視覚支援

【小1】予定変更が苦手な子へ|急な変更で泣く・怒るときの予告と視覚支援

予定変更が苦手な小学1年生へ先生が変更前と変更後の予定を絵カードで伝えるイラスト

「時間割が変わると、不安になって動けなくなる」

「楽しみにしていた予定がなくなると、泣いたり怒ったりする」

「急な変更だから仕方がないと説明しても、気持ちを切り替えられない」

そんな悩みはありませんか?

わが家には、ASD・ADHD・DCD・吃音のある小学1年生と、4歳の子どもがいます。

私は児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、家庭でも子どもの特性に合わせた声かけや視覚支援を試してきました。

予定の変更が苦手な子は、わがままで予定どおりにしたがっているとは限りません。

「何がなくなったのか」「代わりに何をするのか」「その後はどうなるのか」が分からず、不安が大きくなっていることがあります。

この記事では、小学1年生が予定変更を嫌がる理由と、家庭や学校でできる予告・視覚支援を紹介します。

急な変更を伝える順番、変更カードの例、担任へ相談するときの文例もまとめました。

※予定変更への反応や、受け入れやすい伝え方には個人差があります。強い混乱が続き、本人や家族の生活に影響している場合は、学校や専門機関へ相談してください。

結論|変更の理由を長く説明するより、「なくなる予定」と「代わりの予定」を見せよう

予定変更を伝えるときは、理由を長く説明するだけでなく、次の3つを短く示します。

  1. 何が変わるのか
  2. 代わりに何をするのか
  3. その後はどうなるのか

例えば、雨で公園へ行けなくなった場合は、

今日は雨です。
公園は行きません。
代わりに家で工作をします。
公園は晴れた日に行きます。

と伝えます。

口頭だけでは理解しにくい場合は、予定表の「公園」に変更の印を付け、隣へ「工作」の写真や絵を置きます。

国立特別支援教育総合研究所の発達障害教育推進センターでも、予定変更は可能な範囲で事前に伝え、変更前後の予定を視覚的に確認できるようにする支援が紹介されています。発達障害教育推進 …

困っていること最初に試したいこと
変更を聞くとすぐ怒る理由の説明を続けず、変更前と変更後を見せる
中止を受け入れられない代わりにできることを一つ示す
「いつできる?」を繰り返す分かる範囲で次の予定を示す
学校で急な変更に混乱する変更カードや時間割への印を相談する
変更後も何度も確認する同じ短い言葉と予定表で答える
選択肢を出すと決められない二つではなく、一つの代替案を示す
強く泣く・怒る説得を中止し、安全と落ち着きを優先する

変更を一度で受け入れられなくても、伝え方が失敗だったとは限りません。

変更の内容を理解することと、残念な気持ちが落ち着くことには、別の時間が必要です。

「活動の切り替え」と「予定変更」はどう違う?

似ていますが、困り方の中心が少し異なります。

活動の切り替え

今していることを終え、次の活動へ移ることです。

例えば、

  • 遊びを終えて授業を始める
  • 図工を片付けて給食の準備をする
  • ゲームを終えてお風呂へ入る

などがあります。

予定変更

あらかじめ予想していた内容・順番・場所・人などが変わることです。

例えば、

  • 体育が国語へ変わる
  • 遠足が雨で延期になる
  • いつもの先生が休む
  • 帰宅後に病院へ行く
  • 楽しみにしていた公園へ行けなくなる

などがあります。

活動を終えることが難しい場合は、こちらの記事をご覧ください。

▶ 【小1】授業の切り替えが苦手な子へ|次の活動へ移れないときの予告と視覚支援

小学1年生が予定変更を嫌がる7つの理由

1.見通しがなくなり、不安になる

子どもは、頭の中で今日の流れを思い描いていることがあります。

その予定が突然変わると、次に何が起こるのか分からなくなり、不安が大きくなる場合があります。

予定変更への強い反応は、単なるわがままではなく、予想と異なる状況でどう行動すればよいか分からないことから生じる場合があります。cpedd.nise.go.jp

運動会や発表会、避難訓練など、学校行事の時期に不安が強くなる場合は、こちらの記事も参考になります。

▶ 【小1】学校行事が苦手な子へ|運動会・発表会・避難訓練の見通しを持つ工夫

2.楽しみにしていた気持ちが大きい

運動、給食、休み時間、放課後の予定など、楽しみにしていたことがなくなれば、残念に感じるのは自然なことです。

大人には小さな変更に見えても、本人にとっては一日の中で最も楽しみにしていた予定かもしれません。

3.代わりに何をするか分からない

「体育はありません」とだけ伝えられると、空いた時間に何をするのか分かりません。

なくなった予定だけでなく、代わりの予定も一緒に示す必要があります。

4.変更の説明を聞き取れない

教室全体へ口頭で説明された場合、自分にも関係がある話だと気づかなかったり、説明の一部を聞き逃したりすることがあります。

「今日は予定が変わります」と本人へ注意を向けてから、短く伝えると分かりやすくなる場合があります。

5.一度決めた順番を変えにくい

頭の中で「最初にこれ、その次にこれ」と順番を決めていると、途中へ別の予定を入れることが負担になる場合があります。

内容より、順番が変わったことを嫌がる子もいます。

6.変更の経験に嫌な記憶がある

以前の予定変更で、急かされた、叱られた、何をすればよいか分からなかったなどの経験があると、変更を知らせる言葉そのものに不安を感じることがあります。

7.疲れや空腹が重なっている

学校で一日過ごした後や、眠いとき、空腹のときは、普段なら受け入れられる変更にも対応しにくくなることがあります。

予定だけでなく、その日の体調や疲れも確認しましょう。

予定変更を伝える5つの手順

外遊びから室内活動へ予定を変更し、その後はいつもの流れへ戻ることを示すイラスト

1.子どもの注意を向ける

別のことに集中しているときに、離れた場所から説明しても伝わらない場合があります。

近くへ行き、

「予定の話をします」
「今日の変更を一つ伝えるね」

と短く知らせます。

2.変更前の予定を示す

まず、子どもが予定していたことを確認します。

「今日は公園へ行く予定だったね」
「5時間目は体育の予定だったね」

本人が楽しみにしていたことを、大人も把握していると伝えます。

3.変更を短く伝える

変更の理由は、子どもが理解できる長さにします。

「雨なので、公園は行きません」
「先生がお休みなので、音楽は国語に変わります」

納得させようとして説明を増やし続けると、かえって何が変わったのか分かりにくくなることがあります。

4.代わりの予定を見せる

なくなる予定に線や「変更」のカードを置き、代わりの予定を隣へ並べます。

公園 → 家で工作
体育 → 国語
いつもの先生 → 別の先生

文字だけでは分かりにくい場合は、写真や絵を使います。

5.変更後の流れを確認する

代わりの活動だけでなく、その後の予定も示します。

「工作のあとは、お風呂です」
「国語のあとは、いつもどおり帰りの会です」

一部が変わっても、すべてが変わるわけではないと分かると、安心しやすい子もいます。

予定変更を見える化する7つの方法

1.変更前と変更後を並べる

二つのカードを並べます。

変更前:公園
変更後:家で工作

変更前のカードを隠してしまうより、「何から何へ変わったか」が分かるように残す方が理解しやすい子もいます。

2.変更前の予定に斜線を付ける

変更前の予定を完全に消さず、斜線や付箋で変更を示します。

印を嫌がる子には、カードを裏返す、別の場所へ移動する方法があります。

3.「変更カード」を使う

予定が変わるときに毎回同じカードを使います。

例えば、オレンジ色の矢印や、二つの予定が入れ替わる絵などです。

カードを見せながら、

「予定が変わります」

と伝えます。

4.変わらない予定も示す

予定変更があると「今日の予定が全部変わった」と感じる子もいます。

変更後の予定表を見ながら、

「ここは変わります」
「給食と帰る時間は、いつもと同じです」

と伝えます。

外遊びを読書へ変更し、給食と下校は変わらないことを予定表で確認する視覚支援イラスト

5.次にできる日を示す

延期の場合は、分かる範囲で次の予定を示します。

「遠足は金曜日です」
「公園は晴れた日に行きます」

日程が決まっていない場合は、「まだ決まっていません」と伝えます。

守れない日付を急いで約束しないことも大切です。

6.二つの選択肢から選んでもらう

代わりの活動を選べる場合は、二択にします。

「工作とパズル、どちらにする?」
「先に宿題をする? お風呂に入る?」

ただし、選ぶこと自体が負担になる子には、大人が一つに決めて示して構いません。

7.変更後にカードを外す

予定変更を乗り越えた後は、変更カードを外したり「おしまい」の場所へ移したりします。

変更が終わったことを視覚的に確認できます。

急な変更で泣く・怒るときの対応

説得をいったん止める

強く泣いたり怒ったりしているときは、理由を繰り返しても受け取れない場合があります。

「予定が変わって嫌だったね」
「今は話さなくて大丈夫」
「落ち着いてから確認しよう」

と短く伝えます。

気持ちを言い当てられることを嫌がる場合は、

「公園へ行けなくなりました」
「今はここで休みます」

のように、事実だけを伝えても構いません。

安全を優先する

物を投げる、飛び出す、自分や人を傷つけようとする場合は、予定の説明より安全を優先します。

危険な物を遠ざけ、周囲の刺激を減らします。

予定を元に戻す約束をしない

泣き止ませるために、実現できない約束をすると、さらに見通しを持ちにくくなることがあります。

変更できない場合は、

「公園へは行きません」
「家で過ごします」

と、短く同じ内容を伝えます。

落ち着いてから次を選ぶ

落ち着いた後に、

「工作をする」
「少し休む」

など、次にできることを一つか二つ示します。

その日の変更を振り返らせたり、反省を求めたりする必要はありません。

家庭で起こりやすい予定変更と伝え方

雨で外出できない

「今日は雨です。公園は行きません。家で粘土をします」

病院へ行くことになった

「帰ったら、いつもの予定を変えます。おやつの後に病院へ行きます」

お迎えの人が変わる

「今日はお母さんではなく、お父さんがお迎えに行きます」

可能であれば、迎えに行く人の写真を見せます。

買い物へ寄れなくなった

「今日はスーパーへ行きません。まっすぐ家へ帰ります」

来客や外出予定がなくなった

「お客さんは来ません。今日は家族で過ごします」

予定がなくなった後の時間をどう過ごすかも示します。

学校で相談できる支援

学校で予定変更が多い場面には、次のようなものがあります。

  • 時間割の変更
  • 行事の練習
  • 雨天時の予定
  • 担任や支援員の不在
  • 教室や活動場所の変更
  • 交流学級と支援学級の移動
  • 避難訓練
  • 係や当番の変更

学校へは、次のような支援を相談できます。

  • 変更を可能な範囲で早めに伝える
  • 当日の朝にも再確認する
  • 変更前後の時間割を見せる
  • 変更箇所へ印を付ける
  • 本人へ個別に短く伝える
  • 変更後に何をするか示す
  • 落ち着く場所や時間を用意する
  • 家庭へ事前に知らせる

予定変更を前日までに伝え、当日の朝にも説明する方法や、変更前後の時間割を視覚的に確認する方法は、公的な支援情報でも例示されています。発達障害教育推進 …

担任へ相談するときの伝え方

「予定変更が苦手です」だけでなく、どのような変更で、どんな反応があり、何をすると落ち着きやすいかを伝えます。

連絡帳・連絡アプリの文例

予定変更についてご相談があります。

時間割や活動場所が急に変わると、次に何をするのか分からなくなり、泣いたり動けなくなったりすることがあります。

家庭では、変更前と変更後の予定を並べ、「何が変わるか」「代わりに何をするか」「その後はどうなるか」を短く伝えると確認しやすいようです。

学校でも、可能な範囲で変更を早めに伝えることや、時間割へ印を付けて見せることができるか、ご相談させてください。

学校へ伝えたい具体的な内容

  • 苦手な変更の種類
  • 変更を知ったときの反応
  • 落ち着くまでに必要な時間
  • 本人が理解しやすい伝え方
  • 家庭で使っているカードや予定表
  • 変更を伝えてほしいタイミング
  • 混乱したときに落ち着きやすい場所
  • 家庭へ共有してほしい予定

すべての変更を事前に知らせることは難しいため、特に負担が大きい場面から相談しましょう。

発達が気になる子へ使うときの注意点

視覚支援は、カードを見せれば必ず予定変更を受け入れられる方法ではありません。

  • 文字より写真が分かりやすい
  • 写真より簡単な絵が分かりやすい
  • カードを増やすと混乱する
  • 変更前の予定を見ると余計につらくなる
  • 日付が決まるまで何度も確認したくなる

など、子どもによって使いやすさが異なります。

予定変更への支援では、本人がなぜ困っているかを確認し、視覚的なスケジュールなどを使って見通しを示すことが勧められています。無理にこだわりを止めようとすると、かえって混乱が強まる場合もあります。発達障害とは

カードを使うこと自体が負担になる場合は、紙へ簡単に書く、写真を見せる、口頭で一つだけ伝える方法でも構いません。

相談を考えてよい様子

予定変更を嫌がることだけで、すぐに心配する必要はありません。

ただし、次の状態が続き、本人や家族の生活へ大きく影響している場合は、学校や専門機関へ相談してください。

  • 小さな変更でも長時間混乱する
  • 予定変更を恐れて外出や登校を嫌がる
  • 物を壊す、人をたたくなどの行動がある
  • 自分を傷つける行動がある
  • 学校で授業や行事へ参加できない
  • 家族だけでは対応が難しい
  • 本人が強い不安や苦痛を訴えている

相談先には、担任、特別支援教育コーディネーター、スクールカウンセラー、小児科、地域の発達相談などがあります。

危険な行動がある場合は、予定を守らせることより安全を優先してください。

よくある質問

予定変更に慣れさせるため、事前に伝えない方がよいですか?

急な変更を繰り返せば、自然に慣れるとは限りません。

まずは見通しを持てる方法を用意し、変更後にどう行動すればよいか分かる経験を重ねましょう。

予定変更は、何日前に伝えればよいですか?

子どもによって異なります。

早く伝えるほど不安な時間が長くなる子もいれば、直前では受け入れにくい子もいます。前日、当日の朝、変更直前など、理解しやすい時期を探してください。

何度も同じ予定を確認されます

同じ質問には、予定表を指しながら同じ短い言葉で答えます。

説明を追加し続けるより、「公園は金曜日です」など、確認できる情報を一つにそろえる方法があります。

変更を伝えると怒るので、直前まで黙っていてもよいですか?

可能であれば、本人が理解しやすい時期に知らせましょう。

直前に知ることの方が混乱を大きくする場合があります。伝える時期に迷う場合は、学校や支援者とも相談してください。

選択肢を出しても、どちらも嫌だと言います

選択肢を出せば必ず決められるわけではありません。

選ぶ余裕がないときは、大人が代わりの予定を一つ決め、落ち着いてから本人の希望を確認して構いません。

予定変更で泣いたら、元の予定に戻すべきですか?

元へ戻せる変更なら検討できますが、泣き止ませるためだけに実現できない約束をすることは避けます。

変更が必要な場合は、事実を短く伝え、安全に落ち着ける方法を優先してください。

視覚支援カードがないと対応できなくなりませんか?

必要なときに理解を助ける道具として使って構いません。

慣れてきたらカードを小さくする、文字だけにする、口頭の説明と組み合わせるなど、本人の様子に合わせて変えられます。

小学1年生の見通し・学校生活に役立つ記事

授業や遊びを終えて、次の活動へ移りにくい場合はこちらをご覧ください。

▶ 【小1】授業の切り替えが苦手な子へ|次の活動へ移れないときの予告と視覚支援

朝の支度・忘れ物・帰宅後・明日の準備に関する困りごとは、こちらでまとめています。

▶ 【小1】学校の準備ができない子へ|朝の支度・忘れ物・帰宅後・明日の準備まとめ

失敗や負けをきっかけに泣いたり怒ったりする場合はこちらをご覧ください。

▶ 【小1】失敗すると泣く・怒る子へ|間違いや負けを受け入れられないときの対応

運動会や発表会、避難訓練など、学校行事の時期に不安が強くなる場合は、こちらの記事も参考になります。

▶ 【小1】学校行事が苦手な子へ|運動会・発表会・避難訓練の見通しを持つ工夫

まとめ|変更を我慢させるより、変更後の見通しを伝えよう

小学1年生が予定変更を嫌がるときは、単にわがままで予定どおりにしたがっているとは限りません。

  • 何が起こるか分からない
  • 楽しみにしていた予定がなくなった
  • 代わりに何をするか分からない
  • 変更の説明を理解しにくい
  • 順番を組み替えることが難しい
  • 疲れや空腹が重なっている

などの理由が考えられます。

予定変更を伝えるときは、

  1. 変更前の予定を確認する
  2. 何が変わるか短く伝える
  3. 代わりの予定を見せる
  4. その後の流れを確認する
  5. 落ち着く時間を取る

という順番を試してみてください。

予定変更を一度で受け入れられなくても、叱ったり説得を続けたりする必要はありません。

予定表、写真、絵カードなどを使いながら、その子が「変わった後に何をすればよいか」を理解できる伝え方を探してみましょう。

参考資料

※視覚支援は、すべての子どもに同じ方法を求めるものではありません。本人の理解しやすさや、家庭・学校の状況に合わせて調整してください。

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  • この記事を書いた人

しょうがなすこさん

はじめまして🌼「しょうがなすこ」と申します。 小学生と未就学児の兄弟を育てている母です。長男にはASD・ADHD・DCD・吃音があり、療育や学校生活、家庭での関わりを通して、さまざまな困りごとに向き合ってきました。 児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、実際の子育て経験をもとに、家庭・学校・療育で使える視覚支援カードや無料教材、子育ての工夫を発信しています。 「ことばだけでは伝わりにくい」「次に何をすればよいか分からない」「学習につまずいている」など、その子に合う「分かる方法」を一緒に見つけられる場所を目指しています。 子育ての困りごとが少しでも軽くなりますように。どうぞ気軽に読んでいってください☺️

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