「1歳になったけれど、まだ意味のある言葉が出ていない」
「絵本を読んでも、すぐにどこかへ行ってしまう」
「発語がゆっくりな子には、どんな絵本を選べばよいの?」
そんな不安はありませんか?

わが家には、ASD・ADHD・DCD・吃音のある小学生と、4歳の子どもがいます。
私は児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、家庭でも子どもの興味や発達に合わせた遊びを試してきました。
子どもが1歳の頃は、絵本を読もうとしても投げられたり、ページを開いた直後に離れてしまったりすることがよくありました。
「読み聞かせを続けても意味がないのかな」と感じたこともあります。
それでも、
- 好きな音が出てくる本を選ぶ
- 最後まで読もうとしない
- 1ページだけでもよいことにする
- 子どもが見ている絵に短い言葉を添える
という読み方に変えると、少しずつ反応する絵本が見つかりました。
この記事では、わが家で実際に読んだ本を中心に、1歳頃から楽しみやすい絵本10冊を紹介します。
絵本だけで発語を促したり、言葉の遅れを改善したりできるわけではありません。
言葉を言わせることを目的にせず、親子で音・絵・やり取りを楽しむための選択肢としてご覧ください。
結論|1歳の絵本は「言わせやすさ」より「一緒に楽しめるか」で選ぼう
発語がゆっくりだと、「言葉を増やせる絵本を選ばなければ」と焦ってしまうかもしれません。
しかし、大切なのは、子どもが安心して絵本を見たり、大人と同じものに注目したりできることです。
1歳頃の絵本は、次のような特徴から選ぶと取り入れやすくなります。
| 選ぶポイント | 子どもが楽しみやすい理由 |
|---|---|
| 絵が大きく、情報量が少ない | 見たいものに注目しやすい |
| 短い言葉を繰り返す | 次の音や展開を予想しやすい |
| 擬音語・擬態語がある | 言葉の響きを楽しめる |
| 指差しや動作で参加できる | 話さなくてもやり取りできる |
| 厚紙でめくりやすい | 自分で触って楽しみやすい |
10冊のなかでも、わが家で特に反応がよかったのは『しましまぐるぐる』『じゃあじゃあびりびり』『いないいないばあ』です。
ただし、人気の絵本がすべての子に合うわけではありません。その子が今好きな音・動物・乗り物なども大切な手がかりになります。
1歳で言葉が出ないとき、絵本だけで様子を見てよい?
言葉が出始める時期には個人差があります。
まだ言葉が出ていなくても、
- 名前を呼ぶと振り向く
- 大人の指差した方向を見る
- 身近な言葉を理解している
- 表情や身ぶりで要求を伝える
- 大人とのやり取りを楽しむ
など、言葉以外のコミュニケーションも育っています。

一方で、保護者が「何となく気になる」と感じている場合は、言葉の数だけで判断せず、1歳6か月児健診、小児科、地域の保健センターや発達相談を利用して構いません。
相談することは、発達の遅れを決めることではありません。家庭でどのように関わればよいか、一緒に考えてもらう機会になります。
絵本は親子のやり取りを楽しむ方法のひとつですが、診断や療育、専門的な相談の代わりになるものではありません。
発語がゆっくりな1歳の絵本を選ぶ4つのポイント
1.絵が大きく、見たいものが分かりやすい
1ページにたくさんのものが描かれている本より、背景がシンプルで、主役が大きく描かれている本の方が見やすい子もいます。
はっきりした配色を好む子もいれば、優しい色合いを好む子もいます。一般的な人気だけで決めず、実際の反応を見て選びましょう。
2.短い言葉や同じフレーズが繰り返される
同じ言葉が繰り返される絵本は、次に何が出てくるのかを予想しやすいところが魅力です。
子どもが声を出さなくても、笑う、体を動かす、ページを見るといった反応があれば、一緒に楽しめています。
3.擬音語やリズムを楽しめる
「じゃあじゃあ」「がたんごとん」など、音を表す言葉が登場する絵本は、意味を説明しなくても響きを楽しめます。
正しくまねさせようとせず、大人も音を楽しむ気持ちで読みましょう。
4.指差しや動作で参加できる
言葉を話さなくても、指差し・拍手・体を揺らす・ページをめくるなど、さまざまな方法で絵本に参加できます。
しかけ絵本を選ぶ場合は、指を挟みやすい部分や、取れやすい小さな部品がないかも確認してください。
1歳の発語がゆっくりな子におすすめの絵本10選
1.『しましまぐるぐる』

はっきりした色と、しま模様・渦巻き模様が印象的な赤ちゃん絵本です。
おすすめポイント
- 絵が大きく、見たいものが分かりやすい
- 短い言葉と模様を楽しめる
- 文字をすべて読まなくても絵だけで楽しめる
わが家では、しま模様のページを指差したり、顔を近づけて眺めたりしていました。
言葉を教えようとせず、「しましま」「ぐるぐる」と絵に合わせて短く声を添えるだけでも楽しめます。
2.『じゃあじゃあびりびり』
水・紙・車・動物など、身近なものの音を短い言葉で表した絵本です。
おすすめポイント
- 擬音語が多い
- 1ページの文章が短い
- 厚紙で小さな手でもめくりやすい
わが家でも「じゃあじゃあ」「びりびり」という音を楽しみました。
全部をまねできなくても、「じゃ」「び」など一部の音や、子どもなりの声で参加することがあります。
3.『いないいないばあ』
「いないいない」と「ばあ」の繰り返しを親子で楽しめる定番絵本です。
※ここでは、松谷みよ子・文、瀬川康男・絵の作品を紹介しています。
おすすめポイント
- 同じ展開を繰り返す
- 次の場面を予想しやすい
- 顔を隠す動作へ遊びを広げられる
わが家では、「ばあ」の場面で笑ったり、少しずつ一緒に声を出したりする姿が見られました。
発語を求めず、親が手で顔を隠して遊ぶだけでも、楽しいやり取りになります。
4.『もこ もこもこ』
不思議な形の変化と、「もこ」「にょき」など独特な言葉の響きを楽しめる絵本です。
おすすめポイント
- 言葉の響きを楽しめる
- 絵の変化が分かりやすい
- 読み方に正解がなく、親子で自由に楽しめる
わが家では、音に合わせて表情を変えるとよく笑っていました。
大げさに読まなくても、子どもが好きな速さや声量で楽しめば十分です。
5.『だるまさんが』

だるまさんの動きと、短い言葉の繰り返しを楽しめる絵本です。
おすすめポイント
- 展開を予想しやすい
- 体を揺らして参加できる
- 言葉が少なく、最後まで読みやすい
わが家では、最初は声よりも体を揺らして楽しんでいました。
言葉が出ていなくても、動作で参加できる一冊です。
6.『くっついた』
動物や親子が「くっついた」と触れ合う、温かい繰り返しの絵本です。
おすすめポイント
- 同じ言葉が繰り返される
- 親子のスキンシップへ広げやすい
- 短く、流れが分かりやすい
読みながら、ほっぺや手を軽くくっつけて遊べます。
触られることが苦手な子には、ぬいぐるみ同士をくっつけて見せる方法もあります。
7.『がたん ごとん がたん ごとん』
列車が走りながら、さまざまなものを乗せていく絵本です。
おすすめポイント
- 「がたんごとん」の繰り返しがある
- 乗り物が好きな子が入りやすい
- 手や体を動かしてリズムを楽しめる
わが家では、列車が進むたびに手を動かしたり、「のせてください」の場面をまねしたりして遊びました。
8.『ぴったりこ』
動物の赤ちゃんがお母さんのところへ行き、ぴったりくっつく様子を描いた絵本です。
おすすめポイント
- 動物の動きと音を楽しめる
- 「ぴったりこ」の繰り返しがある
- 親子の触れ合いへ広げられる
わが家では、「ぴったりこ」に合わせて親子で寄り添って読みました。
抱っこや接触を嫌がる場合は、無理に同じ動きをする必要はありません。
9.『ここよ ここよ』
動物の赤ちゃんが母親のそばから顔を出す、優しい雰囲気の絵本です。
おすすめポイント
- 「どこ?」「ここ」というやり取りがある
- 動物を指差して楽しめる
- 写実的な動物の絵を見られる
わが家では、「ここ」という言葉をまねする姿が見られました。
ただし、絵本だけが発語の理由とは断定できません。
声・視線・指差しも含めて、一緒に楽しめたことが印象に残っています。
10.『ねんね ねんね おやすみね』
眠る前のゆったりした言葉と、心地よさそうに眠る姿を楽しめる絵本です。
おすすめポイント
- 穏やかな言葉が繰り返される
- 寝る前にゆったり読みやすい
- 声量を抑えて静かに楽しめる
寝かしつけの効果を保証するものではありませんが、わが家では、寝る前の落ち着いた時間に読みやすい一冊でした。
※月刊絵本として刊行された作品のため、販売・貸出状況は書店や図書館でご確認ください。
1歳の言葉を引き出す読み聞かせのコツ5つ
1.最後まで読まなくてもよい
1ページだけ見て離れても問題ありません。
読み聞かせの時間や冊数より、「少し楽しかった」で終われることを大切にします。
2.子どもが見ているものに言葉を添える
親が読ませたいページではなく、子どもが見ている絵に注目します。
犬を指差していたら、「わんわん、いたね」のように、短い言葉を添えてみましょう。
3.言葉を言わせようとしない
「これは何?」「言ってみて」と何度も答えを求めると、絵本の時間が負担になる場合があります。
指差し、視線、笑顔、声も大切なやり取りです。
4.子どもの声や動きをまねする
子どもが「わん」と言ったら、大人も「わん」と返してみます。
正しい言い方へ直すことより、声を出すと相手が応えてくれる楽しさを共有します。
5.同じ絵本を繰り返してよい
子どもは、次に何が起こるか分かっている本を安心して楽しむことがあります。
新しい本を次々に用意しなくても、お気に入りを何度読んでも構いません。
絵本に興味を示さないときの工夫
読み聞かせを始めてもすぐ離れてしまう場合は、次の方法を試してみてください。
- 子ども本人に本を選んでもらう
- 好きな動物や乗り物が出るページだけ開く
- 文章をすべて読まず、絵に短い言葉を添える
- ぬいぐるみに読み聞かせる様子を見せる
- 立ったまま、動きながら聞いてもよいことにする
- 嫌がったら、その日は終わりにする
静かに座って最初から最後まで聞くことだけが、絵本の楽しみ方ではありません。
ページをめくる、絵を見る、指差す、同じ音を聞くことも、親子の大切なやり取りです。
よくある質問
1歳で言葉が出ていなくても大丈夫ですか?
言葉が出始める時期には個人差があり、言葉の数だけで発達を判断することはできません。
ただし、「まだ1歳だから」と一人で抱え込む必要もありません。
聞こえ方、言葉の理解、視線や指差しなども含めて気になる場合は、1歳6か月児健診・小児科・保健センターなどへ相談してください。絵本を読めば発語が増えますか?
絵本を読むだけで、必ず発語が増えるとはいえません。
絵本は、言葉の音を聞いたり、絵を指差したり、親子で同じものに注目したりする機会のひとつです。
言葉を言わせることより、一緒に楽しむことを大切にしましょう。読み聞かせてもすぐ離れてしまいます
最後まで座って聞かなくても構いません。
好きなページだけ見る、子どもが立ったまま読む、短い言葉だけ添えるなど、その子が参加しやすい方法を試してください。
同じ絵本ばかり読んでもよいですか?
問題ありません。
内容が分かっている安心感や、次の言葉を予想する楽しさがあります。
大人が負担になる場合は、読む回数を決めても構いません。1日に何冊、何分読めばよいですか?
決まった冊数や時間はありません。
1ページだけの日があっても大丈夫です。毎日続けることを義務にせず、親子が無理なく楽しめる時間を選びましょう。
2歳以降の絵本や、悩み別の絵本も探したい方へ
子どもが成長すると、興味のあるものや楽しめる物語も少しずつ変わっていきます。
1歳~5歳の年齢別絵本に加えて、感情・自己肯定感・友達関係・生活習慣・恐竜や生き物など、テーマ別の絵本記事をまとめています。
まとめ|発語を求めず、親子で言葉の音を楽しもう
発語がゆっくりな1歳の子に絵本を選ぶときは、「言葉を言わせられるか」ではなく、その子が一緒に楽しめるかを大切にしましょう。
選びやすいのは、次のような絵本です。
- 絵が大きく、見たいものが分かりやすい
- 短い言葉や同じフレーズが繰り返される
- 擬音語やリズムを楽しめる
- 指差しや動作で参加できる
- 小さな手でもめくりやすい
わが家でも、絵本を投げたり、すぐに離れたりする時期がありました。
それでも、好きなページだけ見る、短時間で終える、子どもの反応に言葉を添えるという読み方を続けるうちに、少しずつお気に入りの本が見つかりました。
現在は小学生と4歳になった兄弟も、それぞれの好きな絵本を楽しんでいます。
絵本は発語の訓練ではありません。言葉がまだ出ていない時期も、指差し・視線・笑顔・声など、子どもからのさまざまな反応を受け止めながら、親子に合った方法で楽しんでみてください。
言葉の発達について心配がある場合は、絵本だけで様子を見続けず、健診・小児科・保健センターなどへ相談してください。
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