はじめに
「幼稚園・保育園に行きたくない!」
「ママと離れたくない!」
「園に着くと泣いてしまう……。」
朝の登園で、そんな姿が見られることはありませんか?
このように、朝になると「行きたくない」と言ったり、
園の前で泣いたりする「登園しぶり」に悩むご家庭もあると思います。
園の前までは来られたのに、そこから動けない。
ママと一緒なら教室まで行けるけれど、一人では難しい。
先生がお迎えに来てくれれば行ける。
そんな子もいると思います。
でも、登園を
「一人で行けた=できた」
「一人で行けなかった=できなかった」
の2つだけで考える必要はありません。
よく見てみると、
泣いたけれど園まで行けた。
ママと一緒なら教室まで行けた。
先生と一緒なら教室まで行けた。
そこにも、小さな「できた!」があります。
そこで今回は、一人で教室へ行けるようになるまでの過程を小さく分けた、
「登園できた!ステップアップ表」
を作りました。
いきなりゴールを目指すのではなく、
「今どこまでできている?」
「次は何を目指す?」
を子どもにも分かりやすく見える化するための教材です。
「できない」を小さな「できた!」に分けてみよう
例えば、最終的な目標が、
「一人で教室まで行く」
だったとします。
まだ一人では行けない子に、
「もう一人で行けるよ。」
「泣かないで行っておいで。」
と言っても、大きなハードルになってしまうことがあります。
そこで、一人で行けるようになるまでの行動を小さく分けてみます。
STEP1 泣いても園まで行ける
↓
STEP2 ママと一緒に教室まで行ける
↓
STEP3 先生と一緒に教室まで行ける
↓
STEP4 先生に見守ってもらって、自分で教室まで行ける
↓
🏆 GOAL 一人で教室まで行ける!
こうすると、
「まだ一人で行けない」
ではなく、
「今はSTEP3までできている!」
と考えられるようになります。
これが、今回の「できた!ステップアップ表」の考え方です。

登園できた!5つのステップ
STEP1 ないても えんまで いける
最初のステップは、
「園まで行く」
です。
ここで大切にしたいのが、
泣いてもOK!
ということです。
「泣かずに登園する」を最初の目標にはしません。
不安だったり、寂しかったり、ママと離れたくなかったりすれば、涙が出ることもあります。
それでも園まで来ることができたら、
「泣いたけど、園まで来られたね!」
と、できた行動に目を向けます。
STEP2 ママと いっしょに きょうしつまで いける
園まで行くことに少し慣れてきたら、教室までの道のりも小さく分けて考えてみます。
でも、最初から一人で行く必要はありません。
ママと一緒なら行ける。
それも大切な「できた!」です。
「一緒に教室まで行けたね!」
と、まずは安心できる人と一緒にゴールへ近づいていきます。
STEP3 せんせいと いっしょに きょうしつまで いける
ママと一緒に教室まで行くことに少し慣れてきたら、先生と一緒に教室へ向かってみる方法もあります。
まだ一人では難しくても、
「先生と一緒なら行ける」
それも大切な「できた!」です。
毎日STEP3までできなくても大丈夫。
先生と一緒に行けた日は、
「先生と教室まで行けたね!」
と、できたことを一緒に確認します。
STEP4 せんせいに みまもってもらって じぶんで きょうしつまで いける
先生と一緒に教室へ行くことに慣れてきたら、先生に近くで見守ってもらいながら、自分で歩いてみる方法もあります。
先生はそばにいる。
困ったら助けてもらえる。
でも、教室へ向かうのは自分。
「自分で行けた!」
という経験を少しずつ増やしていきます。
GOAL ひとりで きょうしつまで いける!
最後のゴールは、
🏆 ひとりで きょうしつまで いける!
です。
STEP1から振り返ってみると、
ママと一緒 → 先生と一緒 → 先生に見守ってもらう → 一人で
と、少しずつ大人の手助けが減っています。
一人で行けた日には、
「一人で行けたね!」
だけではなく、
「最初はママと一緒だったけど、ここまでできるようになったね!」
と、それまでの過程も一緒に振り返ってみてください。

「泣かなかった」より「できた行動」を見つけよう
このステップアップ表では、
「泣かなかった=成功」
にはしていません。
例えば、
泣きながら先生と教室まで行けた。
これはSTEP3です。
途中で涙が出たけれど、自分で教室まで歩けた。
これはSTEP4です。
涙が出ることと、できるようになることは別に考えます。
だから、
「今日は泣いたからダメだったね」
ではなく、
「泣いたけど、ここまでできたね!」
と伝えることができます。
子ども自身も、
「できない」
ではなく、
「ここまでできる!」
と、自分のできているところを確認しやすくなります。
ステップは戻っても大丈夫
昨日はSTEP4までできたのに、
今日はママと一緒じゃないと行けない。
そんな日もあると思います。
子どもの成長は、
STEP1 → STEP2 → STEP3 → STEP4 → GOAL
と、毎日きれいに進むとは限りません。
長い休みのあと。
疲れている日。
いつもと違う予定がある日。
なんとなく不安な日。
できていたことが難しくなる日もあります。
そんなときは、
「前はできたのに!」
ではなく、
「今日はここから始めよう。」
で大丈夫です。
STEP4からSTEP2に戻ったとしても、それまで積み重ねてきた「できた!」がなくなるわけではありません。
その日にできるところから、また始めます。
できたところに○・⭐・シールをつけよう
ステップアップ表は、見るだけでも使えますが、
子ども自身が「できた」を確認できるようにするのもおすすめです。
今回の表には、それぞれのSTEPに「できた!」のスペースを作っています。
できたら、
- ○をつける
- ⭐を書く
- 好きなシールを貼る
- 色を塗る
など、お子さんが喜ぶ方法で印をつけてみてください。
「今日はどこまでできたかな?」
と親子で確認するのもいいですね。
ただし、毎日「一人で教室まで行く」ことを達成目標にする必要はありません。
STEP2までできた日は、
「ママと一緒に教室まで行けたね!」
STEP3までできた日は、
「先生と一緒に行けたね!」
と、その日にできたところに目を向けます。
ゲームが好きな子には「レベルアップ」にしても楽しい!
「STEP1、STEP2と言われても、あまり興味を持たない……。」
そんな子には、子どもの「好き」と組み合わせる方法もあります。
今回は、ゲームが好きな子も楽しめるように、ブロックゲームのレベルアップをイメージしたデザインも作りました。
LEVEL1から始まり、
LEVEL1 → LEVEL2 → LEVEL3 → LEVEL4 → LEVEL MAX!
と進んでいきます。
できたらハートが増える。
次のレベルが見える。
最後にはトロフィーが待っている。
「練習しなきゃ」ではなく、
「次のレベルに行ってみよう!」
と考えると、取り組みやすい子もいるかもしれません。

大切なのは、どのデザインを使うかではありません。
その子が「やってみようかな」と思える形にすること。
かわいいイラストが好きなら通常版。
男の子のイラストが自分と重なりやすければ男の子版。
ゲームが好きならレベルアップ版。
お子さんに合ったものを選んでみてください。
5つのステップが合わなくても大丈夫
今回紹介したステップは、一つの例です。
子どもによって「難しいところ」は違います。
例えば、
「園の門まで行く」
「靴を脱ぐ」
「玄関に入る」
「先生におはようと言う」
「ママと手を離す」
などを一つのSTEPにしても構いません。
反対に、すでに簡単にできるところは飛ばしてもOKです。
また、「一人で教室まで行く」ことが、すべての子どもにとって必要なゴールとは限りません。
園の環境やお子さんの様子に合わせて、「先生と一緒に行ける」をゴールにするなど、目標そのものを変えても大丈夫です。
大切なのは、
その子にとって、今の状態から少し頑張れば届きそうな一歩に分けること。
「できないこと」を無理にやらせるためではなく、
「どうすればできそうか」を小さく分ける
ためのステップアップ表です。
無料ダウンロード|登園できた!ステップアップ表
今回紹介した「登園できた!ステップアップ表」は、無料でダウンロードできます。
PDFには、
- 女の子版
- 男の子版
- ゲーム・レベルアップ風
の3種類を収録しています。
お子さんが「これがいい!」と思えるデザインを選んで使ってみてください。
A4サイズで印刷して、できたSTEPに○をつけたり、⭐やシールを貼ったりして使えます。
※園によって、保護者が入れる場所や登園方法、先生の対応などは異なります。
園のルールや先生と相談しながら、お子さんに合った方法でご活用ください。
まとめ|「できない」を、小さな「できた!」に
「幼稚園に行きたくない。」
「ママと離れられない。」
「一人で教室まで行けない。」
そんな姿を見ると、どうしても「まだできないこと」に目が向いてしまいます。
でも、一人で教室まで行くという大きな目標を、小さく分けてみるとどうでしょう。
泣いても園まで行けた。
↓
ママと一緒に教室まで行けた。
↓
先生と一緒に教室まで行けた。
↓
先生に見守ってもらって、自分で行けた。
↓
🏆 一人で教室まで行けた!
こうして見ると、一人で行けるようになるまでの途中にも、たくさんの「できた!」があります。
そして、途中で戻っても大丈夫。
泣いても大丈夫。
その日にできたところから、また始めればOKです。
「できない」を、小さな「できた!」に。
「今日はどこまでできたかな?」
そんなふうに、できているところを親子で見つけながら、その子のペースで一歩ずつ進んでいけたらいいですね。