はじめに
「給食の時間が近づくと不安そうになる。」
「家では食べるものでも、学校では食べられない。」
「時間内に食べ終わらず、給食が苦手になっている。」
そんなことはありませんか?
小学校に入ると、給食は毎日の大きな活動のひとつになります。
でも、子どもによっては給食が楽しみではなく、負担になっていることがあります。
給食が苦手な理由は、単に「好き嫌いが多い」だけではありません。
- 味が苦手
- においが苦手
- 食感が苦手
- 量が多い
- 時間内に食べられない
- 周りの音や雰囲気が落ち着かない
- 残していいと言えない
- 先生に相談できない
- 完食しないといけない気がしてつらい
など、いろいろな理由が重なっていることがあります。
この記事では、小1の子が給食を苦手に感じる理由と、家庭でできる工夫、学校へ相談するときの文例をまとめます。
小1で給食が苦手になる理由
給食が苦手な子は、「わがまま」や「甘え」だけで困っているわけではありません。
小学校の給食は、幼稚園や保育園、家庭での食事とは違うところがたくさんあります。
食べる場所や雰囲気が変わる
家では食べられるものでも、学校では食べられないことがあります。
それは、食べ物そのものだけでなく、環境が違うからです。
給食の時間には、
- たくさんの子が一斉に食べる
- 食器の音がする
- 机の配置がいつもと違う
- 時間が決まっている
- 食べ終わった子が片づけ始める
- 先生や友達の目が気になる
など、家とは違う刺激があります。
静かな場所なら食べられる子でも、教室のにぎやかさの中では食べにくくなることがあります。
味・におい・食感が苦手なこともある

給食では、家であまり出ないメニューや、いろいろな食材が混ざった料理が出ることがあります。
たとえば、
- 牛乳のにおい
- 煮物のやわらかい食感
- 野菜の苦み
- 魚のにおい
- 混ざった料理の見た目
- 初めて見るメニュー
が苦手な子もいます。
大人から見ると「少しだけ食べればいいのに」と思うことでも、子どもにとってはかなり大きな負担になっている場合があります。
特に、においや食感に敏感な子は、口に入れる前から不安が強くなることもあります。
時間内に食べ終わらない不安
給食が苦手な子の中には、味よりも「時間」がつらい子もいます。
小1は、まだ食べるペースに個人差があります。
- よく噛むので時間がかかる
- 食べる動作がゆっくり
- 周りが気になって手が止まる
- 苦手なものがあると進まない
- 量が多く感じる
などで、時間内に食べ終わらないことがあります。
一度「食べ終わらなかった」「片づけに間に合わなかった」という経験をすると、次の日から給食の前に不安になることもあります。
「また間に合わなかったらどうしよう」
「残したら怒られるかな」
「みんなより遅いって思われるかな」
そんな気持ちが強くなると、さらに食べにくくなってしまいます。
「残していい」と言えない子もいる
給食で困っていても、先生に言えない子もいます。
本当は量を減らしたい。
本当は苦手なものを残したい。
本当は気持ち悪くなっている。
でも、
「先生に言っていいのかな」
「怒られたらどうしよう」
「友達に見られたら恥ずかしい」
と思って、言えないことがあります。
特に小1は、学校でのルールを覚えている途中です。
「残していいとき」と「頑張るとき」の区別が分かりにくく、全部食べなければいけないと思い込んでいることもあります。
家庭でできる工夫
給食が苦手な子には、家で無理にたくさん食べさせるよりも、安心材料を増やすことが大切です。
給食の献立を一緒に見る

学校の献立表があれば、親子で一緒に確認します。
「明日はカレーだね」
「牛乳があるね」
「これは初めてのメニューだね」
と、事前に知っておくだけでも安心しやすくなります。
苦手なメニューがある日は、
「全部食べなくても、ひと口だけ試せたら十分」
「困ったら先生に言っていいよ」
「食べられなかったら、帰ってから話してね」
と伝えておくと、子どもの不安が少し軽くなります。
苦手を責めずに理由を聞く
給食を残したと聞くと、つい「なんで食べなかったの?」と言いたくなることがあります。
でも、責められているように感じると、子どもは話しにくくなります。
まずは、
「何が食べにくかった?」
「味?におい?かたさ?」
「量が多かった?」
「時間が足りなかった?」
と、理由を分けて聞くと答えやすくなります。
理由が分かると、学校への相談もしやすくなります。
家で練習するなら少量で十分
苦手なものを家で練習する場合は、少量で大丈夫です。
たとえば、
- においをかぐ
- ほんの少しなめる
- 米粒くらいの量を口に入れる
- 一口だけ試す
- 食べられたら終わりにする
くらいでも、子どもにとっては大きな挑戦です。
「全部食べる」ことを目標にすると、食事そのものがつらくなってしまうことがあります。
まずは、少し試せた経験を積むことが大切です。
食べる量や苦手さだけでなく、おはしやお茶碗の持ち方が負担になっている場合は、こちらの視覚支援カードも使えます。
▶ 【無料公開】小学生向け 食事の視覚支援カード|おはし・お茶碗の持ち方をイラストでわかりやすく
学校へ相談してよいこと
給食の困りごとは、学校へ相談して大丈夫です。
特に、
- 給食前に強い不安がある
- 食べられずに泣く
- 登校しぶりにつながっている
- 時間内に食べ終わらず困っている
- 苦手なものを先生に言えない
- 家で給食の話をするとつらそう
という場合は、早めに共有しておくと安心です。
相談するときは、「食べさせないでください」だけでなく、子どもが安心しやすい方法を一緒に考える形にすると伝わりやすいです。
たとえば、
- 最初から量を少なめにする
- 苦手なものはひと口だけにする
- 無理に完食を目指さない
- 残してよいことを事前に伝えてもらう
- 食べ終わらないときの対応を決めておく
- 困ったときに言う言葉を決めておく
などです。
担任の先生への相談文例

連絡帳や連絡アプリで伝える場合は、短くて大丈夫です。
そのまま使える文例を載せます。
いつもお世話になっております。
給食について、本人が少し不安を感じている様子があります。
味やにおい、量、時間内に食べ終わることが負担になっているようです。
無理に完食を目指すより、まずは安心して給食の時間を過ごせることを大切にしたいと考えています。
可能でしたら、量を少なめにする、苦手なものはひと口だけにする、困ったときに声をかけてもらうなど、ご相談させていただけますと助かります。
よろしくお願いいたします。
時間内に食べ終わらないことが主な不安なら、こちらです。
いつもお世話になっております。
給食の時間について、本人が「時間内に食べ終わらないかもしれない」と不安に感じているようです。
食べるペースがゆっくりなため、量や時間のことで焦りやすい様子があります。
可能な範囲で、最初の量を少なめにする、食べ終わらない場合の対応を事前に伝えていただくなど、ご相談できますとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
苦手なものを言えない場合は、こちらです。
いつもお世話になっております。
給食で苦手なものがあっても、本人から先生に伝えることが難しいようです。
「少なめにしてください」「これは苦手です」など、短い言葉で伝えられるように家でも練習してみます。
学校でも、困っていそうなときに声をかけていただけると助かります。
よろしくお願いいたします。
家でできる声かけ
給食が苦手な子には、「全部食べなさい」よりも、安心できる声かけが大切です。
たとえば、
- 食べられるものから食べていいよ
- 苦手なものは少しだけでも大丈夫
- 困ったら先生に言っていいよ
- 残すことがあっても、話してくれたら大丈夫
- 食べられたものを教えてね
- 給食の時間を安心して過ごせることが大事だよ
などです。
食べられなかった日も、責めるより先に、
「教えてくれてありがとう」
「何が大変だった?」
「明日はどうしたら少し楽になりそう?」
と聞くと、次の対策につながります。
少し食べられた経験を大切にする
給食が苦手な子にとって、いきなり完食を目指すのはハードルが高いことがあります。
大切なのは、少しずつ安心できる経験を増やすことです。
たとえば、
- 給食の時間に泣かずに過ごせた
- 牛乳を少し飲めた
- 苦手な野菜を見られた
- ひと口だけ試せた
- 先生に少なめにしてと言えた
- 食べられなかったことを家で話せた
これも大事な一歩です。
「全部食べたか」だけでなく、
給食の時間をどう過ごせたか
に目を向けると、子どもの頑張りが見えやすくなります。
関連記事
学校で困っていても先生に言えない子には、こちらの記事も参考になります。
困っても「助けて」と言えない子へ|学校で先生に伝える練習と視覚支援
予定変更やいつもと違う流れが苦手な子には、こちらの記事もおすすめです。
予定変更が苦手な子へ|急な変更で泣く・怒るときの予告と視覚支援
学校行事の練習や当日の流れが不安な子には、こちらの記事もつながります。
【小1】学校行事が苦手な子へ|運動会・発表会・避難訓練の見通しを持つ工夫
給食で「どこまで食べられたか」を見える化したい場合は、こちらの教材も使えます。
【無料公開】【給食・お弁当を残してしまう子に】食べられた!ステップアップ表|半分→8割→完食を見える化
給食の牛乳が苦手な子には、牛乳のよさをイラストで伝える視覚支援カードもあります。
【無料公開】【給食の牛乳を飲まない子に】牛乳のよさが伝わる視覚支援カード
食べ物の役割をイラストで伝えたい場合は、こちらの記事も参考になります。
【無料公開】幼児の食事の視覚支援|「食べ物のおしごと」をイラストでわかりやすく見える化
ごはんを食べる意味をやさしく伝えたい場合は、こちらの記事もおすすめです。
【無料公開】ごはんが苦手な子におすすめの視覚支援|「食べるとどうなる?」をイラストで見える化
まとめ
小1で給食が苦手な子は、好き嫌いだけで困っているとは限りません。
味、におい、食感、量、時間、教室の雰囲気、先生に言えない不安など、いろいろな負担が重なっていることがあります。
大切なのは、無理に完食を目指すことではなく、まず給食の時間を安心して過ごせるようにすることです。
献立を一緒に見る。
苦手な理由を分けて聞く。
少量から試す。
学校へ相談する。
困ったときの言葉を決めておく。
そうした小さな工夫が、子どもの安心につながります。
給食は毎日のことだからこそ、つらい時間になってしまうと学校生活全体の負担にもなります。
「食べられない」だけを見るのではなく、
「どうしたら少し安心して過ごせるか」
を一緒に考えていきたいですね。