はじめに
「漢字を何回書いても、なかなか覚えられない。」
「練習した直後は書けるのに、次の日になると忘れている。」
「漢字練習の宿題を始めるだけで疲れてしまう。」
そんなことはありませんか?
小学1年生では、80字の漢字を学習します。
ひらがなを覚えたばかりの子どもにとって、形・読み方・意味・書き順を一度に覚えるのは、簡単なことではありません。
特に、発達障害や読み書きに苦手さがある子、書く動作に負担がかかりやすい子にとって、同じ漢字を何度も書く練習は大きな負担になることがあります。
そこで、漢字を意味の仲間に分け、形を部品として捉え、短い覚え言葉や物語と結びつけて学べる無料ゲームを作りました。
無料の「小1漢字たんけんマップ」を作りました
今回作ったのは、小学1年生で習う漢字80字を練習できる無料ゲームです。
登録やダウンロードは必要ありません。
スマートフォン・タブレット・パソコンから、そのまま遊べます。
発達っこは漢字を覚えるのが苦手?
発達障害がある子が、全員漢字を苦手とするわけではありません。
漢字が好きで、形や意味をすぐに覚えられる子もいます。
一方で、漢字学習につまずく背景には、さまざまな理由が考えられます。
- 複雑な形を覚えにくい
- 似た漢字を見分けにくい
- 読めても、形を思い出して書けない
- 書く動作に時間がかかる
- 何度も書く単調な練習が続きにくい
- 間違いを指摘されると、気持ちが崩れてしまう
- 漢字の読み方・意味・書き順を同時に覚えるのが難しい
そのため、「とにかく10回書く」という方法が、すべての子に合うとは限りません。
大切なのは、子どもの得意な覚え方を探すことです。
漢字を覚えやすくする4つの工夫
1.意味の仲間に分ける
80字の漢字を、すべてバラバラに覚えようとすると、大量の暗記に感じられます。
そこで「小1漢字たんけんマップ」では、漢字を8つの仲間に分けました。
- かず村
- しぜんの森
- からだタウン
- がっこう広場
- ひとびとの町
- いきもの島
- ばしょと道
- くらしの丘
例えば、木・林・森は「しぜんの森」の仲間です。
似た意味を持つ漢字を一緒に見ることで、漢字同士のつながりを意識しやすくなります。
2.漢字を部品に分ける
複雑な漢字も、知っている形や部品に分けると覚えやすくなることがあります。
例えば「森」は、
木+木+木
「休」は、
にんべん+木
「男」は、
田+力
と分けられます。
一つの複雑な形として覚えるのではなく、「何と何を組み合わせた漢字か」を確認します。
3.覚え言葉や小さな物語を使う
漢字の形を、短い言葉や物語と結びつけます。
例えば「森」なら、
木が3本集まって、森。
「休」なら、
人が木のそばで、ひと休み。
「白」なら、
ノを書いて、日で、白!
子ども自身に物語を考えてもらっても構いません。
漢字の本来の成り立ちとは異なる場合もありますが、ここでは形を思い出すための覚え言葉として使っています。
4.覚え方と書き順を分ける
漢字を部品に分けた順番と、実際に書く順番が同じとは限りません。
例えば「王」を「三+たて」と捉えると形は分かりますが、三本の横線をすべて書いてから、たて線を書くわけではありません。
ゲームでは、混乱しやすい漢字に「正しい書き順を見る」を用意しました。
覚え方は覚え方、書き順は書き順として分けて確認できます。
直後に問題を出さず、3字覚えてから挑戦
漢字カードを見た直後に答えるだけでは、本当に覚えられたのか分かりにくいことがあります。
直前に見た形を、一時的に覚えて選んでいる可能性があるためです。
そこで基本の「おぼえるコース」では、
- 漢字カードを3字見る
- 漢字の分解や覚え言葉を確認する
- 3字を見終わってから問題に挑戦する
- 絵文字とひらがなを見て、正しい漢字を選ぶ
という順番にしました。
少し前に見た漢字を、自分で思い出す練習ができます。
1字ずつ進める「ゆっくりコース」もあります
一度に3字覚えることが負担になる子もいます。
そのため、1字を見たあと、すぐに1問へ進む「ゆっくりコース」も用意しました。
- 初めて漢字を学ぶ
- 3字覚えるのが難しい
- 疲れている
- 少しだけ取り組みたい
というときに使えます。
「3字覚えられなかったから失敗」ではありません。
その日の状態に合わせて、取り組みやすいコースを選んでください。
間違えても「×」は表示しません
間違いを大きく指摘されると、学習を続けることが難しくなる子もいます。
このゲームでは、不正解のときに「×」を表示しません。
だいじょうぶ。「カード」にもどって、もう一度見てもいいよ。
と案内します。
正解したときには、星とメッセージを表示し、「できた」が分かりやすく伝わるようにしました。
何度も書かなくてもよい
漢字学習というと、ノートに同じ字を繰り返し書く方法を思い浮かべるかもしれません。
しかし、書く動作そのものに負担がある子は、漢字を覚える前に疲れてしまうことがあります。
そのような場合は、
- 漢字を見る
- 部品を声に出す
- 指でなぞる
- 空中に大きく書く
- 最後に1回だけ鉛筆で書く
という順番でも構いません。
「読める」「選べる」「見本を見て書ける」「見本なしで書ける」は、それぞれ別の段階です。
今できているところを認めながら、少しずつ進めることが大切です。
家庭で使うときのポイント
一度に全部やらなくてよい
1日1字、または3字だけでも十分です。
短い時間で終わり、「またやってもいい」と思える量にします。
翌日にも問題を出してみる
その場で正解できても、翌日には忘れていることがあります。
次の日や数日後に同じ漢字をもう一度出すと、定着しているか確認できます。
子どもに合う覚え言葉へ変えてよい
ゲームの覚え言葉が分かりにくい場合は、家庭で言いやすい言葉に変えてください。
恐竜、ゲーム、動物など、子どもの好きなものを物語に入れるのもおすすめです。
書けなくても責めない
読めるけれど書けない場合もあります。
すぐに「覚えていない」と判断せず、選択肢から選べるか、部品を答えられるかなども確認してみてください。
小1漢字たんけんマップの遊び方
- 「おぼえるコース」または「ゆっくりコース」を選ぶ
- 好きな場所を選ぶ
- 漢字の形・物語・覚え言葉を見る
- 必要に応じて書き順を確認する
- ミニ問題に答える
できた漢字の数は、同じ端末の中に記録されます。
まとめ
漢字が覚えにくいときは、繰り返し書く回数を増やすだけでなく、覚え方を変えてみることも一つの方法です。
- 意味の仲間に分ける
- 漢字を部品に分ける
- 覚え言葉や物語と結びつける
- 覚え方と書き順を分ける
- 3字見てから思い出す
- 書く回数を無理に増やさない
すべての子に同じ方法が合うわけではありません。
子どもが「これなら分かる」「もう一度やってみたい」と感じられる方法を探すための一つとして、使ってもらえたら嬉しいです。