視覚支援

【無料公開】【「やさしくして」が分からない子に】やさしさが見える!ステップアップ表|幼児・小学校低学年向け

やさしさのステップアップ表視覚支援カード

はじめに

「お友達にやさしくしてね。」

「仲良く遊ぼうね。」

「相手の気持ちを考えてね。」

子どもに、そんな声かけをすることはありませんか?

でも、「やさしくする」という言葉は少し抽象的です。

子どもによっては、

「やさしくするって、何をすればいいの?」

「どうしたら相手の気持ちが分かるの?」

と、具体的な行動が分からないことがあります。

例えば、

  • お友達をたたいてしまう
  • 「いや」「やめて」と言われても続けてしまう
  • 相手が嫌そうにしていることに気づきにくい
  • 「かして」「いれて」などの言葉が出てこない
  • 困っている子がいても、どうすればいいか分からない

などです。

そんなときに、

「やさしくしなさい!」

と伝えるだけでは、次に何をすればいいのか分かりにくいかもしれません。

そこで今回は、目に見えにくい「やさしさ」を5つの具体的な行動に分けた「やさしさステップアップ表」を作りました。

いきなり「やさしい子」を目指すのではなく、

「今はどこまでできている?」

「どんな行動ができるようになった?」

と、小さな「できた!」を見つけるための視覚支援教材です。

「やさしさ」は具体的な行動にすると分かりやすい

「やさしさ」は目で見ることができません。

でも、やさしさにつながる行動なら見ることができます。

例えば、

たたかない。

「やめて」と言われたら止まる。

相手が嫌そうな顔をしていたら気づく。

「ありがとう」と伝える。

困っている人に「大丈夫?」と声をかける。

こうして具体的な行動にすると、

「やさしくしてね。」

という言葉だけよりも、子どもが「何をすればいいのか」をイメージしやすくなります。

そこで今回は、「やさしさ」を5つのステップに分けてみました。

やさしさが見える!5つのステップ視覚支援カード

やさしさのステップアップ表視覚支援カード

STEP1 あいてを きずつけない
→ たたかない・けらない

STEP2 「いや」「やめて」で とまる
→ 相手に言われたらやめる

STEP3 いやそうな ようすに きづいて とまる
→ 顔・声・しぐさを見て気づく

STEP4 きもちよく かかわる
→「かして」「いれて」「ありがとう」「ごめんね」などを使う

STEP5 こまっている人に こえをかける
→「だいじょうぶ?」「てつだおうか?」など、自分から声をかける

少しずつ、

自分の行動を止める

相手の言葉を聞いて止まる

相手の様子に気づいて止まる

適切な言葉で相手と関わる

自分から相手を思いやって行動する

という流れになっています。

ただし、必ずSTEP1から順番にクリアする必要はありません。

できるところ、難しいところは子どもによって違います。

「今できているやさしい行動」を見つけるための目安として使ってみてください。

STEP1 あいてを きずつけない

最初のステップは、

「たたかない・けらない」

です。

楽しく遊んでいたのに、おもちゃを取られて、思わずたたいてしまった。

嫌なことがあって、蹴ってしまった。

気持ちが大きくなったとき、手や足が先に出てしまう。

幼児や小学校低学年では、気持ちをうまく言葉にできず、行動が先に出てしまうこともあります。

まずは、

「おこっても、たたかない」

「いやでも、けらない」

という具体的な行動から伝えます。

できたときには、

「嫌だったけど、たたかなかったね。」

と、できた行動に目を向けます。

STEP2 「いや」「やめて」で とまる

次に大切にしたいのが、

相手から「いや」「やめて」と言われたら止まることです。

遊んでいる本人は楽しくても、相手は嫌だと感じていることがあります。

そんなとき、

「いや!」

「やめて!」

と言われたら、

いったん止まる。

まだ相手の表情や様子に気づくことが難しくても、「やめて」という言葉を聞いて止まることができれば、大切な一歩です。

すぐに止まれたときには、

「『やめて』を聞いて止まれたね!」

と伝えます。

STEP3 いやそうな ようすに きづいて とまる

STEP2では、相手から「いや」「やめて」と言われて止まりました。

さらに、相手の様子を見ることで、

言葉で言われる前に気づけることもあります。

例えば、

顔が困っている。

笑っていない。

離れようとしている。

声の様子が変わった。

こうした顔・声・しぐさも、相手の気持ちを知る手がかりになります。

「もしかして嫌なのかな?」

と気づいて止まることができたら、それも大切な「できた!」です。

ただし、表情やしぐさだけで、相手の気持ちを正確に読み取るのは難しいこともあります。

大切なのは、相手の気持ちを当てることではなく、

「もしかして嫌なのかな?」と気づくこと。

分からないときは、

「いやだった?」

と聞いて確認する方法もあります。

また、大人が、

「○○ちゃん、少し困った顔をしているね。」

と、表情やしぐさを具体的に伝えてあげるのも一つの方法です。

STEP4 きもちよく かかわる

「やさしさ」は、嫌なことをしないだけではありません。

相手と気持ちよく関わるための言葉を知ることも大切です。

例えば、

「かして」

「いれて」

「ありがとう」

「ごめんね」

などです。

おもちゃが欲しいときは、取るのではなく「かして」。

一緒に遊びたいときは「いれて」。

何かしてもらったら「ありがとう」。

自分の行動で相手を嫌な気持ちにさせたときには「ごめんね」。

場面に合った言葉を少しずつ覚えていきます。

ただし、言葉だけを無理に言わせることが目的ではありません。

大切なのは、相手と気持ちよく関わる方法を少しずつ増やしていくことです。

STEP5 こまっている人に こえをかける

STEP5は、困っている人に気づいて、自分から関わる行動です。

例えば、

転んだ子がいた。

荷物を落として困っている子がいた。

一人で困っている子がいた。

そんなとき、

「だいじょうぶ?」

「てつだおうか?」

と声をかけることも、やさしい行動の一つです。

声をかけるのが難しければ、大人や先生に知らせる方法もあります。

また、困っている人を見つけたら、必ず自分が助けなければならないわけではありません。

その子にできる方法で、

「何かできるかな?」

と考えられることも大切な一歩です。

STEPは順番どおりに進まなくても大丈夫

このステップアップ表は、

STEP1が完璧にできたらSTEP2へ進む

というものではありません。

例えば、

「ありがとう」は言えるけれど、「やめて」と言われてもすぐに止まれない。

困っている子には声をかけられるけれど、遊びに夢中になると相手の嫌そうな表情に気づけない。

そんなこともあると思います。

やさしい行動は、すべて同じ順番で身につくわけではありません。

だから、

「STEP4ができるのに、STEP2ができないからダメ」

とは考えません。

今できているところを見つけながら、難しいところを少しずつ練習していきます。

できなかった日より「できた瞬間」を見つけよう

子どもがお友達とトラブルになると、どうしても、

「また叩いた。」

「また止まれなかった。」

と、できなかったことに目が向きやすくなります。

でも、少し細かく見てみると、

今日は手が出そうになったけれど止まれた。

「やめて」と言われて、途中で止まれた。

相手が困った顔をしていることに気づけた。

自分から「ありがとう」が言えた。

困っている子に「大丈夫?」と言えた。

そんな小さな変化があるかもしれません。

全部できることを目指すのではなく、一つの「できた!」を見つける。

それが、このステップアップ表で大切にしたいことです。

できたところに○・⭐・シールをつけよう

「やさしさステップアップ表」は、子どもと一緒に使えます。

できたところには、

  • ○をつける
  • ⭐を書く
  • シールを貼る
  • 好きな色を塗る

など、分かりやすい印をつけてみてください。

例えば、

「今日は『やめて』で止まれたね!」

「自分から『ありがとう』が言えたね!」

と、その日にできた行動を具体的に伝えます。

「やさしかったね」だけではなく、

「何がやさしい行動だったのか」

まで言葉にすることで、子ども自身も理解しやすくなります。

やさしさは「がまんすること」ではない

ここで大切にしたいことがあります。

この教材は、

「いつでも誰にでもやさしくしなければならない」

と教えるためのものではありません。

嫌なことをされたら、

「いや」

「やめて」

と言っていい。

貸したくない大切なものを、無理に貸す必要もありません。

困っている人がいても、自分一人では助けられないことがあります。

そんなときは、先生や大人に知らせることも一つの方法です。

「やさしさ」は、自分の気持ちを我慢して相手に合わせ続けることではありません。

自分も相手も大切にしながら、できる方法で関わっていく。

そのための具体的な行動を、このステップアップ表で少しずつ伝えていけたらと思います。

5つのステップが合わなくても大丈夫

今回紹介した5つのステップは、一つの例です。

子どもによって、得意なことや難しいことは違います。

「『やめて』で止まる」を最初の目標にしてもいい。

「ありがとうを言う」だけを練習してもいい。

「困っている人に声をかける」は、まだ目標にしなくてもいい。

その子にとって、

「少し頑張ればできそう」

と思えるところから始めてみてください。

また、ステップを増やしたり減らしたり、その子に合う言葉に変えたりしてもOKです。

大切なのは、

「できない」を責めることではなく、「どうすればできそうか」を小さく分けること。

そのためのステップアップ表です。

無料ダウンロード|やさしさステップアップ表

今回紹介した「やさしさステップアップ表」は、無料でダウンロードできます。👇

A4サイズで印刷して、できたSTEPに○をつけたり、⭐やシールを貼ったりして使ってみてください。

家庭だけでなく、幼稚園・保育園・学校・療育などでも、その子に合った使い方ができます。

※子ども同士のトラブルや安全に関わる行動については、この表だけで解決しようとせず、

必要に応じて園や学校の先生などと相談しながらご活用ください。

まとめ|「やさしくして」を具体的な行動に変えてみよう

「お友達にやさしくしてね。」

大人には分かりやすい言葉でも、子どもにとっては、

「何をすればいいの?」

と迷ってしまうことがあります。

そんな「やさしさ」を、小さな行動に分けてみます。

STEP1 あいてを きずつけない
たたかない・けらない

STEP2 「いや」「やめて」で とまる
相手に言われたらやめる

STEP3 いやそうな ようすに きづいて とまる
顔・声・しぐさを見て気づく

STEP4 きもちよく かかわる
「かして」「いれて」「ありがとう」「ごめんね」などを使う

STEP5 こまっている人に こえをかける
「だいじょうぶ?」「てつだおうか?」など、自分から声をかける

全部を一度にできるようになる必要はありません。

言われて止まれた。

相手の表情に気づけた。

「ありがとう」が言えた。

困っている子に声をかけられた。

一つひとつが大切な「できた!」です。

「やさしくして」を、小さな「できた!」に。

その子が今できているやさしい行動を見つけながら、少しずつ増やしていけたらいいですね。

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  • この記事を書いた人

しょうがなすこさん

はじめまして🌼「しょうがなすこ」と申します。 私は、2歳と4歳の発達障害の息子を育てているママです。 児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、現役保育士監修のもと、発達に特性のあるお子さんとの向き合い方や、日々の悩みに寄り添う情報をこのブログで発信しています。 「ことばがゆっくり」「感覚に敏感」「お友だちとの関わりがむずかしい」そんな日々のちょっとした困りごとに、私自身もたくさん向き合ってきました。 このブログでは、🔸わが子のリアルなエピソード🔸家庭でできる関わりの工夫🔸ママの心がふっと軽くなるヒントなどをお届けしています。 🍀「私だけじゃないんだ」そう思える場所が、ここで見つかりますように。どうぞ、気軽に読んでいってください☺️

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