「寝る前に絵本を読んでも、なかなか眠らない」
「面白い絵本を読むと、かえって興奮してしまう」
「寝る前の読み聞かせは、何歳まで続ければよいの?」
そんな悩みはありませんか?
わが家には、ASD・ADHD・DCD・吃音のある小学生と、4歳の子どもがいます。
私は児童発達支援アドバイザーの資格を持ち、家庭でも子どもの興味やその日の様子に合わせた読み聞かせを試してきました。
わが家でも、寝る前に絵本を読んだからといって、いつもすぐに眠ったわけではありません。
物語が面白くて話が止まらなくなったり、「もう一回」と何度も読みたがったりする日もありました。
この記事では、寝る前の読み聞かせを何歳まで続けられるのか、眠らない・興奮するときはどう調整すればよいのかを紹介します。
寝る前に選びやすい絵本の特徴や、発達が気になる子と楽しむ工夫もまとめました。
※読み聞かせは、子どもの入眠や睡眠時間を保証するものではありません。眠りについて強い心配がある場合は、絵本だけで解決しようとせず、小児科などへ相談してください。
結論|寝る前の読み聞かせは、子どもが望む間は何歳まで続けてもよい

寝る前の読み聞かせに、決まった卒業年齢はありません。
子どもが自分で文字を読めるようになっても、大人に読んでもらうことで、文字を追うことに力を使わず物語を楽しめます。
小学生になっても、親子が無理なく楽しめているなら続けて構いません。
一方で、寝る前に読めば必ず眠くなるわけでもありません。
読み聞かせは「子どもを眠らせる方法」と決めつけず、眠る前の時間を落ち着いて過ごす選択肢の一つとして考えると、親子の負担を減らしやすくなります。
| 困っていること | 最初に試したいこと |
|---|---|
| 読んでも眠らない | 消灯直前ではなく、少し早い時間に読む |
| 面白い本で興奮する | 短くて展開を知っている本を選ぶ |
| 「もう一回」が終わらない | 読む前に「今日は2冊」と決める |
| 質問や会話が止まらない | 話したい本は日中に回し、寝る前は短く読む |
| 長い本を読み切れない | しおりを挟み、続きは翌日にする |
| 大人が疲れている | 1ページだけにする、読まない日をつくる |
| 子どもが読みたがらない | 無理に誘わず、別の時間に楽しむ |
「読んだのに眠らない」と考えるより、その子が落ち着きやすい時間・本・読み方を探してみましょう。
寝る前の読み聞かせは何歳まで?
乳幼児期|短い言葉や繰り返しを楽しむ
赤ちゃんや小さな子どもは、物語を理解することだけでなく、大人の声を聞く、絵を見る、ページに触れることでも絵本を楽しめます。
最後まで読めなくても問題ありません。
寝る前に機嫌が悪くなる場合は、入浴後や夕食後など、少し早い時間に移しても構いません。
3~6歳頃|好きな物語を親子で楽しむ
好きな登場人物や物語が増えると、「もう一回」と繰り返し読みたがることがあります。
同じ絵本を選ぶことは珍しいことではありません。展開を知っている本は、安心して楽しみやすい一冊になる場合もあります。
ただし、冒険やユーモアのある本で会話が弾み、眠る準備から遊びへ切り替わる子もいます。
その場合は、本を変えるだけでなく、読む時間を少し早める方法もあります。
小学生以降|一人読みと読み聞かせを両方楽しめる
自分で読めるようになっても、読み聞かせをやめる必要はありません。
- 大人と交代で読む
- せりふだけ子どもが読む
- 長い物語を一章ずつ読む
- 子どもが自分で読んだ本について話す
など、成長に合わせて楽しみ方を変えられます。
子どもが一人で読みたいときは、その気持ちも尊重しましょう。
読み聞かせを始める年齢や卒業時期について詳しく知りたい方は、こちらの記事で紹介しています。
寝る前に絵本を読んでも眠らない・興奮するのはなぜ?
寝る前に興奮する理由は、一つとは限りません。
- 物語の続きが気になっている
- 面白い場面をもう一度見たい
- 怖い絵や場面が気になっている
- 大人との会話をもっと続けたい
- 声色や身ぶりが遊びの合図になっている
- まだ眠くない時間に布団へ入っている
- 部屋の明るさ、音、暑さなどが気になる
- その日の出来事を思い出して話したくなった
楽しそうに話しているなら、絵本が失敗だったわけではありません。
寝る前には刺激が強いと感じた本を、翌日から日中に読む本へ移すだけでも調整できます。
また、眠れない原因をすべて絵本に求める必要もありません。生活リズムや寝室の環境なども含め、その子の様子を見てください。
寝る前に選びやすい絵本の6つの特徴
1.何度か読んだことがある
展開を知っている絵本は、「次に何が起きるか分からない」という緊張が少なく、落ち着いて楽しめる場合があります。
同じ本ばかり読みたがる理由と対応については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
▶ 絵本を何度も読むのはなぜ?同じ絵本ばかり選ぶ理由と親の対応
2.短く、終わりが分かりやすい
寝る前は、読み終わるまでに時間がかかる本より、親子が無理なく終えられる長さの本が選びやすいでしょう。
長い物語を選ぶ場合は、一章や場面の区切りまで読み、「続きは明日」にする方法があります。
3.言葉や展開が穏やか
静かな言葉の繰り返しや、ゆっくり進む物語を好む子もいます。
ただし、穏やかな本なら全員が眠くなるわけではありません。子どもの反応を見ながら選んでください。
4.怖さが強すぎない
おばけや冒険を楽しめる子でも、暗い部屋では怖さが強くなることがあります。
「この本は昼に読みたい」と言う場合は、寝る前に読むことへこだわらなくて構いません。
5.絵の情報量がその子に合っている
細かな絵を探すことが好きな子もいれば、寝る前は情報量の少ない絵を好む子もいます。
人気や対象年齢だけでなく、読み終わったあとの様子も選ぶ手がかりになります。
6.子どもが自分で選べる
大人が2冊ほど見せ、「今日はどちらにする?」と選んでもらう方法があります。
選択肢が多いと迷う子には、本棚全体から選ばせるより、数を少なくすると決めやすくなります。
寝る前の読み聞かせを楽しむ7つのコツ
1.眠る直前より少し早めに始める
消灯直前に読むと興奮する場合は、就寝準備を始める少し前に移します。
例えば、歯磨きの前にリビングで読む、布団へ入る前に一冊読むなど、読む場所と眠る場所を分けても構いません。
時間は家庭によって異なります。毎日同じ時刻に厳密に合わせるより、続けやすい流れを探してみてください。
2.読む冊数や終わりを先に伝える
読み始める前に、「今日は1冊」「この本が終わったら電気を消そう」と伝えます。
終わる直前にも「あと1ページだね」と知らせると、切り替えやすくなる子もいます。
3.毎日の流れをできる範囲でそろえる
「歯磨き→絵本→消灯」のように、大まかな順番を決める方法があります。
予定どおりにできない日があっても問題ありません。家族が続けられる程度の簡単な流れで十分です。
4.声色や身ぶりを控えめにしてみる
大きな声や演じる読み方で元気になる子には、少し静かな声とゆっくりした速さを試します。
反対に、いつもどおりの読み方を好む子もいます。「寝る前は必ず小声」と決めず、安心できる声量に合わせてください。
5.質問を続けすぎない
「次はどうなる?」「この子はどんな気持ち?」と質問が続くと、考えたり話したりすることに夢中になる場合があります。
寝る前は質問を減らし、子どもが話したときだけ短く応じてもよいでしょう。
感想を言わせる必要もありません。
読み聞かせ中の質問を減らしたいときや、答えを求めない声かけを知りたい方は、こちらもご覧ください。
6.興奮したら、翌日から読む時間を変える
笑ったり話したりして眠れなくなっても、叱る必要はありません。
その日は短く終え、次から同じ本を夕方や休日の日中に楽しみます。
「寝る前に向かない本」ではなく、「わが家では昼に楽しみやすい本」と考えると選択肢を狭めずに済みます。
7.読まない日があってもよい
読み聞かせは毎晩の宿題ではありません。
子どもや大人が疲れている日は、表紙を見るだけ、1ページだけ、今日は読まないと決めても構いません。
無理をして続けるより、親子が楽しめる日に読むことを大切にしましょう。
読み聞かせ中に集中しないときの工夫は、こちらの記事でも紹介しています。
▶ 【読み聞かせのコツ7選】子どもが集中しない・すぐ飽きるときの楽しみ方
寝る前に興奮してしまったときの対応
絵本を読んで興奮したときは、「早く寝なさい」と急に終わらせるより、終わりを短く伝えます。
- 「楽しかったね。続きは明日読もう」
- 「今日はここまでにしよう」
- 「話したいことは明日また聞かせてね」
と伝え、本を閉じます。
そのあと、照明を暗くする、静かな音量にするなど、いつもの就寝準備へ戻します。
体を動かす遊びやごっこ遊びに広がった場合は、翌日の日中に続きを楽しむ約束をしてもよいでしょう。
一度興奮したからといって、読み聞かせ自体をやめる必要はありません。時間・本・読み方のどれか一つを調整してみてください。
年齢別|寝る前の読み聞かせの楽しみ方
| 年齢の目安 | 楽しみ方 |
|---|---|
| 0~1歳頃 | 短い言葉や絵を少しだけ楽しむ。眠そうなら途中で終える |
| 2~3歳頃 | 2冊ほどから選んでもらい、同じ本の繰り返しも受け入れる |
| 4~6歳頃 | 会話が広がる本は早めの時間に読み、寝る直前は短い本にする |
| 小学生頃~ | 長い物語を一章ずつ読む。一人読みと読み聞かせを組み合わせる |
これは決まりではありません。
対象年齢より簡単な本でも、子どもが安心して楽しめるなら、寝る前の一冊として選べます。
年齢別の絵本を探したい方は、こちらをご覧ください。
発達が気になる子と寝る前に読むときの工夫

発達が気になる子の就寝準備も、診断名だけで方法を決める必要はありません。
見通しの持ちやすさや、苦手な音・光・触れ方に合わせて調整します。
絵や写真で順番を示す
「トイレ→歯磨き→絵本→消灯」の順番を、文字や簡単な絵で示す方法があります。
すべてを細かく書かず、子どもが確認しやすい数に絞りましょう。
同じ順番や同じ本を取り入れる
毎日違う本より、慣れた本を繰り返す方が安心しやすい子もいます。
一方で、同じ本を嫌がる子には、新しい本を2冊から選んでもらう方法があります。
終わりを予告する
「あと2ページ」「この本が終わったらおしまい」と、切り替えの前に伝えます。
言葉だけでは分かりにくい場合は、しおりや「おしまい」のカードを使っても構いません。
音・光・姿勢を調整する
大きな声を嫌がる場合は小さな声で読み、暗すぎることを怖がる場合は手元が見える明るさを確保します。
布団で横になることにこだわらず、座って読む、少し離れて聞くなど、その子が落ち着きやすい姿勢を探してください。
触れ合いを無理に求めない
膝に乗る、抱きしめるといった触れ合いを好まない子もいます。
隣に座る、少し離れて同じ本を見るだけでも、読み聞かせの時間を共有できます。
寝る前の読み聞かせが親の負担になったときは?
毎晩何冊も求められると、読む大人が疲れることもあります。
そのようなときは、次のように調整して構いません。
- 「今日は1冊まで」と先に伝える
- 長い本ではなく短い本を選ぶ
- 1ページずつ交代で読む
- 家族と読む日を分担する
- 子どもが絵を見るだけの日にする
- 読み聞かせを休む日をつくる
大人が無理をし続ける必要はありません。
「今日は疲れているから一冊にしよう」と伝えることも、家庭で無理なく続けるための調整です。
絵本だけで様子を見ず、相談した方がよい場合
寝つくまでの時間や夜中に目を覚ますことには個人差があります。
ただし、次のような様子が続き、本人や家族の生活に影響している場合は、小児科などへ相談してください。
- 大きないびきが続く
- 寝ている間に呼吸が止まるように見える
- 苦しそうな呼吸や息づかいがある
- 眠れない状態が長く続いている
- 日中の強い眠気や生活への影響がある
- 家庭だけでは対応が難しく、保護者の負担が大きい
睡眠の様子を相談するときは、寝た時刻、起きた時刻、夜中に起きた回数、いびきの有無などを数日記録しておくと、状況を伝えやすくなります。
よくある質問
寝る前に絵本を読めば、眠くなりますか?
必ず眠くなるとは限りません。
読み聞かせは、就寝前を穏やかに過ごす方法の一つです。物語が面白くて目が覚める子もいるため、その場合は読む時間や本を変えてみてください。
寝る前の読み聞かせは何分、何冊がよいですか?
決まった時間や冊数はありません。
親子が負担なく終えられる量を選びましょう。「1冊」「この章まで」と先に決めても構いません。
読み聞かせ全体の頻度や、毎日読めないときの考え方はこちらで紹介しています。
▶ 読み聞かせは毎日必要?1日何冊・何分?続かないときの考え方
同じ絵本ばかりでも大丈夫ですか?
問題ありません。
内容を知っていることが安心につながり、落ち着いて楽しめる場合があります。読む大人が負担に感じるときは、回数や冊数を決めましょう。
面白い絵本や冒険の本は、寝る前に読まない方がよいですか?
一律に避ける必要はありません。
読んだあとも落ち着いて眠れる子もいます。会話や遊びが止まらなくなる場合は、その本を日中に移してみてください。
スマートフォンやタブレットで読んでもよいですか?
紙の本を使えるなら、画面の光や通知を避けやすい利点があります。
端末で読む場合は、通知を切る、明るさを抑える、動画やゲームへ移らないようにするなど、寝る準備を妨げにくい使い方を考えましょう。
一人で読めるようになったら、読み聞かせは卒業ですか?
卒業する必要はありません。
子どもが望むなら、小学生以降も続けられます。交代で読む、一章ずつ読むなど、年齢に合わせて変えて構いません。
子どもが寝る前の絵本を嫌がります
無理に読む必要はありません。
夕方や休日の昼間など、別の時間に楽しめます。絵本に興味を示さないときの選び方は、こちらの記事でも紹介しています。
▶ 子どもが絵本に興味を示さないのはなぜ?年齢別の理由と楽しみ方
年齢や悩みから、ほかの絵本記事を探す
1歳~6歳の年齢別絵本に加えて、発語・感情・自己肯定感・友達関係・生活習慣など、テーマ別の記事をまとめています。
年齢別におすすめ絵本をまとめて比較したい方はこちらをご覧ください。
▶ 【年齢別】1歳~5歳におすすめの絵本15選|選び方・読み聞かせのコツ
小学校入学前後に楽しめる絵本・児童書はこちらで紹介しています。
▶ 【6歳】おすすめ絵本・児童書11選|小学校・友達・考える力を楽しむ本
まとめ|寝る前の読み聞かせを「眠らせるための宿題」にしなくて大丈夫
寝る前の読み聞かせに、決まった卒業年齢はありません。
子どもと大人の両方が楽しめるなら、小学生以降も続けて構いません。
一方で、絵本を読んだからといって必ず眠くなるわけではありません。
眠らない・興奮するときは、次のような工夫ができます。
- 読む時間を少し早める
- 短く、慣れた本を選ぶ
- 冊数と終わりを先に伝える
- 質問や大きな身ぶりを減らしてみる
- 興奮する本は日中に楽しむ
- 長い本は途中で区切る
- 読まない日があってもよいことにする
寝る前に一冊を読み切ることより、親子が無理なく一日を終えられることが大切です。
その子に合う時間・本・読み方を探しながら、「少し楽しかった」「また明日読もう」と思える時間にしてみてください。
参考資料
- 厚生労働省|睡眠対策
- 厚生労働省|健康づくりのための睡眠ガイド2023(PDF)
- HealthyChildren.org|Brush, Book, Bed: How to Structure Your Child’s Nighttime Routine
- NHS|Sleep and young children
※睡眠時間や生活リズムには個人差があります。体調や睡眠について心配がある場合は、医療機関などへご相談ください。