はじめに:WISC検査を受けた背景
結論からお伝えすると——
今回のWISC検査を通じて、息子の強みと弱みがより明確になり、就学先を選ぶうえで大きな手がかりになりました✨
実は、息子は3歳8か月のときに「ウィプシー(WPPSI)」を受けています。
そこから成長し、再評価が必要になったため、今回あらためてWISC-Vを受けることにしました。
私が検査を受けさせた主な理由は次の3つです👇
- ⏳ 前回の検査から時間が経ち、再評価のタイミングだった
- 🏫 「通常級」か「支援級」か、就学に向けた判断材料にしたかった
- 👦 息子がWISC-Vを受けられる年齢(5歳0か月以上)になった
この記事では、検査までの流れ・当日の様子・結果から見えた特性や親の気づきを、体験談として詳しくお伝えします。
同じように悩む保護者の方の参考になれば嬉しいです🌱
📑 目次
- はじめに|WISC検査を受けた理由と背景
- 【WISC体験談】検査の流れと当日の様子
- 【WISC-V結果】報告書の内容と見方
- 【WISC結果と診断 体験談】凸凹から気づいたこと
- 【就学判断】通常級か支援級か、WISC結果を踏まえて考えたこと
- 【活かし方】WISC結果を療育・学校・家庭でどう使うか
- 日常生活で活かす WISC 結果:支援や工夫の体験談
- 【比較】WISC・K-ABC・ビネー式の違い
- WISC結果の限界と注意点|発達障害の診断は総合的に
- よくある質問
- まとめ|WISC体験談から学んだこと
1. 【WISC体験談】検査の流れと当日の様子
WISCは、子どもの認知能力を多角的に測る発達検査です。
(検査の概要や対象年齢などは
👉 関連記事:発達検査WISCとは?対象年齢と検査内容まとめ に詳しく書いています。)
ここでは、実際に私が体験した「検査までの流れ」と「当日の様子」をご紹介します✨
◆ WISC検査の流れ
🔹📅予約〜受診まで
病院の予約から実際の検査までは、なんと約3か月待ちでした。
🔹🏥通院のスケジュール
- 初診(親子で受診)
- 再診(親のみ)
- 発達検査(親子分離で実施)
- 心理士からの聞き取り(親のみ)
- 結果・説明(親のみ)
👉 我が家は、病院側のスケジュールに合わせて最短で進み、初診から結果まで1か月で完了。
ただし体調不良などでキャンセルするとすべてが後ろ倒しになるため、
この1か月は家族で体調管理にとても気を使いました💦

◆ WISC検査当日の様子
病院は今回で2回目の訪問でしたが、やはり 親子分離 には強い抵抗がありました。
- 別れるときに泣きそうになり、なかなか離れたがらない
- 検査中に集中が途切れて戻ってきてしまう
- そのたびに声をかけ、励まして再チャレンジ

70分間という長い時間を、子どもは一生懸命取り組み、なんとか最後までやり遂げました👏✨
母子分離で数多くの課題に挑戦するのは、子どもにとっても親にとっても大きなチャレンジ。
「まさに気力のいる検査だったな」と実感しました。
帰り道には「よく頑張ったね!」の気持ちを込めて、小さなおもちゃをご褒美に購入🎁
その笑顔を見て、こちらもホッと胸をなでおろしました。

2. 【WISC-V(ウィスク5)結果】実際の報告書の内容 ✍️

私の子どもが受けたWISC-V(ウィスク5) 結果では、5つの指標+全体IQ が示されました。
特に「ワーキングメモリ」と「流動性推理」に40ポイントもの差があり、強みと弱みの凸凹がはっきり表れていました。
(一般的に、WISCの各指標間で 15ポイント以上の差 があると「凸凹が大きい」とされます。
ただし、数値だけで発達障害と判断されることはなく、
実際には行動観察や環境要因などを含めた 総合的な評価 が必要です💡)
報告書では、以下のように整理されていました👇
👀 検査時の様子
🌟 得意な点・素敵な力
💭 苦手な点・困りごと
🔧 今後の工夫や支援方
✅【WISC(ウィスク)検査時の様子】
発達検査の報告書に、書かれていた検査時の様子。
- 初めは「こわい」と分離をしぶりましたが、検査室に入ってしまえば雑談に応じ笑顔が見られる
- 検査中は集中して取り組んだが、分からなかったり、検査の合間の時間に集中が途切れる
- 20分を過ぎたあたりかから、姿勢が崩れ足を椅子にあげたり、ふらふらする
- 指先で積み木を掴むことが苦手で上手く動かせない様子が見られる
- 目線を動かすことはできるが、時折段を間違えたり、飛ばすことがある
✅WISC 結果:得意な点・素敵な力 🌟
発達検査の報告書には、書かれていた強み。
- 言葉の理解力や語彙力は年齢相応
- リハーサルや十分な説明があれば理解できる
- 見聞きしたことを一定期間覚えておく力が高い
- 字は丁寧で正しい持ち方&適度な筆圧
- 自分なりのやり方を見つければ取り組める
✅WISC 結果:苦手な点・困りごと 💦
発達検査の報告書には、苦手さや困難さも具体的に示されていました。
- 分からない問題に強い不安を感じやすい
- 長い話や抽象的な内容の理解が苦手
- 要領をつかむのに時間がかかり、一斉指示が入りにくい
- 指先の不器用さで積み木や細かい動作が難しい
- 気が散りやすく、ケアレスミスが多い
👉 関連記事:WISC 結果の見方|IQより大切なポイントとは?(準備中)
これらはまさに日常の様子と重なり、「なるほど」と納得できる部分が多かったです。
強みと弱みを具体的に示してもらえたことで、親としても「どう伸ばしていけばいいか」のイメージが少しずつ見えてきました✨
3. 【WISC結果と診断 体験談】凸凹から気づいたこと 🌱
今回は、WISC検査とあわせて 発達診断 も受けました。
検査だけでなく、次のような評価も含まれていました👇
📌 実施された内容
- 医師による聞き取り
(発達歴・普段の様子、困りごと、子どもへ軽い質問や片足ケンケン、遊んでいる様子をチェック) - 心理士から親への詳細な聞き取り
(妊娠・出産~現在) - 日本版感覚プロファイル短縮版
(感覚特性をチェック:感覚に関する38の質問に、しない、まえに、ときどき、しばしば、いつもの5段階で評価) - こどもの行動評価スケール:家庭版
(家庭での様子を質問形式で確認:50問の質問に0,1,2,3で評価)
◆ 診断について
今回は、WISC検査とあわせて診断も依頼しました。
- 前回:発達も診てくれる小児科で診断
- 今回:発達専門クリニックで、より詳しい評価
➡️ 結果:これまでの ASDに加えてADHDとDCD(発達性協調運動症)も追加診断。

さらに全体IQも前回より下がっており、
療育で手ごたえを感じていた分、ショックが大きくて思わず涙が出ました…。
しかし、医師からの言葉が心に残っています。

ただ、医師からはこう伝えられました。
💬「診断はラベルではなく、この子を理解するためのヒント」
💬「IQの数値よりも、項目ごとのバラつきを見てほしい」
私は思わず「療育って意味があったんでしょうか…?」と尋ねました。

すると先生はこう教えてくれました。
「療育は特性を変えたり治すものではありません。
特性自体は療育を受けても変わらないんです。
でも、子どもが『自分のやり方』を見つけやすくするためのサポートになります。
親がその子の特性を理解して、『特性に合った子育てのコツ』を掴むこともできる。
親が特性を理解して関わり方を工夫することで、子どもの困りごとが減り、少しずつ自信を持てるようになるんですよ。
『早期療育』は、子どもと周りが一緒に過ごしやすくなる工夫を見つけるために大切なんです」
この言葉により、
診断とWISC結果をラベルや単なる数字としてではなく 「子どもを理解する手がかり」 として受け止められるようになりました🌟
👉 関連記事:発達検査の結果はどう見る?IQより大切なポイント(準備中)
4.【WISC体験談】就学判断 通常級か支援級か、WISC結果を踏まえて考えたこと
就学先については、療育先とも丁寧に相談しました。
最終的には 親が教育委員会に希望を提出する 形になるため、WISC結果 はとても重要な資料になりました。
結果的に、私の意見としては「支援級」が安心できる環境だと判断しました。
子どもの検査結果と特性を整理すると…
WISC 結果と診断の照らし合わせ
WISC(ウィスク)流動性推理が低い
初見の課題や、全体像を推測する力に苦手さがある
ASD×WISC(ウィスク)
- 指示の聞き逃し・場面の誤解が多い
- 柔軟な対応が難しく、「思い込み」や「自分ルール」にこだわる
- 感覚過敏で疲れやすく、集中が続きにくい
ADHD×WISC(ウィスク)
- 集中の持続が難しい(後半の検査での適当さ・飽き)
- 指示の聞き逃し、思い込み(FRI・VSIの低下と一致)
- 不注意によるミスが多い(パズルの組間違いなど)
DCD発達性強調運動症×WISC(ウィスク)
- 空間把握・目と手の対応に課題(VSI・FRIの低さと一致)
- 積み木やパズルの構成がうまくいかない
- 動作のぎこちなさ
吃音症
- 発話時に言葉が詰まる・繰り返す
- 吃音により、話すことに自信を持ちにくく、発言のタイミングに配慮が必要
これらを総合して、私は 通常級よりも支援級の方が安心できる環境 だと感じました。
「できる」「できない」ではなく、「安心して学べる環境」 をどう選ぶかが大切だと実感しました💡
👉 関連記事:[支援級か通常級か迷ったときの判断ポイント](準備中)
5.【WISC結果の活かし方】支援や療育での使い道 💡

検査結果はすぐに療育先へ共有しました。
するとスタッフから「すごく腑に落ちる内容だった」と言われ、支援方法を一緒に考えるきっかけになったのです✨

- 📘 療育の先生が子どもの強み・弱みを理解しやすくなった
- 🤝 支援の方向性を親と一緒に考えられた
- 🏫 学校との連携にも役立った
やはり 数値を共有することで、親と支援者が同じ方向を向ける のは大きなメリット。
「子どもの特性をどう伸ばすか」をチームで考えられるのはとても心強いと感じました🌱

👉 関連記事:支援級か通常級か迷ったときの判断ポイント(準備中)
診断 × WISC 結果のまとめ
- ASD × WISC:
思い込みや自分ルールでの行動、感覚過敏による集中困難 - ADHD × WISC:
集中の持続が難しい、不注意によるミス - DCD × WISC:
積み木・パズルが苦手、動作のぎこちなさ - 吃音:
言葉が詰まりやすく、発言に自信を持ちにくい
WISCの結果は、ただの数字ではなく 「進路や支援を考える道しるべ」 でした。
特に就学前に受けられたことは、親として大きな判断材料になったと感じています🌸
👉 関連記事:支援級か通常級か迷ったときの判断ポイント(準備中)
👉 WISC以外の検査との違いを知りたい方は 、
関連記事:K-ABCやビネー式との違いとは?(準備中)
6. 日常生活で活かす WISC 結果:支援や工夫の体験談 🏡
WISC(ウィスク)の結果から見えてきた特性を意識すると、普段の声かけや生活の工夫がぐっとスムーズになりました✨
わが家で取り入れている工夫をまとめると…
- 指示は「短く区切って」伝える
- 新しいことを始めるときは「事前説明」をする
- お手本や見本を見せると取り組みやすい
- 「あと〇分」「あと〇問」と声をかけて見通しを持たせる
- 苦手な課題は得意な課題にはさむ「サンドイッチ方式」
- 音読にはリーディングトラッカーや定規を活用📖
- 指先の不器用さ対策に、ハサミ・つまむ練習や体幹トレーニング
- 椅子に滑り止めシートを敷いて集中しやすい環境づくり
👉 関連記事:WISC 結果の活かし方|家庭でできるサポート例
こうした小さな工夫でも、子どもが「できるかも!」と思える環境を整えることができ、
少しずつ自信につながっているのを感じています🌱
7. 他の発達検査との違いは?WISC・K-ABC・ビネー式を比較 🔍

発達検査といっても種類がいくつかあります。
同じ「知能検査」でも、それぞれに特徴と目的があるんです。
検査名 | 特徴 | 活かせる場面 |
---|---|---|
K-ABC | 学習の過程や認知処理に注目。 「どう考えて答えを導いたか」に焦点 | 学習方法の工夫、 学び方のスタイルを知るときに有効 |
ビネー式知能検査 | 歴史のある検査で、知能年齢を測定。 IQの基礎的な目安に | 発達全体のスクリーニングや 大まかな知能の把握に |
WISC(ウィスク) | 言語理解 ワーキングメモリ 処理速度など 5つの指標で認知の凸凹を細かく把握 | 学校選び 支援の必要性 日常生活での具体的な工夫に直結 |
👉 関連記事:発達検査の種類まとめ|WISC・K-ABC・ビネーの違い
WISC 結果と他の発達検査との違い(体験談を交えて)
我が子の場合、支援の方向性や就学先を考えるうえで、WISC(ウィスク)の結果が非常に役立ちました✨
「どの力を伸ばせばよいか」
「どこを重点的にサポートすべきか」が数値と一緒に示されるので、親としても納得感が大きかったです。

ただし、同じクリニックに通っていても、子どもによって実施される検査は異なることがあるそうです。
👉 医師や心理士が「その子の特性に合っているか」「より正確に把握できるか」を見て、
WISCだけでなくK-ABCや田中ビネー式などを選ぶ場合もあります。
つまり、どの検査が選ばれるかは「子どもの特性」「検査の目的」「医師の判断」によって変わるんですね。
💡 まとめ
- 日常生活では「短い指示」「事前説明」「環境調整」が効果的
- 発達検査はそれぞれ目的が違い、支援や就学判断にはWISCが強い味方
8. WISC結果の限界と注意点|発達障害の判断は総合的に ⚠️
WISC(ウィスク)の結果は、子どもの認知の「凸凹」を知るための重要な手がかりですが、
これだけで発達障害の診断が下るわけではありません。
例えば、同じIQでも…
- 環境や体調によって集中力や行動が変わる
- 緊張や疲れで結果が出にくい場合もある
- 普段の生活での困りごとや特性が反映されないことも
そのため、診断は WISCの結果+日常生活での行動観察+環境要因 を含めた総合的な判断で行われます。
IQだけにとらわれないで
よく「IQが低い=困っている」と誤解されがちですが、数値よりも項目ごとのばらつき(凸凹) に注目することが大切です。
- ワーキングメモリが低くても、言語理解が高ければ得意なことに応用できる
- 流動性推理が低くても、サポートや工夫で生活や学習の困難は減らせる
👉 関連記事:WISC結果の活かし方|IQだけで判断しないで(準備中)
実体験からの気づき
わが子の場合も、IQの数字だけを見て一喜一憂するより、
得意・不得意の凸凹を理解して日常生活や療育に活かすことが、親として最も役立つ情報でした🌱
💡 ポイントまとめ
WISCは「子どもの認知の地図」
- 診断は総合的に判断される
- IQだけで判断せず、項目間の凸凹に注目
- 得意を伸ばし、苦手をサポートするためのヒントとして活用
9. よくある質問
WISCは何歳から受けられますか?
5歳0か月から16歳11か月まで受けられます。
検査時間はどれくらいかかりますか?
約60〜90分が一般的です。
結果はすぐに分かりますか?
1〜2週間後に面談で説明されることが多いです。
IQが低いと必ず発達障害ですか?
いいえ。WISCだけで診断はされず、総合的な観察や他の検査も必要です。
WISCを受けると就学先は自動的に決まりますか?
いいえ。あくまで参考資料であり、最終判断は教育委員会や保護者です。
検査の結果は療育に役立ちますか?
はい。得意不得意が分かることで支援方針を立てやすくなります。
検査は病院以外でも受けられますか?
心理センターや発達相談機関でも受けられる場合があります。
検査に失敗することはありますか?
子どもが体調不良や拒否で取り組めないと、十分な結果が得られない場合があります。
WISCとWPPSIの違いは何ですか?
WPPSIは就学前の幼児向け、WISCは学齢期の子ども向けの発達検査です。
親は検査に同席できますか?
基本的に同席できず、子どもだけで受ける形式が多いです。
10. まとめ:検査をどう活かすか、今後の視点
WISCは予約や待ち時間、子どもの負担もあり、決して気軽に受けられる検査ではありません。
ですが、今回強く感じたのは——
👉 「結果をどう活かすかが一番大事」 ということです。
WISC検査を通じて得られたこと
- ✅ 子どもの得意・不得意を具体的に把握できた
- ✅ 療育や学校の先生と「近い視点」で話せるようになった
- ✅ 親として就学先を選ぶ際の判断に自信を持てた
WISC体験談から学んだこと
- WISCは「子どもの強みと弱み」を見える化するツール
- 就学判断や支援方法の検討に役立つ
- 数値だけでなく、診断や日常観察と組み合わせることが大切
発達検査は「ラベルを貼るもの」ではなく、子どもを理解するための地図🗺️。
この体験が、同じように進路や支援で悩む方にとって少しでも参考になれば幸いです。
📢次回予告
次回は、「【発達検査WISC-Ⅴ】VSI(視空間指標)とは?結果の見方とサポート法・体験談」をお伝え予定です。
お楽しみに!
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