はじめに
ASDのお子さんを育てる中で、『どんな療育方法が合っているの?』『ABAとTEACCHの違いは?』と悩んでいませんか?この記事では、各療育方法の特徴と、家庭でできる工夫を詳しく解説します。
本記事では、ASDの療育方法を具体的に紹介し、ご家庭で取り入れられる工夫もお伝えします。
目次
- ASD療育とは?
- 療育はいつから始めるべき?
- TEACCHプログラムとは?
- ABA(応用行動分析)とは?
- 感覚統合療法とは?
- ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは?
- 音楽療法とは?
- PECS(絵カード交換式コミュニケーション)とは?
- 太田ステージと太田プログラムとは?
- ABAとTEACCH、どっちを選ぶべき?
- 療育のメリット・デメリット
- 成功事例・失敗事例(経験談あり)
- 家庭でできる療育の実践例
- 療育を続けるコツとモチベーション維持の方法
- よくある誤解とその真実
- 自治体の支援を活用する方法
- まとめ
1. ASD療育とは?メリットと始めるタイミング
ASDの子どもが日常生活をよりスムーズに過ごせるように、個々の特性に合わせた支援やトレーニングを行うことを指します。
療育にはさまざまな方法があり、代表的なものにはABA(応用行動分析)、TEACCH(構造化療法)、感覚統合療法などがあります。
「ASDの子どもに合う療育方法は?」「いつから始めるのがベスト?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
それぞれの特性や環境によって適した方法が異なるため、子どもに合ったアプローチを見つけることが大切です。
2. 療育はいつから始めるべき?
ASDの子どもに対する療育は早ければ早いほど良いと言われています。
しかし、具体的にはいつから始めるべきなのでしょうか?
【ポイント】
- 3歳児健診がきっかけになることが多い
- 専門家の診断を受けることで適切な療育の方向性が決まる
- 早期療育のメリットと、焦らないことの重要性
✅ 経験談:
我が家の場合、3歳児健診で指摘を受け、療育を勧められました。
最初は戸惑いましたが、通い始めると徐々に息子の変化が見られるようになりました。
3. TEACCHプログラム
TEACCH(Treatment and Education of Autistic and Communication Handicapped Children)プログラムは、ASDの子どもの特性に合わせた個別支援を重視する療育方法です。
特徴
- 視覚的支援:
スケジュール表やピクトグラムを活用して、見通しを持たせる。

- 個別化:
子どもの発達段階に応じたプログラムを設計。

- 構造化:
環境を整え、ルールを明確にすることで安心感を提供。

家庭での実践例
- 視覚スケジュールを作成する
(朝の準備、帰宅後の流れをイラストや写真で示す)

- 作業スペースを明確にする
(学習エリアと遊びエリアを区別)
4. ABA(応用行動分析)
ABA(Applied Behavior Analysis)は、行動の原因と結果を分析し、望ましい行動を増やすアプローチです。
特徴
- 肯定的な強化:
できたことを褒めて行動を定着させる。

- スモールステップ:
小さな成功体験を積み重ねてスキルを伸ばす。

- データ分析:
行動の記録を取り、最適な支援方法を見つける。

家庭での実践例
- 「できたね!」と具体的に褒める
(例:「おもちゃを片付けたね、えらいね!」) - ごほうびを用意
(例:好きなシールを貼る、おやつをあげる)

ABAとTEACCHの違い|発達障害児の療育選び
ABAとTEACCHの違い|発達障害児の療育選び
ABA(応用行動分析)とTEACCHは、どちらも発達障害児の療育方法として知られていますが、目的やアプローチが異なります。

ABAとは?
ABA(応用行動分析)は、望ましい行動を強化し、不適切な行動を減らすための科学的なアプローチです。
我が家では「ABA家庭療育」の一環として、「おもちゃの貸し借り」の練習を取り入れました。
最初は「貸したくない!」とパニックになることが多かったのですが、「順番に遊ぶと、また戻ってくるよ」と視覚カードを使って説明しながら進めました。
ABAの基本は「強化(望ましい行動を増やす)」ですが、その方法として視覚的なサポートを使うことも有効です。
視覚カードで「順番を待てば戻ってくる」と示すことで、ルールを理解しやすくなり、スムーズに練習を進められました。
また、上手に貸せたときにはスタンプを押して「できたね!」と声をかけると、「また貸してみる!」と意欲的になることが増えました。
視覚カードはTEACCHの手法としても知られていますが、ABAの中で補助ツールとして活用することもできます。
実際、我が家ではABAの「強化」と組み合わせることで、より効果的に働いたと感じました。
TEACCHとは?
TEACCHは、自閉症の子どもが環境の中で自立しやすいようにサポートする方法です。
「療育 方法 ASD」を調べる中で、TEACCHが「視覚的な支援」を重視していることを知り、我が家でも「予定表を写真やイラストで見せる」ことを取り入れました。

5. 感覚統合療法
ASDの子どもは感覚の過敏さや鈍感さを持つことが多いため、感覚統合療法が有効です。
特徴
- 五感を適切に刺激する:
触覚、視覚、聴覚のバランスを整える。 - 楽しく取り組める:
遊びながら感覚を調整する。 - 身体の使い方を学ぶ:
バランス感覚や運動機能を高める。

家庭での実践例
- トランポリンやブランコで体を動かす
- 砂遊びやスライム遊びで触覚を刺激
(ただし、嫌がる場合は無理にさせない) - ノイズキャンセリングヘッドホンで音の刺激を調整
✅ 経験談:
感覚統合療法の一環として、触覚過敏が強い息子に「ディーププレッシャー」を試してみました。
お風呂上がりにふわふわの布で体を優しく包むと、とても安心した様子でリラックスできるように。
また、最初は「ベタベタするのイヤ!」と嫌がっていた粘土遊びも、少しずつ短い時間から取り入れることで慣れてきました。
続けていくうちに、「ちょっとだけなら触れるかも…?」と興味を持ち始め、苦手だった泥遊びにも少しずつ挑戦できるようになりました。
6. ソーシャルスキルトレーニング(SST)
SST(Social Skills Training)は、ASDの子どもが適切な対人スキルを身につけるためのトレーニングです。
特徴
- コミュニケーションの基礎を学ぶ
(例:挨拶の仕方、順番を守る)

- ロールプレイを通じて実践
(例:お店での買い物ごっこ)

- グループ活動で練習
(例:簡単なゲームを通じて交流)

家庭での実践例
- お人形やぬいぐるみを使って会話の練習
- 絵カードで「〇〇のとき、どうする?」を考える
- 家族内で役割を決めてロールプレイ
7. 音楽療法
音楽を活用した療育は、リラックス効果や感情表現の促進に役立ちます。
特徴
- 言葉の発達を促す:
歌を通じて語彙力を向上。 - 感情表現を助ける:
音楽のリズムに合わせて体を動かす。 - ストレスを和らげる:
好きな音楽を聴いてリラックス。

家庭での実践例
- お子さんの好きな音楽を一緒に歌う
- リズム遊びを取り入れる(手拍子、タンバリン)
- 「今の気分はどんな音楽?」と聞いて感情を表現
8. PECS(絵カード交換式コミュニケーション)
言葉でのコミュニケーションが難しいお子さんには、PECS(Picture Exchange Communication System)が有効です。
特徴
- 視覚的に意思を伝えるツール
- 簡単な絵カードから始める
- コミュニケーションの基礎を築く

家庭での実践例
- 「おやつ」「トイレ」「遊び」などの絵カードを用意
- 子どもが選びやすいように見える場所に配置
- 言葉と一緒に使い、徐々に発話を促す

9. 太田ステージと太田プログラムとは?
太田プログラムは、発達の段階(太田ステージ)に基づいて個別にアプローチする療育方法です。
特徴
- 発達段階に応じた支援:
視覚・認知・言語の発達に沿ったステップを用意 - 日常生活スキルの向上:
食事・着替え・コミュニケーションの強化 - 社会性を育む:
集団行動の練習や、他者とのやりとりを学ぶ
家庭での実践例
- お子さんの発達ステージを把握し、段階に合った遊びや学習を提供
- 短い指示を出し、理解できる範囲で行動を促す
- 「できた!」を増やすために、小さな成功を積み重ねる
10. ABAとTEACCH、どっちを選ぶべき?
ASDの療育方法として有名なABAとTEACCH。
それぞれの特徴と、どのような子に向いているのかを比較します。
ABA(応用行動分析)の特徴
✅ 行動の分析と強化を用いたトレーニング
✅ 目標を細かく設定し、成功体験を積ませる
✅ 短期的に成果が出やすい
TEACCHプログラムの特徴
✅ 環境を整え、視覚的サポートを活用する
✅ 個々のペースを尊重し、ストレスを軽減する
✅ 長期的な発達を促す
📌 どちらを選ぶ?
- ABAが向いている子:
明確な指示に従いやすい子、特定の行動の修正をしたい子 - TEACCHが向いている子:
環境の変化に敏感な子、視覚的なサポートが必要な子
✅ 経験談:
ASDの子は視覚優位であることが多いと言われますが、息子は発達検査で視覚情報の処理が苦手だと分かりました。
そのため、視覚支援は合わないかもしれないと考えていましたが、意外にもTEACCHの方法がしっくりきたようです。
このように、療育の方法は子どもによって合う・合わないが異なります。
実際に試しながら、その子に合ったアプローチを柔軟に取り入れることが大切だと感じました。
11. 療育のメリット・デメリット

✅メリット
- 早期から適切な支援を受けることで発達が促進される
- 子どもが自己肯定感を持ちやすくなる
- 親が子どもの特性を理解しやすくなる
⚠デメリット
- 療育の場が限られており、実際に受けられるまでに時間がかかることがある
例: 私の場合、相談から開始までに5か月ほどかかりました。
待機期間が長くなるケースもあるため、早めに情報収集し、必要な手続きを進めることが大切です。 - 親の負担が増える(送迎や金銭面)
- 子どもによっては合わない場合がある
療育の方法や環境によっては、子どもにとって負担となることもあります。
そのため、無理なく続けられるかどうかを見極め、必要に応じて調整していくことが重要です。
12. 成功事例・失敗事例
✅成功事例療育を始めたことで変化が見られたケース
- 3歳からABAを開始し、4歳には指示が通りやすくなり、会話もスムーズに
- TEACCHを取り入れたことで登園しぶりが改善
🔄こういうケースも療育の方法や環境が合わなかった例
- ABAのアプローチが子どもにとって難しく感じられ、ストレスが増えてしまった
- グループ療育に通わせたが、環境の変化が負担となり、逆に不安定になることがあった
- TEACCHを取り入れることで落ち着いて過ごせるようになったケースもある
13. 家庭でできる療育の実践例
療育は専門機関だけでなく、家庭でも取り入れることができます。
例えば、ABAの基本を応用して「できた!」を増やす声かけを意識したり、TEACCHの考え方を参考に「朝の準備カード」を作って視覚的にスケジュールを示したりする方法があります。
「どんな方法が実践しやすい?」「家庭療育は効果がある?」と悩まれる方も多いですが、日常の中で無理なく続けられる工夫を取り入れることで、子どもにとって安心できる環境を作ることができます。

14. 療育を続けるコツとモチベーション維持の方法
療育は短期間で劇的な変化が見られるものではなく、継続することで少しずつ成長が感じられるものです。
しかし、「なかなか成果が見えない」「続けるのが大変」と感じることもあるでしょう。
「モチベーションを保つには?」「うまくいかないときはどうする?」といった悩みに対して、療育の進み具合を記録して小さな成長を実感することや、専門家や支援者と相談しながら進めることが大切です。
親自身の負担を減らしながら、長く続けられる工夫を取り入れましょう。

15. よくある誤解とその真実
❌ 「ABA=厳しい訓練」 → 個々に合わせたプログラムで、無理のない進め方が可能
❌ 「感覚統合療法を受けないと成長しない?」 → 感覚統合が必要な子もいるが、全員が必須ではない
❌ 「療育を受けたら普通の子と同じになる?」 → 療育の目的は発達のサポートであり、個々の特性を伸ばすこと
16. 自治体の支援を活用する方法
✅ 療育手帳の取得:受けられる支援の幅が広がる
✅ 発達支援センターの活用:無料相談や親向けの勉強会がある
✅ 助成金や補助制度:自治体ごとに違うため、役所で確認
✅ 経験談: 我が家では自治体の発達相談を利用し、個別療育を受けることができました。
9. よくある質問
ASDの子どもに療育は必要ですか?
必要かどうかは個々の特性によりますが、早期療育はコミュニケーション力や生活スキルの向上に効果的です。
療育は何歳から始めるのがベストですか?
一般的に2〜3歳から始めると効果が高いとされていますが、年齢に関係なく適切な支援を受けることが重要です。
ABA療法とは何ですか?
応用行動分析(ABA)は、行動のパターンを分析し、良い行動を強化することで適応力を高める療育方法です。
TEACCHプログラムとは何ですか?
視覚的なサポートを活用し、構造化された環境で学習や生活スキルを向上させる療育方法です。
感覚統合療法はどんな効果がありますか?
感覚過敏や鈍麻のある子どもが、適切な感覚処理を学ぶことで生活しやすくなる支援方法です。
家庭でできる療育の例はありますか?
視覚スケジュールの活用、ソーシャルストーリー、ルールの明確化、感覚遊びなどがあります。
療育はどこで受けられますか?
自治体の発達支援センター、療育施設、専門クリニック、幼稚園や保育園の支援プログラムなどで受けられます。
療育には費用がかかりますか?
自治体の支援制度を利用すると、負担を抑えながら療育を受けることが可能です。
療育の効果はどれくらいで出ますか?
個人差がありますが、数ヶ月〜1年ほど継続すると変化が見られることが多いです。
ASDの子どもに向いている習い事はありますか?
水泳、音楽、アート、体操など、個々の興味や感覚特性に合った習い事がおすすめです。
10. まとめ
ASDの療育方法にはさまざまな種類があり、お子さんの特性に合ったものを選ぶことが大切です。
ご家庭でも実践できる方法を取り入れ、少しずつ成長をサポートしていきましょう。
✅ まずは自治体の発達支援センターや専門家に相談し、お子さんに合った支援を見つけましょう!

次回予告
次回は、「我が家のルール4選と楽しく習慣化するための工夫」をお届けします。
どうぞお楽しみに!