はじめに|発達検査WISCとVSIとは?
「発達検査WISC(ウィスク)を受けたら、VSI(視空間指標)という言葉が出てきたけど、どういう意味?」と思った方も多いのではないでしょうか。

WISC-Ⅴは、子どもの発達特性や得意・不得意を把握するための代表的な検査です。
その中でもVSI(Visual Spatial Index/視空間指標)は、図形や空間を理解する力を測定する重要な指標です。
私自身も、5歳の息子が就学を見据えて発達検査を受けた際に「VSIが平均より少し低め」と言われました。
👉 この記事では、実体験を交えながら、
「WISC VSI 意味」
「VSIの得点の見方」
「発達検査の結果の活かし方」
「子どもへのサポート方法」
をわかりやすく解説します。
⚠️ 本記事は医療的な診断ではなく、あくまでも「保護者が結果を理解するための参考情報」です。
目次
- WISC-Ⅴとは?発達検査の基本をおさらい
- VSI(視空間指標)とは?意味と測定する力
息子の場合の体験談 - VSIの検査内容(WISC VSI 得点の見方に関係する部分)
息子の場合の体験談
まとめ(気づき) - VSIの得点が高い子どもの特徴
- ASDの子どもとVSIの関係について
- VSIの得点が低い子どもの特徴と困難さ
- VSIを伸ばすための家庭での工夫(子どもWISCサポート法)
- VSIを活かした教育・支援への応用(発達検査WISC結果の活かし方)
- よくある質問(Q&A)
- まとめ|VSIは子どもの得意・苦手を知るカギ
1. WISC-Ⅴとは?発達検査の基本をおさらい
WISC-Ⅴ(Wechsler Intelligence Scale for Children)は、5歳0か月〜16歳11か月を対象とした知能検査です。
約60〜90分かけて実施され、以下の5つの主要指標で構成されています。
- VCI(言語理解指標)
- VSI(視空間指標)
- FRI(流動性推理指標)
- WMI(ワーキングメモリ指標)
- PSI(処理速度指標)
このうちVSIは「図形・パズル・積木」を通して空間的な理解力を評価する指標です。
2. VSI(視空間指標)とは?意味と測定する力
VSI(Visual Spatial Index)は、主に以下の力を測定します。
- 図形を正しく把握する力
- 空間的な配置を理解する力
- 部分を組み合わせて全体を認識する力
息子の場合の体験談
普段の様子
- 積木やブロックよりも戦いごっこや鬼ごっこなどの外遊びを好むタイプ
- 積み木やパズル、ブロック遊びを自分から好んですることはない
- 療育先ではカリキュラムの中で、よく積み木はよくありました。(模倣積み木と積み上げ)
検査の様子
- 指先の不器用さがあり、検査中にうまく動かせない場面があった
- 「積木模様」は平均的にできた
- 「パズル」はすぐに諦めてしまうことが多かった
👉 このように、性格や得意・不得意、指先の発達などもVSIの得点に影響することがあります。
3. VSIの検査内容(WISC VSI 得点の見方に関係する部分)
WISC-ⅤのVSIは、主に次の2つの課題で構成されています。
1️⃣ 積木模様:
見本の図柄を見て、同じ模様を積木で作る課題
→ 空間認識と模倣力を測定。
2️⃣ Visual Puzzles(視覚パズル):
複数のパーツを見て、正しい組み合わせを選び出す課題
→ 分析力や構成力を測定。
息子の場合の体験談
普段の様子
- パズルや積木はあまり好まない
- 3歳頃に型はめ知育ブロックをもらったが、当時はできず苦手意識が強かった
- 現在も「遊びでやる」というより、課題として出されたときに取り組む程度
検査の様子
- 積木模様:
平均位にできた。
しかし指先の不器用さもあり、うまく操作できない場面があった。
👉「積み木模倣」は見本があるだけ、し易かったのかな。 - パズル:
すぐに諦めてしまうことが多く、点数が極端に少なめとのこと。
👉一から考えて解決する課題は苦手で、
「粘り強く取り組む力が弱い」と指摘された。
まとめ(気づき)
3歳8か月のときに受けた WPPSI-Ⅲ(ウィプシー3) の検査では、
実際に隣で見ていて、
「パズルや積木の課題は特に苦手」「手先が不器用で、何度も作り直していた」
という印象が強く残っています。
👉 今回の WISC-Ⅴ(ウィスク) の結果を見ても、
WPPSI-Ⅲで感じた「パズルや積木が苦手」「手先が不器用」という傾向は変わっていませんでした。
ただし、「積み木模倣」は平均値だったという点は、
これまで療育先で積み木課題に取り組んできた成果だと感じています。
また、「模倣型の課題はできるが、自分で構成して解く課題は苦手」という傾向は、
日常生活にも表れていて、例えば 1から10まで丁寧に説明しないと理解が難しい場面によくつながっていると感じました。
4. VSIの得点が高い子どもの特徴
VSIの得点が高い場合、次のような強みがあります。
- パズルや積木、ブロック遊びが得意
- 地図や迷路など空間を理解する課題が得意
- 図工や体育、模型作りなどで力を発揮
- 板書や図解をスムーズに処理できる
空間認知が強い子は、理科実験・図工・工作・スポーツ・地図や迷路など、形や位置関係を使う活動で力を発揮することがあります。
保護者としては『得意なことを伸ばしてあげればいいんだな』と理解できると安心です。
5. ASDの子どもとVSIの関係について
発達特性のある子ども(ASD:自閉スペクトラム症)では、
VSI(視空間指標)が比較的高い傾向が見られる場合があるといわれます。
- 図や形を正しく捉える力が強い
- パズルや迷路、地図のような課題が得意
- 模型やブロック遊びで力を発揮する
一方で、これはあくまで「よくある傾向」であり、すべてのASDの子に当てはまるわけではありません。
実際には、VSIが平均的だったり低めに出る子もおり、個性や得意・不得意は多様です。
👉 そのため、「ASDだからVSIが高い」と単純に結びつけるのではなく、
ひとりひとりの結果を理解し、日常生活や学習のサポートにどう活かすかを考えることが大切です。
実体験
実際に、息子は、ASDと診断されていますが、VSIは低めです。
ただし、ASDのお子さんをもつ療育仲間に話を伺うと、確かにVSIは高めの子が多い印象も受けました。
6. VSIの得点が低い子どもの特徴と困難さ
一方でVSIが低めの場合、次のような困難が見られることがあります。
- 図形問題や地図の理解に時間がかかる
- 板書を写すのが苦手
- 空間的な整理(机の片付け、図工の作業)が難しい
- 図解で説明されると理解しづらい
👉 息子の場合もパズルが苦手で、途中で「できない!」と投げ出すことが多いです。
これは「やる気がない」のではなく、VSIが弱めに出ているための特性です。
トレーニングをしても、特性自体は変わることはないが、
サポート次第で十分に力を伸ばせると専門家から説明を受け、私自身も安心できました。
7. VSIを伸ばすための家庭での工夫(子どもWISCサポート法)
我が家で取り入れている工夫を紹介します。
- 🧩 パズルを少しずつ:
大きなピースから始めて「できた!」を積み重ねる - ✂️ 折り紙や工作:
完成形をイメージしながら手を動かす - 🗺️ 地図を使った遊び:
「宝探しごっこ」でスタートとゴールをつなぐ - 🏗️ レゴやブロック:
親子で一緒に作り、達成感を共有
👉これらはすぐに結果が出るものではありませんが、
遊び感覚で取り入れることで、子どもの自信やモチベーションアップにつながります。

8. VSIを活かした教育・支援への応用(発達検査WISC結果の活かし方)
発達検査の結果は、単なる数値ではなく教育や支援のヒントになります。
- VSIが高い → 図や絵を使った説明、模型や実物を見せる学習法が有効
- VSIが低い → 言葉で丁寧に説明し、手順を区切ってサポートするのが効果的
👉息子の場合は、
幼稚園や療育の先生と共有し、家庭でも、
「お手本+短い言葉で伝える」という方法で少しずつ理解が進みました。
9. よくある質問(Q&A)
WISCのVSIとは何を意味しますか?
VSI(視空間指標)は、図形や空間を把握する力を測定する指標です。
積木やパズルを通じて「空間的な理解力」「全体と部分の認識力」を評価します。VSIの得点が低いとどうなるの?
VSIが低いと、板書を写すのに時間がかかったり、図形問題や地図の理解が難しいことがあります。
ただし「知能が低い」という意味ではなく、得意・不得意のひとつと捉えることが大切です。VSIが高い子の特徴は?
パズルや迷路、ブロック遊びが得意で、図工や理科の実験、スポーツなどでも力を発揮しやすい傾向があります。
視覚的に学ぶスタイルが合っている子に多く見られます。家庭でVSIを伸ばす方法はありますか?
はい。折り紙、迷路遊び、レゴや積木、間違い探しなど、遊びを通じて空間認識を育てる工夫が有効です。
楽しみながら取り組むことで自然に力が伸びていきます。VSIだけで子どもの発達がわかるの?
いいえ。WISC-Ⅴは「VCI」「FRI」「WMI」「PSI」など複数の指標を組み合わせて総合的に理解します。
VSIはその中の一部であり、全体のバランスや日常の様子と一緒に見ることが重要です。VSIが低い=発達障害ということですか?
直接そういうことではありません。
VSIが低いからといって発達障害であるとは限りません。
発達検査の結果は「診断」ではなく、子どもの特性を理解する材料として活用されます。WISCのVSIは何歳から測れますか?
WISC-Ⅴは5歳から16歳までを対象にしています。
それ以前はWPPSI(ウィプシー)などの検査が使われます。VSIが低いと将来に影響しますか?
VSIが低いからといって学習や生活全般に必ず不利になるわけではありません。
強みを活かした学び方でカバーできます。VSIを高める教材はありますか?
市販のパズル、レゴ、迷路ドリル、間違い探しなどが有効です。
楽しみながら取り入れることがポイントです。検査の結果は変わることがありますか?
はい。
年齢や経験によって変動することがあります。
定期的にチェックすると安心です。
10. まとめ|VSIは子どもの得意・苦手を知るカギ
- VSI(視空間指標)は、図形や空間を理解する力を測る指標
- 得点が高いと「パズル・地図・図工」などが得意
- 得点が低いと「図形問題や板書」に困難が出やすい
- 家庭では「パズル・積木・折り紙」で楽しく伸ばせる
- 結果は「診断」ではなく「参考情報」。
- 支援や工夫に活かすことが大切。学校や療育でのサポートにも役立つ。
👉 VSIは「できないことを見つけるため」ではなく、子どもの得意・苦手を知り、支援や工夫につなげるための大切な指標です。
子どもの成長を後押しするヒントです。
発達検査の結果を理解することが、子どもの成長を後押しする第一歩になると感じています。
📢次回予告
次回は、
「 【発達検査WISC-Ⅴ】VCI(言語理解)とは?意味・特徴・結果の見方と家庭でできるサポート法と体験談」
をお伝え予定です。
お楽しみに!