はじめに|「通級」って支援級と何が違うの?
小学校入学が近づいてくると、
「通級って何?」
「ことばの教室ってどんなところ?」
「支援級とは違うの?」
「通常級にいながら通えるの?」
「吃音がある子も対象になる?」
と気になる方も多いと思います。
わが家も就学前に、普通級・支援級・通級・ことばの教室について何度も調べました。
特に息子には吃音があり、幼稚園生活でも集団行動や指示理解、発表への不安がありました。
そのため、
「ことばの教室って利用できるのかな?」
「通級に通えば通常級でも安心なのかな?」
「支援級と通級はどう違うのかな?」
とかなり悩みました。
結論から言うと、通級指導教室は、通常級に在籍しながら、一部の時間だけ特別な指導を受ける仕組みです。
支援級のように在籍する学級が変わるわけではなく、普段は通常級で過ごし、必要な時間だけ通級指導を受けます。
文部科学省の説明でも、通級による指導は「大部分の授業を通常の学級で受けながら、一部、障害に応じた特別の指導を特別な場で受ける指導形態」とされています。
この記事では、通級指導教室とことばの教室について、支援級との違い、実際にどんなことをするのか、入級までの流れ、親が確認しておきたいポイントを体験談も交えてまとめます。
※通級の利用条件や手続きは自治体によって異なります。最終的には学校・教育委員会・自治体の案内を確認してください。
目次
- 通級指導教室とは?
- ことばの教室とは?
- 通級と支援級の違い
- 通級の対象になる子
- ことばの教室で行う内容
- 通級のメリット
- 通級のデメリット・注意点
- 通級に入るまでの流れ
- 通級を検討するときに確認したいこと
- わが家が感じた通級・ことばの教室への本音
- よくある質問
- まとめ
1. 通級指導教室とは?
通級指導教室とは、通常の学級に在籍している子どもが、一部の時間だけ別の教室で特別な指導を受ける仕組みです。
ふだんは通常級で授業を受けます。
そのうえで、週に数時間程度、子どもの困りごとに合わせた個別指導や小集団指導を受けます。
文部科学省の「通級による指導」の説明では、通常の学級で大部分の授業を受けながら、一部の時間に障害に応じた特別な指導を受ける形とされています。
つまり、通級は、
- 通常級に在籍する
- 一部の時間だけ特別な指導を受ける
- 子どもの困りごとに合わせた支援を受ける
- 学習そのものよりも、困りごとへの対応や自立活動に近い支援が中心
というイメージです。
通級は、勉強を補習してもらう場所というより、学校生活で困りやすい部分を支える場所に近いと感じました。
2. ことばの教室とは?

ことばの教室は、通級指導教室の中でも、主にことばに関する困りごとを支援する教室です。
自治体によって、
- ことばの教室
- きこえとことばの教室
- 言語通級指導教室
- 言語障害通級指導教室
など、呼び方が少し違うことがあります。
ことばの教室で相談されやすい内容は、たとえば次のようなものです。
- 吃音がある
- 発音が不明瞭
- 特定の音が言いにくい
- 話すときに言葉が詰まる
- 人前で話すことに強い不安がある
- 聞き取りや言葉の理解に困りごとがある
- 自分の気持ちを言葉で伝えるのが苦手
わが家の場合も、息子に吃音があったため、ことばの教室はかなり気になる存在でした。
「話すことが苦手」
「発表で詰まってしまう」
「言いたいことがあるのに言葉が出にくい」
という困りごとがある子にとって、ことばの教室は安心して練習できる場所になることがあります。
3. 通級と支援級の違い

通級と支援級は、どちらも子どもの困りごとを支える仕組みですが、大きな違いがあります。
| 比較項目 | 通級指導教室 | 特別支援学級 |
|---|---|---|
| 在籍 | 通常級 | 支援級 |
| 普段の授業 | 通常級で受ける | 支援級中心、交流級に行くこともある |
| 支援の受け方 | 週に数時間など一部の時間 | 日常的に支援を受ける |
| 対象 | 通常級でおおむね学べるが一部支援が必要な子 | 学習・生活全体で継続的な支援が必要な子 |
| 内容 | ことば・聞こえ・対人関係・注意・学習面など個別の困りごとへの指導 | 学習・生活・集団適応など幅広い支援 |
| 学級 | 通常級がベース | 支援級がベース |
簡単に言うと、
通級は「通常級にいながら、一部だけ支援を受ける形」
支援級は「支援級に在籍し、学校生活全体で支援を受ける形」
です。
ここを混同すると、就学相談や学校との話し合いで迷いやすくなります。
4. 通級の対象になる子
通級の対象は、通常級での学習におおむね参加できるものの、一部に特別な指導が必要な子です。
文部科学省の保護者向け資料では、対象として次のような困りごとが例示されています。
- 言語障害
- 自閉症
- 情緒障害
- 弱視
- 難聴
- LD
- ADHD
- 肢体不自由
- 病弱・身体虚弱
ただし、医学的な診断名があるかどうかだけで決まるものではありません。
大切なのは、
- 学校生活でどんな困りごとがあるか
- 通常級でどの程度参加できるか
- 一部の特別な指導で困りごとが軽くなりそうか
- 本人にとって負担が大きすぎないか
という点です。
診断があるから必ず通級になるわけでもなく、診断がないから絶対に利用できないわけでもありません。
自治体や学校によって判断の流れが違うため、気になる場合は早めに学校や教育委員会へ相談するのが安心です。
5. ことばの教室で行う内容
ことばの教室で行う内容は、子どもの困りごとによって違います。
一例としては、次のような支援があります。
吃音への支援
吃音がある子の場合、無理にスラスラ話す練習をするというより、安心して話せる経験を増やすことが大切だと感じます。
内容としては、
- 話しやすい環境づくり
- ゆっくり話す練習
- 話すことへの不安を減らす関わり
- 困ったときの伝え方
- 学校での配慮の相談
などがあります。
発音への支援
発音が不明瞭な場合は、
- 音の聞き分け
- 口や舌の動かし方
- 正しい音を出す練習
- 言葉の中で使う練習
などを行うことがあります。
コミュニケーションへの支援
ことばそのものだけでなく、やり取りの練習をすることもあります。
- 質問に答える
- 自分の気持ちを伝える
- 困ったときに助けを求める
- 会話の順番を待つ
- 相手に伝わる話し方を考える
こうした練習は、学校生活の安心にもつながりやすいです。
学校との連携
ことばの教室では、在籍校の先生と連携してくれる場合もあります。
たとえば、
- 発表のときに急かさない
- 言い直しを無理に求めない
- 音読の量を調整する
- 困ったときの合図を決める
- 本人が安心して話せる雰囲気を作る
など、学校でできる配慮につなげることがあります。
6. 通級のメリット
通級のメリットは、通常級で過ごしながら必要な支援を受けられることです。
通常級での生活を続けながら支援が受けられる
通級は、通常級に在籍したまま利用します。
そのため、
- クラスの友達と過ごせる
- 通常級の学習を続けられる
- 一部の困りごとだけ個別に支援してもらえる
というメリットがあります。
「通常級で頑張りたいけれど、少し支援があると安心」という子には合いやすい形です。
子どもの困りごとを個別に見てもらえる
通常級では、先生が一人ひとりに細かく対応するのが難しい場面もあります。
通級では、子どもの困りごとに合わせて個別に見てもらえるため、
- どこで困っているのか
- どんな支援が合うのか
- 学校でどんな配慮があるとよいのか
を整理しやすくなります。
親も相談しやすい
通級の先生は、子どもの困りごとについて相談できる存在にもなります。
特にことばの教室の場合、
- 吃音への関わり方
- 家庭での声かけ
- 学校への伝え方
- 本人への説明の仕方
などを相談できることがあります。
親にとっても、「一緒に考えてくれる人がいる」という安心感は大きいです。
7. 通級のデメリット・注意点
通級にはメリットが多い一方で、注意点もあります。
授業を抜ける時間がある
通級は、通常級の授業時間に行われる場合があります。
そのため、通級に行く時間帯によっては、在籍学級の授業を抜けることになります。
もちろん制度上、必要な指導として扱われますが、親としては、
「抜けた授業は大丈夫かな?」
「本人が気にしないかな?」
と心配になることもあると思います。
他校通級だと送迎が必要なこともある
通級には、
- 自校通級
- 他校通級
- 巡回指導
などの形があります。
自分の学校に通級教室がない場合、別の学校へ通う「他校通級」になることがあります。
その場合、保護者の送迎が必要になることもあります。
仕事の調整や移動時間が負担になる家庭もあるため、事前に確認しておきたいポイントです。
子どもが「自分だけ違う」と感じることもある
通級に行くことを、子ども本人がどう受け止めるかも大切です。
「なんで自分だけ別の教室に行くの?」
「友達に聞かれたらどうしよう」
と不安になる子もいるかもしれません。
そのため、本人には、
「苦手を直す場所」ではなく、
「安心して練習する場所」
「困ったときのコツを見つける場所」
として伝えられるとよいと思います。
8. 通級に入るまでの流れ

通級を利用するまでの流れは自治体によって異なりますが、一般的には次のような流れです。
- 園や学校に相談する
- 教育相談を受ける
- 子どもの様子や困りごとを整理する
- 必要に応じて発達検査や医師の意見書を提出する
- 教育委員会や学校で検討される
- 通級利用の可否や開始時期が決まる
- 通級指導が始まる
就学前の場合は、就学相談の中で通級について相談することもあります。
入学後に学校生活の様子を見てから、途中で通級を検討するケースもあります。
ただし、通級は希望すればすぐに利用できるとは限りません。
地域によっては枠が少なかったり、待機があったりすることもあります。
「もしかしたら必要かも」と思った段階で、早めに相談しておくと安心です。
9. 通級を検討するときに確認したいこと
通級を検討するときは、次の点を確認しておくと相談がスムーズです。
どこで受けるのか
まず確認したいのは、通級の場所です。
- 在籍校に通級教室があるのか
- 他校へ通う必要があるのか
- 巡回指導があるのか
通う場所によって、親の負担もかなり変わります。
週に何時間くらいか
通級は、週に1〜2時間程度のこともありますが、子どもの状況や自治体によって異なります。
- 何曜日に行くのか
- 何時間受けるのか
- 授業中なのか放課後なのか
- 継続期間はどれくらいか
を確認しておくと安心です。
どんな指導を受けられるのか
「通級」といっても、内容は教室によって違います。
ことばの教室であれば、
- 吃音への支援があるか
- 発音の支援があるか
- コミュニケーションの支援があるか
- 保護者相談があるか
- 在籍校との連携があるか
を確認しておくとよいと思います。
通常級の担任とどう連携するのか
通級で学んだことが、通常級での生活に活かされることが大切です。
そのため、
- 通級の先生と担任が情報共有してくれるか
- 学校での配慮につなげてもらえるか
- 保護者からも情報共有できるか
を確認しておくと安心です。
10. わが家が感じた通級・ことばの教室への本音
わが家は、息子に吃音があったため、ことばの教室についてかなり調べました。
最初は、
「ことばの教室に行けば吃音が治るのかな?」
「通常級でも通級があれば大丈夫なのかな?」
「支援級とどちらが合うのかな?」
と考えていました。
でも調べていくうちに、通級は「万能な場所」ではなく、通常級で生活する中で一部の困りごとを支える場所なのだと感じました。
息子の場合は、ことばだけでなく、
- 集団指示の入りにくさ
- 不器用さ
- 感覚過敏
- 疲れやすさ
- 切り替えの苦手さ
- 不安の強さ
などもありました。
そのため、最終的には通級だけでなく、支援級も含めて就学相談で考えることになりました。
通級が合う子もいれば、支援級の方が安心できる子もいます。
大切なのは、
「どの制度が良いか」
ではなく、
「わが子が安心して学べる環境はどこか」
を考えることだと思います。
11. よくある質問
通級指導教室とは何ですか?
通常級に在籍しながら、一部の時間だけ別の教室で特別な指導を受ける仕組みです。
ことばの教室とは何ですか?
主に吃音、発音、ことばの理解や表現など、ことばに関する困りごとを支援する通級指導教室です。
通級と支援級の違いは何ですか?
通級は通常級に在籍したまま一部の時間だけ支援を受けます。支援級は支援級に在籍し、学校生活全体で支援を受ける形です。
通級は診断がないと利用できませんか?
自治体によって異なりますが、診断名だけで判断されるわけではありません。学校生活での困りごとや支援の必要性をもとに検討されます。
吃音がある子はことばの教室に通えますか?
対象になる可能性があります。ただし、利用できるかどうかは自治体や学校の判断によります。
通級は週に何回ありますか?
週に1〜2時間程度の場合がありますが、子どもの状況や自治体によって異なります。
通級に行くと授業を抜けることになりますか?
授業時間内に通級する場合は、一部の授業を抜けることがあります。放課後に行う場合もあります。
通級は保護者の送迎が必要ですか?
他校通級の場合は送迎が必要になることがあります。自校通級や巡回指導の場合は負担が少ないこともあります。
通級に入れば通常級で安心ですか?
通級は一部の困りごとを支える仕組みです。学校生活全体で支援が必要な場合は、支援級も含めて検討することがあります。
通級は途中から利用できますか?
自治体や空き状況によりますが、年度途中から相談できる場合もあります。早めに学校や教育委員会へ確認すると安心です。
12. まとめ|通級は「通常級で頑張る子を支える選択肢」
通級指導教室は、通常級に在籍しながら、一部の時間だけ特別な指導を受けられる仕組みです。
ことばの教室では、吃音や発音、ことばの理解・表現など、ことばに関する困りごとを支援してもらえることがあります。
通級は、
- 通常級で過ごしながら支援を受けたい
- ことばやコミュニケーションに困りごとがある
- 一部の苦手さを個別に見てもらいたい
- 支援級ほどではないけれど配慮が必要
という子にとって、心強い選択肢になることがあります。
一方で、授業を抜ける時間や送迎の負担、本人の受け止め方など、事前に確認しておきたいこともあります。
通級がよい、支援級がよい、通常級がよい。
その答えは子どもによって違います。
大切なのは、制度名だけで決めるのではなく、子どもが安心して学校生活を送れるかどうか。
通級やことばの教室について知ることが、親子に合った就学先や支援を考える一歩になれば嬉しいです。