「絵本の読み聞かせは、毎日しないと意味がないの?」
「1日何冊、何分くらい読めばよい?」
「疲れて読めない日があると、子どもに申し訳なく感じる」
そんな悩みはありませんか?
わが家には、ASD・ADHD・DCD・吃音のある小学生と、4歳の子どもがいます。
私は児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、家庭でも子どもの興味やその日の様子に合わせた読み聞かせを試してきました。
わが家でも、毎日同じ冊数を読めたわけではありません。
何冊も読みたがる日があれば、1ページで離れる日や、大人が疲れて読まない日もありました。
この記事では、読み聞かせは毎日必要なのか、1日何冊・何分を目安にすればよいのかを紹介します。
年齢別の楽しみ方や、子どもが聞かないとき、親が疲れているときの調整方法もまとめました。
※読み聞かせは、言葉・学力・集中力などの発達を保証するものではありません。年齢や冊数だけで判断せず、お子さんの興味や家庭の状況に合わせてください。
結論|読み聞かせは毎日できなくても大丈夫

読み聞かせに「毎日必ず」「1日○冊」「○分以上」という一律の決まりはありません。
1冊を最後まで読めない日や、好きなページだけの日、まったく読まない日があっても大丈夫です。
毎日続けることや冊数を達成することより、子どもと読む大人の両方が無理なく楽しめることを大切にしましょう。
| 気になること | 考え方・最初に試したいこと |
|---|---|
| 毎日読めない | 読める日に楽しむ。読まない日があってもよい |
| 何冊読めばよいか迷う | 1冊や1ページから始める |
| 何分読めばよいか迷う | 子どもが楽しめるところで終える |
| 途中で離れる | 好きなページだけでもよい |
| 同じ本ばかり選ぶ | 安心して楽しめる一冊として繰り返す |
| 「もう一回」が終わらない | 読む前に回数や冊数を決める |
| 親が疲れている | 短い本にする、家族と交代する、休む |
2026年に発表された楽天ブックスの調査では、読み聞かせをしている家庭の74.5%が、1回の時間を「5分未満」または「5~10分程度」と回答しています。
これは理想の時間を示すものではなく、短い時間で楽しんでいる家庭も多いという実態です。
「今日は短かった」と気にするより、家庭で続けやすい形を見つけてみてください。
読み聞かせは毎日しないと意味がない?
毎日読めないからといって、それまで一緒に楽しんだ時間がなくなるわけではありません。
読み聞かせの頻度は、家庭によって異なります。
文部科学省が公表している保護者調査でも、読み聞かせの頻度は「毎日」だけではなく、「週に3、4回」「週に1、2回」などに分かれています。
仕事、きょうだいの世話、家事、子どもの体調などによって、読める日は変わります。
毎日読むことを目標にしても構いませんが、できなかった日に親子が苦しくなるなら、目標を緩めても大丈夫です。
読み聞かせは回数を達成するためのものではない
「今日はまだ読んでいない」「今週は何冊しか読めなかった」と数えることが負担になる場合があります。
絵本を見る、短い言葉を一緒に読む、子どもが見つけた絵について話すことも、絵本を共有する時間です。
一冊を読み切ることだけを読み聞かせと考えなくて構いません。
読みたいと言われたときだけでもよい
子どもが本を持ってきたときに読めるなら、その時間を大切にします。
すぐに読めない場合は、「夕食のあとに読もう」「この用事が終わったら一冊読もう」と、できる範囲で伝えます。
約束した時刻に難しくなったときは、無理をせず「今日は疲れたから、明日読もう」と説明しても構いません。
読み聞かせは1日何冊がよい?
おすすめの冊数は、子どもの年齢だけでなく、本の長さやその日の様子によって変わります。
短い赤ちゃん絵本を3冊読む日と、長い物語を途中まで読む日を、冊数だけで比べることはできません。
迷ったときは、まず1冊または1ページから始めてみましょう。
1冊を最後まで読まなくてもよい
子どもが途中で離れたら、その日はそこで終えて構いません。
「最後まで聞かないと意味がない」と引き止めると、絵本の時間が負担になる場合があります。
子どもがもう一度戻ってきたら、開いたページから再開できます。
同じ本を何度読んでもよい
3冊の違う本を読む代わりに、同じ本を3回読む子もいます。
内容を知っている安心感や、好きな言葉・絵をもう一度確かめる楽しさがあるのかもしれません。
大人が疲れる場合は、「今日は2回まで」「次は好きなページだけ」と決めて構いません。
▶ 絵本を何度も読むのはなぜ?同じ絵本ばかり選ぶ理由と親の対応
長い物語は「一冊」に数えなくてよい
幼年童話や児童書は、一度に読み切る必要はありません。
一章や場面の区切りでしおりを挟み、「続きは明日」にできます。
1冊を何日かかけて楽しむことも、読み聞かせの方法です。
読み聞かせは1日何分がよい?
読み聞かせに必要な時間も決まっていません。
5分で終わる日もあれば、会話をしながら20分以上楽しむ日もあります。
時間を延ばすことより、子どもの反応と読む大人の負担を見ながら終えることが大切です。
時間ではなく、子どもの様子を目安にする
次のような様子があれば、絵本を楽しんでいる可能性があります。
- 絵を見ている
- ページをめくる
- 好きな場面で笑う
- 絵を指差す
- 音や言葉をまねする
- 同じページへ戻る
- 読み終わってから本の話をする
静かに座っていることだけが、楽しんでいるサインではありません。
集中が切れたら終わってよい
周囲を見始める、別の遊びを始める、本を閉じるなどの様子が見られたら、いったん終わりにできます。
「あと○分」と続けるより、「今日はここまでにしよう」と短く伝えましょう。
読み聞かせに集中しないときの詳しい工夫は、こちらで紹介しています。
▶ 【読み聞かせのコツ7選】子どもが集中しない・すぐ飽きるときの楽しみ方
年齢別|冊数・時間にこだわらない楽しみ方
年齢は目安です。実年齢より簡単な本でも、本人が楽しめるなら今のその子に合った一冊です。
| 年齢の目安 | 楽しみ方 |
|---|---|
| 0~1歳頃 | 1ページや短い言葉から楽しむ。子どもが触ることも参加と考える |
| 2歳頃 | 指差し・動作・ページめくりを楽しむ。最後まで読まなくてもよい |
| 3~4歳頃 | 短い物語や繰り返しを楽しむ。ごっこ遊びへ広がってもよい |
| 5~6歳頃 | 少し長い物語を途中で区切る。言葉遊びや図鑑も選択肢にする |
| 小学生頃~ | 一人読みを急がず、交代読みや一章ずつの読み聞かせも続ける |
年齢別のおすすめ絵本は、こちらの記事から探せます。
子どもが絵本を聞かない日はどうする?
読み始めても、子どもがすぐ離れる日があります。
その日の気分だけでなく、本の長さや題材が今の興味に合っていない、体を動かしたい、眠い、空腹など、さまざまな理由が考えられます。
子どもが開いたページから楽しむ
順番どおりに読まず、子どもが開いたページの絵を一緒に見ても構いません。
本文をすべて読まず、「犬がいたね」「大きいね」と短い言葉を添える方法もあります。
本を2冊ほど見せて選んでもらう
本棚から一冊を選ぶことが難しい子には、選択肢を少なくします。
選ばなかった場合は、その日は読まなくても大丈夫です。
読む時間を変える
寝る前に嫌がる場合は、朝、帰宅後、入浴前、休日の昼間などへ移せます。
寝る前に読むと興奮したり、なかなか眠れなかったりするときの工夫はこちらで紹介しています。
▶ 寝る前の読み聞かせは何歳まで?眠れない・興奮するときの絵本の選び方
絵本に興味を示さない時期があってもよい
乗り物、恐竜、生き物、食べ物など、本人が好きな題材を入口にできます。
絵本ではなく、写真図鑑や探し絵から興味が広がる子もいます。
▶ 絵本に興味がない子へ|嫌がる・投げる・すぐ離れるときの工夫
読み聞かせが続かないときの7つの工夫
1.目標を「毎日」から「読める日」に変える
毎日できなかったことを数えるより、読めた時間を大切にします。
週に何回と決めず、子どもが持ってきたときや大人に余裕があるときに読む方法もあります。
2.短い本を手に取りやすい場所へ置く
読み聞かせのために準備することが負担なら、リビングや寝室など、手に取りやすい場所へ数冊置きます。
小さな子どもが自分で取る場合は、本棚や収納の安全も確認してください。
3.一冊ではなく、一場面だけ読む
お気に入りの場面や見開きだけでも構いません。
「今日はここだけ」と決めると、読む大人の負担も軽くなります。
4.家族と交代する
毎回同じ人が読む必要はありません。
家族が読める日は交代し、それぞれの読み方を楽しみましょう。
5.子どもと交代で読む
ひらがなが読める子には、せりふや短い部分だけ読んでもらう方法があります。
読めない文字を教える時間にせず、本人が読みたいときだけ任せてください。
6.冊数の上限を先に決める
何冊も求められて負担になる場合は、「今日は2冊まで」と読み始める前に伝えます。
終わる直前に「これが最後の一冊だね」と予告すると、切り替えやすい子もいます。
7.読まない日を認める
大人や子どもが疲れている日は、読み聞かせを休んでも構いません。
「今日は読めなかった」と反省する必要はありません。また楽しめる日に開きましょう。
発達が気になる子と読むときの工夫
発達が気になる子の読み聞かせも、診断名や年齢だけで冊数・時間を決める必要はありません。
今の興味、理解しやすさ、苦手な刺激に合わせて調整します。
- 登場人物が少ない本から試す
- 同じ本を繰り返して見通しを持ちやすくする
- 文章を短くし、絵を中心に見る
- 2冊から選んでもらう
- 指差し・視線・表情・身ぶりも参加として受け止める
- 終わる前に「あと1ページ」と伝える
- 大きな声や触れ合いを嫌がる場合は無理に演じない
- 怖い場面や情報量の多い絵を嫌がったら途中でやめる
言葉を言わせたり、正しい感想を答えさせたりすることを目的にしなくて大丈夫です。
絵本は、親子で同じものを見る方法の一つです。
言葉・聞こえ方・視線・生活面などについて心配がある場合は、読み聞かせだけで解決しようとせず、健診、小児科、園・学校、地域の相談窓口なども利用してください。
親が疲れて読みたくないときは?

読み聞かせがよいと分かっていても、毎日読む余裕がないことはあります。
仕事や家事のあとに何冊も読むことがつらいと感じても、親として不十分なわけではありません。
次のように調整して構いません。
- 「今日は一冊だけ」と伝える
- 一番短い本を選ぶ
- 好きなページだけ読む
- 子どもが絵を見る横に座る
- 家族に交代してもらう
- 読まずに会話や触れ合いの時間にする
- 今日は休み、翌日読む
読み聞かせを続けるために、大人が無理をし続ける必要はありません。
親子が「少し楽しかった」と思える量で終えることを大切にしましょう。
よくある質問
読み聞かせは毎日しないと効果がありませんか?
毎日読めないからといって、読み聞かせに意味がなくなるわけではありません。
読める日に、親子が無理なく楽しめる範囲で構いません。
1日1冊でも少ないですか?
少ないとはいえません。
1冊の長さや子どもの楽しみ方は異なります。1ページや好きな場面だけの日があっても大丈夫です。
1日に何分読めばよいですか?
決まった時間はありません。
5分程度で終わる日も、長い物語をゆっくり読む日もあります。子どもの集中と読む人の負担に合わせてください。
たくさん読んだ方が言葉や学力が伸びますか?
冊数を増やせば、必ず言葉や学力が伸びるとはいえません。
知識を覚えさせることだけを目的にせず、物語や絵を一緒に楽しむ時間として取り入れましょう。
読み聞かせの途中で質問した方がよいですか?
質問は必須ではありません。
問いかけを楽しむ子もいますが、負担に感じる子もいます。子どもが自分から話したときに耳を傾けるだけでも構いません。
同じ絵本を毎日読んでもよいですか?
問題ありません。
内容を知っている安心感や、好きな場面を待つ楽しさがあります。読む大人が疲れる場合は、回数を決めても構いません。
読み聞かせは何歳まで続ければよいですか?
決まった卒業年齢はありません。
子どもが自分で読めるようになっても、本人が望み、親子が楽しめるなら続けられます。
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まとめ|読み聞かせは冊数より、親子が無理なく楽しめることを大切にしよう
読み聞かせに「毎日必ず」「1日○冊」「○分以上」という決まりはありません。
1冊を読み切れない日や、同じページだけの日、まったく読まない日があっても大丈夫です。
続けることが負担になったときは、次の方法を試してみてください。
- 1冊または1ページだけ読む
- 子どもが選んだ本を読む
- 同じ本の繰り返しを受け入れる
- 長い本は途中で区切る
- 家族や子どもと交代で読む
- 冊数の上限を先に決める
- 読まない日があってもよいことにする
たくさん読むことより、子どもと大人の両方が無理なく絵本を開けることが大切です。
「今日は一緒に一場面を見られた」「少し笑えた」という時間も、親子の読み聞かせです。
家庭に合った頻度・冊数・時間で、絵本を楽しんでみてください。
参考資料
※調査結果は、読み聞かせの理想的な回数や時間を示すものではありません。各家庭の実態を知るための参考として掲載しています。