はじめに
「給食をいつも残してしまう……。」
「お弁当をもう少し食べてほしい。」
「全部食べようと言うと、食事そのものが嫌になってしまいそう……。」
そんな悩みはありませんか?
幼児や小学校低学年では、その日の体調や食欲、食べる量、苦手な食べ物などによって、食べられる量が変わることがあります。
そんなとき、
「全部食べた=できた」
「残した=できなかった」
の2つだけで考えてしまうと、その途中にある小さな成長が見えにくくなります。
例えば、
今日は半分食べられた。
昨日より少し多く食べられた。
8割くらいまで食べられた。
苦手なものを一口だけ食べてみた。
そこにも、たくさんの「できた!」があります。
そこで今回は、給食やお弁当を食べる量を小さな段階に分けた、
「給食・お弁当 ステップアップ表」
を作りました。
この表では、「自分の分を全部食べる」ことを一つの目標にしています。
ただし、毎日必ず完食することを求めるものではありません。
その日の体調や食欲に合わせながら、
「今日はどこまで食べられた?」
と、今できているところを子ども自身にも分かりやすく見える化するための教材です。
「全部食べる」までを小さな「できた!」に分けてみよう
最終的な目標を、
「自分の分を全部食べる」
としたとします。
でも、いつも半分くらいで「もういらない」となる子に、
「全部食べよう!」
と伝えても、ゴールが遠く感じられることがあります。
そこで、食べられた量を小さく分けます。
STEP1 はんぶん たべる
↓
STEP2 8わり たべる
↓
STEP3 ぜんぶ たべる
そして、全部食べたあともまだお腹に余裕がある日には、
🌟 BONUS まだ たべられそうなら おかわり!
です。
こうすると、
「今日も全部食べられなかった」
ではなく、
「今日はSTEP2まで食べられた!」
と考えることができます。
昨日は半分だったけれど、今日は8割。
そんな小さな変化も、子どもにとって大切な「できた!」です。
給食・お弁当を食べる3つのステップ
STEP1 はんぶん たべる
最初の目標は、
「はんぶん たべる」
です。
最初から全部食べることを目指すのではなく、まずは半分。
「全部食べなきゃ」と考えると大変そうに感じる子でも、
「まずはここまで食べてみよう」
と量が見えると、取り組みやすくなることがあります。
半分食べられたら、
「半分食べられたね!」
「ここまで食べられたね!」
と、できたところに目を向けます。
まだ半分まで届かなかった日でも、食べられた量そのものを否定する必要はありません。
「今日はここまで食べたね。」
と確認して、またその日の体調や食欲に合わせて取り組んでいきます。
STEP2 8わり たべる
半分よりもう少し食べられそうな日は、
「8わり たべる」
にチャレンジします。
全部ではないけれど、
「あと少し!」
というところまで食べられた。
これも大きな「できた!」です。
例えば、
昨日は半分くらいだった。
今日は8割くらいまで食べられた。
そんな変化があったら、
「昨日より少し増えたね!」
と、一緒に喜んでもいいですね。
ただし、毎日STEP2まで食べる必要はありません。
昨日は8割食べられても、今日は半分の日があって大丈夫です。
食欲には日によって波があります。
ステップは行ったり来たりしてOK。
その日に食べられたところを見つけます。
STEP3 ぜんぶ たべる
STEP3は、
「ぜんぶ たべる」
です。
自分の分を最後まで食べられたら、
「全部食べられたね!」
と一緒に喜びます。
ここで大切にしたいのは、
「完食できなかったら失敗」にはしないこと。
全部食べることを一つの目標にはしますが、体調や食欲によって食べられる量が変わることもあります。
だから、
STEP1の日も「できた!」
STEP2の日も「できた!」
STEP3までできたら「全部食べられた!」
です。
完食だけを見るのではなく、そこまでに増えてきた「食べられた」も一緒に見つけていきます。

BONUS まだ食べられそうなら、おかわり!
全部食べられたあと、
「まだ食べたい!」
と思ったら、おかわりするのもいいですね。
ただし、おかわりはSTEP4ではありません。
あくまでも、
🌟 BONUS!
です。
お腹がいっぱいなら、おかわりする必要はありません。
「まだ食べられそう?」
と、自分のお腹の様子を感じながら決めます。
まだ食べられそうなら、
「おかわり!」
お腹がいっぱいなら、
「ごちそうさま!」
どちらでも大丈夫です。
苦手なものは「ひとくちチャレンジ!」
食べる量とは別に、
「苦手な食べ物」
にチャレンジする欄も作りました。
苦手な野菜。
初めて見る料理。
いつも残してしまう食べ物。
いきなり全部食べるのが難しい場合は、
⭐ 「ひとくち ためしてみよう!」
から始めます。
一口食べてみた。
それだけでも一つの「できた!」です。
「苦手なのに、一口食べてみたね!」
と、挑戦できた行動に目を向けます。
また、「ひとくち食べる」ことがまだ難しい場合は、無理にチャレンジする必要はありません。
お皿に置いてみる、見てみる、においをかいでみるなど、その子ができそうなところから始めても大丈夫です。
もちろん、苦手なものを無理に食べさせるためのチャレンジではありません。
食べることへの不安や苦手さが強い場合には、その子の様子に合わせて無理のない範囲で使ってください。

「全部食べられなかった」より「どこまで食べられた?」を見よう
このステップアップ表で大切にしたいのは、
できなかったところだけを見ないことです。
例えば、8割食べて残したとします。
「あと少しだったのに!」
「全部食べられなかったね。」
と考えることもできます。
でも、見方を変えれば、「8割も食べられた!」です。
半分食べられた。
8割まで増えた。
今日は全部食べられた。
苦手なものを一口試せた。
お腹に余裕があって、おかわりした。
「もうお腹いっぱい」と自分で気づけた。
食事の中には、いろいろな「できた!」があります。
「残したかどうか」だけではなく、「今日できたこと」を見つける。
それが、このステップアップ表で大切にしたいことです。
ステップは戻っても大丈夫
昨日は全部食べられたのに、
今日は半分しか食べられなかった。
そんな日もあります。
子どもの食欲は毎日同じではありません。
疲れている日。
暑い日。
あまりお腹がすいていない日。
体調がよくない日。
いつもと違うメニューの日。
食べられる量が少なくなることもあります。
だから、
STEP1 → STEP2 → STEP3
と毎日一直線に進む必要はありません。
昨日STEP3だった子が、今日はSTEP1でも大丈夫。
「前は全部食べたのに!」
ではなく、
「今日はここまで食べられたね。」
と、その日の状態に合わせて使います。
ステップが戻っても、今までの「できた!」がなくなるわけではありません。
できたところに○・⭐・シールをつけよう
今回のステップアップ表には、それぞれに「できた!」を確認できるスペースを作っています。
できたら、
- ○をつける
- ⭐を書く
- 好きなシールを貼る
- 色を塗る
など、子どもが分かりやすい方法で印をつけてみてください。
そして、
「今日はどこまでできた?」
と一緒に確認します。
「全部食べたらシール」だけではなく、
例えば、
半分くらい食べられた日はSTEP1。
8割くらい食べられた日はSTEP2。
全部食べられた日はSTEP3。
苦手なものを一口試せたら「チャレンジ」に○!
という使い方ができます。
もちろん、半分まで届かなかった日も、「今日はここまで食べられたね」と食べられたところを認めてあげてください。
○やシールは「できなかった」を判定するためではなく、できたことを見つけるための目印として使います。
完食だけでは見つけられなかった「できた!」が見えやすくなります。
食べる量は、その日の体調や食欲に合わせよう
この教材は、
「給食やお弁当は必ず全部食べなければならない」
と教えるためのものではありません。
「全部食べる」は一つの目標ですが、食べられる量は毎日変わります。
お腹がいっぱい。
気分が悪い。
体調がよくない。
いつもより食欲がない。
そんなときまで、無理にSTEP3を目指す必要はありません。
自分のお腹や体の様子に気づくことも大切です。
今日は半分。
今日は8割。
今日は全部。
その日の体調や食欲に合わせながら、
「今日食べられたところも『できた!』」
と考えて使ってみてください。

3つのステップが合わなくても大丈夫
今回の、
半分 → 8割 → 全部
というステップは、一つの目安です。
「半分」「8割」は、毎回きっちり量を測る必要はありません。
「半分くらい食べられた」「あと少しくらいまで食べられた」など、おおよその目安として使ってください。
もともと食べる量が少ない子なら、「まずは3口」から始めても構いません。
反対に、いつも8割くらい食べられている子なら、STEP1から始める必要もありません。
また、給食やお弁当の量そのものがその子に合っているかを見ることも大切です。
大切なのは、
「この量を絶対に食べる」と決めることではなく、その子が今できているところから小さな目標を考えること。
ステップを増やしたり減らしたりしながら、その子に合った使い方をしてみてください。
無料ダウンロード|給食・お弁当ステップアップ表
今回紹介した、「給食・お弁当 ステップアップ表」は、
A4サイズで印刷して使える視覚支援教材です。
👇 無料PDFはこちら
できたSTEPに○をつけたり、⭐やシールを貼ったりしながら使ってみてください。
家庭でのお弁当だけでなく、園や学校などで使用する場合は、給食の方針やルールを確認し、
先生とも相談しながらお子さんに合った形でご活用ください。
また、食べられるものや量が極端に限られている、食事への強い不安があるなど、
食事について心配なことがある場合は、この表だけで解決しようとせず、
必要に応じて園・学校や専門家などに相談してください。
まとめ|「全部食べられなかった」ではなく、小さな「食べられた!」を見つけよう
給食やお弁当を残していると、
「全部食べてほしい」
と思うこともあると思います。
でも、「全部食べる」までの途中にも、小さな成長があります。
STEP1 はんぶん たべる
↓
STEP2 8わり たべる
↓
STEP3 ぜんぶ たべる
そして、まだお腹に余裕があれば、
🌟 BONUS おかわり!
さらに、
⭐ にがてなものを ひとくちチャレンジ!
という「できた!」もあります。
昨日は半分。
今日は8割。
ある日は全部。
体調や食欲によって、ステップが戻る日があっても大丈夫です。
大切なのは、
「全部食べられたか」だけを見るのではなく、「今日はどこまで食べられた?」を見ること。
「食べられない」を、小さな「食べられた!」に。
その日の体調や食欲も大切にしながら、一つずつ「できた!」を見つけていけたらいいですね。