ASD
ADHD
発達ゆっくりさん
視覚優位の子
感情コントロールが苦手な子
衝動性が強い子
には、合いやすい場合があります。
理由は、
今の状態が見える
次にする行動が分かる
注意されている感じが減る
親子で同じ言葉を使える
落ち着いた後の見通しが持てる
からです。
もちろん、カードだけですべてが解決するわけではありません。
でも、
「やめなさい!」
だけで伝えるより、
子どもが理解しやすくなる可能性があります。
体験談|「テンションが高い=悪い」ではなく、見える化が必要だった
体験談|「テンションが高い=悪い」ではなく、見える化が必要だった
我が家でも、テンションが上がると危ない行動につながることがありました。
楽しくなりすぎると、
声が大きくなる
走り出す
人との距離が近くなる
ふざけすぎる
注意してもなかなか止まれない
ということがありました。
最初は、
「やめて!」
「危ない!」
「落ち着いて!」
と何度も注意していました。
でも、注意すればするほど、本人も興奮してしまい、親子で疲れてしまうことがありました。
そこで、
「今、テンションが上がっている状態なんだ」
と見える形で伝えられたらいいなと思いました。
テンションが上がること自体は悪くありません。
楽しい気持ちは大切です。
でも、からだがスピードアップしすぎると、ぶつかったり、押してしまったり、危ない言葉が出たりすることがあります。
だから、
「楽しい気持ちはそのままでいいよ」
「でも、からだだけ少しゆっくりにしよう」
と伝えるために、視覚支援カードを作りました。
今後は、ハイテンションになりやすい場面の前にカードを見せて、
「今どこかな?」
と一緒に確認しながら使っていきたいと思います。
また変化があれば、経過も追記していきます。
無料公開について
このページでは、
ハイテンションになった時に使える視覚支援イラストを無料公開しています。
家庭
園
学校
療育
放課後等デイサービス
などで、必要に応じてご活用ください。
印刷して貼る
ラミネートする
カードリングにまとめる
スマホに保存して見せる
遊ぶ前に確認する
など、使いやすい形で取り入れてみてください。
注意点|カードは叱るためではなく、気づくために使う
このカードは、子どもを責めるためのものではありません。
「また赤になってる!」
「ほら、危ないって書いてあるでしょ!」
という使い方をすると、
子どもがカードを見ること自体を嫌がる可能性があります。
おすすめは、
「今、黄色かな?」
「オレンジに気づけたね」
「赤になる前に戻ろう」
「ふーってできたね」
という使い方です。
カードは、叱る道具ではなく、
自分の状態に気づくための道具として使うのがポイントです。
よくある質問
ハイテンションになる子に視覚支援は効果がありますか?
効果がある場合があります。
特に、言葉だけでは伝わりにくい子には、イラストで「今の状態」と「次にする行動」を見せることで理解しやすくなります。何歳くらいから使えますか?
目安としては、3歳頃から使いやすいです。
ただし、絵を見て分かる子であれば、年齢にこだわらず使えます。「落ち着いて」と言っても聞かない時はどうすればいいですか?
「落ち着いて」だけでは抽象的なので、「止まる」「ふーっと息をする」「歩く」「少し休む」など、
具体的な行動に変えて伝えるのがおすすめです。テンションが高い時にカードを見せても嫌がります。
最初は、落ち着いている時にカードを一緒に見るのがおすすめです。
ハイテンション中に初めて見せると、受け入れにくいことがあります。赤になってから使っても意味がありますか?
使えますが、できれば黄色やオレンジの段階で使う方が効果的です。
赤になる前に気づけることを目標にします。兄弟げんかにも使えますか?
使えます。
特に、楽しく遊んでいたのにテンションが上がりすぎてケンカになる場合、
「黄色でひとやすみ」のルールを作ると使いやすいです。園や学校に持って行ってもいいですか?
先生に相談したうえで使うのがおすすめです。
「注意用」ではなく「本人が気づくためのカード」と伝えると、使ってもらいやすいです。ADHDの子にも使えますか?
ADHD傾向がある子にも使いやすい場合があります。
特に、衝動的に動いてしまう子には、事前に「黄色サイン」を確認しておくと役立つことがあります。ASDの子にも使えますか?
ASD傾向がある子にも、視覚的にルールや状態を示す方法は合いやすい場合があります。
ただし、子どもによって合う・合わないがあるため、無理なく使うことが大切です。カードを使っても危ない行動が減らない時は?
家庭だけで対応が難しい場合は、園・学校・療育・医療機関などに相談するのがおすすめです。
危険が大きい場合は、環境調整や専門的な支援も必要になることがあります。
まとめ|ハイテンションな子には「注意」より「見える化」が伝わりやすい
幼児がハイテンションになることは、悪いことではありません。
楽しい
うれしい
もっと遊びたい
体を動かしたい
そんな気持ちは、とても大切です。
でも、テンションが上がりすぎると、本人も周りも危なくなることがあります。
だからこそ、
「落ち着いて!」
「やめなさい!」
だけではなく、
今の状態を見える化する
危ない前に気づく
次にする行動を分かりやすくする
ことが大切だと感じています。
今回の視覚支援カードが、ハイテンションになりやすい子どもと、毎日声かけを頑張っている保護者の方の助けになればうれしいです。